今回デルの【Inspiron スモールデスクトップ(3030)】をお借りしました。Core i5-14400を搭載した激安のスタンダードデスクトップをチェックしてみましょう。
スペック
Inspiron スモールデスクトップ 3030S(Core i5-14400搭載) | |
サイズ | W92.60×D292.00×H290.00mm |
重量 | 約4.02kg~ |
OS | Windows 11 Home |
CPU | Core i5-14400(10コア16スレッド・定格2.5/最大4.7GHz) |
CPUクーラー | 小型空冷式CPUクーラー |
メモリ | 8GB(8GB×1・DDR5-4400) |
ストレージ | 512GB SSD(PCIe NVMe) |
グラフィクス | UHD 730 |
インターフェース | 前面:USB3.2 Gen.1 Type-C×1、USB3.2 Gen.1 Type-A×1、 USB2.0 Type-A×2、SDスロット、ユニバーサルヘッドセットジャック 背面:USB3.2 Gen.1 Type-A×2 、USB2.0 Type-A×2、LANポート×1、 音声ライン出力×1 映像出力:DisplayPort 1.4×1、HDMI 1.4b ×1(最大1920×1200) |
電源 | 180W(80PLUS BRONZE) |
光学ドライブ | トレイロード式DVD ドライブ |
Wi-Fi | IEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax |
Bluetooth | Bluetooth 5.3 |
保証 | 1年(最大5年) |
価格 | 86,900円~(税・送料込) |
有線キーボード&マウス/電源ケーブル/各種マニュアル
外観
設置スペースが限られているなら、省スペースと拡張性を両立した、スリムケースがまずおすすめ。
サイズはW92.60×D292.00×H290.00mmと、横幅は10cm以下!ミニタワーケースの約半分のスリムボディなので、わずかな隙間にも設置することができます。
一通りセットしてみると、そのコンパクトさを実感できますね。なお、ディスプレイは23.8インチです。
なお、奥行き&高さは、ミニタワーケースとほぼ同じ。
底面はこの通り、小型のゴム足が4つ設置されています。特にケースのビビり音などなく、機能面は問題ありません。
フロントの吸気口をオシャレな幾何学模様に仕上げ、デザイン面でいいアクセントになっています。
インターフェースはポイントをおさえたラインナップとなっています。
USBの数は8ポートと多めに搭載。小型&リバーシブルのType-Cポートも装備しており、周辺機器の接続にはまず困りません。フロントパネルにType-Cポートがあり、アクセスしやすいのは◎。ただし、規格はUSB3.2 Gen.1&USB2.0と価格なりのオーソドックスな内容で、Thunderbolt4などは非搭載です。
そのほか、SDスロットや光学ドライブ、無線LANを搭載しており、オールインワンの便利な構成となっています。
映像端子はDisplayPort・HDMIのデジタル2ポートを装備しています。なお、UHD 730自体は4K・60Hz出力に対応していますが、HDMIは1920×1200までの出力にしか対応していない点に注意です。
内部
内部は電源下置き配置で、コンパクトにまとまっています。マザーボードや電源はデルらしく独自規格となっているため、購入後の入れ替えはできません。
内部にケースファンは設置されておらず、CPUファンが吸排気ファンを兼ねています。発熱の高い構成ではないので、これでも十分。ファンにカバーを設置することで、効率よく吸気できるようになっており、無駄がなくとても合理的です。
拡張性ですが、光学ドライブ用スリムベイと3.5インチベイをフロント側に設置。最近ではミニタワーでも3.5インチベイを省略するトンデモなケースがあるので、これはうれしいです。
ちなみに、電源の容量は180Wと最低限。ロープロファイルのグラボを追加できますが、やめておいた方がいいですね。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト”CINEBENCH”で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。
CPUはインテル第14世代の10コア16スレッドCPU・Core i5-14400を搭載しています。
第13世代から引き続き、高性能の”P-コア”と省エネの”E-コア”を搭載した、Wコア構成を採用。コア・スレッド数は据え置きで、Core i5-13400と同じ10コア16スレッドとなっています。
このモデルはブーストがよく効いており、”超高パフォーマンス”では性能が大きく向上します。
参考までに、上位のCPU・Core i7 14700(20コア28スレッド)と比較してみると、シングルスコアは約22%、マルチスコアは約78%と大きく差をつけています。
3DMARK
”3DMARK”は、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
Vulkan(Wild Life)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。
このCPUの内蔵グラフィックは、”UHD 730”となっています。性能は最低限なので、オンラインゲームには不向きで、軽めの動画・画像編集で使うならアリです。
Total | Graphics | CPU/Physics | Combined | |
Time Spy | 745 | 641 | 9979 | ー |
Night Raid | 9981 | 9462 | 14489 | ー |
Fire Strike | 2219 | 2345 | 25695 | 793 |
Sky Diver | 8536 | 7633 | 22948 | 8094 |
Wild Life | 5587 | ー | ー | ー |
PCMark 10
”PCMark 10”は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測るソフトです。
ブラウジングや各種編作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、余裕でクリア。軽めの動画・画像編集にも使える性能ですね。
なお、Core i7-14700とCore i5-14400との差は、総合スコアで約15%程度ですが、動画・画像編集のスコアは約30%と大きく差がついており、編集作業の機会が多い方はCore i7を選ぶのがおすすめです。
TMPGEnc Video Mastering Works 7
”TMPGEnc Video Mastering Works 7”を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・QSVでエンコードしています。なお、QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i5-14400 | 1014 | 519 | 159 |
Core i7-14700 | 662 | 338 | 155 |
コア・スレッド数の差がきっちり出ており、CPU性能が重要になるソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では、両者の差は約35%にもなります。
なお、グラフィック機能を利用したハードウェアエンコードはほぼ互角です。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i5-14400 | 1701 | 877 | 269 |
Core i7-14700 | 1350 | 686 | 260 |
重量級のH.265では、ソフトウェアエンコードの差が約21~22%と小さくなりますが、ハードウェアエンコードではほぼ同じとなっています。
Lightroom Classic CC
”Lightroom Classic CC”を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)を最高画質のJPEG画像に書き出す時間を計測しました。結果は秒で記載しています。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
Core i5-14400 | Core i7-14700 |
133 | 58 |
このモデルはSSDの書き込み速度の遅さも相まって、Core i7-14700に約2.3倍もの差をつけられています。デジタル写真が趣味ならCore i7にするのがいいでしょう。
FF14(ファイナルファンタジー14 黄金の遺産)
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
HD | 2479 | 3498 | 6260 |
フルHD | 1340 | 2174 | 3319 |
知名度バツグンの国内産MMORPGで、スコア9000以上で平均60fps以上をキープできます。
アップスケーリングのFSRを適用していますが、いずれの設定でもスコア9000に届かず。ゲーム性能は実用レベルにほど遠いです。
ドラゴンクエスト10
平均(最低)fps | 高 | 中 | 低 |
HD | 10237 | 12154 | 13624 |
フルHD | 6185 | 7732 | 9066 |
超軽量級のRPGゲームで、スコア5500以上で平均60fps以上をキープできますが、このくらいならさすがにフルHDでも余裕。VAROLANTやドラクエ10など超軽量級クラスくらいなら対応可能です。
CrystalDiskMark
”CrystalDiskMark”は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルでは、512GB SSD(SOLIDIGM)を搭載しています。編集用途でも使うならデータ保存用として、購入後に大容量のHDDを追加するのがおすすめです。
肝心の速度ですが、シーケンシャルの書き込み速度が遅いのを除いては、しっかり速度が出ている感じ。ただ、シーケンシャルの速度は2000MB/sはコンスタントに超えてほしいものです。
もちろん、実際の使用感はSSDらしくとても快適。OSの起動からブラウジング、各種アプリの動作にいたるまでサクサク動きます。
温度
CINEBENCH R23実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
安定性重視の動作モードとなっており、ピーク時のP-コアの温度は70℃台半ば、動作クロックも3.1GHzと控えめです。
動作音
CINEBENCH R23実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ。
50デシベルが一つの目安となりますが、ピーク時でも48.7デシベルと下回っています。アイドル時との差はわずか0.4デシベルとかなり小さく、ほぼ無音といっていいレベルでとても静か。
充実したユーティリティー機能
便利なユーティリティー機能をしっかり完備。”My Dell”では、PCの動作モードやサウンドなど各種設定を一通りカバーしています。
そのほか、サポート機能も装備しており、”SupportAssist”では、ドライバのアップデートからハードのスキャンまでワンストップで実行できます。また、サポート窓口のアクセスのカバーし、万が一の場合でも安心です。
まとめ&関連モデル
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