今回HPの【ENVY x360 15-ey0000 パフォーマンスモデル】をお借りしました。クオリティの高さとお手頃な価格設定で人気の15インチ2in1モデルをチェックしてみましょう。
スペック
※2023年3月24日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
外観
機能美あふれる高品質ボディ
プレミアムモデルらしく、ボディの素材には上質なアルミニウム素材を採用。
表面の処理は非光沢の梨地仕上げとなっており、落ち着きのある外観もさることながら、手にしっとりとなじむ上質の感触も相まって、高級感がありますね。
深みのある”ナイトフォールブラック”のボディに、シルバーのアクセントがバッチリきまっており、洗練された印象を受けます。
最近のトレンドを取り入れ、ボディのふちがラウンドフォルムになっているのもポイント。手に取ったときにフィットしやすく、見た目もより美しくなり、まさに一石二鳥です。
ボディのサイズは、前モデルとほぼ変わらず。ディスプレイのベゼル(ふち)をスリムにすることで、横幅と奥行きを圧縮し、コンパクトなボディとなっています。また、見た目もスッキリし、とてもスタイリッシュ。
フレキシブルに使える2-in-1タイプ
最近はやりの2in1ノートパソコンで、360°回転するコンパーチブルタイプとなっています。
360°回転しタブレットとして使えるだけでなく、テント型にして寝そべりながら動画を見る、さらにスタンドモードにしてイラストを書くといったフレキシブルな使い方ができ、とても便利です。
パネル表面はとても滑らかになっており、スクロールやタッチ操作はとてもスムーズ。クセになる感触といってもいいくらいのレベルで、ミドルクラスモデルにしてはかなり完成度が高いです。
ヒンジも頑丈に造り込まれ、無段階稼働で任意の角度にピタッと止まります。ヒンジは無骨なものではなく、ボディのイメージににあわせた、美しいデザインに仕上げているのもポイント高いですね。
もちろん、キーボードを180°以上回転させるとキーボードが動作しなくなるので、誤操作の心配もありません。
ポイントをおさえたインターフェース
スリムモデルということで、LANポートや光学ドライブは非搭載です。
USBは全4ポート搭載。スタンダードな内容で、5Gbpsポートが2基、10Gbpsの高速転送に対応したポートが2基となっており、超高速の”Thunderbolt 4”ポートは非搭載です。
小型&リバーシブルのType-Cポートのほか、通常タイプのType-Aポートも用意されているので、あらかたの周辺機器を接続できます。
そのほか、SDスロットも装備しており、普段使いで必要なものは一通りそろっています。なお、HDMIはありませんが、Type-CポートがDisplayPort出力を兼ねているので、複数画面の出力も可能です。
セキュリティ対策も万全
セキュリティにもしっかり配慮され、カメラ部分にシャッターを装備。電源ボタン横のスイッチでシャッターが開閉し、プライバシー面も安心。
また、Windows Hello対応の顔認証センサーを装備する充実ぶり。本人認証のため、ログインパスワードよりも安全。また、ログインの際わざわざパスワード入力することなく、スムーズにログインできます。
ディスプレイ&キーボード
ディスプレイやキーボードも前モデルとほぼ同じです
有機ELパネル搭載
ディスプレイはオーソドックスな15.6インチサイズで、解像度は主流のフルHDとなっています。13インチや14インチよりも一回り以上大きく、だいぶゆとりがあります。据え置きで使うならこのクラスは欲しいところですね。
タッチパネルということで、表面は映り込みのあるグレアパネルとなっています。
ディスプレイのクオリティが非常に高く、Ryzen 7搭載モデルのみ有機ELパネルを採用しています。最近話題の有機ELですが、黒の色味が液晶ディスプレイとは一味違います。まさに「漆黒」という感じ。
黒さの理由は、有機ELでは画面の素子自体が光るのでバックライトが必要なく、コントラスト比が圧倒的に高い(100万:1)から。バックライトで画面を照らし出す通常の液晶ディスプレイでは、どうしても光が漏れてしまい、黒い画面が白っぽくなってしまいます。
一般的なパネルとの違いは、一目瞭然です。
この通り視野角もかなり広め。姿勢によって色味が変わらず、様々なモードで使える2inタイプとの相性はバッチリです。
白色LED内蔵キーボード搭載
横幅の広い15インチボディですが、前モデルとは異なり、テンキーレスキーボードを採用しています。キーボードの両端にはスピーカーを装備しており、デザイン面でのアクセントとなっています。
テンキーがないとデザイン的にスマートな感じになりますが、入力作業にはどうにも不便ですね。オフィスソフトなどを使う機会が多い方は、別にテンキーパッドを用意するのがおすすめ。
スペースにだいぶ余裕があり、基本的なキーは大きめに造られ、すべて独立しています。また、配列そのものもクセが無く非常に素直。キーピッチは約19mmと、デスクトップキーボード並みのゆとりが確保されているので、誤爆の心配はまずありません。
気になるのは電源ボタンの配置ですが、このキーだけ固めに造られ、しっかり押し込まないと反応しないので、うっかり押しても大丈夫。
ファンクションキーの内容は、基本的なものにプラスして、絵文字キーやカメラのキルスイッチ、HPアプリのアクセスキーが用意されています。動作モードの変更キーがあればなおよかったですね。
やや深めのキーストロークと、適度な反発も相まって、打鍵感を楽しみながら快適にタイピングできます。
なお、キーボードには白色LEDを内蔵しており、トレンドはバッチリ押さえてあります。華やかな輝きで高級感があり、薄暗い場所でタイピングしやすくなるのもいいですね。ちなみに、OFF+2段階で調整できるので、LEDが苦手な方でも安心。
スムーズなタッチパッド
タッチパッドは、パッドとクリックボタンが一体化した、オーソドックスなタイプです。
タッチパッドの完成度は高く、表面はサラサラした材質なので、カーソル操作はとてもスムーズ。
また、クリックボタンもバタつきなく、軽い力で反応&動作音も小さく操作感はバツグン。キーボード・タッチパッドともによく使うだけあり、この完成度の高さは嬉しいですね。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。
このモデルでは、AMDの第5世代ハイスペックCPU・Ryzen 7 5825Uを搭載。Ryzen 5000シリーズには2タイプありますが、このCPUは高性能の”ZEN 3アーキテクチャ”をベースにしています。8コア16スレッド構成で、優れたパフォーマンスを発揮します。
参考までに、下位モデルで搭載されている、6コア12スレッドCPU・Ryzen 5 5625Uと比較すると、シングル性能は約2%、マルチ性能は約37%高くなっています。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。
このCPUは、高性能のグラフィック・Radeon Graphicsを内蔵しています。とてもよくスコアが伸びていますが、インテルの高性能内蔵グラフィック・Iris Xe Graphicsに比べ、スコアは落ちてしまいます。
総合スコア | Graphics Score |
CPU/Physics Score |
Combined Score |
|
Time Spy | 1512 | 1324 | 7745 | ー |
Fire Strike | 3784 | 4153 | 22411 | 1300 |
Night Raid |
16247 | 17133 | 12568 | ー |
Sky Diver | 13916 | 13490 | 17498 | 13006 |
Cloud Gate | 25926 | 31135 | 16352 | ー |
Ice Storm | 150405 | 202396 | 79200 | ー |
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測るソフトです。
ブラウジングや各種編作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、余裕でクリア。スコア5000後半の非常に高いスコアをマークしています。ブラウジングやオフィス作業などの軽作業から、動画・画像編集などのヘビーな作業も余裕でこなせる性能です。
なお、Ryzen 5 5625Uとの差は、総合スコアで約3%とほぼ互角。ただし、編集系のスコア、特にレンダリングテストでは約24%もの差がついており、各種編集作業でもガッツリ使うならRyzen 7がおすすめ。
TMPGEnc Video Mastering Works 7
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・VCEでエンコードしています。なお、VCEはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE |
Ryzen 7 5825U | 1065 | 566 | 145 |
Ryzen 5 5625U | 1524 | 759 | 171 |
まず軽めのH.264をチェック。CPU性能が重要になるソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では、コア・スレッド数の多いRyzen 7 5825Uがだんぜん有利。両者の差は約25~30%にもなります。
また、グラフィック機能を利用したハードウェアエンコードでも、Ryzen 7が約15%早く変換を完了しています。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE |
Ryzen 7 5825U | 1886 | 934 | 147 |
Ryzen 5 5625U | 2791 | 1386 | 173 |
重量級のH.265でも同じような傾向となり、ソフトウェアエンコードでは約32~33%、ハードウェアエンコードでは約15%差となっています。
Lightroom Classic CC
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Ryzen 7 5825U | 24 | 174 |
Ryzen 5 5625U | 30 | 208 |
画像変換もCPU勝負となりますが、こちらもRyzen 7 5825Uが有利。Ryzen 5 5625Uとの差は、軽めのDNG変換で約20%、重量級のJPEG変換では約16%となっています。
ドラクエ10
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
フルHD | 12200 | 16165 | 18014 |
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
Iris Xe Graphicsと同等のパフォーマンスを発揮し、フルHD・最高品質でスコア10000以上をマーク。VALORANTなど超軽量級のゲームなら、フルHDでも楽しむことができます。
FF14(ファイナルファンタジー14 暁月の終焉)
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
HD | 6303 | 8033 | 9526 |
フルHD | 3378 | 4498 | 5875 |
知名度バツグンの国内産MMORPGですね。スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。快適にプレイするなら、フルHD・最高設定でスコア9000をしっかり超えたいところ。
重めのゲームともなると歯が立たず、HD・低設定でようやくスコア9000を超えてきます。ただ、以前の内蔵グラフィックでは考えられないほどスコアが高く、だいぶ進化しているのは確かですね。
CrystalDiskMark
”CrystalDiskMark”は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックするソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは超大容量の1TB SSDを搭載しています。512GBの2倍にもなる容量の多さで、動画や画像などデータを多く保存できます。もちろん、SSDは通常タイプよりも4~5倍速いNVMeタイプのSSDを採用し、メーカーはSK hynixとなっています。
その実力ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書きでは3000MB/s以上の速度をマーク。一方、ランダムはごく普通といったところで、トータルでは中の上クラスのNVMe SSDといったところですね。
もちろん、OSの起動からブラウジング、各種アプリの動作にいたるまでサクサク動いて、とても快適です。
温度
CINEBENCH R23実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
ピーク時での動作クロックは、約3.2GHzと高めながら80℃台をキープしており、性能を引き出しつつしっかり冷却できていますね。
動作音
CINEBENCH R23実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ
50デシベルを超えるとノイズが気になるようになりますが、ピーク時で52.5デシベルと上回っています。ファンの回転音は大きめですが、甲高い耳障りなノイズは控えめなので、そこまでうるさく感じません。
ちなみに最小時では46.9デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:最適、トップクラスの電力効率
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約10時間30分をマーク。モバイルノートの目安となる10時間をクリアしており、出先でも安心して使うことができます。
便利なユーティリティー機能
パソコンのサポートツールとして”HP Support Assistant”が用意されており、ハードウェアの診断からサポートまでワンストップで実行できます。
また、”HP Command Center”では、動作モードを変更でき、負荷のかかる作業でも、しっかり性能を引き出すことができます。
サウンドにもこだわっており、デンマークの高級オーディオメーカー”BANG & OLUFSEN”のサウンドシステムを採用。
肝心のサウンドクオリティですが、低音~高音域まで伸び、重低音もしっかり再現。音質も厚く、サラウンド効果も効いているので、迫力もバッチリです。ノートPCにしては破格のクオリティですね。
まとめ&関連モデル
美しいアルミボディに、有機ELディスプレイやバックライト付きキーボードを搭載するなど、至れり尽くせりの内容となっており、プレミアムモデルにふさわしい完成度を実現。この内容で価格は15万円台(セール時)と安く、コスパも良好。
据え置きメインで使う15インチモデルで、クオリティ重視しつつ、予算にもこだわるならおすすめです。なお、普段使いであればRyzen 5モデルで十分です。
HP ENVY x360 15-ey0000[Ryzen 5搭載]
【スペック】
■OS:Windows 11
■ディスプレイ
15.6インチ フルHD グレア IPS タッチ対応
■CPU:Ryzen 5 5625U
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラフィック:Radeon RX Vega 7(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 512GB(PCIe NVMe)
■【セールでさらにおトク】159,500円(税込)~
Ryzen 5 5625Uを搭載したスタンダードモデル。16GBメモリに512GB SSDの充実した初期構成で、IPSパネルを採用。価格も12万円台(セール時)と安く、予算重視ならおすすめ。
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