今回HPの【HP Elite Dragonfly】をお借りしました。
その重さ約999g!HPでNo.1の超軽量ボディに、美しいデザインと高いクオリティを両立した、13インチ2in1モバイルノートをチェックしてみましょう。
スペック
※2020年7月3日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります
外観
美しいデザイン
HPらしく、ビジネスブランドのモデルながら、デザインはとてもオシャレ。
まず印象的なのがボディカラーですね。
”ドラゴンフライブルー”とのことですが、ネイビーに近い深みのある青色で、落ち着きを感じさせる上品な色合いとなっています。渋めのカラーなので、ビジネスシーンでも全く違和感はありません。
ボディの素材にはマグネシウム合金を使用しています。軽量&タフな素材ですが、細かい加工には不向きということで、HPにしては非常にシンプルな造形です。
もちろん、細かい造形や仕上がりにはしっかりこだわっており、表面は非光沢の梨地加工が施され、美しい仕上がりとなっています。また、サラッとした上質な触り心地も相まって、高級感もバッチリ。
アクセントとして、ヒンジ部分にはシルバーのラインが入れられているほかー
電源ボタンにはLEDのラインが仕込まれ、スピーカーを幾何学模様に仕上げる凝りようです。シンプルながらオシャレに仕上げるセンスの高さは、さすがデザインのHPといったところです。
フレキシブルに使える2in1タイプ
最近はやりの2in1ノートパソコンで、360°回転するコンパーチブルタイプとなっています。
360°回転しタブレットとして使えるだけでなく、テント型にして寝そべりながら動画を見る、さらにスタンドモードにしてイラストを書くといったフレキシブルな使い方ができ、とても便利です。
ヒンジ部分はかなり頑丈にできており、無段階で任意の角度に設定できます。間違ってもタッチしてディスプレイが動く…なんてことはありません。
ディスプレイはタッチ&ペン入力に対応しており、ハードカバーでコーティングされています。実際の操作感ですが、確実なタッチ&スクロール操作ができ、とても快適。指紋汚れがつきにくいのもグッドですね。
なお、キーボードを180°以上回転させるとキーボードが動作しなくなるので、誤操作の心配はなし。タブレットモードの時でも安心。
持ち運びに便利な超軽量ボディ
このモデルは持ち運びがしやすい13インチサイズとなっています。持ち運び&据え置きに最適なジャストサイズで、モバイルノートならまずおすすめ。
ディスプレイのベゼル(ふち)をスリムにすることで横幅と奥行きを圧縮し、A4ファイルサイズよりも小さいサイズを実現しています。また、厚さは16.1mmとスリムなので、カバンへサッと収納することができます。
そしてなんといっても、このモデルは非常に軽い!マグネシウムボディということで、その重さは実測で993gと1kg以下を実現しています。構造上特に重くなりがち2in1タイプでこの軽さは驚異的。13インチだと約1.2~1.3kg台が一般的ということを考えると、とんでもなく軽いことがわかりますね。
金属ボディではありますが、実際手に取ってみても、素材の重さをほとんど感じず、持ち運びにうれしい軽さとなっています。
ポイントをおさえたインターフェース
インターフェースの内容はしっかりポイントをおさえています。
小型のモバイルノートですが、USBは3ポート搭載。さらに、ポートのタイプもオーソドックスなType-Aのほか、小型&リバーシブルのType-Cを採用しており、かなり充実しています。モバイルノートでは省略されがちなType-Aポートがあるのはグッドです。
また、規格も全てが最新のUSB3.1規格で、そのうち右サイドのType-Cポートは、最大10Gbpsの高速転送や大容量給電に対応した【Gen.2規格】となっています。ポートの数はもちろん、規格や端子のタイプなど一通り押さえており、周辺機器の接続にはまず困りません。
そのほか映像出力用にHDMIポートを搭載しています。SDスロットがあればより便利でしたが、非搭載となっています。
セキュリティ対策も万全
ビジネスモデルなので、セキュリティにはしっかり配慮されており、カメラ部分にはシャッターが装備されています。デバイスからではなく、物理的にシャットアウトするのでとても安心です。
また、キーボード右下には指紋認証センサーを装備。本人認証のため、ログインパスワードよりも安全。また、ログインの際わざわざパスワード入力することなく、とてもスムーズです。さらに、Webカメラは顔認証にも対応しており、セキュリティはまさに万全です。
ちなみに、別モデルとして”HP Sure View搭載モデル”が用意されています。
これは内蔵型のプライバシースクリーン機能で、ボタンを押すだけで横から見えにくくなり、のぞき見による情報漏えいを防止することができます。
なお、基本モデルは国内の東京生産ですが、HP Sure View搭載モデルでは海外生産となる点に注意。
ディスプレイ&キーボード
ハイクオリティのIPSパネル搭載
ディスプレイは13.3インチサイズで、現在主流のフルHD解像度となっています。HDよりも画素が多い分表示領域も広く、オフィス作業もはかどります。
ディスプレイのパネルには、高い発色とコントラストが魅力のIPSパネルを採用。鮮やかでくっきりした映像クオリティで、光沢のあるグレアパネルとの相性は◎。動画鑑賞などエンターテインメント用途にも最適です。
さらに視野角も広く、横から覗いても色むらがほとんどないのもポイント。ちなみに、型番(CMN139D)を調べてみると、輝度が400 cd/m²とかなり明るく、色域もsRGBを100%カバーと広めです。さすがにプロ用とまではいきませんが、趣味で動画や画像編集するにはうってつけのクオリティです。
完成度の高いキーボード
横幅の狭い13インチボディなので、テンキーレスキーボードを搭載しています。
キーの種類を最低限にしているため、キー配置は無理なくとても素直。キーピッチは約18.5mmと余裕があり、また全てのキーが独立仕様なので、基本的に誤爆の心配はありません。
ファンクションキーはビジネスを意識し、Skype通話の受信と終了が行えるキーや、スケジュール機能へのアクセスキーが配置されています。特に電話会議がワンタッチで操作できるというのは、とても便利ですね。
キーストロークは深めなので、打鍵感を楽しみながら快適にタイピングできます。また、スリムボディにもかかわらず、キーボード面の剛性が高いので、まさにたわみ知らず。ボディだけでなく、キーボードもタフなのはグッドですね。。
もちろんトレンドの白色LEDもしっかり内蔵しています。薄暗い場所でタイピングしやすいのはもちろん、見た目も華やかになり、高級感がグッと増します。光り方ですが、下からしっかり照らし出すので、かなり派手な感じ。最大輝度だとなかなかの明るさです。
ちなみに、ファンクションキーで2段階+OFFの切り替えが可能なので、LEDが苦手な方も安心。
スムーズなタッチパッド
タッチパッドは、パッド部分とクリックボタンが一緒になった、オーソドックスな一体型タイプとなっています。
タッチパッドはサラサラした材質で、カーソル操作はとても滑らか。クリックボタンもカタカタと軽い力で反応し、応答性もバツグン。さらに建付けもよく、一体型にありがちなバタバタした感じが無いのもグッド。
サウンドエンジン搭載
上位モデルらしく、デンマークの高級オーディオメーカー”BANG & OLUFSEN”のサウンドエンジンを採用し、なんと4つのスピーカーを搭載。付属アプリで自分の好みのサウンドにチューニングできるようになっています。
内蔵タイプなので低音こそ弱いものの、中・高音域がよく伸び、しまりのある音質も相まって上々のクオリティとなっています。また、サラウンド効果もしっかり効いており、臨場感があるのもいいですね。
さらに、メインスピーカーがキーボード左右に配置され、音がこもらず、とてもクリア。文句のつけようがありません。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。


このモデルでは、インテル第8世代のCPU・Core i5-8265Uを搭載しています。4コア8スレッドのマルチコア・スレッド構成となっており、ブラウジングやオフィス作業はもちろん、動画や画像編集など重い作業までこなせるオールラウンダーCPUです。
上位モデルでは、同じく4コア8スレッドのCore i7-8565Uを搭載しており、参考までに比較してみると、Core i7の方がシングル・マルチ性能ともに約11%ほど性能が高くなっています。違いは動作クロック程度なので、そこまで差はつかない感じです。
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測るソフトです。
こちらは上記のテストを一元化した【PCMark10】の結果となりますが、本格的な動画や画像編集用途の目安となるスコア3000を大きく超え、まさにオールラウンダーCPUというにふさわしいスペックです。
ちなみに、このテストでもCore i7-8565Uとの性能差は約11%となっています。
動画エンコード
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・QSVでエンコードしています。なお、QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のことです。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i5-8265U | 1:14:20 | 35:37 | 4:21 |
Core i7-8565U | 1:03:04 | 32:36 | 4:12 |
クロックが高い分Core i7-8565Uが有利ですね。特にハードウェアエンコードの2Passでは、Core i5-8265Uに対し約85%の時間で変換を完了しています。ただ、QSVでは両者の差が約3%ほどと、ほぼ互角となっています。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i5-8265U | 1:44:11 | 53:29 | 6:24 |
Core i7-8565U | 1:33:07 | 47:44 | 5:50 |
重量級のH.265ではCore i7-8565Uがコンスタントに有利な結果となり、Core i5-8265Uに対し、ハードウェアエンコード・QSVともに約89~90%の時間で変換を完了しています。
動画編集の機会が多い方にはCore i7がおすすめですが、そうでなければCore i5でも十分ですね。
画像変換
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が意外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Core i5-8265U | 2:30 | 7:04 |
Core i7-8565U | 1:50 | 5:40 |
動画編集とは打って変わって大きく差がつくようになり、軽めのDNG変換ではCore i7がCore i5の約73%、JPEG変換でも約80%の時間で変換を完了しており、かなりの時短効果を発揮します。
動画編集はともかく、写真撮影など画像編集の機会が多い方は、Core i7を選ぶのがおすすめ。
ドラクエ10
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
HD | 8415 | 9880 | 11584 |
フルHD | 4581 | 5888 | 7282 |
オンラインゲームの中でもずば抜けて軽いので、フルHDでも標準品質ならスコア5500を超えることができます。最高品質はさすがに厳しいですが、それでもMX250くらいあれば十分。
PSO2
こちらはやや軽めのゲームです。エピソード4にてグラフィック描写が「設定6」に引き上げられましたが、それでもやはり軽いことに変わりありません。スコア4500以上で平均60fpsをキープできます。
設定6 | 設定5 | 設定4 | 設定3 | |
HD | 1232 | 3527 | 3566 | 6078 |
フルHD | 427 | 1416 | 1469 | 2455 |
PSO2もかなり軽めのゲームではありますが、スコア4500を超えるにはHD・設定3までガッツリ落とす必要があり、かなり苦しいですね。内蔵グラフィックならよくてドラクエどまりです。
FF14
おなじみの重量級ベンチマークです。スコア7000以上で【非常に快適】となり、スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
HD | 2158 | 3040 | 4093 |
フルHD | 1115 | 1646 | 2337 |
PSO2の時点で厳しいので、FF14なら言わずもがな。このレベルならGTX 1650は最低でも欲しいところ。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。PCの性能指標として、参考まで。
総合スコア | Graphics Score | CPU/Physics Score | Combined Score | |
Time Spy | 425 | 371 | 2428 | ー |
Fire Strike | 1065 | 1167 | 7071 | 364 |
Night Raid | 4980 | 5172 | 4119 | ー |
Sky Diver | 4151 | 3913 | 6140 | 4039 |
Cloud Gate | 7783 | 9309 | 4947 | ー |
Ice Storm | 59010 | 67857 | 40521 | ー |
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは256GB SSDのみ搭載したシングルストレージ仕様となっています。SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプを採用しています。メーカーはノートで採用例の多い、SK hynix製ですね。
実際の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み込みこそ4ケタをマークしていますが、それ以外はオーソドックスなSATAⅢ規格と同等か、やや速いレベルと、ちょっと物足りない感じ。ただ、特に速度が伸びにくい”RND4K Q1T1”の書き込みで100MB/sを超えているのはいいですね。
ただ、SSDともなると数値の差を体感することはできず、実際OSの起動からアプリの動作までサクサク動き、快適そのものです。
温度
FF14実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
4コア8スレッドのマルチコア・スレッドCPUですが、ピーク時でおおむね70℃の安定した温度をキープしており、冷却性能は十分。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ


このモデルはなんといってもとにかく静か!50デシベルを超えるとノイズが気になるようになりますが、ピーク時で47.8デシベルと大きく下回り、ファンの音がほとんど気になりません。静かな環境でも十分使えるレベルですね。
ちなみに最小時では45.9デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:HP Optimized、より良いバッテリー
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約13時間40分となり、モバイルノートの目安である10時間をしっかり超えています。これなら出先でも安心して使うことができますね。
まとめ&関連モデル
重くなりがちな2in1タイプの13インチノートで約999gというのはとんでもなく軽く、ビジネスモデルながらHPらしさ全開で、ボディカラーやデザインのクオリティも非常に高くなっています。
この内容で13万円台(キャンペーン価格)と良心的な価格設定となっており、コスパも◎。フレキシブルに使えるモバイルノートを探している方にイチオシのモデルです。
HP Elite Dragonfly[Core i3搭載モデル]
【スペック】
■OS:Windows 10
■ディスプレイ
13.3インチ フルHD グレア IPS タッチ対応
■CPU:Core i3-8145U
■メモリ:8GB(LPDDR3)
■グラフィック:UHD 620(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 128GB
■【キャンペーンでさらにおトク】164,800円(税込)~
Core i3を搭載したエントリーモデル。ブラウジングやオフィス作業、動画鑑賞などの軽作業であれば、快適にこなすことができます。8GBメモリに128GB SSDを搭載しており、このままでも十分使えます。
HP Elite Dragonfly[Core i7・16GBメモリ・512GB SSDモデル]
【スペック】
■OS:Windows 10
■ディスプレイ
13.3インチ フルHD グレア IPS タッチ対応
■CPU:Core i7-8565U
■メモリ:16GB(LPDDR3)
■グラフィック:UHD 620(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 512GB(PCIe NVMe)
■【キャンペーンでさらにおトク】248,800円(税込)~
Core i5よりも約10%性能が高いCore i7をを搭載したハイスペックモデル。大容量の16GBメモリに大容量SSDの充実した初期構成で、SSDは高速のNVMeタイプを採用しています。動画や画像編集の機会が多い方におすすめ。
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