今回マウスコンピューターの【mouse B4-i5(シャンパンゴールド)】をお借りしました。高い性能と充実した装備を誇る、ワンランク上のオシャレな14インチモバイルノートをチェックしてみましょう。
スペック
※2023年3月2日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
外観
華やかなボディカラー
ボディはオーソドックスな樹脂製です。
見事なまでの箱型ボディで、全体が均一の厚さとなっています。きっちりしたフォルムではありますが、どうしても厚く見えてしまいますね。
ボディカラーは、シャンパンゴールドとオリーブブラックの2色を用意。
貸出機のシャンパンゴールドは淡い色合いで、華やかさと上品さをあわせ持っており、センスの高さを感じさせますね。家庭や学校、職場など使うシーンを選ばないクオリティです。
携帯しやすい14インチボディ
このモデルは14インチサイズです。持ち運びに最適な13インチと、据え置きに最適な15インチのいいとこどりをしたサイズということで、モバイルノートでは最近人気が高くなっています。
ディスプレイのベゼル(ふち)を上下左右にスリム仕様とすることで、横幅と奥行きを圧縮し、A4ファイルとほぼ同等のコンパクトボディを実現しています。
肝心の重さは実測で1373gと、13インチクラスの重さとなっており、携帯性は上々です。14インチモデルだと1.4kg台が相場ということを考えると、軽い部類に入ります。
充実したインターフェース
インターフェースはモバイルノートらしからぬ充実ぶり。
USBは全4ポートと、モバイルノートにしては多めに搭載。最新規格にも対応しており、左サイドのType-Cポートは、40Gbpsの超高速転送に対応した”Thunderbolt 4”規格となっています。
もちろん、従来のType-Aも搭載しているので、周辺機器の接続にはまず困りません。
さらに、HDMIポートやSDスロットを搭載。さすがにLANポートこそありませんが、普段使いで必要なものは一通りそろっています。
ちなみに、カメラは顔認証に対応しているのもポイント。生体認証なので安全性はとても高く、ログインもスムーズにでき、まさに一石二鳥です。
ディスプレイ&キーボード
IPSパネル搭載
ディスプレイは、モバイルノートではやや大きめの14.0インチサイズを搭載しています。主流の13.3インチに比べると一回り大きく、ゆったりとした感じで視認性は上々。
解像度は現在主流のフルHDで、表面は映り込みの少ないノングレアタイプと、ポイントはしっかり押さえています。
ディスプレイのパネルには、IPSパネルを採用。高発色・高コントラスト・広視野角の3拍子そろった高性能パネルで、くっきり鮮やかな映像クオリティを実現しており、動画鑑賞にも最適です。
この通り、サイドから覗いても色むらはほとんどありません。ちなみに、パネルの詳細(CMN14D4)は下記の通りで、色域は狭くなっており、色の正確性が重要になる編集作業には不向き。なお、輝度が300nitと明るめなのはグッドです。
白色LED内蔵キーボード
ボディは13インチ+αのサイズなので、テンキーは非搭載。
各キーは大きめに造られ、すべてが独立しており、ゆとりを感じさせます。配置そのものも素直で、キーピッチも19.5mmとデスクトップキーボード並みの間隔が確保されているので、誤爆する心配はまずありません。
ファンクションキーは基本的なものに加え、動作モードの変更ボタンが用意されており、一発でモード変更できるのはとても便利。また、電源ボタンがキーボード上ではなく、右上に独立して配置されているので、うっかり押す心配がないのもいいですね。
キーストロークはやや深く、適度に反発もあり、上々の打鍵感となっています。スリムボディながら、マグネシウム合金なので剛性もバツグン。タイプ圧の強い方も安心です。
もちろん、トレンドの白色LEDを内蔵しています。下からしっかり照らし出すので、最大輝度だと華やか。薄暗い場所でタイピングもはかどります。もちろん、ファンクションキーで2段階+OFFの切り替えが可能です。
大型のタッチパッド
タッチパッドは、パッド部分とクリックボタンが一緒になった、オーソドックスな一体型タイプとなっています。
パッド部分は、一般的なモデルよりも大きめに造られ、サラサラした材質で操作性は◎。一方、クリックボタンはやや押し込む必要があり、クリック音も普通レベルと、こちらの完成度はいたってオーソドックスですね。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH R23
3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH R23】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。
CPUはインテル第12世代の12コア16スレッドCPU・Core i5-1240Pを搭載しています。
最新世代では設計を一新し、高性能の”P-コア”と省エネの”E-コア”を搭載した、Wコア構成を採用。タスクに応じて、各コアを使い分け、場合によっては両者を併用することで、効率よく処理できるのが強みです。もちろん、コアの性能も向上しており、コア・スレッド数の増加も相まって、非常に高いパフォーマンスを発揮します。
ちなみに、ノート用の第12世代CPUには、Hシリーズ・Pシリーズ・Uシリーズの3タイプがあり、ちょうど中間のグレードとなります。
参考までに、ワンランク下のCore i7-1260P(12コア16スレッド)と比較してみると、シングルスコアは約3%、マルチスコアは約4%下回っています。差は小さいものの、動作クロックが高い分、Core i7のほうが性能は高め。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。
内蔵グラフィックは、前世代から引き続き、高性能の”Iris Xe Graphics”を搭載しています。その性能はMX400に匹敵するレベルで、内蔵タイプにしては破格の性能となっています。
総合スコア | Graphics Score |
CPU/Physics Score |
Combined Score |
|
Time Spy | 1346 | 1180 | 6706 | ー |
Night Raid | 12673 | 13641 | 9039 | ー |
Fire Strike | 3259 | 3528 | 19735 | 1154 |
Sky Diver | 12109 | 11739 | 15389 | 11183 |
Cloud Gate | 19024 | 21634 | 13377 | ー |
Ice Storm | 79930 | 83040 | 70688 | ー |
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測る定番ソフトです。
ブラウジングや各種編作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、余裕でクリアしており、スコア5000オーバーの非常に高いスコアをマーク。動画・画像編集などヘビーな作業にもバッチリ対応できます。
なお、Core i7-1260Pと比較すると、総合スコアで約7%差と10%以内に収まっており、普段使いではほとんど使用感は変わりません。
動画エンコード
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。結果は秒で表記しています。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・QSV/VCEでエンコードしています。なお、QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i5-1240P | 1387 | 710 | 193 |
Core i7-1260P | 1329 | 678 | 177 |
まず軽めのH.264ですが、CPU勝負のソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では、クロックの高いCore i7-1260Pが有利ですが、その差は約4~5%と小さめ。
また、グラフィック機能を使ったハードウェアエンコードでも、約8%差と10%以内に収まっています。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i5-1240P | 2648 | 1314 | 238 |
Core i7-1260P | 2475 | 1238 | 214 |
重量級のH.265でも同じような傾向で、両者の差はソフトウェアエンコードで約6~7%、ハードウェアエンコードでは約10%となっています。
画像変換
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。結果は秒で表記しています。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Core i5-1240P | 26 | 179 |
Core i7-1260P | 25 | 135 |
画像変換テストでもCPUの性能が重要となりますが、こちらはCore i7-1260Pがだんぜん有利。軽めのDNG変換こそほぼ互角ですが、重量級のJPEG変換では約25%早く変換を完了しています。
基本的にはCore i5で十分ですが、編集作業でのパフォーマンスにこだわるならCore i7搭載モデルを選ぶのもあり。
ドラクエ10
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
フルHD | 6954 | 8474 | 9414 |
ノートPCでもプレイできるほどの超軽量ゲームです。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
内蔵グラフィックにしては性能が高く、フルHDでもスコア5500を軽くクリアします。
FF14(ファイナルファンタジー14 暁月の終焉)
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
HD | 5178 | 6834 | 8134 |
フルHD | 2698 | 3611 | 4554 |
グラフィック負荷が高めのMMORPGです。スコア9000以上で【快適】&平均60fpsをキープでき、快適にプレイするならスコア9000をしっかり超えたいところ。
重めのゲームともなると、HDでも平均60fpsをクリアするのが厳しくなります。とはいえ、スコア8000台というのは、以前の内蔵グラフィックでは考えられないレベルですね。
飛躍的な進化を遂げたIris Xe Graphicsですが、あくまで内蔵グラフィックなので、フルHDでのゲーミングにはまだハードルが高い感じ。よくてドラクエ10やVALORANTなどの超軽量級ゲームに限られます。
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックするソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは512GB SSDを搭載しています。編集用途ならまずこの容量がスタートラインとなります。メーカーはWestern Digitalで、通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプを採用しています。
その実力ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書きはいずれも4ケタで、1000~2000MB/sの標準的な速度をマークしています。また、ランダムの速度も標準的となっており、トータルで見るとスタンダードクラスのNVMe SSDといったところです。
ただ、実際の動作はSSDということでとても快適。OSの起動からブラウジングや各種アプリの動作にいたるまでサクサク動きます。ちなみに、HDDのカスタマイズはできないので、データを多く保存するならSSDを追加するか、外付けHDDなどを活用しましょう。
温度
CINEBENCH R23実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
どちらかというと安全性重視の動作で、メインのP-コアのクロックは約2.3GHzと低めに抑え、70℃台半ばの安定した温度をキープしています。このモデルに限らず、ノートだとどうしても冷却に限界があるので、高クロックでの動作は厳しいものがありますね。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ
50デシベルを超えるとノイズが気になるようになりますが、ピーク時で52.7デシベルとオーバー。ファンの風切り音は大きめですが、耳障りな甲高いノイズは控えめです。
なお、最小時は46.9デシベルとありますが、アイドル状態なので、ほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、軽作業を想定した設定にしています。
- 電源設定:静音モード、トップクラスの電力効率
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約7時間40分と、モバイルノートの目安となる10時間には届かず。5時間を大きく超えているので、出先でも使えるレベルですが、バッテリー管理はしっかりしましょう。
便利機能いろいろ
付属アプリでは、各種ファンクションキーの設定や動作モードの変更が可能です。また、キーボードバックライトでは、LEDの消灯時間を調整することができます。
また、サウンドシステムには”Dolby Atmos”を搭載。サラウンドをはじめ、イコライザー機能が充実しており、好みの音質に柔軟にカスタマイズ可能です。
肝心の品質ですが、重低音こそ弱いものの、低音~高音までよく伸び、サラウンド効果で臨場感もバッチリ。もう少し音質に厚みがあればベターでしたが、内蔵スピーカーなら十分なクオリティですね。
おすすめカスタマイズ
基本的にカスタマイズ不要ですが、編集作業などでデータを多く保存するなら、SSDを1TBに増やすのもいいでしょう。
まとめ&関連モデル
シャンパンゴールドのおしゃれなボディに、高性能のPシリーズCPUや大容量メモリ&ストレージを搭載。また、機能面も充実しており、顔認証センサー・バックライト付きキーボード・Thunderbolt 4を装備。さらに、14インチモデルながら重さも1.3kgと軽く、携帯性にも優れています。
この内容で価格は11万円台~(セール時)と安く、コスパも良好。予算を重視しつつ、クオリティにもこだわりたい方におすすめのモバイルノートです。
mouse F4-I7I01CG-A
【スペック】
■OS:Windows 11
■ディスプレイ
14.0インチ フルHD ノングレア
■CPU:Core i7-1260P
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラフィック:Iris Xe Graphics(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 512GB(PCIe NVMe)
■価格:159,800円(税込)~
Core i7-1260Pを搭載した上位モデルで、性能にこだわるならおすすめ。
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