VAIO SX14をレビュー 最軽量モデルはなんと約999g!圧倒的な軽量ボディと携帯性を誇る14インチモバイルノート

今回VAIOの【VAIO SX14】をお借りしました。

14インチモデルとは思えない超軽量ボディを実現した、ハイクオリティのモバイルノートをチェックしてみましょう。

 

目次

スペック

  VAIO SX14
カラー ファインブラック・ファインホワイト・ブライトシルバー・アーバンブロンズ
サイズ W320.4×D222.9×H13.3~17.9mm
重量 約1064g(実測1056g)
OS Windows 11 Home(64ビット)
CPU Core i7-1195G7
・4コア8スレッド
・定格2.9/最大5.0GHz
メモリ 16GB(LPDDR4X)
ストレージ 512GB(PCIe NVMe)
グラフィクス Iris Xe Graphics(CPU内蔵)
ディスプレイ 14.0インチ、フルHD、ノングレア
インターフェース USB 4(Thunderbolt 4対応)×2、USB 3.0 Type-A×2、HDMI、LANポート、マイク入力/ヘッドフォン出力
光学ドライブ ×
カメラ Full HDカメラ Windows Hello 顔認証対応(約207万画素)
スピーカー 内蔵ステレオスピーカー
キーボード バックライト付き日本語キーボード
Wi-Fi IEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax
Bluetooth 5.1
保証 3年(最大4年)
価格 256,300円241,300円(税込)~
付属品 ・各種マニュアル
・電源アダプタ(161g)

※2022年1月23日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。

 

外観

14インチらしからぬ超軽量ボディ

ボディは、14インチサイズとなっています。モバイルノートで定番の13インチモデルよりも大きな画面を搭載し、それでいて軽量ということで、最近人気のサイズですね。

 

ボディをコンパクトにするため、ベゼル(ふち)が狭い”スリムベゼル”を採用し、横幅と奥行きをできる限り圧縮。

 

その結果、A4ファイルサイズ並みのサイズを実現しています。

 

さらに、厚さも最厚部で17.9mmと、2cmを切るスリムボディということもあり、カバンにサッと収納できます。

 

極めつけがボディの重さで、なんと最軽量モデルで999g!さすがに1kg前後だと本体の重さをあまり感じないので、持ち運びが本当に楽ですね。

13インチモデルならいざ知らず、14インチモデルで1kg前後というのは、他社を圧倒するレベル。およその相場は1.3~1.5kgということを考えると、そのすごさがわかります。

ちなみに、軽さの秘訣は、天板の”カーボンファイバー”です。航空機にも使われる素材なだけあり、とても軽くて頑丈。持ち運びの際も安心です。

 

デザインは、すっきりした直線フォルムに、スリムボディも相まって、とてもスタイリッシュ。漆黒のボディに、シルバーの装飾やVAIOのロゴがばっちり決まっており、スマートな印象を受けますね。

 

国産モデルらしく、カラバリが非常に豊富。貸出機のブラックのほか、ホワイト・シルバー・ブロンズの全4色が用意されています。定番カラーから、華やかなカラーまで幅広く選べるのはいいですね。

ビジネスからカジュアル用途まで、しっかり対応できます。

 

リフトアップヒンジ搭載

機能面もしっかり考えられており、”リフトアップヒンジ”を搭載しています。リフトアップヒンジとは画面を開いたときに、ボディがせり上がるギミックのこと。

 

適度な傾斜ができるためタイピングしやすくなるほか、接地面とパソコンの間にすき間が空くことで、給排気がスムーズになり、冷却能力もアップします。下にノートPCクーラーを置いているようなもので、熱い夏場でも安心。

リフトアップヒンジ搭載モデルは多くなってきていますが、このモデルは特に傾斜が大きく、かなりタイピングしやすいのはいいですね。

 

充実したインターフェース

インターフェースはモバイルノートらしからぬ充実ぶりです。

 

USBは全4ポートと、モバイルノートにしては多めに搭載。

最新規格をしっかりおさえており、小型&リバーシブルのType-Cポートは、USB 4規格となっています。USB 4は、最大10Gbpsの高速転送・大容量給電・高解像度出力が可能なハイスペック規格で、さらに”Thunderbolt 4”にも対応しています。対応機器であれば、最大40Gbpsの超高速転送も可能です。

Type-CとType-Aポートの両方を搭載しているので、変換ケーブルを使うことなく様々な周辺機器に対応できるのは◎。

 

また、映像端子にHDMIポートを搭載するほか、モバイルノートで省略されがちなLANポートを搭載する徹底ぶりで、普段使いに必要なものは一通り網羅しています。SDスロットがあればパーフェクトでしたね。

 

なお、カスタマイズにて、LTEモジュール(nanoSIM)を追加することができます。データ通信SIMさえあれば、いつでもどこでもネット環境を利用できます。フリーWiFiスポットを探す手間が省け、まさにストレスフリーですね。

SIMはカスタマイズ画面でも購入できます。

 

安心のセキュリティ機能

スタンダードノートでは珍しく、カメラ部分にプライバシーシャッターを装備しています。使わないときはシャッターを閉めることで、不正アクセスなどからプライバシーを保護することができます。デバイス機能のON/OFFではなく、物理的にシャットアウトするのでとても安心ですね。

さらに、電源ボタンは指紋認証センサーを兼ねています。本人認証のため、ログインパスワードよりも安全。また、ログインの際わざわざパスワード入力することなく、とてもスムーズです。

 

ディスプレイ&キーボード

IPSパネル搭載の高品質ディスプレイ

ディスプレイは、モバイルノートではやや大きめの14.0インチサイズを搭載しています。主流の13.3インチに比べると一回り大きく、ゆったりとした感じで視認性は上々です。

解像度は現在主流のフルHDとなっています。HDよりもきめ細かい画面表示ができるほか、表示領域が広く、オフィスソフトでの作業もはかどります。

 

パネルには高コントラスト・高発色・高視野角の3点を兼ね備えた、IPSパネルを採用。画面表示はとても美しく、動画鑑賞などを思う存分堪能できます。

 

この通り、横から見ても色むらがほとんどありません。

 

完成度の高いキーボード

13インチ+αのサイズということで、テンキーレスキーボードを採用しています。よく見ると、キーボード面はオシャレなヘアライン調のデザインになっており、スタイリッシュなデザインとよくマッチしていますね。

 

テンキーを省略しているので、だいぶゆとりがあります。基本的なキーは大きく造られ、キーピッチも約195mmとデスクトップキーボード並みの間隔を確保。さらに、配置そのものも素直ということもあり、誤爆の心配はまずありません。

 

キーストロークは、浅すぎず深すぎず、一般的なノートPCそのもの。反発はやや弱く、あっさりした打鍵感となっています。ちなみに、キートップは中央部分がカーブしており、指になじみやすくなっているのもポイントです。

また、最近のトレンドはバッチり抑えており、キーボードには白色LEDを内蔵しています。ふんわり浮かび上がるような輝き方で、とても上品な感じ。ON/OFFの設定は付属アプリで調整可能で、さらに、消灯までの時間まで設定できる親切仕様なので、とても便利です。

 

分離タイプのタッチパッド

タッチパッドは、パッド部分とクリックボタンが別の分離タイプとなっています。一般的なノートでこのタイプは、ちょっと珍しいですね。

 

タッチパッドはサラサラした素材になっており、カーソル操作はとてもスムーズ。クリックボタンも分離しているので、一体型よりも操作性がとても高く、軽く押すだけでしっかり反応し、非常に快適。クリック音が小さいのもグッドです。

 

 

ベンチマーク

各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。

CINEBENCH

まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。

 

貸出機では、インテルの最新世代となる、第11世代の4コア8スレッドCPU・Core i7-1195G7を搭載しています。最新世代では強力な内蔵グラフィック機能・Iris Xe Graphicsを搭載しているのがポイント。従来の内蔵グラフィックを軽く凌ぐ高い性能で、編集作業から軽めのオンラインゲームまで対応できます。

参考までに、下位グレードの4コア8スレッドのCore i5-1135G7と比較してみると、シングル性能は約17%、マルチ性能は約70%も高くなっています。最大5.0GHzにもなる高クロックCPUということで、性能はとても高いですね。

それにしても、短時間のブースト性能とはいえ、シングル性能が200cbオーバーというのは驚異的。デスクトップ用CPUに匹敵するレベルです。

 

3DMARK

3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。

DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)・RT(Port Royal)それぞれの条件で測定することができます。

 

高いパフォーマンスがセールスポイントとなる”Iris Xe Graphics”の実力ですが、下位の内蔵グラフィック・UHD Graphicsの約3~4にもなる破格の性能となっています。

  総合スコア Graphics
Score
CPU/Physics
Score
Combined
Score
Time Spy 2029 1824 5631
Night Raid 18390 21825 9721
Fire Strike 5329 5769 15594 2083
Sky Diver 16187 16667 13388 17860
Cloud Gate 22564 33058 10689
Ice Storm 131938 166054 76750

 

PCMark 10

【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測る定番ソフトです。

 

快適な動作が期待できるスコアは3000以上となりますが、スコア5000の大台を突破しており、パワーは十分。ブラウジングやオフィス作業などの軽作業はもちろん、動画・画像編集にもしっかり対応できます。

なお、Core i5-1135G7との差は、総合スコアで約19%と大きめ。各スコアを見ても、ブラウジングやオフィスソフトなどの軽作業から、編集作業までまんべんなくスコアが高く、特に動画や画像編集などの機会が多い方はCore i7がおすすめ

 

動画エンコード

【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。

 

エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・QSVでエンコードしています。なお、QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。

 

H.264(フルHD) 2Pass 1Pass QSV
Core i7-1195G7 34:35 16:56 2:23
Core i5-1135G7 49:21 25:21 3:16

まず軽めのH.264をチェック。CPU勝負のソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では、やはりクロックの高いCore i7-1195G7が有利。Core i5-1135G7よりも約30~37%早く変換を完了しています。また、QSVでも約27%差をつけています。

 

H.265(フルHD) 2Pass 1Pass QSV
Core i7-1195G7 53:16 26:07 4:01
Core i5-1135G7 1:15:22 37:09 4:05

重量級のH.265では違う傾向となり、ソフトウェアエンコードでは、Core i7がCore i5に約29~30%差をつけて圧倒しています。一方、QSVではほぼ互角と、結果はまちまちです。

 

画像変換

【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。

JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。

 

  CR2→DNG CR2→JPEG
Core i7-1195G7 0:50 2:35
Core i5-1135G7 1:19 3:50

このテストでもCore i7-1195G7がCore i5-1135G7よりも早く変換を完了しており、軽めのDNG・重量級のJPEG変換ともに約37%差をつけています。

ゲーミングノートならともかく、一般ノートでこのパフォーマンスの高さは驚異的。さすがに5.0GHz駆動は立てじゃないですね。

 

ドラクエ10

グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。

  最高品質 高品質 標準品質
フルHD 13978 15290 16556

オンラインゲーム屈指の軽さとは言え、フルHDでスコア10000を軽々突破。従来のUHD GraphicsだとフルHD・標準品質でもスコア5500前後だったことを考えると、革命的といえます。

 

FF14(ファイナルファンタジー14 暁月の終焉)

知名度バツグンの国内産MMORPGですね。スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。現行のゲーミングPCであれば、フルHD・最高設定でスコア9000をしっかり超えたいところ。

  最高品質 高品質 標準品質
HD 8207 10174 12859
フルHD 4557 6284 8083

重めのゲームなので、スコア9000オーバーには、解像度をHDまで落とす必要があります。フルHDでオンラインゲームを楽しめるのは、軽めのものに限られ、基本的にはHDが適正レベルですね。

以前はまともに動かすことすら厳しかったことを考えると、大幅な進化を遂げているのは確かですが、ゲームで使うにはまだまだ性能が足りません。

 

CrystalDiskMark

【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。

 

このモデルは大容量の512GB SSDを搭載しています。一般的なモデルの2倍にもなる大容量で、アプリはもちろん、データ類も多めに保存できます。なお、編集用途であれば、1TBに増やすのがおすすめ。

SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプで、なんと超高速のPCIe Gen.4規格を採用する本格派仕様。なお、メーカーはサムスンとなっています。

肝心の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書きは、コンスタントに4000MB/sをマークし、一部6000MB/sとまさに爆速。一方、ランダムも下位のGen.3タイプを大きく上回り、トータルのクオリティは非常に優秀です。もちろんOSの起動からアプリの動作までサクサクで快適そのもの。

 

温度

FF14実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。

 

ピーク時では70℃台の安定した温度をキープ。高クロックCPUでこの温度なら、冷却性能は十分といえますね。

 

動作音

FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ

50デシベルを超えるとノイズ感が気になるようになりますが、この通り54.5デシベルと大きく上回っています。ゲーミングノートクラスのノイズレベルで、ファンは豪快に回転しています。高性能&高冷却の反面、静音性が犠牲になっていますね。。

なお、最小時は46.9デシベルとありますが、アイドル状態なので、ほぼ無音です。

 

バッテリー持続時間

「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。

  • 電源設定:バランス、標準
  • バックライト:40%
  • 10秒ごとにキー入力
  • 1分ごとに無線LAN経由でネット接続

結果は、約11時間20分と、モバイルノート目安となる10時間をしっかり超えています。これなら出先でも安心して使えます。

 

便利なユーティリティー機能

システムコントロールでは、動作モードの変更やLEDイルミネーションの設定、ファンクションキーの設定などをワンストップで変更できます。とてもシンプルなツールで、わかりやすいのがいいですね。

なお、サウンド設定ツールは特にありません。肝心のサウンドクオリティですが、中音メインで、音質は軽め。内蔵スピーカーの標準クオリティといった感じです。

 

まとめ&関連モデル

なんといってもボディの軽さですね。14インチモデルで1kg前後はとんでもなく軽く、大画面のモバイルノートで軽さを特に重視するなら、このモデルがまずおすすめです

モデルの完成度も高く、タフなカーボンボディに、リフトアップヒンジやLED内蔵キーボードをはじめ、指紋認証センサーやプライバシーシャッターなどを装備。プレミアムモデルにふさわしいクオリティを実現しています。

 

 

VAIO SX14[ベースモデル]

【スペック】
■OS:Windows 11
■ディスプレイ
14.0インチ フルHD ノングレア
■CPU:Celeron 6305
■メモリ:8GB
■グラフィック:UHD Graphics(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 128GB(PCIe NVMe Gen.3)
■価格:147,400円137,400円(税込)~

カスタマイズのベースとなるモデルです。Celeronではパワー不足でもたつくので、ブラウジングやオフィスソフトなどの軽作業でも、Core i3-1115G4にしておきたいところ。

動画や画像編集などヘビーな作業であればCore i5-1155G7以上で、16GBメモリ&512GBにカスタマイズするのがおすすめです。

 

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