今回デルの【Inspiron 16 5000 プラチナ[5625]】をお借りしました。
高性能のRyzen 5000シリーズ搭載!高いクオリティとコスパの高さを両立した、16インチスタンダートをチェックしてみましょう。
スペック
※2022年11月23日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
※割引クーポンは販売サイトに記載してあります。
外観
洗練されたアルミボディ
スタンダードモデルにしてはクオリティが高く、天板の素材にアルミニウムを使用しています。
表面は非光沢の梨地加工が施され、金属の高い質感も相まって、高級感を感じさせます。
デザインは、いつものデルクオリティですね。ラウンドフォルムを取り入れた美しいプレーンボディに、天板のロゴのみと、機能美重視でとてもシンプル。
なお、カラバリはプラチナシルバーとぺブルグリーンの2色が用意されています。実機モデルはぺブルグリーンですが、淡い色合いでとても上品です。
コンパクト&軽量ボディ
このモデルは大型の16インチモデルです。15インチモデルよりもディスプレイが大きく、17インチよりもコンパクトということで、据え置きタイプでは最近人気のサイズです。
こう見えて意外とコンパクト。ディスプレイのベゼル(ふち)をスリム仕様にすることで、横幅と奥行きを圧縮し、15インチモデル+αのサイズに抑えています。奥行きこそ大きいものの、横幅にいたってはほぼ同じです。
また、厚さも最薄部で15.67mmと、2cmを大きく下回るスリムボディとなっており、野暮ったさがなくとてもスタイリッシュ。
コンパクト&スリムボディにより、重さも実測1820gと一般的な15インチモデルとほぼ同じ。ちょっとした持ち運びにも便利な重さです。
リフトアップヒンジ搭載
機能面もしっかり考えられており、”リフトアップヒンジ”を搭載しています。リフトアップヒンジとは画面を開いたときに、ボディがせり上がるギミックのこと。
適度な傾斜ができるためタイピングしやすくなるほか、接地面とパソコンの間にすき間が空くことで、給排気がスムーズになり、冷却能力もアップします。
ヒンジ部分が大きく造られているので、少しの傾きでもリフトアップするのはグッドです。
スタンダードなインターフェース
光学ドライブは非搭載ながら、必要なものは一通りそろっています。
USBは全3ポートと、大型モデルにしては少し寂しい内容。規格はすべてUSB 3.2で、左サイドのType-Cポートは、最大10Gbpsの転送に対応したGen.2規格となっています。
なお、Type-Cポートだけでなく、オーソドックスなType-Aポートも装備しており、様々な機器を接続できるのがポイント。
そのほかHDMIポート・SDスロットも搭載し、普段使いで必要なものは一通りそろっています。ちなみに、Type-CポートはDisplayPort出力も兼ねており、複数画面の出力も可能です。
安心のセキュリティ機能
セキュリティ面にもしっかり配慮され、カメラ部分にプライバシーシャッターを装備しています。使わないときはシャッターを閉めることで、不正アクセスなどからプライバシーを保護することができます。デバイス機能のON/OFFではなく、物理的にシャットアウトするのでとても安心ですね。
さらに、電源ボタンに指紋認証センサーを内蔵。本人認証のため、ログインパスワードよりも安全。また、ログインの際わざわざパスワード入力することなく、とてもスムーズです。
ディスプレイ&キーボード
IPSパネル搭載
ディスプレイのサイズは、16.0インチきっかり。15.6インチよりもさらに一回り大きく、迫力が感じられます。
ディスプレイの解像度はWUXGA(FHD+・1920×1200)、ディスプレイ比率は16:10と、最近はやりのスタイル。主流のフルHD(16:9タイプ)よりもやや縦長なので、一度に表示できる情報量が多く、スクロールの手間が省けるのは便利ですね。
ディスプレイのパネルは、高品質のIPSパネルを搭載。優れた発色と高いコントラストで、くっきり鮮やかな映像を描写します。動画鑑賞などにも最適です。
高視野角なので、この通り横から見ても色むらがほとんどありません。ちなみに、パネルの詳細(BOE0A34)は下記の通りで、輝度・色域ともにごく普通レベルといったところ。輝度が300nitだとベターでしたね。
完成度の高いキーボード
ワイドボディですが、テンキーレスキーボードを採用しています。キーボードの両端にはスピーカーを装備しており、デザイン面でのアクセントとなっています。
テンキーがないとデザイン的にスマートな感じになりますが、入力作業にはどうにも不便ですね。オフィスソフトなどを使う機会が多い方は、別にテンキーパッドを用意するのがおすすめ。
一部キーが連結したデル仕様ですが、各キーは大きめに造られ、配置そのものも素直。キーピッチも約19mmとデスクトップキーボード並みの間隔が確保されており、誤爆の心配はまずありません。
気を付けるとしたら、右上の電源ボタンでしょうか。配置的に誤って押してしまいそうなのがネックすが、ほかのボタンよりも固めになっており、普通にタイピングしたくらいでは反応しないので、そこまで心配する必要はありません。
なお、ファンクションキーはいたってオーソドックスな内容ですが、ファンクションキーロックが用意されているのは意外と便利。
キーストロークはやや深めで、適度に反発もあり、打鍵感は上々。なお、剛性は普通レベルです。
もちろん、トレンドの白色LEDをバッチリ内蔵しています。見た目が華やかになるだけでなく、薄暗い場所でタイピングしやすくなり、とても便利。なお、LEDは2段階の明るさに設定でき、もちろんOFFにも設定可能。LEDが苦手という方でも安心です。
スムーズなタッチパッド
タッチパッドはクリックボタンとパッドが一緒になった、オーソドックスな一体型のタイプです。
表面はサラサラした材質で、カーソル操作は非常にスムーズ。また、クリックボタンはやや押し込む必要があるものの、クリック音はとても静かです。
一体型だとしっかり押し込まないと反応せず、動作音もうるさい…なんてケースをちらほら見かけますが、そんな心配は全くありません。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。
このモデルでは、AMDの第5世代ハイスペックCPU・Ryzen 7 5825Uを搭載。Ryzen 5000シリーズには2タイプありますが、このCPUは高性能の”ZEN 3アーキテクチャ”をベースにしています。8コア16スレッド構成で、優れたパフォーマンスを発揮します。
参考までに、兄弟モデル(Inspiron 16 5620)で搭載されている、インテルの10コア12スレッドCPU・Core i7-1255Uと比較すると、シングル性能は約21%低い反面、マルチ性能は約14%高くなっています。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。
このCPUは、高性能のグラフィック・Radeon Graphicsを内蔵しています。とてもよくスコアが伸びていますが、インテルの高性能内蔵グラフィック・Iris Xe Graphicsに比べ、スコアはワンランク落ちてしまいます。
総合スコア | Graphics Score |
CPU/Physics Score |
Combined Score |
|
Time Spy | 1336 | 1173 | 6387 | ー |
Fire Strike | 3279 | 3565 | 19660 | 1151 |
Night Raid |
14091 | 15414 | 9482 | ー |
Sky Diver | 12260 | 11976 | 15499 | 10798 |
Cloud Gate | 21958 | 27306 | 13028 | ー |
Ice Storm | 126258 | 172638 | 65072 | ー |
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測るソフトです。
ブラウジングやオフィス作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、余裕でクリア。スコア5000半ばの非常に高いスコアをマークしています。ブラウジングやオフィス作業などの軽作業から、動画・画像編集などのヘビーな作業も余裕でこなせる性能です。
なお、Core i7-1255Uとの差は、総合スコアで約15%となっています。特に、オフィスやワードテストでの差が大きく、オフィステストでは約2倍とかなり大きめ。このテストだけ極端にスコアが低く、E-コアとP-コアの連携があまりうまくいっていない感じがしますね。
TMPGEnc Video Mastering Works 7
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・VCE/QSVでエンコードしています。なお、VCE/QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。VCEはAMD、QSVはインテルの名称です。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE/QSV |
Ryzen 7 5825U | 1495 | 744 | 185 |
Core i7-1255U | 1545 | 788 | 161 |
まず軽めのH.264をチェック。CPU性能が重要になるソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では、Ryzen 7 5825Uが早く変換を完了しているものの、その差は約3~6%と小さめ。
一方、グラフィック機能を利用したハードウェアエンコードでは、Core i7-1255UがRyzen 7 5825Uよりも約13%早く変換を完了しています。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE/QSV |
Ryzen 7 5825U | 2698 | 1341 | 185 |
Core i7-1255U | 2745 | 1364 | 217 |
次に重量級のH.265をチェック。ソフトウェアエンコードの差は約2%と、変わらず小さめ。なお、ハードウェアエンコードではRyzen 7 5825Uが逆転し、Core i7-1255Uに約15%差をつけています。
Lightroom Classic CC
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Ryzen 7 5825U | 21 | 232 |
Core i7-1255U | 27 | 147 |
画像変換もCPU勝負となりますが、軽めのDNG変換では、Ryzen 7 5825UがCore i7-1255Uに約23%差をつけています。一方、重量級のJPEG変換では逆に、Core i7-1255UがRyzen 7 5825Uに約37%もの差をつけており、変換形式によって結果はマチマチ。
なんとも優劣がつけがたい性能なので、価格の安いRyzen 7搭載モデルで十分な感じですね。
ドラクエ10
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
WUXGA | 8989 | 12110 | 12424 |
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
Iris Xe Graphicsには及ばないものの、内蔵グラフィックにしては性能が高く、フルHD・最高品質でスコア8000台をマーク。超軽量級のゲームならフルHDでも楽しむことができます。
FF14(ファイナルファンタジー14 暁月の終焉)
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
WXGA | 4790 | 6122 | 7307 |
WUXGA | 2602 | 3386 | 4430 |
知名度バツグンの国内産MMORPGですね。スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。快適にプレイするなら、フルHD・最高設定でスコア9000をしっかり超えたいところ。
重めのゲームなので、いずれの設定でもスコア9000オーバーならず。ただ、以前の内蔵グラフィックでは考えられないほどスコアが高く、だいぶ進化しています。
CrystalDiskMark
”CrystalDiskMark”は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックするソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは、大容量の512GB SSDを搭載しています。256GBのさらにその上を行く容量の多さで、動画や画像などかさばるデータ類も多めに保存することができます。もちろん、SSDは通常タイプよりも4~5倍速いNVMeタイプのSSDを採用し、メーカーはSK hynixとなっています。
その実力ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書き速度はいずれも4ケタ、一部3000MB/s以上の速度をマークしています。一方、ランダムはごく普通といったところで、トータルではスタンダードクラスのNVMe SSDですね。
もちろん、OSの起動からブラウジング、各種アプリの動作にいたるまでサクサク動いて、とても快適です。
温度
CINEBENCH R23実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
フルロード時では、80℃前後の安定した温度をキープ。動作クロックも約2.7~2.8GHzとやや高めとなっており、冷却性能は上々です。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ
50デシベルを超えるとノイズが気になるようになりますが、ピーク時で49.8デシベルと、ほぼ50デシベルきっかりをマーク。ファンの回転音は大きめですが、耳障りな甲高いノイズがほとんどなく、あまりうるさく感じないのはグッド。
ちなみに最小時では46.9デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:バランス、より良いバッテリー
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約8時間40分と、スタンダードノートでは標準的なレベルですね。5時間を大きく超えているので、電源のない環境でも安心して使えます。
充実したユーティリティー機能
毎度おなじみのサウンドエンジン”Waves MaxxAudio Pro”が標準で搭載されています。イコライザーやサラウンド機能など必要なものは一通り搭載されており、ご覧の通りかんたんに調整することができます。
なおスピーカーの音質ですが、低音~高音までしっかり伸び、厚みのある音質で迫力があります。なにより、重低音に負けないスピーカーというのはポイントが高いです。さらに、サラウンドも効いており、臨場感があるのもいいですね。
そのほか、サポート機能も装備しており、”SupportAssist”機能では、ドライバのアップデートからハードのスキャンまでワンストップで実行できます。また、サポート窓口のアクセスのカバーし、万が一の場合でも安心です。
また、”電源マネージャ”では、PCの動作モードやバッテリーの充電設定を行うことができます。
まとめ
アルミパネルを採用した高品質ボディは、コンパクト&スリムでとてもスタイリッシュ。大画面の16インチ&IPSディスプレイやバックライト付きキーボード、指紋認証センサーを標準装備しながら、価格は9万円台~(Ryzen 5搭載モデル)と安く、コスパは◎。
据え置き用のノートPCで画面の大きさを重視するならおすすめです。
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