VAIO Zをレビュー 約982gの超軽量フルカーボンボディ!他を圧倒するクオリティの高さが魅力の14インチモバイルノート

今回VAIOの【VAIO Z】をお借りしました。

フルカーボンボディを採用!14インチモデルらしからぬ超軽量ボディを実現した、高性能モバイルノートをチェックしてみましょう。

 

目次

スペック

Core i7-11390H搭載モデルのみ販売しています。
  VAIO Z(Core i5搭載モデル)
カラー ブラック・シグネチャーブラック
サイズ W320.4×D220.8×H12.2~16.9mm
重量 約982g~(実測960g)
OS Windows 11 Home(64ビット)
CPU Core i5-11300H
・4コア8スレッド
・定格3.1/最大4.4GHz
メモリ 16GB(LPDDR4X)
ストレージ 256GB(PCIe NVMe)
グラフィクス Iris Xe Graphics(CPU内蔵)
ディスプレイ 14.0インチ、フルHD、ノングレア
インターフェース USB 4(Thunderbolt 4対応)×2、USB 3.0 Type-A×2、HDMI、マイク入力/ヘッドフォン出力
光学ドライブ ×
カメラ Full HDカメラ Windows Hello 顔認証対応(約207万画素)
スピーカー 内蔵ステレオスピーカー
キーボード バックライト付き日本語キーボード
Wi-Fi IEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax
Bluetooth 5.1
保証 3年(最大4年)
価格(Core i7搭載モデル) 311,080円299,080円(税込)~
付属品 ・各種マニュアル
・電源アダプタ(162g)

※2022年5月17日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。

 

外観

フルカーボンボディ

ボディは、14インチサイズとなっています。モバイルノートで定番の13インチモデルよりも大きな画面を搭載し、それでいて軽量ということで、最近人気のサイズですね。

 

このモデル最大のセールスポイントは、なんといってもフルカーボンボディです。

航空機にも使われる、とても軽くて頑丈な素材ですが、それをボディのほぼ全面に使用しています。従来からカーボンを使用したモデルはあるものの、あくまでも天板やキーボード面など一部のみなので、それらとは一線を画しています。

ちなみに、このモデルのカーボンの強度(比弾性率)は、多くのモバイルノートで使用されているマグネシウム合金の約2倍!さらに、アメリカ国防総省制定の”MIL規格”もクリアしており、とても頑丈です。

 

携帯性に優れた超軽量ボディ

タフボディもさることながら、コンパクト&超軽量というのもポイント。

 

ディスプレイのベゼル(ふち)をスリムにすることで、横幅と奥行きを圧縮。

 

その結果、A4ファイルサイズ並みのサイズを実現しています。

 

さらに、厚さも最厚部で12.2mmと、1.5cmを切るウルトラスリムボディということもあり、カバンにサッと収納できます。

 

極めつけがボディの重さで、なんと実測で960g!さすがに1kg前後だと本体の重さをあまり感じないので、持ち運びが本当に楽ですね。

なお、900g台というのは、14インチモデルでトップクラスの軽さです。およその相場は1.3~1.5kgということを考えると、そのすごさがわかりますね。

 

デザインは、スマートな漆黒のボディに控えめなロゴのみと、かなりシンプル。機能美重視のデザインですが、ヒンジ部分を切り欠くことで、スタイリッシュに仕上げるセンスの高さは、さすがVAIOといったところですね。

 

カラバリは、貸出機のブラックのほか、シグネチャーブラックが用意されています。シグネチャーブラックでは、大胆にもカーボンの繊維が見えるようになっており、なかなかオシャレです。

 

リフトアップヒンジ搭載

機能面もしっかり考えられており、”リフトアップヒンジ”を搭載しています。リフトアップヒンジとは画面を開いたときに、ボディがせり上がるギミックのこと。

 

適度な傾斜ができるためタイピングしやすくなるほか、接地面とパソコンの間にすき間が空くことで、給排気がスムーズになり、冷却能力もアップします。下にノートPCクーラーを置いているようなもので、熱い夏場でも安心。

リフトアップヒンジ搭載モデルは多くなってきていますが、傾斜の大きさはVAIOならでは。かなりタイピングしやすいのはいいですね。

 

最先端のインターフェース

両サイドに排気口を配置しているため、USBは小型&リバーシブルのType-Cポート×2と最低限。

ただし、最新規格をしっかりおさえており、小型&リバーシブルのType-Cポートは、USB 4規格となっています。さらに”Thunderbolt 4”にも対応しているので、最大40Gbpsの超高速転送が可能です。

 

USB以外には、映像端子のHDMIポートのみで、SDスロットなどは無し。インターフェースの内容については、割り切りが必要ですね。

 

なお、カスタマイズにて5Gモジュールをカスタマイズできます。データ通信SIMさえあれば、いつでもどこでもネット環境を利用できます。フリーWiFiスポットを探す手間が省け、まさにストレスフリーですね。

SIMのサイズは一番小型のnanoSIMに対応しています。

 

安心のセキュリティ機能

セキュリティ面もしっかり配慮され、カメラ部分にプライバシーシャッターを装備しています。使わないときはシャッターを閉めることで、不正アクセスなどからプライバシーを保護することができます。デバイス機能のON/OFFではなく、物理的にシャットアウトするのでとても安心ですね。

 

さらに、電源ボタンは指紋認証センサーを兼ねているほか、顔認証センサーも搭載。本人認証のため、ログインパスワードよりも安全。また、ログインの際わざわざパスワード入力することなく、とてもスムーズです。

 

ディスプレイ&キーボード

IPSパネル搭載の高品質ディスプレイ

ディスプレイは、モバイルノートではやや大きめの14.0インチサイズを搭載しています。主流の13.3インチに比べると一回り大きく、ゆったりとした感じで視認性は上々です。

解像度は現在主流のフルHDとなっています。HDよりもきめ細かい画面表示ができるほか、表示領域が広く、オフィスソフトでの作業もはかどります。

 

パネルには高コントラスト・高発色・高視野角の3点を兼ね備えた、IPSパネルを採用。透明感のあるグレアディスプレイも相まって、画面表示はとても美しく、動画鑑賞にも最適です。

 

この通り、横から見ても色むらがほとんどありません。参考までに、型番(AUO623D)のスペックをチェックすると、sRGBを100%カバーしており、プロ向けとは言えないものの、編集用途にも使えるクオリティです。

 icon-check-circle 輝度:300 cd/m²  icon-check-circle sRGB:100%  icon-check-circle Adobe RGB:74%  icon-check-circle DCI-P3:74%

 

ちなみに、カスタマイズにて4Kディスプレイ(3840×2160)に変更できます。フルHD画面を4つも表示できる圧倒的な画素数で、息を吞むような精彩な画面表示が可能です。4Kコンテンツを楽しめるだけでなく、動画や画像編集もよりはかどります。

 

さらに、4Kディスプレイは、HDRに対応しているのもポイント。

HDRは、普通の映像(SDR:Standard Dynamic Range)よりも、映像の明るさの幅を広げ、肉眼で見る自然な明暗差・リアリティーを再現する技術のこと。明るいところはより明るく、暗いところはより暗くなり、映像に深みが生まれます。

 

完成度の高いキーボード

13インチ+αのサイズということで、テンキーレスキーボードを採用しています。表面はカーボンということで、マットな触り心地ですね。金属ボディとは違い、ひんやりした感じがしないのはグッド。

 

基本的なキーは大きく造られ、キーピッチも約19mmとデスクトップキーボード並みの間隔を確保。さらに、配置そのものは素直で、電源ボタンも右上に独立して配置されていることもあり、誤爆の心配はまずありません。

 

キーそのものは最低限の内容ですが、任意に設定できるファンクションキーが多く、F8~F12まで用意されています。イメージの通り、設定項目が豊富に用意され、しっかりカスタマイズすれば、利便性は大幅に向上します。

 

キーストロークはやや深め。適度に反発があり、わりとしっかりした打鍵感ですね。ちなみに、キートップは中央部分がカーブしており、指にフィットしやすくなっています。細かいところもしっかり造りこまれているのは好印象。

もちろん、トレンドの白色LEDをバッチリ内蔵しています。ふんわり浮かび上がるような輝き方で、とても上品な感じ。ON/OFFの設定は付属アプリで調整可能で、さらに、消灯までの時間まで設定できる親切仕様なので、とても便利です。

 

分離タイプのタッチパッド

タッチパッドは、パッド部分とクリックボタンが別の分離タイプとなっています。一般的なノートでこのタイプは、ちょっと珍しいですね。

 

タッチパッドはサラサラした素材になっており、カーソル操作はとてもスムーズ。クリックボタンも分離しているので、一体型よりも操作性がとても高く、軽く押すだけでしっかり反応し、非常に快適。クリック音が小さいのもグッドです。

 

 

ベンチマーク

各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。

CINEBENCH R23

まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH R23】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。

 

貸出機では、第11世代の4コア8スレッドCPU・Core i5-11300Hを搭載しています。”Hシリーズ”のCPUということで、高い動作クロックとTDPにより、一般的なCPUよりも優れたパフォーマンスを発揮します。ゲーミングノートならともかく、モバイルノートで搭載するのはレアケースですね

参考までに、同じく第11世代となる一般グレードのCPU・Core i5-1135G7(4コア8スレッド)と比較してみると、シングルスコアはほぼ同じですが、マルチ性能は約28%も上回っています。さすがHシリーズなだけあり、パワーは段違いに高いです。

ちなみに、強力な内蔵グラフィック機能・Iris Xe Graphicsを搭載しているのもポイント。従来の内蔵グラフィックを軽く凌ぐ高い性能で、編集作業から軽めのオンラインゲームまで対応できます。

 

3DMARK

3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。

DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)・RT(Port Royal)それぞれの条件で測定することができます。

 

高いパフォーマンスがセールスポイントとなる”Iris Xe Graphics”の実力ですが、下位の内蔵グラフィック・UHD Graphicsの約3~4にもなる破格の性能となっています。

  総合スコア Graphics
Score
CPU/Physics
Score
Combined
Score
Time Spy 1569 1398 5117
Night Raid 16683 19111 9702
Fire Strike 4208 4613 13519 1564
Sky Diver 13563 13574 15656 15304
Cloud Gate 18588 26513 9085
Ice Storm 84689 93565 63581

 

PCMark 10

【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測る定番ソフトです。

 

快適な動作が期待できるスコアは3000以上となりますが、スコア4000後半をマークしており、パワーは十分。ブラウジングやオフィス作業などの軽作業はもちろん、動画・画像編集にもしっかり対応できます。

なお、Core i5-1135G7との差は、総合スコアで約6%と小さめ。ただし、編集系のスコアが約20~30%ほど上回っており、特にヘビーな作業で真価を発揮します。

 

動画エンコード

【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。

 

エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・QSVでエンコードしています。なお、QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。

 

H.264(フルHD) 2Pass 1Pass QSV
Core i5-11300H 34:00 17:45 3:10
Core i5-1135G7 49:21 25:21 3:16

まず軽めのH.264をチェック。CPU勝負のソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では、やはりCore i5-11300Hが有利。Core i5-1135G7よりも約30~31%早く変換を完了しています。

一方、QSVでは約3%差と誤差レベル。内蔵グラフィックが同一なので、差がほとんどつかない感じですね。

 

H.265(フルHD) 2Pass 1Pass QSV
Core i5-11300H 53:33 26:46 4:00
Core i5-1135G7 1:15:22 37:09 4:05

重量級のH.265でも同じような傾向で、ソフトウェアエンコードでは、Core i5-11300HがCore i5-1135G7に約28~29%差をつけています。なお、QSVでは変わらずほぼ互角となっています。

 

画像変換

【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。

JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。

 

  CR2→DNG CR2→JPEG
Core i5-11300H 0:59 3:00
Core i5-1135G7 1:19 3:50

このテストもCPU勝負なので、やはりCore i5-11300Hが有利。Core i5-1135G7に比べ、軽めのDNGでは約29%、重量級のJPEG変換でも約22%早く変換を完了しています。

 

ドラクエ10

グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。

  最高品質 高品質 標準品質
フルHD 12954 14811 16405

オンラインゲーム屈指の軽さとは言え、フルHDでスコア10000を軽々突破。従来のUHD GraphicsだとフルHD・標準品質でもスコア5500前後だったことを考えると、だいぶ進化しています。

 

FF14(ファイナルファンタジー14 暁月の終焉)

知名度バツグンの国内産MMORPGですね。スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。現行のゲーミングPCであれば、フルHD・最高設定でスコア9000をしっかり超えたいところ。

  最高品質 高品質 標準品質
HD 7014 9002 10821
フルHD 3782 5308 6961

重量級のゲームには力不足となり、HDでようやくスコア9000をクリアします。フルHDでオンラインゲームを楽しめるのは、軽めのものに限られ、基本的にはHDが適正レベルですね。

 

CrystalDiskMark

【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。

 

このモデルでは、256GB SSDを搭載しています。128GBだと実質使える容量は100GB未満と少ないですが、256GBもあればアプリやデータ類を多めに保存できます。

SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプで、なんと超高速のPCIe Gen.4規格を採用する本格派仕様。なお、メーカーはサムスンとなっています。

肝心の速度ですが、読み込みの速さが光り、特にシーケンシャル(連続データ)では最大6000MB/sと圧倒的。一方、書き込みはGen.3タイプに近く、ちょっと物足りない感じですね。とはいうものの、十分すぎるほどの速度で、動作はとても快適。OSの起動からアプリの動作までサクサク動きます。

 

温度

CINEBENCH R23実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。

 

スリムボディに高クロック&高発熱CPUを搭載しながら、フルロード時でも80℃台をキープ。構成的には90℃オーバーでもおかしくないのですが、しっかり冷却できていますね。

 

動作音

CINEBENCH R23実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ

 

50デシベルを超えるとノイズ感が気になるようになりますが、この通り57.0デシベルと大きく上回っています。ゲーミングノートクラスのノイズレベルで、ファンは豪快に回転しています。高性能&高冷却の反面、静音性が犠牲になっていますね。。通常時は、ファン設定を標準にするのがおすすめ。

なお、最小時は46.9デシベルとありますが、アイドル状態なので、ほぼ無音です。

 

バッテリー持続時間

「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。

  • 電源設定:標準、トップクラスの電力変換効率
  • バックライト:40%
  • 10秒ごとにキー入力
  • 1分ごとに無線LAN経由でネット接続

結果は、約13時間10分と、モバイルノート目安となる10時間をしっかり超えています。HシリーズCPUでこの持ちは驚異的で、出先でも安心して使えます。

 

便利なユーティリティー機能

システムコントロールでは、動作モードの変更やLEDイルミネーションの設定、ファンクションキーの設定などをワンストップで変更できます。とてもシンプルなツールで、わかりやすいのがいいですね。

 

なお、サウンドシステムはおなじみの”Dolby”を搭載しています。

シーンに応じたモードに切り替えができるのはもちろん、イコライザーも用意されているので、好みの設定に変更することも可能です。

肝心のスピーカー品質は、低音から高音まで出ており、サラウンド効果もしっかり感じられます。が、音質が軽めなので、迫力にイマイチかけますね。。

 

まとめ

まさにモバイルノート最高傑作!

フルカーボンボディもさることながら、14インチモデルで1kg以下・HシリーズCPU搭載・長時間バッテリーのすべてを満たすのはこのモデルくらいのもの。クオリティの高さに比例して、価格は30万円台~と非常に高いのですが、モバイルノートを極めるならおすすめです。

 

 

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