今回HPの【HP Pavilion Plus 14-eh0000】をお借りしました。
洗練された美しいデザインのボディに、有機ELディスプレイと高性能のインテルHシリーズCPUを搭載!高品質で低価格の14インチモバイルノートをチェックしてみましょう。
スペック
※2023年4月19日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
外観
美しいオールアルミボディ
スタンダードクラスのモデルですが、なんとボディはオールアルミ製。Pavilionシリーズは樹脂ベース+アルミ天板の構造が標準ということで、シリーズ初の試みとなります。
表面は非光沢の梨地仕上げで美しく仕上げ、金属の高い質感も相まって、高級感を感じさせますね。やはり樹脂ボディとは一味違います。
もちろん、剛性の高いタフなアルミボディなので、モバイルノートとの相性はバツグンです。
全体的に丸みを帯びた美しいボディに、淡いウォームゴールドが見事にマッチしており、華やかさと上品さをあわせ持っています。
デザインそのものはシンプルなので、家庭や学校、職場など使うシーンを選びません。
持ち運びに最適なコンパクトボディ
ボディは14インチサイズとなっています。13インチよりも一回り大きい余裕のあるディスプレイを搭載し、それでいて持ち運びやすいということで、最近はやりのサイズです。
その大きさですが、ディスプレイのベゼル(ふち)をスリムにすることにより、横幅と奥行きを圧縮。
ほぼA4ファイルサイズとかなりコンパクトなので、カバンにサッと収納できます。もちろん、A4ファイルとは比べるまでもありません。
また、重くなりがちなアルミボディにもかかわらず、重さは実測1344gと13インチクラスとなっており、携帯性は良好。
14インチモデルでは1.4~1.5kg台ということを考えるとかなり軽いですね。
充実したインターフェース
インターフェースはなかなかの充実ぶり。
USBは全4ポートと、モバイルノートにしては多めに装備。超高速のThunderbolt 4こそありませんが、左サイドのType-Cポート2基は最大10Gbpsの高速転送に対応しており、ポイントはしっかり押さえています。
Type-Cのほか、オーソドックスなType-Aポートも搭載しているので、様々な周辺機器に対応できます。
そのほか、HDMI端子やmicroSDスロットを搭載。普段使いで必要なものは一通りそろっており、とても便利なラインナップです。
指紋認証センサー装備
キーボード右下には、指紋認証センサーを装備。生体認証のため、ログインパスワードよりも安全。また、パスワード入力よりもスムーズにログインでき、まさに一石二鳥です。
なお、Webカメラのシャッターは非搭載です。プライバシー面を考えると、やはり押さえておきたい装備ですね。他社のスタンダードモデルでも装備しているのでなおさらです。
ディスプレイ&キーボード
有機ELディスプレイ搭載
ディスプレイは14.0インチきっかり。13.3インチよりも一回り大きく、ゆとりを感じさせますね。
ディスプレイのクオリティが非常に高く、パネルにはなんと有機ELパネルを採用しています。最近話題の有機ELですが、黒の色味が液晶ディスプレイとは一味違います。まさに「漆黒」という感じ。
黒さの理由は、有機ELでは画面の素子自体が光るのでバックライトが必要なく、コントラスト比が圧倒的に高い(100万:1)から。バックライトで画面を照らし出す通常の液晶ディスプレイでは、どうしても光が漏れてしまい、黒い画面が白っぽくなってしまいます。
一般的なパネルとの違いは一目瞭然。
ディスプレイの解像度は2.8K(2880×1800)とかなり高め。フルHDはおろか、WQHDよりもさらに高い解像度で、精細な映像を描写できます。上のイメージはWQXGAと比較したものですが、表示領域も広く、作業がよりはかどります。
また、ディスプレイ比率が16:10というのもポイント。主流の16:9タイプよりもやや縦長なので、一度に表示できる情報量が多く、スクロールの手間が省けるのは便利です。
なお、色域はDCI-P 100%のプロ向け仕様となっており、高解像度ディスプレイも相まって、動画や画像編集などクリエイティブ作業がよりはかどります。
もちろん、横から見ても色むらは全くナシ。
完成度の高いキーボード
13インチ+αのコンパクトボディなので、テンキーレスキーボードを搭載しています。
横幅を広く使うことで、ゆとりのある配置となっており、homeやendキーなどが右サイドに独立して配置されています。
基本的なキーは大きめに造られ、配置そのものも素直でクセがなく、キーピッチは約18.5mmと標準的な間隔が確保されているので、誤爆の心配はまずありません。気を付けるとしたら電源ボタンですが、しっかり押し込まないと反応せず、あまり気にする要素ではないですね。
ファンクションキーの内容は、基本的なものにプラスして、絵文字キーやHPアプリのアクセスキーが用意されています。ファンクションロックや動作モードの変更キーがあればなおよかったですね。
キーストロークはノートPCにしては深く、高めの反発も相まって、しっかりした打鍵感となっています。PavilionとENVYシリーズの打鍵感は、ノートパソコンの中でも頭一つ抜けていますね。
もちろん、キーボードにはトレンドの白色LEDを搭載。薄暗い場所でタイピングしやすくなるのはもちろん、華やかな輝きで高級感もバッチリ。ちなみに、イルミネーションは2段階+OFFで切り替えることができ、LEDが苦手な方でも安心です。
スムーズなタッチパッド
タッチパッドは、パッドとクリックボタンが一体化した、オーソドックスなタイプです。
タッチパッドの完成度は高く、表面はサラサラした材質になっているので、カーソル操作は非常にスムーズ。
また、クリックボタンは軽い力で反応し、動作音もカタカタと小さく、操作感は◎。一体型は押し込まないと反応しないのもちらほらありますが、しっかり造りこまれていますね。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみましょう。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。
CPUはインテル第12世代の14コア20スレッドCPU・Core i7-12700Hを搭載しています。
最新世代では設計を一新し、高性能の”P-コア”と省エネの”E-コア”を搭載した、Wコア構成を採用。タスクに応じて、各コアを使い分け、場合によっては両者を併用することで、効率よく処理できるのが強みです。もちろん、コアの性能も向上しており、コア・スレッド数の増加も相まって、非常に高いパフォーマンスを発揮します。
ちなみに、ノート用の第12世代CPUには、Hシリーズ・Pシリーズ・Uシリーズの3タイプがあり、最上位のグレードとなります。HシリーズCPUは、15インチ以上の大型モデルで搭載されることが多く、モバイルノートで搭載しているのはとても画期的ですね。
参考までに下位のPシリーズCPU・Core i7-1260P(12コア16スレッド)と比較してみると、シングルスコアは約4%差とほぼ互角ですが、マルチスコアは約43%も上回り、まさに圧倒的。コア・スレッド数が多く、動作クロックも高いので、編集用途に最適な性能となっています。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。
内蔵グラフィックは、高性能の”Iris Xe Graphics”を搭載。その性能はMX400に匹敵するレベルで、内蔵タイプにしては破格の性能となっています。基本的な編集作業ならIris Xe Graphicsで十分対応できます。
総合スコア | Graphics Score |
CPU/Physics Score |
Combined Score |
|
Time Spy | 1670 | 1461 | 8915 | ー |
Night Raid | 15442 | 16398 | 11608 | ー |
Fire Strike | 4193 | 4501 | 21427 | 1542 |
Sky Diver | 13751 | 13171 | 19553 | 12341 |
Cloud Gate | 20484 | 22593 | 15440 | ー |
Ice Storm | 67580 | 65785 | 74719 | ー |
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測る定番ソフトです。
ブラウジングや各種編作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、スコア5000台後半のハイスコアをマーク。ブラウジングやオフィス作業などの軽作業から、動画・画像編集などのヘビーな作業も余裕でこなせる性能です。
なお、Core i7-1260Pとの差は、総合スコアで約2パーセント程度誤差レベル。ただし、レンダリングテストでは約20%もの差がついており、ヘビーな作業では性能差がもろに出ます。
Blender
【Blender】を利用し、3Dグラフィックのデモデータをレンダリングする時間を計測しました。結果は秒で表記しています。
Blenderは、CPUだけでなくGPUもサポートしており、NVIDIA製GPUでは”CUDA”と”OptiX”でのレンダリングが可能です。
BMW | CPU | CUDA | OptiX |
Core i7-12700H | 194 | ー | ー |
Core i7-1260P | 273 | ー | ー |
Class room | CPU | CUDA | OptiX |
Core i7-12700H | 450 | ー | ー |
Core i7-1260P | 645 | ー | ー |
Barbershop | CPU | CUDA | OptiX |
Core i7-12700H | 2020 | ー | ー |
Core i7-1260P | 3022 | ー | ー |
コア・スレッド数が多いCore i7-12700Hがだんぜん有利で、Core i7-1260Pよりも約29~33%早くレンダリングを完了します。
ちなみに、CUDA&OptiXは大きく時間を短縮できるので、予算があればNVIDIAのGPU搭載モデルがおすすめ。VRAM(グラフィックメモリ)の容量が重要となるので、6GB搭載したRTX 3060は最低限押さえておきたいところです。
TMPGEnc Video Mastering Works 7
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。結果は秒で表記しています。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・QSVでエンコードしています。なお、QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のことです。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i7-12700H | 991 | 483 | 166 |
Core i7-1260P | 1385 | 733 | 187 |
まず軽めのH.264ですが、CPU勝負のソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では、やはりコア・スレッド数の多いCore i7-12700Hが有利。Core i7-1260Pよりも約28~34%早く変換を完了しています。
GPUを利用したハードウェアエンコード機能では両者の差が縮まり、Core i7-1260Pとの差は約11%となっています。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV/NVENC |
Core i7-12700H | 2021 | 979 | 217 |
Core i7-1260P | 2778 | 1399 | 223 |
次に重量級のH.265をチェック。Core i7-12700HとCore i7-1260Pとの差は、ソフトウェアエンコードで約28~30%と変わらず大きめ。
一方、ハードウェアエンコードでは、両者の差が約3%とほぼ互角。同じ内蔵グラフィックなので、ソフトウェアエンコードほどの差はつきません。
Lightroom Classic CC
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。結果は秒で表記しています。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Core i7-12700H | 20 | 133 |
Core i7-1260P | 26 | 120 |
このテストもCPU勝負ですが、形式によって結果が異なり、軽めのDNG変換ではCore i7-12700HがCore i7-1260Pよりも約23%早く変換を完了しています。一方、重量級のJPG変換ではCore i7-1260Pが逆転し、約10%差をつけています。
一部例外はあるものの、編集用途でガッツリ使うなら、コア・スレッド数の多く、動作クロックも高いCore i7-12700Hがおすすめ。
ドラクエ10
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
WUXGA | 7442 | 8058 | 8776 |
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
高性能の内蔵グラフィックということで、WUXGA・最高設定でも余裕でスコア5500をクリアできます。ワンランク下のUHD Graphicsでは、フルHDでも設定を下げる必要があり、パワーは段違いです。
FF14(ファイナルファンタジー14 暁月の終焉)
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
WXGA | 5683 | 7707 | 9375 |
WUXGA | 2842 | 3790 | 4893 |
知名度バツグンの国内産MMORPGですね。スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。現行のゲーミングPCであれば、フルHD・最高設定でスコア9000をしっかり超えたいところ。
重めのゲームには荷が重く、WUXGAではスコア9000をクリアできません。フルHDでオンラインゲームを楽しめるのは、VAROLANTなど軽めのものに限られてしまいます。
ただ、WXGAでスコア9000オーバーというのは驚異的。以前の内蔵グラフィックでは考えられないレベルなので、だいぶ進化しているのはたしかです。
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルでは、1TBの超大容量SSDを搭載しています。512GBの2倍のもなる容量の多さで、動画や画像データをより多く保存できます。もちろん、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMe SSDを採用。
メーカーはWestern Digitalですね。その実力ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書きは1000~2000MB/sとごく普通レベル、ランダムの速度も標準的な速度となっており、スタンダードクラスのNVMe SSDといったところですね。
SSDということで実際の動作は非常に快適。OSの起動からアプリまでサクサク動きます。
温度
CINEBENCH R23の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
温度の許す限り性能をフルに引き出す動作システムとなっており、フルロード時では90℃台、動作クロックは2.4~2.5GHzとをマーク。動作クロックは低く見えますが、インテルCPUにしては高めですね。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ
50デシベルを超えるとノイズが気になるようになりますが、ピーク時で50.7デシベルとほぼ50デシベルといったところ。ファンは高速回転していますが、ノイズ感は控えめなので、さほど気になりません。
なお、最小時は45.9デシベルとありますが、アイドル状態なので、ほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。高解像度ディスプレイ搭載モデルということで、省エネ寄りの設定にしています。
- 電源設定:省電力、トップクラスの電力効率
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
バッテリーの持続時間は、4時間10分と非常に短いです!モバイルノートなら10時間以上は欲しいのですが、高解像度ディスプレイにHシリーズCPUということで、バッテリーの消耗はかなり激しいようですね。出先ではなるべく電源のある場所で使いましょう。
便利なユーティリティー機能
パソコンのサポートツールとして”HP Support Assistant”が用意されており、ハードウェアの診断からサポートまでワンストップで実行できます。
また、”HP Command Center”では、動作モードを変更でき、負荷のかかる作業でも、しっかり性能を引き出すことができます。
サウンドにもこだわっており、デンマークの高級オーディオメーカー”BANG & OLUFSEN”のサウンドシステムを採用。
肝心のサウンドクオリティですが、重低音~高音域までしっかり伸び、音質も厚みがあり、それでいてクリア。さらに、サラウンド効果もバッチリ効いているので、迫力はかなりのもの。ノートPCにしては破格のクオリティですね。
まとめ&関連モデル
モバイルノートに高解像度有機ELディスプレイ&HシリーズCPU搭載ーこれだけでも十分価値のあるモデルですね。オールアルミの高品質ボディに、バックライト付きキーボードや指紋認証センサーを装備するなど、トータルでとても高いクオリティを実現しています。
価格もセールで13万円台と安く、携帯性に優れたクリエイターノートとしてまずおすすめ。なお、バッテリーの持ちが非常に短いので、出先では使う場所に注意が必要です。
HP Pavilion Plus 14-eh0000 スタンダードモデル
【スペック】
■OS:Windows 11
■ディスプレイ
14.0インチ 2.8K グレア 有機EL
■CPU:Core i5-12500H
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラフィック:Iris Xe Graphics(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 512GB(PCIe NVMe)
■【セールでさらにおトク】169,400円(税込)~
12コア16スレッドのCore i5-12500Hを搭載した低価格モデル。Core i7との差は約20%ほどとなっており、予算重視ならおすすめ。
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