今回HPの【ENVY x360 13-bf0000】をお借りしました。
洗練された美しいデザインのボディに、有機ELディスプレイを搭載!高品質でリーズナブルなプレミアムモバイルノートをチェックしてみましょう。
スペック
※2022年12月1日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
外観
美しいアルミボディ
プレミアムモデルということで、クオリティはかなり高め。
ボディの素材には上質なアルミニウム素材を採用しており、表面の処理は非光沢の梨地仕上げで美しい仕上がりを実現しています。
直線主体のスマートなフォルムと、クールなシルバーボディにより、とても洗練された印象を受けます。
上位モデル限定の、スタイリッシュなHPのロゴもバッチリきまっています。
最近のトレンドを取り入れ、ボディのふちがラウンドフォルムになっているのもポイント。手に取ったときにフィットしやすく、見た目もより美しくなり、まさに一石二鳥です。
持ち運びに最適なコンパクトボディ
ボディサイズは、持ち運びしやすいということで最近人気の13インチボディです。
ディスプレイのベゼル(ふち)をスリムにすることにより、横幅と奥行きを圧縮。
A4用紙+αのサイズとかなりコンパクトなので、カバンにサッと収納できます。もちろん、A4ファイルとは比べるまでもありません。
また、ボディの厚さが16.9mmと非常にスリムなこともあり、重さは実測1346gと1.3kg台に抑えており、携帯性は良好。重くなりがちなアルミボディ×2in1タイプなら軽い部類に入ります。
フレキシブルに使える2-in-1タイプ
このモデルは2in1タイプのノートパソコンで、360°回転するコンパーチブルタイプとなっています。
360°回転しタブレットとして使えるだけでなく、テント型にして寝そべりながら動画を見る、さらにスタンドモードにしてイラストを書くといったフレキシブルな使い方ができ、とても便利です。
パネル表面はとても滑らかな仕上がりで、スクロールやタッチ操作はとてもスムーズ。指紋など汚れが付きにくいのもいいですね。
コンパーチブルの肝と言えるヒンジですが、頑丈に造り込まれ、無段階稼働で任意の角度にピタッと止まります。
もちろん、キーボードを180°以上回転させるとキーボードが動作しなくなるので、誤操作の心配もありません。
充実したインターフェース
インターフェースはなかなかの充実ぶり。
USBは全4ポートと、モバイルノートにしては多めに装備、小型&リバーシブルのType-Cポート×2は、最大40Gbpsの超高速転送が可能なUSB 4規格(Thunderbolt 4対応)となっています。
Type-CとType-Aポートの両方を搭載しているので、変換ケーブルを使うことなく様々な周辺機器に対応できるのは◎。
HDMI端子などは非搭載ですが、Type-CポートがDisplayPort 1.4出力を兼ねており、外部モニターへの出力にもしっかり対応しています。そのほか、microSDスロットを搭載し、地味ながら便利です。
セキュリティ対策も万全
セキュリティにもしっかり配慮され、カメラ部分にはシャッターが装備されているのもポイント。電源ボタン横のスイッチでシャッターが開閉し、物理的にシャットアウトします。
また、指紋認証センサーこそないものの、カメラ部には顔認証センサーを装備しています。本人認証のため、ログインパスワードよりも安全。また、ログインの際わざわざパスワード入力することなく、とてもスムーズです。
ディスプレイ&キーボード
有機ELディスプレイ搭載
ディスプレイはモバイルノートでド定番の13.3インチサイズです。ディスプレイの大きさこそ14インチモデルよりも小さいですが、やはり携帯性はこちらのほうが上。
ディスプレイの解像度は2.8K(2880×1800)とかなり高め。フルHDはおろか、WQHDよりもさらに高い解像度で、精細な映像を描写できます。上のイメージはWQXGAと比較したものですが、表示領域も広く、作業がよりはかどります。
また、ディスプレイ比率が16:10というのもポイント。主流の16:9タイプよりもやや縦長なので、一度に表示できる情報量が多く、スクロールの手間が省けるのは便利ですね。
ディスプレイのクオリティが非常に高く、パネルにはなんと有機ELパネルを採用しています。最近話題の有機ELですが、黒の色味が液晶ディスプレイとは一味違います。まさに「漆黒」という感じ。
黒さの理由は、有機ELでは画面の素子自体が光るのでバックライトが必要なく、コントラスト比が圧倒的に高い(100万:1)から。バックライトで画面を照らし出す通常の液晶ディスプレイでは、どうしても光が漏れてしまい、黒い画面が白っぽくなってしまいます。
一般的なパネルとの違いは、一目瞭然です。
なお、色域はDCI-P 100%のプロ向け仕様となっており、高解像度ディスプレイも相まって、動画や画像編集などクリエイティブ作業がよりはかどります。
もちろん、横から見ても色むらは全くナシ。
完成度の高いキーボード
13インチのコンパクトボディなのでテンキーレスキーボードを搭載しています。
この通り横幅を目いっぱい使うことで、ゆとりのある配置となっています。基本的なキーは大きめに造られ、すべてのキーが独立しています。
また、配置そのものもクセがなく、キーピッチは約19mmとデスクトップキーボード並みの間隔が確保されているので、誤爆の心配はまずありません。
気を付けるとしたら電源ボタンですが、しっかり押し込まないと反応せず、あまり気にする要素ではないですね。ファンクションキーは基本的なものに加え、カメラのキルスイッチやカスタマイズキーを装備しており、欲しいものは一通りそろっている感じです。
キーストロークはノートPCにしては深く、高めの反発も相まって、しっかりした打鍵感となっています。正直、上位のSpectreシリーズよりも打鍵感は上ですね。
もちろん、キーボードにはトレンドの白色LEDを搭載。薄暗い場所でタイピングしやすくなるのはもちろん、華やかな輝きで高級感もバッチリ。ちなみに、イルミネーションは2段階+OFFで切り替えることができ、LEDが苦手な方でも安心です。
スムーズなタッチパッド
タッチパッドは、パッドとクリックボタンが一体化した、オーソドックスなタイプです。
タッチパッドの完成度は高く、表面はサラサラした材質になっているので、カーソル操作は非常にスムーズ。
また、クリックボタンはタッチパッドと一体化したタイプですが、軽い力で反応し、動作音も小さく操作感は◎。一体型は押し込まないと反応しないのもちらほらありますが、しっかり造りこまれていますね。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみましょう。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。
CPUはインテル第12世代の10コア12スレッドCPU・Core i7-1250Uを搭載しています。
最新世代では設計を一新し、高性能の”P-コア”と省エネの”E-コア”を搭載した、Wコア構成を採用。タスクに応じて、各コアを使い分け、場合によっては両者を併用することで、効率よく処理できるのが強みです。もちろん、コアの性能も向上しており、コア・スレッド数の増加も相まって、非常に高いパフォーマンスを発揮します。
ちなみに、ノート用の第12世代CPUには、Hシリーズ・Pシリーズ・Uシリーズの3タイプがあり、一番下位のグレードとなります。
Core i7-1250Uは、上位CPU・Core i7-1255Uの低出力バージョンということで、性能はやや控えめ。ワンランク下のCore i5-1235U(10コア12スレッド)と比較してみると、シングル性能はほぼ互角で、マルチ性能は約4%ほど下回っています。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)・RT(Port Royal)それぞれの条件で測定することができます。
内蔵グラフィックは、高性能の”Iris Xe Graphics”を搭載。その性能はMX400に匹敵するレベルで、内蔵タイプにしては破格の性能となっています。基本的な編集作業ならIris Xe Graphicsで十分対応できます。
総合スコア | Graphics Score |
CPU/Physics Score |
Combined Score |
|
Time Spy | 1471 | 1298 | 6108 | ー |
Night Raid | 14312 | 16689 | 7921 | ー |
Fire Strike | 3875 | 4065 | 16003 | 1559 |
Sky Diver | 11812 | 11462 | 13338 | 12542 |
Cloud Gate | 17199 | 21136 | 10412 | ー |
Ice Storm | 71478 | 76517 | 58090 | ー |
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測る定番ソフトです。
ブラウジングやオフィス作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、スコア5000に迫る非常に高いスコアをマーク。ブラウジングやオフィス作業などの軽作業はもちろん、動画・画像編集にもしっかり対応できます。
なお、Core i5-1235Uとは総合スコアでほぼ互角ですね。
TMPGEnc Video Mastering Works 7
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。結果は秒で表記しています。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・QSVでエンコードしています。なお、QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i7-1250U | 1596 | 817 | 166 |
Core i5-1235U | 2093 | 1034 | 175 |
まず軽めのH.264をチェック。CPU勝負のソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では、クロックの高いCore i7が有利。Core i5に約21~24%と大きめの差をつけています。
一方、QSVでは約5%差と小さく、同一の内蔵グラフィックということで、ほぼ互角といったところです。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i7-1250U | 3011 | 1469 | 242 |
Core i5-1235U | 3566 | 1766 | 237 |
重量級のH.265でも、同じような傾向ですね。ソフトウェアエンコードではCore i7がコンスタントに有利ですが、その差は約16~17%と縮小します。また、QSVもほぼ同じような結果となっています。
Lightroom Classic CC
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。結果は秒で表記しています。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Core i7-1250U | 30 | 152 |
Core i5-1235U | 31 | 181 |
このテストもCPU勝負ということでCore i7がやはり有利。軽めのDNGこそほぼ互角ですが、重量級のJPEG変換では約16%早く変換します。
ドラクエ10
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
WUXGA | 7152 | 8582 | 9335 |
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
このクラスであれば、平均60fps以上をキープするのは余裕です。ワンランク下のUHD Graphicsでは、フルHDでも設定を下げる必要があり、パワーは段違いです。
FF14(ファイナルファンタジー14 暁月の終焉)
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
WXGA | 6011 | 7908 | 9931 |
WUXGA | 4517 | 6497 | 6497 |
知名度バツグンの国内産MMORPGですね。スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。現行のゲーミングPCであれば、フルHD・最高設定でスコア9000をしっかり超えたいところ。
重めのゲームには荷が重く、WUXGAではスコア9000をクリアできません。フルHDでオンラインゲームを楽しめるのは、VAROLANTなど軽めのものに限られ、基本的にはWXGAが適正レベルですね。
ただ、WXGAでスコア9000オーバーというのは驚異的。以前の内蔵グラフィックでは考えられないレベルなので、だいぶ進化しているのはたしかです。
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルでは、1TBの超大容量SSDを搭載しています。512GBの2倍のもなる容量の多さで、動画や画像データをより多く保存できます。もちろん、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMe SSDで、超高速のGen.4タイプを採用。
メーカーはWestern Digitalですね。その実力ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書きはいずれも4ケタ、最大6000MB/sオーバーとまさに爆速。一方、ランダムの速度もはGen.3タイプと同等レベルということで、特にシーケンシャル性能の高さが光ります。
もちろん、OSの起動からアプリの動作までサクサク動き、快適そのもの。
温度
CINEBENCH R23の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
低出力タイプのCPU&安定性重視の動作システムということで、フルロード時では80℃台前半、動作クロックは2.7GHzと控えめです。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ
50デシベルを超えるとノイズが気になるようになりますが、ピーク時で49.4デシベルとほぼ50デシベルといったところ。ファンは高速回転していますが、ノイズ感は控えめなので、さほど気になりません。
なお、最小時は45.9デシベルとありますが、アイドル状態なので、ほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。高解像度ディスプレイ搭載モデルということで、省エネ寄りの設定にしています。
- 電源設定:省電力、トップクラスの電力効率
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
バッテリーの持続時間は11時間20分と、モバイルノートの目安である10時間以上をしっかりキープ。高解像度ディスプレイ搭載モデルにしてはかなりバッテリーが持ちますね。これなら出先でも安心して使えます。
便利なユーティリティー機能
パソコンのサポートツールとして”HP Support Assistant”が用意されており、ハードウェアの診断からサポートまでワンストップで実行できます。
また、”HP Command Center”では、動作モードを変更でき、負荷のかかる作業でも、しっかり性能を引き出すことができます。
サウンドにもこだわっており、デンマークの高級オーディオメーカー”BANG & OLUFSEN”のサウンドエンジンを採用。
肝心のサウンドクオリティですが、重低音~高音域までしっかり伸び、音質も厚みがあり、それでいてクリア。さらに、サラウンド効果もバッチリ効いているので、迫力はかなりのもの。ノートPCにしては破格のクオリティですね。
まとめ&関連モデル
HPらしい美しいデザインもさることながら、Core i7・16GBメモリ・1TB SSD・有機ELディスプレイという充実ぶりで15万円台(セール時)はかなり安く、バツグンのコスパを実現しています。最上位のSpectreシリーズは20万円オーバーということを考えると、だいぶリーズナブル。
13インチモバイルノートでクオリティにこだわるならまずおすすめです。
HP ENVY x360 13-bf0000 スタンダードモデル
【スペック】
■OS:Windows 11
■ディスプレイ
13.3インチ WQXGA グレア
■CPU:Core i5-1230U
■メモリ:8GB(LPDDR4X-4266)
■グラフィック:Iris Xe Graphics(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 512GB(PCIe NVMe)
■【セールでさらにおトク】169,400円(税込)~
インテルの第12世代10コア12スレッドCPU・Core i5-1230U搭載したスタンダードモデル。有機ELディスプレイではないものの、解像度はWQXGA(2560×1200)と高め。予算重視ならおすすめです。
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