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Dell Inspiron コンパクトデスクトップ[3020]をレビュー シンプルイズベスト!実用性に特化した低価格のミニタワーモデル

今回デルの【Inspiron コンパクトデスクトップ [3020]】をお借りしました。シンプルで実用的な低価格のミニタワーモデルをチェックしてみましょう。

 

目次

スペック

  Inspiron コンパクトデスクトップ[3020] (Core i5搭載)
サイズ W154×D293×H324.3mm
OS Windows 11 Home(64ビット)
CPU インテル Core i5-13400
・10コア16スレッド
・定格2.5/最大4.6GHz
メモリ 8GB(8GB×1 DDR4-3200)
ストレージ 256GB SSD+1TB HDD
グラフィクス UHD 730(CPU内蔵)
チップセット インテル B660 チップセット
光学ドライブ DVDドライブ
Wi-Fi IEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax
Bluetooth 5.2
電源 300W(80PLUS BRONZE)
保証 1年(最大4年)
価格 99,980円(税・送料込)~
付属品 ・各種マニュアル
・USB有線キーボード(435g)
・USB有線マウス(86g)
・電源ケーブル(174g)

※2023年4月28日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。

 

外観

コンパクトなミニタワーケース

デスクトップPCでは定番となる、ミニタワーケースですが、海外メーカーらしくかなりコンパクト。

 

サイズはW154×D293×H324.3mmと、横幅は約15cm、奥行きは30cm以下に抑えられ、より狭いスペースにも設置できるのが強みですね。

 

一通りセットしてみると、こんな感じになります。なお、ディスプレイは23.8インチです。

 

デザインはシンプルながら意外と凝っており、フロントパネルはスリット加工が施され、上下でパターンを変えることにより、アクセントをつけています。深みがあるフォグブルーの色合いも相まって、モダンなイメージに仕上がっています。

 

なお、冷却面で吸気口は、フロントパネルと左サイドパネルに設置されています。

 

それぞれの面積は小さいものの、ハイスペック構成ではないので、これでも十分です。

 

底面はこの通り、ゴム足×2・金属足×2が設置されています。いずれも小ぶりですが、本体の振動はしっかり吸収できており、機能面では特に問題ありません。

 

充実したインターフェース

インターフェースはポイントをおさえたラインナップとなっています。

 

USB端子はフロント・背面あわせて計8ポートと多めに搭載。規格はUSB 3.2 Gen.1と2.0のオーソドックスな内容で、フロントパネルのUSB 3.2 Gen.1のうち一つは、小型&リバーシブルのType-Cポートとなっています。

派手さはありませんが、多めのポート数にType-Cを装備しているので、周辺機器の接続にはまず困りません。

 

そのほか、DVDドライブやSDスロットを装備し、普段使いで必要なものが一通りそろっているのは◎。Type-Cポートを含め、フロントパネルに必要なものがすべて集約されているのは、とても便利ですね。

映像端子はDisplayPort&HDMIが用意され、複数画面出力も可能です。なお、内蔵グラフィック・UHD 730での出力となるため、4Kでは30fpsまでしか出ない点に注意。

 

ちなみに、ネットワーク通信は、有線LAN&無線LANの両方に対応しており、無線環境オンリーでも使えるのがポイント。

無線LANは、最新のWi-Fi 6(802.11ax)にしっかり対応。Wi-Fi 5(802.11ac)よりもさらに速くなり、最大約9.6Gbpsと約1.5倍の高速通信を実現しています。また遅延も少なくなっているため、無線でのゲーミングがより安定します。

 

内部

合理的な内部構造

コンパクトなケースのため、パーツの配置はやや特殊。

 

HDDを搭載する3.5インチベイは、フロント上部に設置されています。これにより、電源との干渉を回避しているわけですね。

なお、拡張性といえば、この3.5インチベイのみと最低限。SSDはM.2タイプとなっており、基板上に直接搭載されています。購入後にできることは、HDDの交換やメモリの増設くらいですね。

 

ちなみに、マザーボードは特殊規格のため、市販のもので代用することはできません。

 

内部のエアフローですが、ケースファンは非搭載です。その代わり、CPUファンをケースファンの代用とし、カバーを取り付けることにより、前後にエアフローを生み出しています。

この通り、内部は徹底的に合理化されており、ムダがありません。これが安さの秘訣でもあります。

 

ブロンズクラス電源搭載

各パーツに電力を供給する電源には、300Wのブロンズクラス電源を搭載しています。最大85%の電力変換効率となるスタンダード電源で、ポイントはしっかり押さえています。なお、容量的にはエントリークラスのGTX 1650なら対応可能です。

電源はマザーボードと同じく、特殊規格のものを搭載しています。TFX規格にも見えるのですが、微妙に大きさが違うんですよね。。

 

 

ベンチマーク

各種ベンチマークソフトで性能をチェックしてみましょう。

CINEBENCH

3Dグラフィックのレンダリングソフト”CINEBENCH R23”で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。

 

このモデルでは、インテルの第13世代10コア16スレッドCPU・Core i5-13400を搭載しています。

第12世代の6コア12スレッドCPU・Core i5-12400に、E-コアを追加したバージョンですね。高性能の”P-コア”と省エネの”E-コア”を、タスクに応じて使い分け、場合によっては両者を併用することで、効率よく処理できるのが強みです。また、動作クロックも引き上げられ、パフォーマンスが大きく向上しています。

 


併売されているCore i5-12400と比較すると、シングルスコアは約9%、マルチスコアは約23%高くなっています。

 

3DMARK

3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。

 

グラフィック機能は、CPU内蔵タイプのUHD 730を搭載。性能は最低限ですが、PhotoshopやLightroomなど軽めの編集作業なら十分対応可能です。

  総合スコア Graphics
Score
CPU/Physics
Score
Combined
Score
Time Spy 630 547 4757
Night Raid 7554 7030 13079
Fire Strike 1644 1797 20257 545
Sky Diver 5923 5463 12316 5168
Cloud Gate 10383 9751 13432
Ice Storm 57769 25521 40149

 

PCMark 10

【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測るソフトです。

 

本格的な動画や画像編集用途の目安となるスコア3000は余裕でクリアし、スコア5000をオーバー。ただ、スコアの伸びはイマイチといったところで、Core i5-12400との差は約2%とほぼ互角となっています。

 

TMPGEnc Video Mastering Works 7

【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。結果は秒で表記しています。

エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・QSVでエンコードしています。なお、QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のことです。

 

H.264(フルHD) 2Pass 1Pass QSV
Core i5-13400 1140 560 192
Core i5-12400 1112 563 188

まず軽めのH.264をチェック。Core i5-13400の性能がイマイチ悪く、CPU勝負のソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では、両者の差は約1~2%とほぼ互角

なお、QSVは同じ内蔵グラフィックということで、約2%差とこちらもほぼ同じです。

 

H.265(フルHD) 2Pass 1Pass QSV
Core i5-13400 1754 860 288
Core i5-12400 1806 897 296

重量級のH.265でも同じような傾向で、両者の差はソフトウェアエンコードで約3~4%、QSVでも約3%となっています。

 

Lightroom Classic CC

【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。結果は秒で表記しています。

JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が意外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。

 

  CR2→DNG CR2→JPEG
Core i5-13400 32 253
Core i5-12400 27 102

画像変換もCPUの性能勝負ですが、Core i5-13400のパフォーマンスが悪く、重量級のJPEG変換ではCore i5-12400より2倍以上も時間がかかっています

メモリやストレージのクオリティは高いので、ここまで性能が伸びないのは謎ですね。同一タイプのCPUでも品質はピンキリなので、個体差かもしれないですね。

 

ドラクエ10

  最高品質 標準品質 低品質
フルHD 5531 7031 8233

ノートPCでもプレイ可能な超軽量ゲームで、スコア5500以上で平均60fpsをキープできますが、このクラスのゲームなら、内蔵グラフィックでも余裕でスコア5500をクリア可能です

 

FF14(ファイナルファンタジー14 暁月の終焉)

  最高品質 高品質 標準品質
HD 2888 3163 5571
フルHD 1332 1565 2670

知名度バツグンの国内産MMORPGですね。スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。快適にプレイするなら、フルHD・最高設定でスコア9000をしっかり超えたいところ。

さすがに重量級のゲームでは厳しく、いずれの設定でもスコア9000をクリアすることはできません。このクラスで対応可能なのは、ドラクエ10やVALORANTなどきわめて軽いものに限られます。

 

CrystalDiskMark

【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックするソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。

 

このモデルは256GB SSD+1TB HDDのデュアルストレージ構成です。アプリは高速のSSDに、データ類は大容量のHDDに入れるという使い分けができるので、とても便利。もちろん、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプで、Western Digitalのものを採用しています。

肝心の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書きは、最高3000MB/s半ばと爆速。また、ランダムもかなり速度が出ており、クオリティはかなり高めです。

もちろん、SSDなので実際の動作のとても快適。OSの起動から各種アプリの動作もサクサク動き、まさにストレスフリーですね。

 

温度

こちらはCINEBENCH R23を実行した際の各パーツの温度です。なお、室温は25℃です。

 

低出力の65W仕様ということもあり、フルロード時での動作は控えめ。約3.5GHz、70℃台後半で安定して動作しています。なお、Core i5-13600KなどのK付きCPUは、温度の許す限り高クロックをキープするので、非常に高いパフォーマンスを発揮します。

 

動作音

同じくCINEBENCH R23のベンチマークにて、実際の騒音値を測定してみました。※無響室・防音室での測定ではないので、あくまで参考までにどうぞ

 

ケースの左側面にて計測した結果です

50デシベルが一つの目安となりますが、ゲーミングPCに近いモデルなので、ピーク時で49.7デシベルとほぼきっかり。CPUファンの回転音が少し上がるくらいで、とても静か。

なお、アイドル時は48.5デシベルとなり、かすかにファンの音が聞こえるレベルです。

 

便利なユーティリティーソフトを完備

メーカー製モデルらしく、サポート機能はしっかり完備。”SupportAssistant”機能では、ドライバのアップデートからハードのスキャンまでワンストップで実行できます。また、サポート窓口のアクセスのカバーし、万が一の場合でも安心です。

 

また、おなじみCyberLinkの”PowerDirector”や”PhotoDirector”がインストールされており、動画や画像編集もお手の物。趣味で編集作業をやる方にはうれしい内容ですね。

 

もちろん、おなじみのサウンドシステム”Waves MaxxAudio Pro”が標準で搭載されています。イコライザーやサラウンド機能など必要なものは一通り搭載されており、かんたんに調整することができます。

 

まとめ&関連モデル

合理的で実用性全振りのコスパモデルですが、どうにも性能が伸びないのが気になりますね。前世代(Inspiron 3910)のCore i3-12100搭載モデルが激安なので、普段使いならそちらがおすすめです

 

 

Inspiron 3910 コンパクトデスクトップ スタンダード

【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i3-12100
■メモリ:8GB(DDR4-3200)
■グラフィック:UHD 730(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 256GB(PCIe NVMe)
■電源:180W(80PLUS BRONZE)
■無線LAN:IEEE 802.11ax+Bluetooth 5.1
■光学ドライブ搭載/有線キーボード&マウス付属
■価格:66,980円(税・送料込み)~

インテル第12世代の4コア8スレッドCPU・Core i3-12100搭載したベーシックモデル。エントリーモデルながら4コア8スレッド構成なので、ブラウジングやオフィス作業、編集作業まで一通りこなせます。

 

Inspiron 3910 デスクトップ[Core i5搭載]

【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i5-12400
■メモリ:8GB(DDR4-3200)
■グラフィック:UHD 730(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 256GB+HDD 1TB
■電源:180W(80PLUS BRONZE)
■無線LAN:IEEE 802.11ax+Bluetooth 5.1
■光学ドライブ搭載/有線キーボード&マウス付属
■価格:82,980円(税・送料込み)~

インテルの第12世代6コア12スレッドCPU・Core i5-12400を搭載したスタンダードモデル。より性能にこだわるならおすすめ。

 

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