Lenovo ThinkPad Z13をレビュー Zシリーズ登場!デザインや素材を一新した最高峰の13インチモバイルノート

今回レノボの【ThinkPad Z13 Gen.1】をお借りしました。

ビジネスノートでおなじみ”ThinkPad”にZシリーズが登場。新機軸を盛り込んだ、タフな13インチモバイルノートをチェックしてみましょう。

 

目次

スペック

  ThinkPad Z13 Gen.1
(Ryzen 5 PRO 6650U・Vegan Leather)
サイズ W294.4×D199.6×H13.99mm
重量 約1.19kg(実測1294g)
OS Windows 11 Home(64ビット)
CPU Ryzen 5 PRO 6650U
・6コア12スレッド
・定格2.9/最大4.5GHz
メモリ 16GB(オンボード、LPDDR5-6400)
ストレージ 512GB SSD(PCIe NVMe Gen.4)
グラフィクス Radeon 660M(CPU内蔵)
ディスプレイ 13.3インチ、WUXGA(1920×1200)、ノングレア、IPSパネル
インターフェース USB 4(Thunderbolt 4対応)×2、マイク入力/ヘッドフォン出力
光学ドライブ ×
カメラ FHD 1080p カメラ
スピーカー ステレオスピーカー(Dolby Audio)
キーボード バックライト付き日本語キーボード
Wi-Fi IEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax
Bluetooth 5.2
保証 1年(最大5年)
価格
【クーポン利用】339,218237,358円(税・送料込)~
付属品 ・各種マニュアル
・電源アダプタ(253g)
・電源ケーブル(60g)

※2022年12月5日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
※割引クーポンは販売サイトに記載してあります。

 

外観

タフなビジネスモデル

新たにデビューした”Zシリーズ”は、従来のThinkPadとは一線を画すコンセプトで造られています。

 

環境に配慮した製品ということで、ボディはリサイクル素材を積極的に活用。本体は再生アルミニウム製となっています。

また、天板は95%再生プラスチック採用の”ヴィーガンレザー”を採用しています。

 

プラスチックですが、触り心地はレザーそのもの。素材を知らなければ、本物のレザーだと思ってしまうレベルですね。それにしてもよくできています。

 

ボディの素材だけでなく、デザインに力を入れています。

従来のThinkPadはブラック一色でしたが、このモデルはブラック&ブロンズの渋い出で立ちで、高級感を感じさせます。さらに、ブロンズのフレームはヘアライン加工を施す凝りようで、とてもスタイリッシュ。かのHPのモデルをほうふつとさせますね。

 

もちろん、ThinkPadということで、ボディはとてもタフ。

堅牢なアルミボディは、落下テスト・高温・低温条件でのテスト・ヒンジの耐久テストなど、実際の使用状況に即した厳しいテストのほか、12項目のMIL規格(アメリカの軍事装備規格)テストをクリア。このクオリティならモバイル用として安心して使えます。

 

なお、カラバリはヴィーガンレザーのほか、クールなアークティックシルバーが用意されています。

 

モバイル性に優れたコンパクト&軽量ボディ

ボディのサイズは13インチですね。ディスプレイのサイズと携帯性のバランスがよく、モバイルノートでは人気のサイズとなります。

 

ディスプレイのベゼル(ふち)をスリムにすることで、横幅と奥行きを圧縮。

 

それにより、A4用紙よりも小さいコンパクトボディを実現。A4ファイルとは比べるまでもありません。

 

さらに、厚さも13.33mmと1.5cmを切るウルトラスリムボディなので、カバンにサッと収納できます。

肝心の重さも、コンパクト&ウルトラスリムボディにより、実測1294gと非常に軽量。重くなりがちなアルミボディで1.2kgというのはとても軽く、携帯性はバツグンです。

 

最低限のインターフェース

なかなかの意欲作ですが、インターフェースの内容は最低限。

 

USBはわずか2ポートのみ。ただし、最近規格を採用しており、いずれも最大40Gbpsの超高速転送がに対応した”Thunderbolt4(USB Type-C)”となっています

使い勝手を考えると、やはり3ポートは欲しいところですが、マイク入力/ヘッドフォン出力があるだけマシですね。モバイルノートの中には、それすらないモデルもあります。

ちなみに、Thunderbolt 4ポートが映像出力も兼ねているので、外部ディスプレイを使うことは可能です。

 

セキュリティ対策も万全

セキュリティにもしっかり配慮され、カメラ部分にはシャッターが装備されているのもポイント。電源ボタン横のスイッチでシャッターが開閉し、物理的にシャットアウトします。

また、Windows Hello対応の指紋認証センサー&顔認証センサーを装備しています。本人認証のため、ログインパスワードよりも安全。また、ログインの際わざわざパスワード入力することなく、とてもスムーズです。

 

ディスプレイ&キーボード

高性能ディスプレイ搭載

ディスプレイは13.3インチサイズのものを搭載。さらに小型だと12インチなどがありますが、窮屈な感じがするので、最低でもこのクラスは押さえておきたいところです。

ちなみに、このモデルではタッチ対応ディスプレイ(ハーフグレアパネル)を搭載しています。表面は滑らかで操作性は上々。

ただし、クラムシェル(開閉タイプ)との相性はイマイチ。操作するとディスプレイがぐらぐらするので、正直使いにくいですね。タッチ対応ディスプレイを使いたいなら、素直に2in1タイプのモデルを選びましょう。

 

ディスプレイの解像度はWUXGA(FHD+・1920×1200)、ディスプレイ比率は16:10と、最近はやりのスタイル。主流のフルHD(16:9タイプ)よりもやや縦長なので、一度に表示できる情報量が多く、スクロールの手間が省けるのは便利ですね。

 

パネルの完成度も非常に高く、高発色&高コントラストのIPSパネルを採用しています。sRGB100%の広い色域と、400nitの高輝度も相まって、くっきり鮮やかな映像クオリティを実現。動画や画像編集にも最適です。

IPSパネルということで、視野角も広く、横から覗いても色むらは少なめです。

 

完成度の高いキーボード

横幅が狭い13インチモデルということで、テンキーレスキーボードを採用しています。

 

横幅を目いっぱい使うことにより、基本的なキーは大きく造られ、キーピッチも約19mmとデスクトップキーボード並みのゆとりを確保しています。

また、キー配置そのものも素直。ThinkPad伝統の”Control”と”Function”の逆配置が解消されているほか、電源ボタンがキーボード内ではなく、右サイドに配置されており、誤爆の心配はまずありません。

 

ファンクションキーの内容も充実しており、Microsoft Teams 10での通話の受信と終了が行えるキーが配置されているほか、カスタマイズ対応キーやファンクションキーのロック機能も装備しており、とても便利です。

 

キーストロークは、浅すぎず深すぎず、ノートPC標準レベルといったところ。反発も適度な感じで、軽めの打鍵感となっています。また、キートップがカーブしており、指にフィットしやすいのもポイント。

なお、トレンドの白色LEDをバッチリ内蔵しています。薄暗い場所でタイピングしやすくなるだけでなく、見た目も華やかになり、高級感がアップ。もちろん、LEDは2段階+OFFに設定可能です。

余談ですが、最近のThinkPadはキーストロークや打鍵感にあまりこだわらなくなりましたね。悪くはないのですが、数年前のモデルに比べると、やっぱり物足りない感じがします。。

 

新感覚のクリックボタン

ThinkPadといえばコレ”トラックポイント”を装備しています。中央部分の赤ポチ部分がそれですね。言ってしまえばマウスのようなもので、タイピングとマウス操作をキーボードでできるという優れモノです。

 

クリックボタンの配置も機能的で、一般的なノートとは違い、タッチパッドの上部に装備されています。トラックポイントでカーソル操作をしつつ、クリックボタンで左クリックと右クリックができるということですね。いちいちタッチパッドやマウスでカーソル操作する必要が無いので、作業効率が格段に向上します。

 

Zシリーズでは、クリックボタンも一新。非常に軽い力で反応し、クリック音もほどんどなし。「押す」という感覚ではなく、「触る」という感じでしょうか。他のシリーズでは味わえない感じですね。また、ボタンは電源を入れたときのみ動作する凝りようです。

なお、タッチパッドの表面はサラサラした材質となっており、カーソル操作はとてもスムーズ。

 

 

ベンチマーク

各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。

CINEBENCH R23

まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。

 

このモデルでは、AMDの6コア12スレッドCPU・Ryzen 5 PRO 6650Uを搭載しています。

Ryzen 6000シリーズでは”ZEN 3+アーキテクチャ”を採用。これは前世代のZEN 3アーキテクチャの改良版で、動作クロックが引き上げられているほか、内蔵グラフィック性能が強化されています。

 

参考までに、上位の8コア16スレッドCPU・Ryzen 7 6800Uと比較してみると、シングルスコアは約5%、マルチスコアは約37低くなっています。コア・スレッド数の差がきっちり出ていますね。

 

3DMARK

3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。

DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。PCの性能指標として、参考まで。

 

このCPUは、高性能のグラフィック・Radeon 660Mを内蔵しています。

前世代のRadeon Graphicsから性能が大きく向上し、その実力はインテルの高性能グラフィック・Iris Xe Graphicsに匹敵します。以前はグラフィック性能が弱点でしたが、しっかり強化してきましたね。

  総合スコア Graphics
Score
CPU/Physics
Score
Combined
Score
Time Spy 1723 1563 4133
Fire Strike 4038 4609 12778 1367
Night Raid
13629 17249 6266
Sky Diver 12678 13673 10195 10744
Cloud Gate 18919 31391 7914
Ice Storm 154432 248511 66423

 

PCMark 10

【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測るソフトです。

 

※イメージにあるRyzen 5 PRO 6650UのRadeon 680Mは間違いです。PC Mark 10ではたまに誤表示があります。

ブラウジングやオフィス作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、余裕でクリア。スコア4000半ばの高いスコアをマーク。ブラウジングやオフィス作業などの軽作業はもちろん、動画・画像編集にもしっかり対応できます。

Ryzen 7 6800Uと比較すると、総合スコアはRyzen 7が約47%も上回っています。特に編集系のスコアで大きく差がついており、レンダリングテストにいたっては約2倍にもなります。

ちなみに、Ryzen 7 6800Uはコア・スレッド数の多さもさることながら、さらに高性能の内蔵グラフィック・Radeon 680Mを搭載しているので、スコアが非常によく伸びますね。

 

TMPGEnc Video Mastering Works 7

【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。結果は秒で表記しています。

エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・VCE/QSVでエンコードしています。なお、VCE/QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。VCEはAMD、QSVはインテルの名称です。

 

H.264(フルHD) 2Pass 1Pass VCE/QSV
Ryzen 5 PRO 6650U 1931 1029 193
Ryzen 7 6800U 1125 572 147

まず軽めのH.264をチェック。CPU性能が重要になるソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では、高性能のコアを多く搭載したRyzen 7 6800Uが有利。Ryzen 5 PRO 6650Uよりも約42~44%早く変換を完了しています

一方、グラフィック機能を活用したハードウェアエンコードでも、Ryzen 7がRyzen 5よりも約24%早く変換を完了しています。

 

H.265(フルHD) 2Pass 1Pass VCE/QSV
Ryzen 5 PRO 6650U 3245 1636 170
Ryzen 7 6800U 1972 980 149

重量級のH.265でも、ソフトウェアエンコードでは両者の差が約39~40%とかなり大きめ。なお、ハードウェアエンコードでは約12%差まで小さくなります。

 

Lightroom Classic CC

【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。結果は秒で表記しています。

JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。

 

  CR2→DNG CR2→JPEG
Ryzen 5 PRO 6650U 31 150
Ryzen 7 6800U 23 125

画像変換もCPU勝負ということで、やはりRyzen 7 6800Uが有利。両者の差は軽めのDNG変換で約26%、重量級のJPG変換で約17%とやはり大きいですね。Ryzenシリーズはこのアプリとの相性が悪かったのですが、今やインテルと肩を並べるパフォーマンスを発揮します。

 

ドラクエ10

  最高品質 高品質 標準品質
WUXGA 7384 8331 8786

グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。

このクラスであれば、WUXGAでもスコア5500を軽く超えてきます。VAROLANTなど超軽量級のゲームであれば、内蔵グラフィックでもラクラク対応可能です。

 

FF14(ファイナルファンタジー14 暁月の終焉)

  最高品質 高品質 標準品質
WXGA 5499 7623 9224
WUXGA 3158 4399 5745

知名度バツグンの国内産MMORPGですね。スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。

重量級のゲームではとたんにパワー不足となり、WXGA(1280×800)でようやくスコア9000を超えてきます。ただ、以前の内蔵グラフィックでは、スコア9000オーバーがそのそも考えられなかったことを考えると、だいぶ進化しているのはたしかですね。

 

CrystalDiskMark

【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックするソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。

 

このモデルは大容量の512GB SSDを搭載しています。ノートパソコンにしては容量が多く、動画や画像などデータ類などもラクラク保存できます。もちろん、SSDは通常のSSDよりも4~5倍速いNVMe SSDを採用。実際には爆速のGen.4規格を搭載していますが、貸出機では通常のGen.3タイプとなっています。

メーカーはかなり珍しいユニオンメモリーです。その実力ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書きは1000~3000MB/s、ランダムも最大300MB/s台をマーク。ごくごく普通のNVMe SSDといったところですね。

もちろん、SSDということで実際の動作はとても快適。ブラウジングや各種アプリの動作、ゲームのロードにいたるまでサクサク動きます。

 

温度

CINEBENCH R23実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。

 

フルロード時でも、各コア80℃台の安定した温度をキープしています。6コア12スレッドCPUでこの温度なので、冷却性能は優秀ですね。

 

動作音

FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ

 

50デシベルを超えるとノイズが気になるようになりますが、ピーク時で50.6デシベルとほぼきっかり。ファンは高速回転していますが、うるさい感じはしないですね。

なお、最小時では46.9デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。

 

バッテリー持続時間

「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。

  • 電源設定:インテリジェントクーリング、トップクラスの電力効率
  • バックライト:40%
  • 10秒ごとにキー入力
  • 1分ごとに無線LAN経由でネット接続

結果は約9時間30分をマーク。モバイルノートの目安となる10時間に近い時間ということで、持ち運びでも安心して使えます。

 

便利なユーティリティーソフト

おなじみのシステム管理アプリ”Commercial Vantage”が用意されています。

システムの更新や診断、サポートに至るまでこのアプリで全て設定できます。一元化されているので、とても分かりやすいのはグッド。

 

サウンドシステムは有名どころの”Dolby Audio”を搭載しており、イコライザで好みのサウンドを設定できます。

肝心の音質は、低音~高音までしっかり伸び、厚みのあるサウンドで迫力があります。重低音も再現できるのはさすがの一言。また、サラウンドも効いており、臨場感もバッチリ。内蔵スピーカーらしからぬ高いクオリティです

 

まとめ&関連モデル

リサイクル素材を活用したボディや高級感あふれる美しいデザイン、新感覚のタッチパッドなど新機軸を多くを採用。従来のモデルとは一線を画すクオリティとなっており、ThinkPadで最高峰のモバイルノートが欲しい方におすすめ

ちなみに、予算重視のモバイルノートなら、ThinkPad X13がおすすめです。

 

 

ThinkPad Z13[Ryzen 7搭載]

【スペック】
■OS:Windows 11
■ディスプレイ
13.3インチ WQUXGA+ ノングレア 有機EL
■CPU:Ryzen 7 PRO 6850Z
■メモリ:32GB(LPDDR5-6400)
■グラフィック:Radeon 660M(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 512GB(PCIe NVMe)
【クーポン利用】394,218円275,878円(税・送料込)~

 

おすすめポイント

Ryzen 7・32GB・有機ELディスプレイを搭載した上位モデルで、性能重視ならおすすめ。なお、カラーはアークティックグレーのみとなっています。

 

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