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HP OMEN Transcend 14をレビュー 圧倒的な価格の安さ!有機ELディスプレイを搭載した14インチゲーミングノート

今回はHPの【OMEN Transcend 14-fb0000】をお借りしました。低価格でバツグンのコスパを実現した14インチゲーミングノートをチェックしてみましょう。

目次

スペック

OMEN Transcend 14-fb0000(RTX 4060搭載)
カラーシャドウブラック
サイズW313×D233.5×H17.99mm
重量約1.63kg(実測1684g)
OSWindows 11 Pro
CPUCore Ultra 7 155H(16コア22スレッド・定格3.8/最大4.9GHz)
メモリ16GB(オンボード16GB・LPDDR5X-7647)
ストレージ1TB SSD(PCI-e NVMe Gen.4)
グラフィクスRTX 4060(GDDR6 8GB)
ディスプレイ14.0インチ、2.8K(2880×1800)、ハーフグレア、有機EL、120Hz、500nit、DCI-P3 100%
インターフェースThunderbolt 4 with USB Type-C 40Gbps ×1、
USB Type-C 10Gbps ×1、
SuperSpeed USB Type-A 10Gbps ×2、HDMI 2.1×1、マイク入力/ヘッドフォン出力×1
光学ドライブ×
カメラHP True Vision 1080p フルHD IR カメラ (約207万画素)
スピーカーHyperX オーディオコントロールデュアルスピーカー
キーボードフルカラー日本語キーボード(4ZONE RGBライティング)
Wi-FiIEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax
Bluetooth5.3
バッテリー最大8時間~
保証1年(最大3年)
価格298,098円229,799円(税込)
※2024年8月18日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
付属品

電源アダプタ(140W・414g)/電源ケーブル(105g)/ヘッドセット/各種マニュアル

外観

オールアルミボディ

上位モデルらしく、ボディはオールアルミ製となっています。

金属ボディなのでタフ…と思いきやそうではなく、樹脂製ボディとまではいかないものの、柔い感じで剛性はイマイチ。ディスプレイの開け閉めの際に、天板がややたわんでしまうのはマイナスポイントですね。。

デザイン面では丸みを帯びたフォルムや控えめなロゴなど、一般的なノートPCとそん色ない仕上がりで、使う人やシーンを選びません

底面はこんな感じ。

ヒンジ部分がせり出したボディは冷却機構が大きく造られ、底面から吸気し背面から排気する強力なエアフローを生み出し、とにかく熱くなりがちなゲーミングノートをしっかり冷やします。

持ち運びに最適な超軽量ボディ

ボディは14インチサイズとなっています。13インチよりも一回り大きい余裕のあるディスプレイを搭載し、それでいて持ち運びやすいということで、最近はやりのサイズです。

その大きさですが、ディスプレイのベゼル(ふち)をスリムにすることにより、横幅と奥行きを圧縮し、ほぼA4ファイルサイズ並みのコンパクトボディを実現。

さらに、2cm以下のスリムボディということもあり、カバンにサッと収納できます。

また、重くなりがちな高性能グラフィック搭載モデルにもかかわらず、重さは実測1684gと軽く、気軽に持ち運べます。

充実したインターフェース

インターフェースはなかなかの充実ぶり。

USBは全4ポートと、モバイルノートにしては多めに装備。新規格にもバッチリ対応し、背面のType-Cポートは、最大40Gbpsの高速転送が可能な”USB4”となっています。

Type-Cのほか、オーソドックスなType-Aポートも搭載しているので、様々な周辺機器に対応できます。

そのほか、映像出力端子としてHDMIポートを装備。かさばりがちな映像出力端子が背面にあるので、配線しやすいのはいいですね。

ディスプレイ&キーボード

有機ELディスプレイ搭載

ディスプレイは14.0インチきっかり。13.3インチよりも一回り大きく、ゆとりを感じさせますね。

ディスプレイのクオリティが非常に高く、なんと有機ELパネルを採用しています。最近話題の有機ELですが、黒の色味が液晶ディスプレイとは一味違います。まさに「漆黒」という感じ

黒さの理由は、有機ELでは画面の素子自体が光るのでバックライトが必要なく、コントラスト比が圧倒的に高い(100万:1)から。バックライトで画面を照らし出す通常の液晶ディスプレイでは、どうしても光が漏れてしまい、黒い画面が白っぽくなってしまいます。

一般的なパネルとの違いは一目瞭然。

ディスプレイの解像度は2.8K(2880×1800)とかなり高め。フルHDはおろか、WQHDよりもさらに高い解像度で、精細な映像を描写できます。上のイメージはWQXGAと比較したものですが、表示領域も広く、作業がよりはかどります。

また、ディスプレイ比率が16:10というのもポイント。主流の16:9タイプよりもやや縦長なので、一度に表示できる情報量が多く、スクロールの手間が省けるのは便利です。

なお、色域はDCI-P 100%のプロ向け仕様となっており、高解像度ディスプレイも相まって、動画や画像編集などクリエイティブ作業がよりはかどります。

もちろん、横から見ても色むらは全くナシ。

120Hz出力対応

トレンドはしっかり押さえており、高速の120Hzディスプレイを搭載しています。

1秒間に描写できる枚数は、通常の60Hzディスプレイの2倍になり、滑らかな描写性能でゲームのプレイ精度が上がります。最近主流の144Hz&165Hzには一歩及びませんが、有機ELディスプレイで120Hz出力というのは、かなり健闘していますね

完成度の高いキーボード

13インチ+αのコンパクトボディなので、テンキーレスキーボードを搭載しています。

基本的なキーは大きめに造られ、配置そのものもクセがなく素直。キーピッチも18.7mmと標準的な間隔が確保され、特に誤操作の心配もありません。ただ、キーピッチは一般ノートと同じく19mm、もう少し余裕が欲しいところです。

ちなみに、電源ボタンがキーボード内右上に配置されていますが、やや硬めになっているので、うっかり押しても大丈夫。

ファンクションキーの内容は標準的なものに加え、Windows・タッチパッドロックやシステムツールキーなどを装備し、便利なラインナップとなっています。

キーストロークは深めで、適度な反発感も相まって、しっかりした打鍵感・操作感でとても快適。また、キーボード面の剛性もすこぶる高く、まったくビクともしません

もちろん、キーボードにはフルカラーLEDを内蔵し、とても華やか。キーの周囲がスケルトン仕様のため、見栄えが非常にいいですね

キー単位での付属アプリにてカラーやアニメーションを変更できます。4ブロック別にカラーを変更でき、よく使うW・A・S・Dを目立たせることも可能です。

スムーズなタッチパッド

タッチパッドは、パッドとクリックボタンが一体化した、オーソドックスなタイプです。

タッチパッドの完成度は非常に高く、表面はサラサラした材質になっているので、カーソル操作は引っ掛かりがなくとても滑らか。パッドが大きめに作られているのもいいですね。

また、クリックボタンは軽い力で反応し、動作音もカタカタと小さく、操作感は◎。一体型は押し込まないと反応しないのもちらほらありますが、しっかり造りこまれているのは好印象です。

ベンチマーク

各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。

RTX 4060搭載

ゲームの要となるグラフィック機能(GPU)には、NVIDIAのRTX 4060(65W)を搭載。ミドルクラスのGPUで、フルHDで高いパフォーマンスを発揮します。

RTXシリーズでは、”RTコア”と”Tensorコア”を搭載しているのが特徴です。

RTコアは”レイトレーシング技術(RT)”に対応しており、反射・影・ライティングなどをリアルに再現可能。ゲームでのイメージを見てもわかるように、ON・OFFではだいぶ違います。

また、AI機能のTensorコアは”DLSSモード”に対応しており、低い解像度でレンダリングした映像をアップスケーリングし、さらにアンチエイリアスを最適化することで、フレームレートを大幅に向上させることができます。ゲームの快適性が目に見えて上がり、とても便利。

そのほか、RTXシリーズはOptiXにも対応しているのもポイント。Blenderなどの3DCG作成ソフトでは、RTコアを活用した高速レンダリングや、Tensorコアを活用した高速のノイズ除去機能を搭載し、ヘビーなCG作成作業で高いパフォーマンスを発揮します。

RTX 4000シリーズはDLSS 3&AV1エンコードに対応

RTX 4000シリーズは機能面がさらに強化され、DLSS 3&AV1エンコードに対応しています

DLSS 3というのは従来のDLSS 2の発展型で、GPUコアに内蔵された”Optical Flow Accelerator”を使い、映像のフレーム間に中間フレームを補完する技術のこと。アップスケーリング+フレーム補完で描写の負荷を大きく軽減し、フレームレートを大幅に上げることが可能です。

ウルトラヘビー級のゲーム・Cyberpunk 2077では、約4倍以上もパフォーマンスが向上するなど、RTX 3000シリーズに対し大きなアドバンテージとなっています。

CINEBENCH

まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト”CINEBENCH”で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。

CPUはインテルのCore Ultra 7 155H(16コア22スレッド)を搭載しています。新たに登場したCPUはネーミングを刷新し、従来の”Core i”から”Core Ultra”に変更されています。

CPUの設計にも手が加えられ、高性能の”P-コア”と省エネの”E-コア”を搭載した、従来のWコア構成をベースにしつつ、新たに”LP E-core”が追加されているのがポイント。これはE-コアをさらに省エネにしたもので、低負荷の作業では、さらに低電力で処理できるようになっています。

そのほかの新機能として、AI処理に特化した省電力エンジン(NPU)・Intel AI Boostを搭載。”Adobe Premiere Pro”のAI機能や”Stable Diffusion Web UI”などをお手軽に使うことができます。

参考までに、ワンランク下のCore Ultra 5 125H(14コア18スレッド)を比較してみると、シングルスコアは約3%、マルチスコアは約49%差がついています。

3DMARK

3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。

DirectX 11(Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)・DirectX 12 Ultimate(Speed Way)・RT(Port Royal)それぞれの条件で測定することができます。

TDPが65Wとかなり低いので、残念ながらRTX 4050並みの性能となっています。コンパクトモデルといえども90Wくらいは欲しかったところですね。

TotalGraphicsCPU/PhysicsCombined
Speed Way1935
Port Royal4429
Time Spy Extreme381836275446
Time Spy8119777310863
Night Raid439497331213442
Fire Strike Ultra49274764268422506
Fire Strike Extreme966410056252384359
Fire Strike19759214662616910062

FF14(ファイナルファンタジー14 黄金の遺産)

最高品質高品質標準品質
WUXGA120431553316131
WQXGA103631144411816
2.8K100531048910556

知名度バツグンの国内産MMORPGで、スコア9000以上で平均60fps以上をキープできます。

アップスケーリングのDLSSを有効にしていることもあり、2.8Kでもスコア10000オーバーと安定してプレイできます。基本的にフルHD(WUXGA)に最適な性能ですが、アップスケーリングを使えば高い解像度にも対応可能です。

Palworld(パルワールド)

測定条件

ゲーム設定:最高/高/中(DLSS”バランス”)

プレイモード:風立ちの丘を探索

平均(最低)fps最高
WUXGA81(53)fps80(51)fps79(50)fps
WQXGA65(42)fps66(47)fps75(52)fps
2.8K47(25)fps56(43)fps69(47)fps

やや重めのアクションゲーム。競技性は高くないので、スムーズにプレイできる平均60fpsをキープできればOK。

こちらもDLSSを使用しているためWQXGAでも平均60fpsをクリア。ただし、グラフィック負荷が高めなこともあり、2.8Kには力不足といったところです。

Cyberpunk 2077(サイバーパンク 2077)

測定条件

ゲーム設定:ウルトラ/高/中(RT”最高”)

プレイモード:市街地中心部を移動

平均(最低)fpsウルトラ
WUXGA60(59)fps60(58)fps60(59)fps
WQXGA54(46)fps58(54)fps60(59)fps
2.8K46(39)fps54(48)fps60(59)fps

ヘビー級のアクションゲームで、上限は60fpsとなります。

このゲームはDLSSが無いので地力が問われますが、平均60fpsをクリアできるのはWUXGAのみ。やはり高解像度でのプレイはDLSSのアシストが必要です。

RT

平均(最低)fpsウルトラ
WUXGA32(23)fps37(28)fps47(32)fps
WQXGA24(17)fps27(20)fps33(24)fps
2.8K20(16)fps25(18)fps26(21)fps

RT機能を有効にした際の結果ですが、元が重すぎるので全く歯が立ちません

Cyberpunk 2077(サイバーパンク 2077)

測定条件

ゲーム設定:ウルトラ/高/中(RT”ウルトラ・サイコ”/DLSS”バランス”)

プレイモード:市街地中心部を移動

平均(最低)fpsウルトラ
WUXGA110(94)fps127(99)fps143(129)fps
WQXGA67(63)fps82(78)fps89(86)fps
2.8K52(50)fps66(64)fps72(69)fps

現状では最強レベルとなるウルトラヘビー級のFPSゲーム。競技性は高くないので、スムーズにプレイできる平均60fpsをキープできればOK。

DLSS+フレーム補完が絶大な効果を発揮し、2.8Kでも高設定なら平均60fpsをクリアします。WUXGAでは120Hzディスプレイを生かせるほど。

RT+DLSS

平均(最低)fpsウルトラ
WUXGA74(68)fps75(69)fps76(70)fps
WQXGA45(41)fps46(41)fps47(43)fps
2.8K36(33)fps37(33)fps38(34)fps

RT機能とDLSS機能を同時に有効にした際の結果です。

グラフィック負荷があがるとパワー不足が顕著になり、WUXGAでようやく平均60fpsをクリア。高解像度でヘビー級のレイトレーシングは、さすがに荷が重いです。

Apex Legends(エーペックス レジェンズ)

測定条件

ゲーム設定:最高/低(fpsリミット解除)

プレイモード:射撃訓練場

平均(最低)fps最高
WUXGA168(128)fps228(181)fps
WQXGA126(97)fps149(110)fps
2.8K103(78)fps120(102)fps

標準的なグラフィック負荷のFPSゲームです。競技性が高いので、できれば平均100fps以上をキープしたいところ。

コンスタントに平均100fps以上をキープし、2.8Kでも設定次第では120Hzディスプレイを生かせます。このくらいのゲームなら余裕ですね。

Fortnite(フォートナイト)

測定条件

ゲーム設定:最高/高/中(アンチエイリアス”TAA”/DLSS”バランス”)

プレイモード:バトルロイヤル

平均(最低)fps最高
WUXGA127(101)fps148(104)fps155(108)fps
WQXGA90(76)fps114(96)fps134(112)fps
2.8K70(57)fps98(87)fps114(94)fps

やや軽めのFPSゲームです。競技性が高いので、できれば平均100fps以上をキープしたいところ。

最高設定がけっこう重いので、グラフィック品質とパフォーマンスを両立した高設定でのプレイがおすすめ。2.8Kでも平均100fpsに迫り、高設定なら120Hzディスプレイを生かせます

CrystalDiskMark

CrystalDiskMarkは、ストレージの読み書きの転送速度をチェックするソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。

このモデルは、1TBの超大容量SSD(Western Digital)を搭載しています。容量は標準的な512GBの約2倍にもなり、50GB以上のゲームがざらにある現状でも、容量不足で困る心配はまずありません。SSDは爆速の”NVMe Gen.4”規格を採用する本格派仕様で、気合が入っています。

その実力ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書きは、3000~6000MB/sとそれなりですが、ランダムの速度がGen.3レベルということで、正直物足りないですね。ただし、SSDということで実際の動作はとても快適。ゲームのロード時間も短く、各種アプリもサクサク動きます。

温度

FF14実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。

CPUの温度は高性能のP-コアでも70℃台半ばと低く、GPUも60℃台前後とかなり低め。ゲーム時の冷却能力は優秀です。

こちらがCINEBENCH R23実行時の温度です。

フルロード時の動作は控えめで、P-コアの温度は80℃台半ばと低く、動作クロックも2.7~3.0GHzと控えめです。どちらかというと一般ノートに近い動作システムですね。

動作音

FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ。

55デシベルを超えるとファンノイズが気になりますが、ピーク時はで51.6デシベルと大きく下回り、一般ノートさながらの静かさです。ファンは高速回転していますが、うるさく感じません。

なお、最小時は46.9デシベル、アイドル状態なのでほぼ無音です。

バッテリー持続時間

”bbench”でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、軽作業を想定した設定にしています。

  • 電源設定:トップクラスの電力効率、最適
  • バックライト:40%
  • 10秒ごとにキー入力
  • 1分ごとに無線LAN経由でネット接続

結果は約7時間20分をマークし、出先でも十分使えるレベル。モバイルノートで目安となる10時間こそ届きませんが、ゲーミングノートにしてはかなり持つ方です。

よりバッテリー性能を重視するなら、エコモードにするのがおすすめ。

便利なユーティリティーソフトを完備

ゲームについては”OMEN Gaming Hub”が用意され、動作モードの設定やゲームプレイ時の動作最適化、マクロ設定などを行うことができます。

そほのか、パソコンのサポートツールとして”HP Support Assistant”が用意されており、ハードウェアの診断からサポートまでワンストップで実行できます。

サウンド設定は”my HP”から調整できます。

肝心のサウンドクオリティですが、低音~高音域まで伸び、音質も厚めでサラウンドもしっかり効いています。ただし、重低音がイマイチ弱いのが玉に瑕。

まとめ

14インチゲーミングノート、しかもヘッドセット付きで22万円台はかなり安く、予算重視ならおすすめ。ボディの造りや性能面に物足りなさを感じますが、この価格なら十分ですね。

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