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ThinkPad X1 Foldをレビュー 折りたたみディスプレイ搭載!ロマンあふれる最先端の13インチ2in1モバイルノート

今回レノボの【ThinkPad X1 Fold】をお借りしました。

ノートPCにも折りたたみディスプレイの時代が到来。バツグンの携帯性を誇る、タフなビジネスノートでおなじみ”ThinkPad”の13インチモバイルノートをチェックしてみましょう。

 

目次

スペック

  ThinkPad X1 Fold
サイズ W299.4×D236×H11.5mm
重量 約973g(実測964g)
OS Windows 10 Home(64ビット)
CPU Core i5-L16G7
・5コア5スレッド
・定格1.4/最大3.0GHz
メモリ 8GB(オンボード8GB、DDR4X-4266)
ストレージ 512GB SSD(PCIe NVMe)
グラフィクス UHD Graphics(CPU内蔵)
ディスプレイ 13.3インチ、QXGA(2048×1536)、グレア、有機EL、タッチ対応
インターフェース USB3.1 Gen.2 Type-C×2、USB 3.1 Gen.1 Type-A×2
光学ドライブ ×
カメラ 500万画素
スピーカー ステレオスピーカー(Dolby Atmos)
Wi-Fi IEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax
Bluetooth 5.0
保証 1年(最大3年)
価格
【クーポン利用(Wi-Fi)】399,300円327,426円(税・送料込)~
【クーポン利用(5G)】465,300円381,546円(税・送料込)~
付属品 ・各種マニュアル
・電源アダプタ(205g)
・電源ケーブル(62g)
・キーボード(177g)
・アクティブペン(16g)

※2021年3月21日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
※割引クーポンは販売サイトに記載してあります。

 

本体・キーボード

ついに登場!折りたたみ可能なディスプレイ

このモデル最大のセールスポイントは、なんといっても折りたためるディスプレイですね。スマートフォンに続き、ついにPCでも登場しました。

前代未聞のギミックにより、通常の2in1タイプとは違った使い方ができます。

 

そのままタブレットのように使えるのはもちろん、折りたたむことにより、さながら本のように2画面で使うことができ、マルチタスクがはかどります。

 

ディスプレイを折り曲げると、画面分割モードが表示されるので、かんたんに2画面に設定できるのはグッド。

PCモードでは2タイプの使い方ができます。

 

まず、こちらがオーソドックスなスタイルで、ディスプレイを本体のスタンドで立て、その前にキーボードを置き、通常のノートパソコンのように使うことができます。ディスプレイをいっぱいに使うので、作業がはかどります。

 

ちなみに、スタンドの内側は真紅のカラーリングで、とてもオシャレ。

 

そして、こちらが折りたたみできるメリットを生かしたスタイルで、片面をディスプレイとして、もう片面をキーボードとして使います。

ディスプレイをフルに使わないので、狭い場所でも使えるほか、ちょっとした作業をこなすのにも最適。気軽に使えるのがこのスタイルの強みですね。なお、キーボードはマグネットでディスプレイ枠にしっかり固定され、安定してタイピングできます。

 

高級感あふれるタフ&軽量ボディ

ThinkPadシリーズということで、耐久性は折り紙付き。

 

ビジネスシーンでハードに使い倒すことを想定しており、落下テスト・高温・低温条件でのテスト・ヒンジの耐久テストなど、実際の使用状況に即した厳しいテストのほか、12項目のMIL規格(アメリカの軍事規格)テストをクリアしています。

もちろん、ハイエンドモデルらしく、ボディの素材にはとことんこだわっており、軽くて頑丈な”マグネシウム合金”を採用しています。

 

本体はA4ファイルサイズサイズと小さく、厚さも11.5mmとスリムなため、重さは実測で964gの軽量ボディを実現。1㎏以下なので、片手でラクラク持てるのは嬉しいですね。

 

なお、本体とキーボードを一つにまとめると、こんな感じで、もはや「本」そのもの。驚くべきコンパクトボディもさることながら、コミコミでも1157gと軽く、携帯性はバツグンです!今後改良を加えて、さらに軽くなれば、なおグッド。

 

ちなみに、実用性特化でとにかくシンプルなThinkPadシリーズですが、なんとこのモデルの表面はレザー仕上げとなっています。しっとりと手になじむ触り心地も相まって、高級感もバッチリですね。

 

 

有機ELパネル搭載の高品質ディスプレイ

ディスプレイは、モバイルノートでおなじみの13.3インチサイズです。11インチや12インチよりも画面サイズに余裕があり、モバイルノートならまずこのサイズは押さえておきたいところです。

最先端のハイエンドモデルらしく、ディスプレイのクオリティはかなり高め。

 

ディスプレイの解像度はQXGA(2048×1536)と高く、パネルには、なんと有機ELパネルを採用しています。最近話題の有機ELですが、黒の色味が液晶ディスプレイとは一味違います。まさに「漆黒」という感じ

なぜここまで引き締まった黒を再現できるのかというと、有機ELでは画面の素子自体が光るのでバックライトが必要なく、さらにコントラスト比も圧倒的に高いからです。バックライトで画面を照らし出す通常の液晶ディスプレイでは、どうしても光が漏れてしまい、黒い画面が白っぽくなってしまいます。

 

さらに、DCI-P3 98%の非常に広い色域をカバーするほか、輝度も400nit台と非常に明るいのもポイント。高解像度・高コントラスト・高輝度・広い色域の全てがそろっており、申し分のないクオリティです。

ちなみに、ディスプレイはタッチ操作に対応しています。表面は若干柔らかい感じの仕上がりですが、なめらかでスムーズな操作ができます。一般的な2in1タイプとは違う不思議な感じですね。

 

シンプルな小型キーボード

折りたたみボディを基準としたキーボードなので、サイズはだいぶコンパクト。

 

もちろんテンキーは非搭載で、キーそのものも一部オミットされており、まさに最低限の内容です。日本語キーボードではありますが、通常版とは勝手が異なり、慣れが必要です。

なお、窮屈そうに見えて、キーピッチはしっかり18mmと、標準的な間隔が確保されているのはいいですね。ただ、キーストロークは浅い上、反発感も弱く、物足りない感じです。

 

タッチパッドもコンパクトで、タッチパッドとクリックボタンが一緒になった、一体型となっています。パッドの表面はツルツルした材質で、カーソル操作はとても滑らか。また、クリックボタンも軽い力でしっかり反応し、動作音も静かと、地味ながら高い完成度を実現しています。

ちなみに、接続はBluetooth方式で、F11ボタンにてワンタッチでペアリングできます。また、充電は左サイドのMicro USBポートから行います。

 

アクティブペン付属

キーボードのほか、アクティブペン”Lenovo Mod Pen”が標準で付属します。

 

4096段階の高い筆圧検知に対応しており、メモ書きはもちろん、イラスト制作にも最適なクオリティ…なのですが、先に紹介した通りタッチパネル表面が柔らかい感じなので、細かい書き分けにはちょっと不向きですね。

ちなみに、ペンは充電式で、Type-C接続にて充電します。

 

インターフェースは最低限

タブレットボディということで、インターフェースは最小限。

 

USBは2ポートのみですが、オールUSB3.1 Type-C構成で、最大10Gbpsの高速転送が可能な”Generation2規格”と充実しています。なお、このType-Cポートは映像出力端子を兼ねています。

 

タブレットらしく、音量調整ボタンを装備していますが、ヘッドホン・マイク端子は非搭載。5G用のnanoSIMスロットも完備しています。

 

ボディには給排気用のスリットをしっかり装備しています。

 

ちなみに、このモデルでは、5G対応機種も用意されています。データ通信SIM(nanoSIM)さえあれば、いつでもどこでもネット環境を利用できます。フリーWiFiスポットを探す手間が省け、まさにストレスフリーですね。

 

 

ベンチマーク

各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。

CINEBENCH

まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。

 

このモデルでは、インテルの第10世代5コアCPU・Core i5-L16G7を搭載しています。かなりレアなCPUで、なんとTDPはわずか7Wと超省エネ。発熱を極力抑えたいタブレットPCにはうってつけですね。ちなみに、冷却ファンはしっかり内蔵しています。

参考までに、同世代の4コア8スレッドCPU・Core i5-10210Uと比較してみると、シングル・マルチ性能ともに約半分程度となっています。同じCore i5ではありますが、いかんせんTDP7Wでは性能が伸びません。

 

3DMARK

3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。

DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。

 

Core i5-10210Uに比べ、CPUの性能は約40~50%ほど下がりますが、内蔵グラフィック性能(UHD Graphics)については、ほぼ互角レベルとなっています。

  総合スコア Graphics
Score
CPU/Physics
Score
Combined
Score
Time Spy 444 395 1531
Fire Strike 1169 1267 4530 435
Night Raid
4042 5206 1783
Sky Diver 4201 4135 4237 4714
Cloud Gate 6020 8257 3091
Ice Storm 45812 57277 26939

 

PCMark 10

【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測る定番ソフトです。

 

ブラウジングや各種編作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、スコア2000台半ばとクリアならず。Core i5-10210Uと比較してみると、総合スコアは約40%低く、項目ごとのスコアでも大きく下回っています。

実際の使用感ですが、例えばブラウジングでは、クリック操作と読み込みに若干ラグが感じられます。スコアから見てもわかるように、Pentiumクラスということで、軽作業メインならアリといったところですね

 

動画エンコード

【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。

エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・QSVでエンコードしています。なお、QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のことです。

 

H.264 2Pass 1Pass QSV
Core i5-L16G7 1:02:43 5:56
Core i5-10210U 59:02 31:13 3:46

ソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)はCPU勝負ということで、Core i5-L16G7は1Passでも1時間オーバー!Core i5-10210Uよりも約2倍の時間がかかっています。

なお、QSVでは両者の差が縮まるものの、Core i5-10210Uに比べ約58%も多く時間がかかり、編集用途ではやはりきついです。。

 

H.265 2Pass 1Pass QSV・NVENC
Core i5-L16G7 2:02:23 9:12
Core i5-10210U 1:27:22 45:11 5:35

重量級のH.265では両者の差がさらに開き、1Passでは約2.7倍、QSVでも約64%差になり、勝負ありといったところ。

 

画像変換

【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。

JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が意外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。

 

  CR2→DNG CR2→JPEG
Core i5-L16G7 3:48 11:20
Core i5-10210U 2:13 5:10

画像変換もCPU勝負ということで、両差の差は大きく、軽めのDNGでは約71%、重量級のJPEG変換ともなると、約2倍以上にもなります。

 

ドラクエ10

グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。

  最高品質 標準品質 低品質
HD 5789 6695 7513
フルHD 3533 4444 5211

実際のゲームでは性能が伸び悩み、HDでようやくスコア5500を超えてきます。Core i5-10210UではフルHD・標準品質でスコア5500を超える(場合がある)ことを考えると、やや物足りない性能です。

 

FF14(ファイナルファンタジーXIV)

知名度バツグンの国内産MMORPGですね。スコア7000以上で【非常に快適】となり、スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。現行のゲーミングPCであれば、フルHD・最高設定でスコア9000をしっかり超えたいところ。

  最高品質 高品質 標準品質
HD 2111 2741 3392
フルHD 1054 1705 2137

重量級ゲームということで、スコア7000には遠く及びません。このクラスは内蔵グラフィックには荷が重く、とりあえず動かせるというレベルですね。

 

CrystalDiskMark

【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックするソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。

 

このモデルは、大容量の512GB SSDを搭載したシングルストレージ構成となっています。標準的な256GBよりもさらに容量が多く、動画や画像などデータ類を多めに保存することが出来ます。SSDは通常のSSDよりも4~5倍速いNVMeタイプのSSDというこだわりようで、安定と信頼の東芝(KIOXIA)製となっています。

その実力ですが、シーケンシャル(連続データ)では読み込みこそ4ケタをマークしていますが、それ以外はいまいち速度が伸びず、ランダムにいたっては、通常のSATAⅢレベル。NVMeタイプにしては物足りない性能というのが正直なところ。

ただ、SSDということで実際の使用感は快適。先に紹介した通り、わずかにラグはあるものの、OSの起動からブラウジングや各種アプリの動作までサクサク動きます

 

温度

ドラクエ10実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。

 

省エネタイプのCPUですが、スリムボディということもあり、ピーク時で約80℃台後半とかなりホット。ぱっと見心配になる温度ですが、100℃に行ってないので全然大丈夫です

なお、CPUファンは動作こそするものの、かなり控えめ。ここ一番の時にしか動きません。

 

動作音

ドラクエ10実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ

 

50デシベルを超えるとノイズが気になるようになりますが、ピーク時で47.9デシベルと大きく下回っています。アイドル時との差は1.2デシベルと小さく、かすかにファンの動作音が聞こえるくらいです。

 

バッテリー持続時間

「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。

  • 電源設定:バランス、より良いバッテリー
  • バックライト:40%
  • 10秒ごとにキー入力
  • 1分ごとに無線LAN経由でネット接続

結果は約7時間と、高解像度&有機ELディスプレイ搭載モデルらしく、バッテリーの持ちはやや短めです。悪くはないのですが、モバイルノートなら10時間以上はやはり欲しいところ。これは次世代モデル以降に期待ですね。

 

便利なユーティリティーソフトを完備

レノボでおなじみ、システム管理の”Commercial Vantage”を完備。バッテリーやディスプレイ、サウンドの設定からシステムの更新などサポートに至るまで、このアプリで全て設定できます。一元化されているので、とても分かりやすいのはグッド。

 

ThinkPadといえばカメラ部分のプライバシーシャッターですが、このモデルでは非搭載。その代わり、”カメラ・プライバシー・モード”が用意されており、使わないときにはこの機能をONにすることにより、プライバシーを保護できます。

 

サウンドエンジンは有名どころの”Dolby Atmos”を搭載しており、イコライザで好みのサウンドを設定できます。

肝心の音質ですが、低音~高音までしっかり出ており、厚みのある音質で迫力が感じられます。また、サラウンドもバッチリ効いているので、臨場感もあり、タブレットにしてはあっぱれなクオリティです。

 

まとめ

折りたたみディスプレイのインパクトはすごいですね。機能的には2in1タイプでも、通常バージョンとは違う使い方ができ、特に本のように持ち運べる携帯性の高さはとても魅力的。重さよりも、サイズ感を重視するなら、このモデルがおすすめです。

ただ、フラグシップモデルらしく、クオリティは非常に高いものの、性能・バッテリーについては、もう一声ほしいところ。また、もう少し軽いとなおグッド。今後の進化に期待ですね。

 

 

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