今回デルの【Inspiron 13 5000[5320]】をお借りしました。ハイクオリティ・低価格・高コスパで人気の13インチモバイルノートをチェックしてみましょう。
スペック
※2023年2月16日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
外観
美しいアルミボディ
基本的な造りは前モデルを踏襲しています。
ミドルクラスモデルながらクオリティが高く、ボディの素材にはアルミニウムを採用しています。金属ボディということで、とてもタフ。モバイルノートとの相性も良く、持ち運びも安心です。
デザインは、デルらしく機能美重視。
クセの無いプレーンボディは、余計な装飾を極力省き、とてもシンプル。ヒンジ部分や四隅をラウンドフォルムにすることで、優しいイメージに仕上げています。
また、見た目の美しさもポイント。表面は非光沢の梨地加工が施され、金属の高い質感も相まって、高級感を感じさせます。クールなプラチナシルバーとの相性もバツグンで、洗練された印象を受けますね。
ちなみに、タッチパッドの周囲はダイヤモンドカット加工できれいに装飾する芸の細かさ。ミドルクラスらしからぬ、高いクオリティを実現しています。
コンパクト&軽量ボディ
ボディのサイズは、携帯性と視認性のバランスに優れた13インチで、モバイルノートではまずおすすめ。
ディスプレイのベゼル(ふち)をスリム仕様にすることで、横幅と奥行きを圧縮。
A4ファイルサイズとは比べるまでもなく、A4用紙サイズのコンパクトボディを実現しています。
また、厚さも最薄部で14.35mmとスリムなので、かばんにサッと収納できます。コンパクト&スリムボディということで、重さは実測で1215gと非常に軽く、持ち運びもラクラクです。
ちなみに、スタンダードノートで1.2kg台前半というのは、かなり軽い部類に入ります。ボディの重さをあまり感じなくなり、1.3kg台とは全くの別物ですね。
リフトアップヒンジ搭載
機能面もしっかり考えられており、”リフトアップヒンジ”を搭載しています。リフトアップヒンジとは画面を開いたときに、ボディがせり上がるギミックのこと。
適度な傾斜ができるためタイピングしやすくなるほか、接地面とパソコンの間にすき間が空くことで、給排気がスムーズになり、冷却能力もアップします。
なお、新モデルではヒンジ部分にゴム足をつけたスタイルとなり、一体成型の前モデルより野暮ったくなってしまったのは残念。。
最新規格のインターフェース
コンパクト&スリムな13インチですが、インターフェースのラインナップはしっかりポイントをおさえています。
USBは全3ポートと標準的な数を搭載。そのうち左サイドのType-Cポート2基は、最大10Gbpsの高速転送が可能な”USB 4”で、さらに40Gbpsの超高速転送ができる”Thunderbolt4”にも対応する最新規格となっています。
そのほか、通常タイプのType-Aポートも2基用意されているので、あらかたの周辺機器を接続できます。
そのほかHDMIポートも搭載し、普段使いで必要なものは一通りそろっています。欲を言えば、microSDスロットもあればよかったですね。
安心のセキュリティ機能
Inspironシリーズではおなじみ、カメラ部分にプライバシーシャッターを装備しています。デバイス機能のON/OFFではなく、物理的にシャットアウトするのでとても安心ですね。
さらに、電源ボタンには指紋認証センサーを内蔵しているのもポイント。生体認証のためログインパスワードより安全。また、ログインの際わざわざパスワード入力することなく、とてもスムーズ。予算に余裕があればどうぞ。
ディスプレイ&キーボード
IPSパネル搭載
ディスプレイはコンパクトな13.3インチサイズです。
ディスプレイの解像度はWUXGA(FHD+・1920×1200)、ディスプレイ比率は16:10と、最近はやりのスタイル。主流のフルHD(16:9タイプ)よりもやや縦長なので、一度に表示できる情報量が多く、スクロールの手間が省けるのは便利ですね。
このモデルでは、TÜVの”Eyesafe認証”を受けた、目に優しいブルーライト低減パネルを搭載しているのがポイント。
液晶パネル自体がブルーライトを低減するので、別途フィルムを用意したり、ディスプレイの発色を変えたりする必要がありません。自然な発色と目の疲れにくさを両立した、優れたパネルとなっています。
パネルは変わらずIPSパネルを採用しています。優れた発色と高いコントラストで、映像クオリティはかなり高く、動画鑑賞などにも最適。視野角も広いので、横から覗いても色むらはほとんどありません。
なお、参考までにパネル(CMN13C5)の詳細をチェックしてみると、スタンダードモデルながら色域が広めで、sRGB 100%となっています。さすがにプロ向けではありませんが、動画や画像編集にも最適。
完成度の高いキーボード&タッチパッド
横幅の狭いコンパクトモデルということで、テンキーレスキーボードを採用。なお、キーボード面や底部は、渋めのタイタングレーとなっています。
横幅を限界ギリギリまで活用し、ゆとりある配置を実現。
ファンクションキーを含め、各キーは大きめに造られています。連結キーこそあるものの、配置そのものは素直なので、基本的に誤爆の心配はありません。なお、電源ボタンはキーボード右上に配置されていますが、他のキーよりも固めなので、うっかり押しても安心です。
なお、ファンクションキーの内容は、いたってオーソドックスなラインナップですね。ファンクションロック機能を搭載してるのは、地味ながら便利。
キーピッチにもゆとりがあり、約19mmとデスクトップキーボード並みの間隔をしっかり確保。
キーストロークはやや深く、適度な反発も相まって、打鍵感を味わいながらタイピングできます。なお、キーボード面の剛性は普通レベルで、こればかりは価格なりといったところですね。
もちろん、トレンドの白色LEDをバッチリ内蔵しています。薄暗い場所でのタイピングに便利なだけでなく、見た目の華やかになり、まさに一石二鳥。ふわっとした上品な光り方もグッド。
なお、LEDは2段階の明るさに設定でき、もちろんOFFにも設定可能。LEDが苦手という方でも安心です。
スムーズなタッチパッド
タッチパッドはオーソドックスな一体型のタイプを採用しています。
表面はサラサラした材質で、カーソル操作は非常にスムーズ。クリックボタンはやや押し込む必要があるものの、クリック音は静かで、バタつきもなく、しっかり造り込まれています。
一体型だとどうしても建て付けのイマイチなボタンが多いですが、しっかり造り込まれているのは好印象。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。
CPUはインテル第12世代の6コア8スレッドCPU・Core i3-1215Uを搭載しています。
最新世代では設計を一新し、高性能の”P-コア”と省エネの”E-コア”を搭載した、Wコア構成を採用。タスクに応じて、各コアを使い分け、場合によっては両者を併用することで、効率よく処理できるのが強みです。もちろん、コアの性能も向上しており、コア・スレッド数の増加も相まって、非常に高いパフォーマンスを発揮します。
ちなみに、ノート用の第12世代CPUには、Hシリーズ・Pシリーズ・Uシリーズの3タイプがあり、一番下位のグレードとなります。
参考までに、上位モデルに搭載されているのCore i5-1240P(12コア16スレッド)と比較してみると、シングル性能は約8%、マルチ性能は約36%ほど下回っています。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)・RT(Port Royal)それぞれの条件で測定することができます。
内蔵グラフィックは、スタンダードの”UHD Graphics”を搭載。Core i5-1235Uなどに搭載されている上位の”Iris Xe Graphics”に比べ、約30%ほど性能が低くなっています。
総合スコア | Graphics Score |
CPU/Physics Score |
Combined Score |
|
Time Spy | 1180 | 1037 | 5451 | ー |
Night Raid | 13129 | 14398 | 8756 | ー |
Fire Strike | 3168 | 3377 | 14904 | 1198 |
Sky Diver | 10480 | 9973 | 13300 | 11193 |
Cloud Gate | 16905 | 20866 | 10158 | ー |
Ice Storm | 81005 | 85951 | 67427 | ー |
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測る定番ソフトです。
ブラウジングや各種編作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、スコア4000後半の高いスコアをマーク。2コア4スレッド時代から大きく進化しており、ブラウジングやオフィス作業などの軽作業はもちろん、動画・画像編集にもしっかり対応できます。
なお、Core i5-1240Pとは、総合スコアで約9%差となっていますが、編集系のテストでは最大40%もの差がついています。普段使いであればCore i3でも十分ですが、各種編集作業でも使うなら、Core i5-1240Pがおすすめです。
TMPGEnc Video Mastering Works 7
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。結果は秒で表記しています。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・QSVでエンコードしています。なお、QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i3-1215U | 2185 | 1071 | 189 |
Core i5-1240P | 1387 | 710 | 193 |
まず軽めのH.264ですが、CPU勝負のソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では、コア・スレッド数の多いCore i5-1240Pが有利で、約34~37%もの差をつけています。
一方QSVでは、両者の差は約2%とほぼ互角です。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i3-1215U | 3652 | 1845 | 252 |
Core i5-1240P | 2648 | 1314 | 238 |
重量級のH.265でも同じような傾向ですね。両者の差は、ソフトウェアエンコードで約27~29%と大きく、QSVでは約6%と小さめです。
Lightroom Classic CC
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。結果は秒で表記しています。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Core i3-1215U | 36 | 157 |
Core i5-1240P | 26 | 179 |
このテストもCPU勝負ですが、形式によって結果が異なり、軽めのDNG変換ではCore i5-1240PがCore i3-1215Uよりも約28%早く変換を完了しています。一方、重量級のJPG変換ではCore i5-1235Uが逆転し、約13%差をつけています。
一部例外はあるものの、編集用途でガッツリ使うなら、コア・スレッド数の多く、動作クロックも高いCore i5-1240Pがおすすめ。
ドラクエ10
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
WXGA | 6427 | 7412 | 7334 |
WUXGA | 5056 | 6130 | 6075 |
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
UHD Graphicsなのでゲーム性能は最低限。WUXGAでは標準品質でスコア5500をクリアします。
FF14(ファイナルファンタジー14 暁月の終焉)
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
WXGA | 5267 | 7173 | 9514 |
WUXGA | 2757 | 3960 | 5950 |
知名度バツグンの国内産MMORPGですね。スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。現行のゲーミングPCであれば、フルHD・最高設定でスコア9000をしっかり超えたいところ。
このクラスのゲームには全く歯が立たず、WUXGAではスコア9000をクリアできません。ただ、WXGAでスコア9000オーバーというのは驚異的。以前のUHD Graphicsからしっかりしているのはたしかです。
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは、256GB SSDを搭載しています。動画や画像などかさばるデータ類を多く保存するには物足りないですが、基本的には256GBあればOK。もちろん、SSDは通常タイプよりも4~5倍速いNVMeタイプのSSDで、Western Digital製となっています。
肝心の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書き速度はいずれも4ケタ、一部4000MB/s以上をマーク。また、ランダムもしっかり速度が出ており、トータルでは中の上クラスのNVMe SSDといったところです。
もちろん、実際の使用感はSSDらしくとても快適。OSの起動からブラウジング、各種アプリの動作にいたるまでサクサク動きます。
温度
CINEBENCH R23実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
温度の限界まで性能を引き出す動作システムとなっており、ピーク時で100℃台手前、動作クロックも3.6~3.7GHzとかなり高めをキープしています。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ
50デシベルが目安となりますが、なんとピーク時で55.4デシベルをマーク。ゲーミングノート顔負けのレベルですが、耳障りな甲高いノイズが控えめなので、数値ほどうるさく感じません。
ちなみに最小時では46.9デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:バランス、最適化、より良いバッテリー
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約12時間40分と、モバイルノートの目安となる10時間を大きく超え、出先先でも安心して使えます。ミドルクラスモデルでこの時間は素晴らしいです。
充実したユーティリティー機能
毎度おなじみのサウンドエンジン”Waves MaxxAudio Pro”が標準で搭載されています。イコライザーやサラウンド機能など必要なものは一通り搭載されており、ご覧の通りかんたんに調整することができます。
なお、スピーカーの音質ですが、低音~高音までしっかり伸び、厚みのある音質で迫力があります。重低音のしっかり再現できるのはポイント高いです。さらに、サラウンドも効いており、臨場感があるのもいいですね。
そのほか、サポート機能も装備しており、”SupportAssist”機能では、ドライバのアップデートからハードのスキャンまでワンストップで実行できます。また、サポート窓口のアクセスのカバーし、万が一の場合でも安心です。
また、”電源マネージャ”では、PCの動作モードやバッテリーの充電設定を行うことができます。
まとめ
スタンダードモデルながら完成度はとても高め。アルミパネルを採用したボディは、バックライト付きキーボードや指紋認証センサー、Thunderbolt 4を搭載する充実ぶりです。また、ブルーライトカットディスプレイを標準装備しているのもポイント高いですね。
また、A4用紙レベルのコンパクトサイズに、1215gの軽量ボディで、携帯性はとても良好。13インチモバイルノートならまずおすすめ!
あわせて知りたい
3ステップでわかるノートPC+α
価格別おすすめノートPC
その他のおすすめモデルを価格&サイズごとにまとめました。
13インチ
持ち運びしやすいモバイルノート
5万円未満 | 5~10万円 | 10~15万円 | 15万円以上 |
ー | 開閉タイプ 2in1タイプ |
開閉タイプ 2in1タイプ |
開閉タイプ 2in1タイプ |
14インチ
持ち運び・据え置きの両方に対応する欲張りモデル
5万円未満 | 5~10万円 | 10~15万円 | 15万円以上 |
開閉タイプ | 開閉タイプ 2in1タイプ |
開閉タイプ 2in1タイプ |
開閉タイプ 2in1タイプ |
15・16インチ
据え置きに最適なスタンダードモデル
5万円未満 | 5~10万円 | 10~15万円 | 15万円以上 |
開閉タイプ | 開閉タイプ 2in1タイプ |
開閉タイプ 2in1タイプ |
開閉タイプ 2in1タイプ |
17インチ
据え置きに最適な大画面モデル
5万円未満 | 5~10万円 | 10~15万円 | 15万円以上 |
ー | 開閉タイプ | 開閉タイプ | 開閉タイプ |