ThinkPad E15 Gen.4(インテル)をレビュー ThinkPadの鉄板モデル!価格の安さが魅力のタフな15インチビジネスノート

今回レノボの【ThinkPad E15 Gen.4(インテル)】をお借りしました。

迷ったらまずコレ!タフなビジネスノートでおなじみ、”ThinkPad”の15インチ定番モデルをチェックしてみましょう。

 

目次

スペック

  ThinkPad E15 Gen.4(インテルCore i5搭載)
サイズ W365×D240×H18.9mm
重量 約1.78kg(実測1781g)
OS Windows 11 Home(64ビット)
CPU Core i5-1235U
・10コア12スレッド
・定格1.3/最大4.4GHz
メモリ 8GB(オンボード8GB、DDR4-3200)
ストレージ 256GB SSD(PCIe NVMe)
グラフィクス Iris Xe Graphics(CPU内蔵)
ディスプレイ 15.6インチ、フルHD、ノングレア、IPSパネル
インターフェース USB 4 Type-C(Thunderbolt 4対応)、USB3.2 Gen.1 Type-A、USB 2.0  Type-A、HDMI、マイク入力/ヘッドフォン出力
光学ドライブ ×
カメラ HD Webカメラ(720p)
スピーカー ステレオスピーカー(Dolby Audio)
キーボード バックライト付き日本語キーボード
Wi-Fi IEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax
Bluetooth 5.2
保証 1年(最大5年)
価格
119,405円(税・送料込)~
付属品 ・各種マニュアル
・電源アダプタ(242g)
・電源ケーブル(61g)

※2023年1月2日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります

 

外観

堅牢なタフボディ

ビジネスシーンでハードに使い倒すことを想定しているので、ボディは一般モデルよりもかなりタフ。

 

ベーシックモデルということで、ボディそのものはプラスチックですが、天板はアルミパネルでカバーされているのがポイント。堅牢な金属パネルでカバーすることで、オールプラスチックよりも頑丈に造られています。

 

もちろんその堅牢さは折り紙付きで、落下テスト・高温・低温条件でのテスト・ヒンジの耐久テストなど、実際の使用状況に即した厳しいテストのほか、12項目のMIL規格(アメリカの軍事規格)テストをクリアしています。

 

本体の大きさは前世代モデルと全く変わらず。ディスプレイのベゼル(ふち)をスリムにすることにより、コンパクトに仕上げています。

 

また、重さも実測で1781gと2kgを下回る軽さで、ちょっとした持ち運びにも便利です。余談ですが、携帯性を重視するなら、1.5kg以下のThinkPad L13やX13がおすすめ。

 

デザインはビジネスノートらしく、実用性重視でとてもシンプル。ブラックボディにロゴのみと、いつものThinkPadといったところですね。

 

ちなみに、底面はこのようになっています。

 

最新規格のインターフェース搭載

インターフェースのラインナップは最小限といったところ。

 

USBは全3ポートとモバイルノート並み。15インチモデルにしては少ないですね。ただし、最近規格を採用しており、小型&リバーシブルのType-Cポートは、最大40Gbpsの超高速転送に対応した”USB 4(Thunderbolt 4)”となっています

数こそ少ないものの、標準的なType-Aポートと合わせて、様々な周辺機器を接続できます。周辺機器を多く使いたい方は、Bluetoothを活用するのもいいでしょう。

 

そのほか、HDMIポートやLANポートも搭載。なお、USB 4は映像出力も兼ねているので、複数画面の出力も可能です。

 

セキュリティ対策も万全

セキュリティにもしっかり配慮され、カメラ部分にはシャッターが装備されているのもポイント。デバイスからではなく、物理的にシャットアウトするのでとても安心です。

また、電源ボタンは指紋認証センサーを設置しています。本人認証のため、ログインパスワードよりも安全。また、ログインの際わざわざパスワード入力することなく、とてもスムーズです。

 

ディスプレイ&キーボード

IPSパネル搭載

ディスプレイは15.6インチサイズです。13インチに比べ、ディスプレイのサイズにだいぶ余裕があり、視認性は◎。据え置きで使うなら、15インチがまずおすすめです

解像度は現在主流のフルHDですね。HDよりも画素数が多い分、精細な映像描写ができるのはもちろん、表示できる表息も広くなり、オフィス作業がはかどります。

 

パネルには、優れた発色と高いコントラストを誇るIPSパネルを採用しています。くっきり鮮やかな映像クオリティで動画鑑賞にも最適です。

 

この通り視野角も広く、横から覗いても色むらがほとんど無いのもグッド。

なお、以下パネルの詳細情報(LEN40BA)となりますが、sRGBのカバー率は64%と狭く、本格的な編集作業には不向きです。ただし、公式の仕様では300 cd/m²となっており、別物が搭載されているようですね。あくまでも参考までにどうぞ

 icon-check-circle 輝度:250 cd/m²  icon-check-circle sRGB:64%  icon-check-circle Adobe RGB:47%  icon-check-circle DCI-P3:47%

 

完成度の高いキーボード

幅広の15インチボディなので、テンキー付きキーボードを搭載。

 

横幅を目いっぱい使っているので、だいぶゆとりがありますね。各キーは大きめに造られ、すべて独立しており、テンキー含め配置そのものも非常に素直。また、電源ボタンが右上に独立して配置されているのもグッドです。

キーピッチも約19mmとデスクトップキーボード並みのゆとりが確保されており、基本的誤爆の心配はまずありません。

 

キーボードの操作で唯一気を付けるとしたら、左下の”Control”と”Function”でしょうか。ThinkPad特有の配置で、一般的なモデルとは違い、逆に配置されています。なお、付属アプリでキーの動作を入れ替えることができるので、慣れないようなら調整しましょう。

 

ファンクションキーの内容も充実しており、Microsoft Teams 10での通話の受信と終了が行えるキーが配置されているほか、カスタマイズ対応キーやファンクションキーのロック機能も装備しており、とても便利です。

 

キーストロークはノートにしてはかなり深め。反発も適度にあり、打鍵感は良好です。また、キートップがくぼんでフィットしやすくなっており、安定して操作できるのもいいですね。欲を言うなら、もう少し反発の強さが欲しかったところです。

もちろん、トレンドの白色LEDを内蔵しています。薄暗い場所でタイピングしやすくなり、仕事の効率がグッと上がるのはもちろん、見た目も華やかになりますね。なお、LEDはOFF+2段階の明るさに設定できるので、シーンに応じて柔軟に使い分けできます。

 

トラックポイントで作業効率アップ

ThinkPadといえばコレ”トラックポイント”を装備しています。中央部分の赤ポチ部分がそれですね。言ってしまえばマウスのようなもので、タイピングとマウス操作をキーボードでできるという優れモノです。

 

クリックボタンの配置も機能的で、一般的なノートとは違い、タッチパッドの上部に装備されています。トラックポイントでカーソル操作をしつつ、クリックボタンで左クリックと右クリックができるということですね。いちいちタッチパッドやマウスでカーソル操作する必要が無いので、作業効率が格段に向上します。

ただし、操作性はかなり特殊なので、使いこなすには慣れが必要です。

 

タッチパッドそのもの完成度ですが、表面はややざらつきがある感じとなっており、もう少し滑らかさが欲しいところ。

上部のクリックボタンは分離式ということで、操作性は非常に高く、スコスコと軽い力で反応し、とても快適です。下部の一体型クリックボタンの完成度も高く、軽く押すだけで反応し、クリック音も静か。一体型にありがちなバタつきもなく、しっかり作りこまれていますね。

 

 

ベンチマーク

各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。

CINEBENCH

まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。

 

CPUはインテル第12世代の10コア12スレッドCPU・Core i5-1235Uを搭載しています。

最新世代では設計を一新し、高性能の”P-コア”と省エネの”E-コア”を搭載した、Wコア構成を採用。タスクに応じて、各コアを使い分け、場合によっては両者を併用することで、効率よく処理できるのが強みです。もちろん、コアの性能も向上しており、コア・スレッド数の増加も相まって、非常に高いパフォーマンスを発揮します。

ちなみに、ノート用の第12世代CPUには、Hシリーズ・Pシリーズ・Uシリーズの3タイプがあり、一番下位のグレードとなります。

 

上位のCore i7-1255U(10コア12スレッド)と比較してみると、シングル性能は約9%、マルチ性能は約27%と大きく差がついています。両者の差は動作クロックのみですが、だいぶ違いますね。

 

3DMARK

3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。

DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)・RT(Port Royal)それぞれの条件で測定することができます。

 

内蔵グラフィックは、高性能の”Iris Xe Graphics”を搭載。その性能はMX400に匹敵するレベルで、内蔵タイプにしては破格の性能となっています。基本的な編集作業ならIris Xe Graphicsで十分対応できます。

ただし、グラフィックスコアの悪さが気になるところ。デバイスマネージャー上では、下位グレードの”UHD Graphics”と表記されているので、Iris Xe Graphicsのデチューン版の可能性もあります。

  総合スコア Graphics
Score
CPU/Physics
Score
Combined
Score
Time Spy 906 799 3868
Night Raid 8574 8705 7904
Fire Strike 1852 2161 12827 552
Sky Diver 8806 8592 11602 7500
Cloud Gate 13693 15001 10492
Ice Storm 55902 55440 57584

 

PCMark 10

【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測る定番ソフトです。

 

ブラウジングやオフィス作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、スコア5000に迫る非常に高いスコアをマーク。ブラウジングやオフィス作業などの軽作業はもちろん、動画・画像編集にもしっかり対応できます。

なお、Core i7-1255Uとは総合スコアでほぼ互角。ただし、写真編集のスコアでは、Core i7が約16%高いスコアをマークしており、編集作業でも使うならクロックの高いCore i7がおすすめ。

 

TMPGEnc Video Mastering Works 7

【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。結果は秒で表記しています。

 

エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・QSVでエンコードしています。なお、QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。

 

H.264(フルHD) 2Pass 1Pass QSV
Core i5-1235U 2453 1256 214
Core i7-1255U 1545 788 161

まず軽めのH.264をチェック。高クロックのCore i7-1255Uが有利となっており、CPU勝負のソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では約37%もの差がついています。

また、グラフィック性能が低めということで、QSVでもCore i7に約25%差をつけられています。

 

H.265(フルHD) 2Pass 1Pass QSV
Core i5-1235U 4023 1995 265
Core i7-1255U 2745 1364 217

重量級のH.265でも、同じような傾向ですね。両者の差はソフトウェアエンコードでは約32%、QSVでは約18%となっています。

 

Lightroom Classic CC

【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。結果は秒で表記しています。

JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。

 

  CR2→DNG CR2→JPEG
Core i5-1235U 41 303
Core i7-1255U 27 147

このテストもCPU勝負ですが、Core i5-1235Uの性能がかなり振るわず。。Core i7-1255Uとの差は、軽めのDNGでは約34%ですが、重量級のJPEG変換ではなんと2倍以上となっています。。

 

ドラクエ10

  最高品質 標準品質 低品質
フルHD 4971 7221 7972

グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。

3D Markのスコアがかなり悪いので、このゲームでも標準品質でやっとスコア5500をクリアします。Iris Xe Graphicsとは思えないほどの低さで、ワンランク下のUHD Graphicsレベルですね。

 

FF14(ファイナルファンタジー14 暁月の終焉)

  最高品質 高品質 標準品質
HD 3158 4194 5011
フルHD 1272 2038 2507

知名度バツグンの国内産MMORPGですね。スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。現行のゲーミングPCであれば、フルHD・最高設定でスコア9000をしっかり超えたいところ。

ドラクエ10の時点できついので、このクラスだといずれもスコア9000に全く届きません

 

CrystalDiskMark

【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックするソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。

 

このモデルは256GB SSDを搭載しています。実質100GB未満の128GB SSDよりも余裕があり、動画や画像などデータ類を多めに保存することが出来ます。編集用途でガッツリ使うなら、SSDの容量を増やすのもあり。

SSDは通常のSSDよりも4~5倍速いNVMeタイプのSSDで、レアなUnion Memory製となっています。その実力ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書きは1000~3000MB/sをマーク。ランダムもしっかり速度が出ており、まさに教科書通りといったところ

実際の使用感も非常に快適。ブラウジングや各種アプリの動作などサクサク動きます。

 

温度

CINEBENCH R23実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。

 

性能よりも安定性を重視した動作システムになっており、P-コアの動作クロックは1.2GHz台、温度も60℃台前半とかなり低くなっています。

 

動作音

FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ

 

50デシベルを超えるとノイズが気になるようになりますが、ピーク時で49.6デシベルとやや下回っています。ファンは高速回転しているものの、ノイズ感は控えめで、あまり気になりません。

なお、最小時では46.7デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。

 

バッテリー持続時間

「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。

  • 電源設定:インテリジェントクーリング、トップクラスの電力効率
  • バックライト:40%
  • 10秒ごとにキー入力
  • 1分ごとに無線LAN経由でネット接続

結果は約5時間30分と、ベーシックモデルらしくごく普通の持ち時間となっています。5時間を超えていますが、長いとは言えないので、できれば電源のある環境で使いましょう。

 

便利なユーティリティーソフト

システム管理ツールとして”Lenovo Vantage”が用意されています。バッテリーや電源の設定からシステムの更新などサポートに至るまで、このアプリで全て設定できます。一元化されているので、とても分かりやすいのは好印象です。

 

サウンドシステムは有名どころの”Dolby Atmos”を搭載しており、イコライザで好みのサウンドを設定できます。

肝心の音質ですが、低音~高音までカバーしています。また、サラウンド効果は感じられるものの、音質が軽めなので迫力はイマイチ。このあたりはグレード相応ですね。

 

まとめ

ベーシックモデルらしくオーソドックスな造りですが、Thunderbolt 4や指紋認証センサーを装備しているのはグッド。ThinkPad独自のトラックポイントをはじめ、キーボードの完成度も上々です。

性能面は物足りないものの、ThinkPadで10万円以下はこのモデルくらいなので、予算重視ならまずおすすめです

 

 

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