今回レノボの【Yoga 7 Gen.8(Ryzen 5搭載)】をお借りしました。
圧倒的なコントラストの高さを誇る”有機ELディスプレイ”を搭載した、高いクオリティとコスパが魅力の14インチ2in1ノートをチェックしてみましょう。
スペック
※2023年11月13日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
外観
高級感のある美しいデザイン
”Yoga”はレノボのプレミアムブランドということで、クオリティの高さがポイント。
ボディの素材には高品質のアルミニウムを採用。梨地仕上げにより見た目の美しさと、手になじむ上質のさわり心地を実現しています。
頑丈な金属ボディということで、持ち運びも安心です。
ボディのふちがラウンドフォルムになっているのもポイント。丸みを帯びた美しいデザインもさることながら、手に取ったときにフィットしやすくなり、機能性も優れています。
カラーのセンスも良く、青緑の上品な色合いにより、高級感もあわせ持っています。地味すぎず派手過ぎず、ビジネスシーンでも使えるクオリティですね。
ちなみに、底面はこのようになっています。
コンパクトな14インチボディ
このモデルは、14インチサイズのモバイルノートです。13インチよりもディスプレイのサイズが大きく、それでいて携帯性も高いので、最近人気のサイズとなっています。
ディスプレイのベゼル(ふち)を上下左右にスリム仕様とすることで、横幅と奥行きを圧縮。
それにより、ほぼA4ファイルサイズきっかりのコンパクトボディを実現しています。
厚さも17.35mmと、2cmを切るスリムボディということもあり、カバンにサッと収納できます。
肝心の重さですが、1501g(実測)と重く、モバイルノートの許容範囲内ギリギリといったところ。アルミボディの2in1モデルということで、どうしても重くなりがち。こればかりはしょうがないですね。
フレキシブルに使える2in1タイプ
最近はやりの2in1ノートパソコンで、360°回転するコンパーチブルタイプとなっています。
360°回転しタブレットとして、またテント型にして寝そべりながら動画を見るといったフレキシブルな使い方ができ、とても便利です。
もちろんディスプレイはタッチ&ペン入力に対応しており、傷のつきにくい硬質のパネルでカバーされています。パネル表面はスムーズなので、タッチ操作はとても快適!
コンパーチブルの要ともいえるヒンジは、かなり頑丈に造られています。無段階稼働で任意の角度にピタッと止まり、バタつきは一切ありません。テントモードやスタンドモードでガタつくことはありません。もちろん、キーボードを180°以上回転させるとキーボードが動作しなくなるので、誤操作の心配も全くなし。
ちなみに、アクティブペン(電池式)が標準で付属します。遅延は少ないものの、精度が低めで、細かい書き分けが苦手な感じ。メモ書き程度であれば使えるレベルですね。
ちなみに、ペンを固定するためのホルダーも同梱され、USB端子に差してペンを固定できるようになっています。うっかりなくしがちなペンですが、これなら安心です。
最新のインターフェースを採用
コンパクトモデルながら、インターフェースは意外と充実しています。
USBは全3ポートと、モバイルノートでは標準的な数を搭載。最新規格をしっかりおさえており、小型&リバーシブルのType-Cポートは、最大40Gbpsの超高速転送が可能なUSB 4規格となっています。
また、Type-CとType-Aポートの両方を搭載しているので、あらゆる周辺機器に対応できるのもいいですね。
そのほか、映像出力端子としてHDMIポートのほか、microSDスロットも装備しており、必要なものは一通りそろっています。なお、Type-Cポート2基はDisplayPort出力を兼ねており、複数ディスプレイへの出力も可能です。
セキュリティ対策も万全
レノボらしくセキュリティにもしっかり配慮され、カメラ部分にはシャッターが装備されているのもポイント。デバイスからではなく、物理的にシャットアウトするのでとても安心です。
また、指紋認証センサーこそないものの、カメラ部には顔認証センサーを装備しています。本人認証のため、ログインパスワードよりも安全。また、ログインの際わざわざパスワード入力することなく、とてもスムーズです。
ディスプレイ&キーボード
有機ELパネル搭載
このモデルでは、14.0インチディスプレイを搭載しています。13.3インチよりも一回り大きく、ゆとりがあり、視認性は上々。
解像度はWUXGA(1920×1200)で、ディスプレイ比率は16:10となっています。最新流行のタイプで、16:9のフルHDよりもやや縦長。一度に表示できる情報量が多く、スクロールの手間が省けるのは便利です。
プレミアムモデルということで、ディスプレイのクオリティが非常に高く、パネルにはなんと有機ELパネルを採用しています。有機ELの特長は、なんといっても「漆黒」というべき黒の色味です。
黒さの理由は、有機ELでは画面の素子自体が光るのでバックライトが必要なく、コントラスト比が圧倒的に高い(100万:1)から。バックライトで画面を照らし出す通常の液晶ディスプレイでは、どうしても光が漏れてしまい、黒い画面が白っぽくなってしまいます。
一般的なパネルとの違いは、パッと見でわかるレベルです。
さらに、ディスプレイは高輝度のDisplayHDR 500に対応するほか、色域もDCI-P3 100%と非常に広く、まさにプロ向けのスペックとなっています。動画や画像編集など本格的なクリエイティブ作業に最適です。
白色LED内蔵キーボード
13インチ+αの大きさということで、テンキーは非搭載。両サイドにスピーカーが配置されており、音がこもりにくく、デザイン面でもいいアクセントになっています。
キーは一部連結されているものの、各キーは大きめで、配置そのものもクセがなく素直。キーピッチも約19.5mmとデスクトップクラスと非常に広く、誤爆の心配はまずありません。電源ボタンがキーボード内ではなく、右サイドに独立して配置されているのもいいですね。
ファンクションキーの内容も充実しており、基本的なキーにプラスして、電卓やカスタマイズ対応キーが用意されいるほか、ファンクションロックにもしっかり対応しています。
キーストロークはやや深めで、反発も適度にあり、打鍵感を楽しみながらタイピングできます。
もちろん、トレンドの白色LEDを内蔵しています。下からしっかり照らし出すので、最大輝度だと華やか。薄暗い場所でタイピングもはかどります。LEDはファンクションキーで2段階+OFFの切り替えでき、使うシーンによって柔軟に対応できます。
スムーズなタッチパッド
タッチパッドは、パッド部分とクリックボタンが一緒になった、オーソドックスな一体型タイプとなっています。
タッチパッドはサラサラした材質で、カーソル操作はとてもスムーズ。クリックボタンも軽く押すだけで反応し、上々の完成度です。
一体型だとバタついたり反応がイマイチなモデルもありますが、しっかり作られているのは好印象ですね。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。
このモデルでは、AMDの第7世代6コア12スレッドCPU・Ryzen 5 7535Uを搭載。最新のRyzen 7000シリーズCPUではありますが、前世代の”ZEN 3+アーキテクチャ”をベースにしており、第6世代の6コア12スレッドCPU・Ryzen 5 6600Uのクロックアップバージョンということができます。
ZEN 3+アーキテクチャCPUの特徴は、なんといっても強力な内蔵グラフィックで、Ryzen 5 7535Uでは”Radeon 660M”を搭載しています。
参考までに、ライバルとなるインテルの10コア12スレッドCPU・Core i5-1335Uと比較すると、シングルスコアは約10%下回っているものの、マルチスコアは約25%上回っています。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。
先に紹介した通り、高性能のグラフィック・Radeon 660Mを内蔵しています。インテルでいうなら”Iris Xe Graphics”に匹敵する性能となっており、AMDの内蔵グラフィックでは頭一つ抜けています。
総合スコア | Graphics Score |
CPU/Physics Score |
Combined Score |
|
Time Spy | 1842 | 1639 | 6249 | ー |
Fire Strike | 4694 | 5017 | 192725 | 1794 |
Night Raid |
18716 | 21243 | 11182 | ー |
Sky Diver | 15566 | 15331 | 15864 | 17050 |
Wild Life | 10689 | ー | ー | ー |
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測るソフトです。
ブラウジングや各種編作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、余裕でクリア。スコア6000に迫る非常に高いスコアをマークしています。ブラウジングやオフィス作業などの軽作業から、動画・画像編集などのヘビーな作業も余裕でこなせる性能です。
なお、Core i5-1335Uと比較すると、総合スコアは約13%上回っており、優れたCPU性能できっちり差をつけています。
TMPGEnc Video Mastering Works 7
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。結果は秒で表記しています。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・VCE/QSVでエンコードしています。なお、VCE/QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE/QSV |
Ryzen 5 7535U | 1511 | 776 | 144 |
Core i5-1335U | 1808 | 916 | 175 |
まず軽めのH.264をチェック。CPU勝負のソフトウェアエンコードでは、マルチ性能の高いRyzen 5 7535Uが有利で、Core i5-1335Uよりも約15~16%早く変換を完了しています。
また、グラフィック機能を利用したハードウェアエンコードでも、Ryzne 5がCore i5に約18%差をつけています。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE/QSV |
Ryzen 5 7535U | 2283 | 1159 | 141 |
Core i5-1335U | 3030 | 1504 | 242 |
重量級のH.265ではさらにその差が広がり、ソフトウェアエンコードでは約23~25%、ハードウェアエンコードでは約42%にもなります。
Lightroom Classic CC
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)を最高画質のJPEG画像に書き出す時間を計測しました。結果は秒で表記しています。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→JPEG | |
Ryzen 5 7535U | 230 |
Core i5-1335U | 209 |
画像変換もCPU勝負ですが、Core i5-1335UがRyzne 5 7535Uを逆転し、約9%早く変換を完了しています。
VALORANT(ヴァロラント)
解像度:WUXGA/WXGA
ゲーム設定:高/中/低(アンチエイリアス”FXAA”、異方性フィルタリング”16x”)
プレイモード:アンレート
平均(最低)fps | 高 | 中 | 低 |
WXGA | 154(121)fps | 172(140)fps | 199(164)fps |
WUXGA | 134(111)fps | 146(126)fps | 179(163)fps |
ノートでも動かせる超軽量級のFPSゲームです。競技性の高いゲームなので、できれば100fps以上は欲しいところ。
トップクラスに軽いゲームということで、WUXGAでも平均100fps以上を余裕で越えてきます。ただし、ディスプレイは60Hz出力なので、最高でも60fps止まりという点には注意です。
FF14(ファイナルファンタジー14 暁月の終焉)
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
WXGA | 7055 | 8838 | 10875 |
WUXGA | 3830 | 5303 | 7293 |
知名度バツグンの国内産MMORPGですね。スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。
重めのゲームには歯が立たず、WUXGAではスコア9000をクリアできません。ただし、WXGAでは標準品質でスコア10000台に乗せており、従来の内蔵グラフィックとは一線を画す性能というのはたしかですね。
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは大容量の512 SSD(Western Digital)を搭載しています。256GBよりも容量にだいぶ余裕があり、動画や画像編集でも安心。SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプで、爆速のPCIe Gen.4規格を採用する本格派仕様です。
実際の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書きは3000~5000MB/s台としっかり速度が出ています。一方、ランダムの速度はGen.3クラスということで、スタンダードなGen.4 SSDといったところですね。
もちろん、SSDということで動作はとても快適。OSの起動からアプリの動作までサクサク動きます。
温度
CINEBENCH R23実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
フルロード時での温度は80℃台に抑えつつ、動作クロックは3.2GHzと高めをキープしており、安定してCPUの性能を引き出せています。
動作音
CINEBENCH R23実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ
50デシベルを超えるとノイズが気になるようになりますが、ピーク時で50.8デシベルと若干上回るレベル。ファンの回転音がやや気になりますが、甲高い耳障りなノイズは控えめなので、うるさく感じません。標準的なノートそのものという感じです。
ちなみに最小時では46.9デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:トップクラスの電力効率・インテリジェント・クーリング
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約10時間10分をマークし、モバイルノート目安となる10時間をしっかり超えています。高解像度ディスプレイ搭載モデルにしては、バッテリーがよく持ちますね。
便利なユーティリティーソフトを完備
付属アプリとして”Lenovo Vantage”がインストールされています。動作モードや各種デバイスの設定からシステムの更新などサポートに至るまで、このアプリで全て設定でき、とても便利なアプリです。
サウンドシステムには、有名どころの”Dolby”を採用しています。ステレオスピーカーに加え、2基のサブウーファーを搭載する本格派仕様となっているのがポイント。
肝心の音質ですが、重低音~高音までしっかり伸び、とても迫力があります。重厚な音質でサラウンドもバッチリ効いており、クオリティは上々です。スピーカーの完成度の高さは、さすがレノボといったところですね。
まとめ&関連モデル
ラウンドフォルムの美しいアルミボディに、高品質の有機ELディスプレイを搭載。バックライト付きキーボードや顔認証センサー、アクティブペンなどを装備しており、まさに至れり尽くせりの内容です。
この充実ぶりで価格は13万円台とかなり安く、コスパは◎。ワンランク上の2in1モバイルノートとしておすすめ。
Yoga 7 Gen.8 14型(Ryzen 7搭載)
【スペック】
■OS:Windows 11
■ディスプレイ
14.0インチ 2.8K グレア 有機EL タッチ対応
■CPU:Ryzen 7 7735U
■メモリ:16GB(LPDDR5-6400)
■グラフィック:Radeon 680M(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 512GB(PCIe NVMe Gen.4)
■価格:139,810円(税・送料込)~
AMDの第7世代8コア16スレッドCPU・Ryzen 7 7735Uを搭載したハイスペックモデルです。
CPUの性能は約20%高く、さらに強力な内蔵グラフィック”Radeon 680M”を搭載しているのがポイント。Radeon 660Mよりも約50%も性能が高く、2.8Kの非常に高い解像度も相まって、編集作業がよりはかどります。