今回マウスコンピューターの【DAIV FX-I7G70】をお借りしました。
取っ手とキャスターを付けた画期的なケースに、Core i7-13700KFとRTX 4070を搭載した、高性能のクリエイターPCをチェックしてみましょう。
スペック
DAIV FX-I7G70 | |
サイズ | W220×D510×H525mm |
OS | Windows 11 Home(64ビット) |
CPU | インテル Core i7-13700KF ・16コア24スレッド ・定格3.4/最大5.4GHz |
CPUクーラー | 水冷CPUクーラー(240mmラジエーター) |
メモリ | 32GB(16GB×2、DDR5-4800) |
ストレージ | 1TB SSD(PCIe NVMe Gen.4) |
グラフィクス | GeForce RTX 4070(GDDR6X 12GB) |
チップセット | インテル Z790 チップセット |
光学ドライブ | オプション |
Wi-Fi | IEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax |
Bluetooth | 5.0 |
電源 | 750W(80PLUS BRONZE) |
保証 | 1年(最大3年) |
価格 | 299,800円(税込)~ |
付属品 | ・各種マニュアル ・電源ケーブル |
※2023年8月3日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
外観
取っ手付きのフルタワーケース
BTOモデルの中でも特に大きく、奥行き・高さともに50cmオーバーのフルタワーケースとなっています。どっしりとしたフォルムは圧巻の一言。
一通りセットしてみるとこんな感じ。ディスプレイ(23インチ)が小さく見えるほどで、デスクの上に置くと圧迫感があり、基本的にはデスクの下に設置するのがおすすめ。
ラウンドフォルムを取り入れた近未来的なボディに、取っ手をつけた大胆なデザインに仕上げています。
ケース下部にはなんと!ローラーがついており、キャリーケースのようにラクラク持ち運ぶことができます。星の数ほどあるケースでも、ローラー付きというのはこのモデルくらいのもの。デスクトップは重いので、これはありがたいですね。
もちろん、取っ手は頑丈に造られており、たわみなどは一切なし。内側がラバーコーティングされ、滑りにくくなっているのもポイントです。
両サイドには”DAIV”の大きなロゴがプリントされ、インパクトばつぐん。
高い通気性のボディ
厚くなりがちなクリエイターPCですが、ケースの冷却性能はかなり高めです。
このモデルは吸気重視のファン構成となっており、フロントに12cmファンを3基、天板にラジエーターファンを3基も搭載。
5基のファンで吸気し、その圧力で背面から押し出す、強力なエアフローを生み出しています。
ほこり対策も万全で、フロントパネルと底面にダストフィルターが設置されています。
ダストフィルターはマグネット式なので、簡単に取り外して丸ごと水洗いもできます。フロントパネルは、下部を手前に引くだけでかんたんに取り外しでき、フィルターへのアクセスは良好です。
充実したインターフェース
フロントパネルのインターフェースは天板上に配置され、デスク下に置いたときにアクセスしやすくなっています。
この通り、スライド式のカバーを装備する徹底ぶりで、ほこり対策も万全。
搭載されている端子ですが、USB端子はフロント・背面あわせて計10ポートも搭載。そのうち背面のType-Cポートは最新のUSB3.2 Gen.2×2となっており、最大20Gbpsの高速転送に対応しています。
ポート数の多さもさることながら、従来のType-AポートやType-Cポートも用意されており、周辺機器の接続にはまず困りません。なお、映像端子はHDMI・DisplayPort×3の4ポートを搭載。数が多いので、複数画面出力もラクラクです。
内部
チャンバー構造&裏配線採用
本体内部の構造もトレンドをしっかり押さえ、チャンバー構造を採用しています。
チャンバー構造とは、いわば分離構造のこと。本体下部の電源&ストレージのスペースとマザーボードのスペースを分離することで、互いのエアフローが干渉しないようになっており、スムーズなエアフローを実現しています。
もちろん、裏配線にも対応しており、ケース裏側に配線用スペースが確保されています。
かさばるケーブル類を裏側にまとめることで、ケース内部がスッキリし、チャンバー構造も相まって、エアフローがさらにスムーズになります。また、内部の見た目もスッキリし見栄えもよくなるなど、まさに一石二鳥です。
※写真は撮影用です。トラブル防止のため、内部での作業は電源を切ってから行いましょう。
拡張性は最低限といったところで、スリムタイプの5インチベイ×1、3.5インチベイ(2.5インチ共用)×2の計3基構成となっています。最近では大容量ストレージが安く普及しているので、これだけでも十分対応できます。
なお、3.5インチベイは、ケース裏ではなく、ケース下部などエアフローの通り道にあるとなおよかったですね。
大型水冷式CPUクーラー搭載
マザーボードは、標準的なATX規格のものを搭載しています。ボードはAsRock製の【Z790-PGLSE】で、どうやらBTO専用品のようです。
機能面のポイントはしっかり押さえており、熱くなりがちなVRM周りやM.2スロットには、金属製のヒートシンクを装備。また、PCIeスロットは金属で補強されており、グラボの重さにしっかり耐えることができます。
CPUクーラーは、冷却性能が非常に高い水冷式クーラーを採用しています。
CPUの熱をダイレクトに吸収し、ラジエーターから強力に排熱するので、空冷式クーラーを凌ぐ高い冷却性能を発揮します。さらに、ラジエーターのサイズは24cmと大きく、その実力は折り紙付き。Core i7-13700KFは動作が特殊で、発熱が非常に高いのですが、これなら安心です。
ちなみに、先に紹介した通り、ラジエーターは天板に取り付けられていますが、天板から内部に吸気するタイプとなっています。外部排気が標準的な取り付け方なので、これはちょっと珍しいですね。
ZOTAC製RTX 4070搭載
NVIDIAのハイスペックグラボ・RTX 4070を搭載しています。
低価格&コスパの高さで人気の高い、ZOTACの”Twin Edgeシリーズ”を搭載。
コスパモデルながら冷却性能がとても高く、4本のヒートパイプでしっかり熱を吸収し、2基の大型ファンで強力に発散します。また、ファンは一定の温度以下で停止するので、低負荷時は静かなのもポイント。
グラボはカードキーパーでしっかり固定され、マザーボードのスロットにかかる負担を軽減しているのもグッド。輸送中の振動による破損も防ぐことができます。
ちなみに、PCの心臓ともいえる電源には、750Wのブロンズクラス電源を採用しています。最大85%の電力変換効率を誇る省エネ電源で、ポイントはしっかり押さえています。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで性能をチェックしてみましょう。
CINEBENCH
【CINEBENCH】は3Dグラフィックのレンダリング性能を測るソフトです。
CPUはインテル第13世代の16コア24スレッドCPU・Core i7-13700KFを搭載しています。末尾のFは内蔵グラフィック非搭載バージョンのことで、性能は通常バージョンと同じです。
第12世代の設計を踏襲しており、高性能の”P-コア”と省エネの”E-コア”を搭載した、Wコア構成を引き続き採用。そのうえでE-コアを倍増し、16コア24スレッド構成と大きくコア・スレッド数が増加しています。また、動作クロックも大きく引き上げられ、前世代からさらにパフォーマンスが向上しています。
参考までに、ワンランク下のCore i7-13700(16コア24スレッド)と比較してみると、シングル性能は約4%と小さめですが、マルチ性能にいたっては約35%と大きく差をつけています。高い動作クロックをキープできるK付きCPUの方が、性能はだんぜん上。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)・DirectX 12 Ultimate(Speed Way)・RT(Port Royal)それぞれの条件で測定することができます。
グラフィックボードは、NVIDIAの最新世代となる”Ada Lovelace”のハイスペックモデル・RTX 4070を搭載。前世代のRTX 3080並みの高い性能を持ち、VRAM(グラフィックメモリ)を12GBと多く搭載しているので、高精度な3DCGの制作や、3D CADの設計にもバッチリ対応できます。
総合スコア | Graphics Score |
CPU/Physics Score |
Combined Score |
|
Speed Way | 3145 | ー | ー | ー |
Port Royal | 7909 | ー | ー | ー |
Time Spy Extreme |
6119 | 6091 | 6286 | ー |
Time Spy | 12982 | 13206 | 11845 | ー |
Night Raid | 68983 | 153878 | 16718 | ー |
Fire Strike Ultra |
7401 | 7095 | 35126 | 3978 |
Fire Strike Extreme |
15322 | 15940 | 34426 | 7217 |
Fire Strike | 29109 | 33648 | 32586 | 13405 |
Sky Diver | 67947 | 101494 | 29256 | 45445 |
RTコアとTensorコア
RTXシリーズでは、”RTコア”と”Tensorコア”を搭載しています。
RTコアは”レイトレーシング技術(RT)”に対応しており、反射・影・ライティングなどをリアルに再現可能。ゲームでのイメージを見てもわかるように、炎の描写が車体にもしっかり表現され、従来よりもさらに臨場感が増しています。
また、AI機能のTensorコアは”DLSSモード”に対応しており、低い解像度でレンダリングした映像をアップスケーリングし、さらにアンチエイリアスを最適化することで、フレームレートを大幅に向上させることができます。ゲームの快適性が目に見えて上がり、とても便利。
そのほか、RTXシリーズはOptiXにも対応しているのもポイント。Blenderなどの3DCG作成ソフトでは、RTコアを活用した高速レンダリングや、Tensorコアを活用した高速のノイズ除去機能を搭載し、ヘビーなCG作成作業で高いパフォーマンスを発揮します。
RTX 4000シリーズはDLSS 3&AV1エンコードに対応
RTX 4000シリーズ最大の特徴は、最新のDLSS 3&AV1エンコードに対応していること。
DLSS 3というのは従来のDLSS 2の発展型で、GPUコアに内蔵された”Optical Flow Accelerator”を使い、映像のフレーム間に中間フレームを補完する技術のこと。アップスケーリング+フレーム補完で描写の負荷を大きく軽減し、フレームレートを大幅に上げることが可能です。
ウルトラヘビー級のゲーム・Cyberpunk 2077では、約4倍以上もパフォーマンスが向上するなど、RTX 3000シリーズに対し大きなアドバンテージとなっています。
Blender
【Blender】を利用し、3Dグラフィックのデモデータをレンダリングする時間を計測しました。結果は秒で表記しています。
Blenderは、CPUだけでなくGPUもサポートしており、NVIDIA製GPUでは”CUDA”と”OptiX”でのレンダリングが可能です。
Class room | CPU | CUDA | OptiX |
Core i7-13700KF×RTX 4070 | 215 | 22 | 12 |
Core i7-13700 | 292 | ー | ー |
RTX 4070 Ti | ー | 20 | 11 |
RTX 4060 Ti | ー | 31 | 16 |
Pavilion Barcelona | CPU | CUDA | OptiX |
Core i7-13700KF×RTX 4070 | 264 | 45 | 15 |
Core i7-13700 | 350 | ー | ー |
RTX 4070 Ti | ー | 39 | 14 |
RTX 4060 Ti | ー | 64 | 20 |
Barbershop | CPU | CUDA | OptiX |
Core i7-13700KF×RTX 4070 | 998 | 97 | 61 |
Core i7-13700 | 1305 | ー | ー |
RTX 4070 Ti | ー | 91 | 56 |
RTX 4060 Ti | ー | 147 | 85 |
CPUでのレンダリングでは、高クロックのCore i7-13700KFがかなり有利。両者の差は約24~26%にもなり、CINEBENCH R23と同様に、クロックが違うだけで大きく差がつきます。
本命のGPUレンダリングは、CPUレンダリングを圧倒。このモデルのケースでは、RTX 4070はCore i7-13700KFよりもCUDAで約83~90%、Optixともなると約94%早く変換を完了しています。なお、Optixの効果が非常に高く、CUDAからさらに最大1/3程度の時短効果を発揮するのがポイント。
グラボ同士で比較すると、RTX 4070とRTX 4060 Tiとの差はCUDAで約30~34%、Optixでも約25~28%になり、グレード一つでだいぶ結果が変わります。
一方、RTX 4070 Tiとの差は小さく、CUDAで約6~13%、Optixでも約7~8%となっています。RTX 4070 TiもVRAMは12GBとなっており、実用面ではそこまで変わらない感じですね。
Stable Diffusion
【Stable Diffusion】を使い、データを生成する時間を計測しました。
テスト設定はイメージの通りで、サンプリングステップは50、出力解像度は768×768ドット、映像を2枚ずつ20回出力しています。これに要した時間から、1分あたりに出力できる枚数を比較しています。
RTX 4070 | RTX 4070 Ti | RTX 4060 Ti |
9.30 | 11.43 | 6.27 |
このソフトはGPU(グラボ)勝負です。RTX 4070はRTX 4060 Tiを圧倒し、約48%もの差をつけています。RTX 4070 TiとRTX 4070との差は約23%と、Blenderに比べ大きめです。
なお、生成~学習用途でもガッツリ使うなら、VRAMは12GB以上欲しいところ。RTX 4060 TiにもVRAM16GB搭載モデルが登場しましたが、性能が低めで価格も高いため、あまりおすすめしません。
TMPGEnc Video Mastering Works 7
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。結果は秒で表記しています。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・NVENCでエンコードしています。なお、NVENCはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のことです。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | NVENC |
Core i7-13700KF×RTX 4070 | 486 | 248 | 113 |
Core i7-13700 | 662 | 338 | ー |
RTX 4070 Ti | ー | ー | 111 |
RTX 4060 Ti | ー | ー | 120 |
H.264(4K) | 2Pass | 1Pass | NVENC |
Core i7-13700KF×RTX 4070 | 1461 | 740 | 321 |
Core i7-13700 | 2137 | 1064 | ー |
RTX 4070 Ti | ー | ー | 320 |
RTX 4060 Ti | ー | ー | 326 |
まず軽めのH.264をチェック。CPU勝負のソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では、クロックの差がきっちり出ており、Core i7-13700KFがCore i7-13700よりも約27~32%早く変換を完了しています。
NVENCの結果は横並びといったところで、RTX 4070 TiからRTX 4060 Tiまでの差は約2~7%となっています。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | NVENC |
Core i7-13700KF×RTX 4070 | 1083 | 533 | 125 |
Core i7-13700 | 1384 | 686 | ー |
RTX 4070 Ti | ー | ー | 126 |
RTX 4060 Ti | ー | ー | 130 |
H.265(4K) | 2Pass | 1Pass | NVENC |
Core i7-13700KF×RTX 4070 | 3110 | 1541 | 259 |
Core i7-13700 | 4189 | 2083 | ー |
RTX 4070 Ti | ー | ー | 263 |
RTX 4060 Ti | ー | ー | 284 |
重量級のH.265も同じような傾向で、ソフトウェアエンコードでの差は約22~26%とほぼ変わらず。NVENCでも、RTX 4070 TiからRTX 4060 Tiまでの差は約4~9%となっています。
ちなみに、RTX 4070 TiはNVENCユニットを2基搭載しているので、対応ソフトであればさらに時短効果を発揮します。動画編集のパフォーマンスを重視するなら、RTX 4070 Ti以上がおすすめ。
Lightroom Classic CC
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。結果は秒で表記しています。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が意外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Core i7-13700KF | 12 | 52 |
Core i7-13700 | 15 | 58 |
画像変換もCPUの性能勝負ということで、高クロックのCore i7-13700Kが有利。両者の差は。軽めのDNG変換で約20%、重量級のJPEG変換で約10%となっています。
FF14(ファイナルファンタジー14 暁月の終焉)
4K | WQHD | フルHD |
13254 | 25299 | 31663 |
グラフィック負荷が高めのMMORPGです。スコア9000以上で【快適】&平均60fpsをキープでき、快適にプレイするならスコア9000をしっかり超えたいところ。
いずれも最高品質で測定した結果となりますが、4Kではスコア13000台、平均89fpsで快適にプレイできます。なお、144Hz出力などの高リフレッシュレートディスプレイを生かすなら、WQHDに落とす必要があります。
Apex Legends(エーペックスレジェンズ)
解像度:4K/WQHD/フルHD
ゲーム設定:最高
射撃訓練場
4K | WQHD | フルHD |
165(133)fps | 271(232)fps | 298(284)fps |
標準的なグラフィック負荷のFPSゲームです。競技性が高いので、できれば平均100fps以上をキープしたいところ。
4Kで144Hzディスプレイをきっちり生かすことができ、安定感バツグン。4Kでのゲーミングなら、RTX 4070は押さえたいところですね。
BIOHAZARD RE:4(バイオハザード RE:4)
解像度:4K/WQHD/フルHD
ゲーム設定:最高/高(RT”高品質”/FSR[フルHD&WQHD]”クオリティ”・FSR[4K]”パフォーマンス”)
プレイモード:最初の村を移動
平均(最低)fps | 最高 (テクスチャ品質”高・8GB”) |
高 (テクスチャ品質”高・4GB”) |
フルHD | 160(138)fps | 168(145)fps |
WQHD | 117(110)fps | 121(116)fps |
4K | 62(53)fps | 64(52)fps |
重量級のアクションゲームです。競技性は高くないので、スムーズにプレイできる平均60fpsをキープできればOK。
FSR無しでも4Kでは平均60fpsを超えており、4Kならまずこのクラスは欲しいところです。
FidelityFX Super Resolution(FSR)
平均(最低)fps | 最高 (テクスチャ品質”高・8GB”) |
高 (テクスチャ品質”高・4GB”) |
フルHD | 173(145)fps | 180(153)fps |
WQHD | 142(130)fps | 150(140)fps |
4K | 103(92)fps | 108(98)fps |
FSRを有効にした際のfpsです。FSRはDLSSに近い機能で、アップスケーリングによりフレームレートを上げることができます。Tensorコア不要の汎用性が高い技術で、最近では画質のクオリティもDLSSと同等レベルに向上しています。
解像度が上がるほど効果が大きくなり、4Kでは最大69%向上し、平均100fpsを超えてきます。WQHDでも効果は大きめで、144Hzディスプレイを生かせるようになります。
RT
平均(最低)fps | 最高 (テクスチャ品質”高・8GB”) |
高 (テクスチャ品質”高・4GB”) |
フルHD | 133(115)fps | 143(124)fps |
WQHD | 107(93)fps | 112(100)fps |
4K | 61(50)fps | 62(52)fps |
RT機能を有効にした際の結果です。
レイトレーシングの負荷はそこまで高くなく、4Kでも平均60fps以上をキープできます。なお、VRAMをとんでもなく使いますが、12GBあるので安定して動作しているのがポイント。8GBだと最高設定でカクつきが発生してしまいます。
RT+FSR
平均(最低)fps | 最高 (テクスチャ品質”高・8GB”) |
高 (テクスチャ品質”高・4GB”) |
フルHD | 144(128)fps | 147(120)fps |
WQHD | 123(101)fps | 130(116)fps |
4K | 94(86)fps | 100(91)fps |
RT機能とFSR機能を同時に有効にした際の結果です。
4Kでの効果が大きく、fpsは最大約61%向上し、平均100fps近くまで伸びます。
Hogwarts Legacy(ホグワーツ・レガシー)
解像度:4K/WQHD/フルHD
ゲーム設定:最高/高(RT”ウルトラ”/DLSS[フルHD&WQHD]”クオリティ”・DLSS[4K]”パフォーマンス”/フレーム補完”ON”)
プレイモード:ホグワーツ内の移動
平均(最低)fps | 最高 | 高 |
フルHD | 125(98)fps | 138(104)fps |
WQHD | 83(74)fps | 98(76)fps |
4K | 40(35)fps | 49(37)fps |
現状では最強レベルとなるウルトラヘビー級のFPSゲーム。競技性は高くないので、スムーズにプレイできる平均60fpsをキープできればOK。
DLSS無しでは4Kで平均60fpsをクリアできず。ただし、WQHDでは平均100fpsを狙うことができ、まさに盤石といったところです。
DLSS
平均(最低)fps | ウルトラ | 高 |
フルHD | 218(159)fps | 256(182)fps |
WQHD | 172(144)fps | 188(155)fps |
4K | 109(91)fps | 126(107)fps |
DLSSを有効にした際の結果です。このゲームはDLSS 3(フレーム補完)に対応しています。
フルHDから非常に高い効果を発揮しており、4Kでは最大約2.7倍もfpsが向上し、平均100fpsを超える安定ぶり。なお、フレーム補完なしだと平均90fpsなので、効果はかなり大きいですね。WQHDなら144Hzディスプレイも生かせるほど。
RT
平均(最低)fps | ウルトラ | 高 |
フルHD | 62(48)fps | 64(54)fps |
WQHD | 44(37)fps | 52(48)fps |
4K | 24(7)fps | 25(10)fps |
RT機能を有効にした際の結果です。
このゲームでも反射・影・ライティングのフルセットなので、やはりDLSS無しでは平均60fpsに届きません。
RT+DLSS
平均(最低)fps | ウルトラ | 高 |
フルHD | 113(94)fps | 139(109)fps |
WQHD | 98(75)fps | 113(94)fps |
4K | 77(55)fps | 80(62)fps |
RT機能とDLSS機能を同時に有効にした際の結果です。
フレーム補完がバッチリ効いており、4K・ウルトラ設定ではfpsが最大約3.2倍も向上し、平均60fpsを超えてきます。ちなみに、フレーム補完なしだと平均52fpsまでしか伸びず、効果の大きさを実感します。
なお、4K×レイトレーシングで安定性をより重視するなら、RTX 4070 Tiがおすすめ。
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックするソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは大容量の1TB SSD(Micron製)を搭載した、シングルストレージ構成となっています。編集用途なら、動画や画像の保存するHDDを追加して、SSD+HDDのデュアルストレージ構成にするのがおすすめ。なお、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプで、その中でも特に速い”Gen.4”規格となっています。
肝心の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書きは、2000~4000MB/s台と控えめ。また、ランダムの速度もGen.3タイプと同等レベルということで、クオリティはそこそこといったところです。
ただし、SSDということで、実際の使用感はとても快適。ゲームの読み込みは早く、各種アプリもサクサク動きます。
温度
こちらはFF14ベンチマークを実行した際の各パーツの温度です。なお、室温は25℃です。
CPUは50℃台前半(P-コア)、グラボも70℃前後と冷え冷え。グラボでは特に熱くなりやすいホットスポットやVRAM温度が低めなのもいいですね。
こちらはCINEBENCH R23実行時の温度です。
動作の安定性を重視しているためか、100%のフルロード時では、P-コアの動作クロックが4.3GHz、温度は70℃台前後と控えめ。K付きCPU×24cmラジエーターなら5GHzあたりは狙えるので、どうにも物足りない印象です。
動作音
同じくFF14のベンチマークにて、実際の騒音値を測定してみました。※無響室・防音室での測定ではないので、あくまで参考までにどうぞ
ケースの左側面にて計測した結果です
50デシベルが一つの目安となりますが、ピーク時で50.0デシベルときっかり。ノートPCとほぼ同じノイズレベルということで、とても静か。静音性は極めて優秀です。
なお、アイドル時では48.8デシベルと、ファンの回転音がわずかに聞こえるくらいです。
おすすめカスタマイズ
基本的にカスタマイズ不要ですが、データ保存用のHDDを追加するとより便利になります。
まとめ&関連モデル
大型のフルタワーケースですが、取っ手&キャスター付きで取り回しのしやすさは◎。チャンバー構造や裏配線スペースなどトレンドをしっかり取り入れ、ほこり対策も万全と、トータルで非常に高い完成度を実現しています。
性能面では、高クロックのCore i7と、VRAMを12GB搭載したRTX 4070の優れたパワーで、3DCGやAIグラフィックなどヘビーな編集作業もラクラクこなすことができ、4Kでゲームを楽しむこともできます。
肝心の価格は30万円以下と安く、コスパも◎。ケースのクオリティにこだわりつつ、快適な編集マシンが欲しい方におすすめです。
DAIV FX-I7G7T
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-13700KF
■メモリ:32GB(DDR5-4800)
■グラフィック:RTX 4070 Ti
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe Gen.4)
■電源:850W(80PLUS GOLD)
■無線LAN:IEEE 802.11ax+Bluetooth 5.0
■光学ドライブ・キーボード・マウス非搭載
■価格:389,800円(税込)~
このモデルをRTX 4070 Tiにしたバージョンで、より性能にこだわるならおすすめ。最大90%の電力変換効率を誇るゴールドクラス電源を搭載しているのもポイント。
DAIV FX-I7G6A
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-13700KF
■メモリ:32GB(DDR5-4800)
■グラフィック:RTX 4060 Ti
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe Gen.4)
■電源:750W(80PLUS BRONZE)
■無線LAN:IEEE 802.11ax+Bluetooth 5.0
■光学ドライブ・キーボード・マウス非搭載
■価格:309,800円(税込)~
このモデルをRTX 4060 Tiにしたバージョンですが、現状では割高です。