Dell XPS 13[9315]をレビュー 約1.1kg台の超軽量アルミボディ!ずば抜けた携帯性の高さを誇る13インチモバイルノート

今回デルの【XPS 13[9315]】をお借りしました。

フラグシップブランド・XPSシリーズが誇る、超軽量・ウルトラスリム・コンパクトの三拍子そろった13インチモバイルノートをチェックしてみましょう。

 

目次

スペック

  Dell XPS 13[9315] Core i5搭載
カラー スカイ・アンバー
サイズ W295.40×D199.40×H13.99mm
重量 約1.17kg(実測1159g)
OS Windows 11 Home(64ビット)
CPU Core i5-1230U
・10コア12スレッド
・定格1.0/最大4.4GHz
メモリ 16GB(LPDDR5-5200)
ストレージ 512GB SSD(PCIe NVMe)
グラフィクス Iris Xe Graphics(CPU内蔵)
ディスプレイ 13.4インチ、FHD+(1920×1200)、ノングレア、IPS
インターフェース Thunderbolt 4×2
光学ドライブ ×
カメラ HDカメラ(720p)
スピーカー クワッドスピーカー(Waves MaxxAudio Pro)
キーボード バックライト付き日本語キーボード
Wi-Fi IEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax
Bluetooth 5.2
保証 1年(最長4年)
価格 161,700円(税・送料込)~
付属品 ・各種マニュアル
・電源アダプタ(146g)
・電源ケーブル(101g)
・USB Type-C⇒3.5mmイヤフォンジャック(4g)
・USB Type-C⇒USB Type-A変換コネクタ(4g)

※2023年1月16日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。

 

外観

高級感あふれるアルミボディ

上位モデルにXPS 13 Plus icon-external-link-square がありますが、大まかな違いはキーボードとCPUの2点。基本的な造りはほとんど同じです。

 

ボディの素材には高品質のアルミニウムを採用。アルミの塊から削り出したシームレスボディには、梨地加工が施されており、美しい仕上がりを実現。金属の高い質感も相まって、高級感を感じさせます。

また、見た目もさることながら、一体成型のため剛性が高いのもポイント。タフなアルミボディとの相乗効果で、持ち運びの際も安心です。

 

デザインはデルらしく機能美重視で、ロゴのみと非常にシンプル。

 

底面の吸気口もスリット状で、とてもスッキリしています。

 

カラバリは、貸出機のスカイ(ブルー)とアンバー(ブラウン)の2色が用意されています。シルバーとブラックのXPS 13 Plusとは対照的で、カジュアル寄りとなっています。

カジュアルとはいえ、いずれのカラーも淡めの上品な色合いなので、使う人を選びません。

 

超軽量ボディ

このモデルは持ち運びがしやすい13インチサイズとなっています。持ち運び&据え置きに最適なジャストサイズで、モバイルノートならまずおすすめ。

 

ディスプレイのベゼル(ふち)を上下左右に極限までスリムにすることで、横幅と奥行きを圧縮。

 

その大きさですが、A4用紙(210×197mm)とほぼ同じ。イメージではA4ファイルサイズと比較していますが、比べるまでもありません。

 

特筆すべきはその軽さで、なんと実測で1159g!重くなりがちなアルミボディで1.1kgは他を圧倒し、XPS 13 Plusよりさらに100g弱も軽くなっています。さすがに1.0~1.1kg台ともなると片手で楽々持つことができ、標準クラスの1.2~1.3kg台のモデルとはだいぶ違う感覚です。

また、ボディの厚さも13.99mmとこちらも圧倒的にスリムなこともあり、カバンにサッと入れてラクラク持ち運ぶことができます。

 

最新のインターフェース

ウルトラスリムボディの弱点として、インターフェースが大幅にオミットされています。

 

XPS 13 Plusと全く同じ内容で、なんとUSB Type-Cポートが2つのみ

Type-Aポートはもちろん、3.5mmのイヤフォンジャックも無いので、周辺機器の接続には工夫が必要ですね。付属の変換アダプタやBluetooth接続をフル活用してカバーしましょう。

 

なお、USBは最新規格を押さえており、最大40Gbpsの高速転送や大容量給電に対応した”Thunderbolt 4”となっています。このポートはDisplayPort出力を兼ねているため、外部ディスプレイの利用も可能です。

 

もちろん、セキュリティにも配慮されており、指紋認証センサー(電源ボタンに内蔵)に加え、カメラ部には顔認証センサーを装備しています。本人認証のため、ログインパスワードよりも安全。また、ログインの際わざわざパスワード入力することなく、とてもスムーズです。

ただ、そろそろカメラ部にプライバシーシャッターを装備して欲しいところですね。

 

ディスプレイ&キーボード

高色域ディスプレイ搭載

ディスプレイサイズは13.4インチと、一般的な13.3インチよりも若干大きめ。

 

ディスプレイの解像度はWUXGA(1920×1200)、ディスプレイ比率は16:10と、最近はやりのスタイル。主流のフルHD(16:9タイプ)よりもやや縦長なので、一度に表示できる情報量が多く、スクロールの手間が省けるのは便利ですね。

パネルは優れた発色と高いコントラストを誇るIPSパネルを採用。くっきり鮮やかな画面描写で動画鑑賞などにも最適。

 

クオリティはとても高く、色域はsRGB比 100%と、一般モデルに比べ広めなのもポイント。色の再現性が高く、写真や動画などをより正確に編集できます。

さらに、輝度は500nitと一般的なノートパソコンの2倍にもなり、とても明るく鮮やか。ベースモデルでこのレベルは、さすがハイエンドモデルといったところですね。

 

IPSパネルということで、視野角はとても広く、どの角度から見ても色むらはほぼありません。

 

ゆとりのあるキーボード

横幅が狭い13インチボディということで、テンキーレスキーボードを搭載しています。

 

横幅を目いっぱい使うことで、ゆとりのある配置を実現。

各キーは大きめに造られ、すべて独立しており、キーピッチは約19mmとデスクトップキーボードなみの間隔を確保。また、配置そのものも非常に素直になっており、誤爆の心配はまずありません。電源ボタンは右上に配置されていますが、他のキーよりも固めなのでうっかり触っても大丈夫。

 

ファンクションキーは基本的なものだけ装備しており、とてもシンプルな内容ですね。ファンクションキーのロック機能は装備しているので、お好みで切り替え可能です。

 

キーストロークはやや深めで、適度に反発があり、打鍵感は良好です。下位のInspironシリーズと同じく、最近のDellのモデルは打鍵感がだいぶ良くなりましたね。もちろん金属ボディということで、表面の剛性は非常に高く、まさにたわみ知らず。タイピング圧力が高い方でも安心。

ちなみに、最近のトレンド・白色LEDもばっちり搭載しています。薄暗い場所でタイピングしやすくなるのはもちろん、見た目も華やか。光り方も控えめで上品なのも◎。本体イメージにしっかりマッチしています。

なお、LEDは2段階の明るさ+OFFに設定可能です。

 

パーフェクトなタッチパッド

タッチパッドは、パッドとクリックボタンが一緒になった、オーソドックスな一体型タイプです。

タッチパッドの完成度はかなり高く、表面はサラサラした材質で、カーソル操作は非常にスムーズ。クリックボタンもよくできており、カタカタと軽い力で確実に反応します。クリック音も小さく、申し分のない完成度です。さすがはハイエンドモデルなだけあります。

 

 

ベンチマーク

各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。

CINEBENCH

まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。

 

CPUはインテル第12世代の10コア12スレッドCPU・Core i5-1230Uを搭載しています。

最新世代では設計を一新し、高性能の”P-コア”と省エネの”E-コア”を搭載した、Wコア構成を採用。タスクに応じて、各コアを使い分け、場合によっては両者を併用することで、効率よく処理できるのが強みです。もちろん、コアの性能も向上しており、コア・スレッド数の増加も相まって、非常に高いパフォーマンスを発揮します。

ちなみに、ノート用の第12世代CPUには、Hシリーズ・Pシリーズ・Uシリーズの3タイプがあり、一番下位のグレードとなります。

 

上位のCore i7-1250U(10コア12スレッド)と比較してみると、シングル・マルチ性能ともにほぼ互角となっています。

 

3DMARK

3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。

DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)・RT(Port Royal)それぞれの条件で測定することができます。

 

内蔵グラフィックは、高性能の”Iris Xe Graphics”を搭載。その性能はMX400に匹敵するレベルで、内蔵タイプにしては破格の性能となっています。基本的な編集作業ならIris Xe Graphicsで十分対応できます。

  総合スコア Graphics
Score
CPU/Physics
Score
Combined
Score
Time Spy 1064 932 5530
Night Raid 11018 11964 7611
Fire Strike 3153 3319 16130 1222
Sky Diver 10052 9536 12935 10834
Cloud Gate 15935 19104 10082
Ice Storm 83267 88781 68399

 

PCMark 10

【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測る定番ソフトです。

 

ブラウジングやオフィス作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、スコア4000半ばの高いスコアをマーク。ブラウジングやオフィス作業などの軽作業はもちろん、動画・画像編集にもしっかり対応できます。

なお、Core i7-1250Uとは総合スコアで約10%の差がついています。特に、動画や画像編集のスコアは約20%前後と大きく、編集作業の機会が多い方はCore i7がおすすめ。

 

TMPGEnc Video Mastering Works 7

【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。結果は秒で表記しています。

 

エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・QSVでエンコードしています。なお、QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。

 

H.264(フルHD) 2Pass 1Pass QSV
Core i5-1230U 2255 1187 208
Core i7-1250U 1596 817 166

まず軽めのH.264をチェック。CPU勝負のソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では、クロックの高いCore i7-1250Uが有利。Core i5-1230Uに約29~31%と大きく差をつけています。

一方、QSVでも両者の差は約20%と大きめです。

 

H.265(フルHD) 2Pass 1Pass QSV
Core i5-1230U 4252 2119 310
Core i7-1250U 3011 1469 242

重量級のH.265でも、同じような傾向ですね。Core i7がコンスタントに有利で、ソフトウェアエンコードでは約29~31%、QSVでも約22%差となっています。

 

Lightroom Classic CC

【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。結果は秒で表記しています。

JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。

 

  CR2→DNG CR2→JPEG
Core i5-1230U 49 163
Core i7-1250U 30 152

このテストもCPU勝負ということでCore i7-1250Uがやはり有利。テストによって結果が大きく異なり、軽めのDNGでは約39%差と大きく開く一方、重量級のJPEG変換では約7%差と小さくなります。

 

VALORANT(ヴァロラント)

測定条件

  解像度:WUXGA/WXGA

  ゲーム設定:高/中/低(アンチエイリアス”FXAA”、異方性フィルタリング”16x”)

  プレイモード:アンレート

平均(最低)fps
WXGA 133(101)fps 145(107)fps 161(130)fps
WUXGA 81(63)fps 93(72)fps 104(86)fps

ノートでも動かせる超軽量級のFPSゲームです。競技性の高いゲームなので、できれば100fps以上は欲しいところ。

トップクラスに軽いゲームということで、WUXGAでも平均100fps以上を狙えます。ただし、ディスプレイは60Hz出力なので、最高でも60fps止まりという点には注意です。

 

FF14(ファイナルファンタジー14 暁月の終焉)

  最高 標準
WXGA 4569 5979 8751
WUXGA 2625 3803 5885

グラフィック負荷が高めのMMORPGです。スコア9000以上で【快適】&平均60fpsをキープでき、快適にプレイするならスコア9000をしっかり超えたいところ。

重量級のゲームではさすがに厳しく、WUXGA・WXGAともにスコア9000に届きません。ただし、WXGA・標準品質ではスコア9000に迫るところまで来ており、以前の内蔵グラフィックとは段違いの性能というのは確かですね。

いずれにせよ、あくまでも内蔵グラフィックということで、対応できるのはこのゲームやドラクエ10など、超軽量級のものに限られてしまいます。

 

CrystalDiskMark

【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。

 

このモデルは512GB SSDを搭載しています。標準的な256GBの2倍にもなる容量の多さで、動画や画像などデータ類も多く保存することができます。なお、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプ で、メーカーはPhisonとなっています。

肝心の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書きはいずれも4ケタ、最大3000MB/s以上をマーク。また、ランダムの速度もしっかり出ており、上々のクオリティですね。もちろん、SSDということで実際の使用感はとても快適。OSの起動やブラウジング、各種アプリの動作もサクサク動きます。

 

温度

CINEBENCH R23実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。

 

低出力タイプのCPU&安定性重視の動作システムということで、フルロード時では80℃台前半、動作クロックはP-コアで2.7GHzと控えめです。

 

動作音

FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ

 

50デシベルを超えるとノイズが気になるようになりますが、ピーク時で50.3デシベルとほぼきっかり。ファンは高速回転していますが、甲高いノイズは控えめなので、うるさく感じません。

ちなみに最小時では46.9デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。

 

バッテリー持続時間

「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。

  • 電源設定:最適化、トップクラスの電力効率
  • バックライト:40%
  • 10秒ごとにキー入力
  • 1分ごとに無線LAN経由でネット接続

結果は約12時間50分をマーク。モバイルノートの目安となる10時間を大きく超え、出先でも安心して使えます。

 

充実したユーティリティー機能

そのほか、サポート機能も装備しており、”SupportAssist”機能では、ドライバのアップデートからハードのスキャンまでワンストップで実行できます。また、サポート窓口のアクセスのカバーし、万が一の場合でも安心です。

 

また、バッテリーの充電設定や動作モードの変更機能も搭載しています。

 

毎度おなじみのサウンドエンジン”Waves MaxxAudio Pro”が標準で搭載されています。イコライザーやサラウンド機能など必要なものは一通り搭載されおり、かんたんに調整することができます。

なおスピーカーの音質ですが、低~高音までしっかり伸び、重低音までしっかり再現。厚みのある音質に加え、サラウンドもバッチリ効いており、迫力が感じられます。XPSシリーズなだけあり、グレード相応の高い完成度ですね。

 

まとめ

アルミボディながら1.1kg台と非常に軽く、1.5cm以下のウルトラスリムボディにより、携帯性がずば抜けて高くなっています。約12時間のロングライフバッテリーも魅力的。性能や機能面を含めたトータルの完成度も申し分なく、品質と携帯性のどちらにもこだわる方におすすめです

 

 

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