今回デルの【Inspiron 14 5000 プレミアム[5425]】をお借りしました。
7万円台~という価格の安さを実現した、高品質&高コスパの14インチモバイルノートをチェックしてみましょう。
スペック
※2022年12月14日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
※割引クーポンは販売サイトに記載してあります。
外観
洗練されたアルミボディ
スタンダードモデルながらクオリティが高く、天板の素材にアルミニウムを使用しています。
表面は非光沢の梨地加工が施され、美しい仕上がりを実現。金属の高い質感も相まって、高級感を感じさせます。
デザインはデルらしくとてもシンプルで、装飾は天板のロゴのみ。ラウンドフォルムの美しいプレーンボディは、機能美も兼ね備えています。
ちなみに、カラバリは貸出機のプラチナシルバーのほか、ぺブルグリーンが用意されています。緑といっても淡い色合いなので、とても上品。いいセンスしてますね。
コンパクトボディ
ボディのサイズは14インチですね。大きめのディスプレイを搭載したモバイルノートとして、最近人気のサイズです。
ディスプレイのベゼル(ふち)をスリム仕様にすることにより、横幅と奥行きを圧縮。ほぼA4ファイルサイズと同じ大きさということで、カバンに収納しやすくなっています。
肝心の重さですが、実測で1471gと14インチモデルでは標準的な重さとなっています。1.5kg以下ということで、携帯性は良好です。
ただ、1.2~1.3kg台が一般的な13インチモデルに比べると、やはり重いですね。1.4kgだとボディの重さがやや気になるので、持ち運びの機会が多い方は、13インチモデルがおすすめ。
リフトアップヒンジ搭載
機能面もしっかり考えられており、”リフトアップヒンジ”を搭載しています。リフトアップヒンジとは画面を開いたときに、ボディがせり上がるギミックのこと。
適度な傾斜ができるためタイピングしやすくなるほか、接地面とパソコンの間にすき間が空くことで、給排気がスムーズになり、冷却能力もアップします。
ヒンジ部分が大きく造られているので、少しの傾きでもリフトアップするのはグッド。
ポイントを押さえたインターフェース
コンパクトモデルながら、インターフェースはポイントを押さえたラインナップです。
USBは全3ポート搭載。すべてがUSB3.2規格で、小型&リバーシブルのType-Cポートは、最大10Gbpsの高速転送に対応したGen.2規格となっています。
もちろん、通常のType-Aポートも装備しており、あらゆる周辺機器の接続に対応しています。
そのほか、HDMIポートやSDスロットも搭載し、普段使いで必要なものは一通りそろっています。
安心のセキュリティ機能
セキュリティ面にもしっかり配慮され、カメラ部分にプライバシーシャッターを装備しています。使わないときはシャッターを閉めることで、不正アクセスなどからプライバシーを保護することができます。デバイス機能のON/OFFではなく、物理的にシャットアウトするのでとても安心ですね。
さらに、電源ボタンに指紋認証センサーを内蔵。本人認証のため、ログインパスワードよりも安全。また、ログインの際わざわざパスワード入力することなく、とてもスムーズです。
ディスプレイ&キーボード
IPSパネル搭載
ディスプレイは14.0インチきっかり。13インチよりも一回り大きく、やはりゆとりがありますね。携帯性を重視しつつ、ディスプレイの大きさにもこだわるならおすすめのサイズです。
ディスプレイの解像度はWUXGA(FHD+・1920×1200)、ディスプレイ比率は16:10と、最近はやりのスタイル。主流のフルHD(16:9タイプ)よりもやや縦長なので、一度に表示できる情報量が多く、スクロールの手間が省けるのは便利ですね。
ディスプレイのパネルには、IPSパネルを採用。美しい発色と高いコントラストで、くっきり鮮やかな映像クオリティを実現。動画鑑賞などにも最適です。
また、視野角も広く、横から覗いても色むらは少なめなのも◎。
なお、輝度は250nitとごく標準的な明るさとなっています。悪くはないのですが、300nitあればベターでしたね。もう少し明るさが欲しいというのが本音です。
完成度の高いキーボード
13インチよりも横幅は大きいものの、テンキーは非搭載ですね。
一部のキーが連結されているものの、各キーは大きめに造られ、配置そのものも素直。キーピッチは約19mmとデスクトップキーボード並みのゆとりが確保されているので、誤爆の心配はまずありません。
唯一気を付けるとしたら、一番右上の電源ボタンでしょうか。ただ、ほかのボタンよりも固めになっており、普通に押したくらいでは反応しないので、そこまで心配する必要はなし。
ファンクションキーはいたってオーソドックスな内容ですが、ファンクションキーロックが用意されているのは意外と便利ですね。
キーストロークはノートにしてはやや深く、適度な反発も相まって打鍵感は良好です。ちなみに、キーボード面の剛性は普通レベルです。
もちろん、最近のトレンドである白色LEDも搭載しています。薄暗い場所でのタイピングしやすくなるだけでなく、見た目も華やかになり、まさに一石二鳥。なお、LEDはOFF+2段階の明るさに設定でき、LEDが苦手という方でも安心。
スムーズなタッチパッド
タッチパッドはクリックボタンとパッドが一緒になった、オーソドックスな一体型のタイプです。
表面はサラサラした材質で、カーソル操作は非常にスムーズ。クリックボタンは少し押し込む必要があるものの、軽く押すだけで反応し、クリック音も静か。一体型は完成度がピンキリですが、しっかり造りこまれているのはグッドですね。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。
このモデルでは、AMDの第5世代ミドルクラスCPU・Ryzen 5 5625Uを搭載。Ryzen 5000シリーズには2タイプありますが、このCPUは高性能の”ZEN 3アーキテクチャ”をベースにしています。6コア12スレッド構成なので、ブラウジングやオフィスソフト、各種編集作業まで一通りこなせます。
参考までに、上位の8コア16スレッドCPU・Ryzen 7 5825Uと比較すると、シングル性能は約6%、マルチ性能は約19%低くなっています。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。
このCPUは、高性能のグラフィック・Radeon Graphicsを内蔵しています。ドライバのあたりが悪いのか、スコアがイマイチ伸びず、インテルの高性能内蔵グラフィック・Iris Xe Graphicsに比べ、スコアは落ちてしまいます。
総合スコア | Graphics Score |
CPU/Physics Score |
Combined Score |
|
Time Spy | 713 | 624 | 3838 | ー |
Fire Strike | 1685 | 1867 | 17182 | 1151 |
Night Raid |
8207 | 8077 | 9038 | ー |
Sky Diver | 6794 | 6415 | 11551 | 5785 |
Cloud Gate | 14029 | 15465 | 10589 | ー |
Ice Storm | 106172 | 120587 | 74856 | ー |
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測るソフトです。
ブラウジングやオフィス作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、余裕でクリア。スコア5000半ばの非常に高いスコアをマークしています。ブラウジングやオフィス作業などの軽作業から、動画・画像編集などのヘビーな作業も余裕でこなせる性能です。
なお、Ryzen 7 5825Uとの差は、総合スコアで約7%と小さめ。なっています。ただし、写真編集やレンダリングテストのスコアでは約30%と大きく差がついており、編集用途でも使うならRyzen 7がおすすめ。
TMPGEnc Video Mastering Works 7
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。結果は秒で表記しています。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・VCE/QSVでエンコードしています。なお、VCEはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE |
Ryzen 5 5625U | 1654 | 822 | 224 |
Ryzen 7 5825U | 1495 | 744 | 185 |
まず軽めのH.264をチェック。CPU性能が重要になるソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では、Ryzen 7 5825Uが約9~10%早く変換を完了しています。
また、グラフィック機能を利用したハードウェアエンコードでも、Ryzen 7 5825Uが約17%早く変換を完了しています。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE |
Ryzen 5 5625U | 2989 | 1501 | 210 |
Ryzen 7 5825U | 2698 | 1341 | 185 |
重量級のH.265も同じような傾向で、Ryzen 7 5825Uが有利。ソフトウェアエンコードでは約10~11%、ハードウェアエンコードでも約12%差をつけています。
Lightroom Classic CC
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。結果は秒で表記しています。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Ryzen 5 5625U | 42 | 416 |
Ryzen 7 5825U | 21 | 232 |
画像変換もCPU勝負となりますが、Ryzen 7 5825Uに大差をつけられており、軽めのDNG変換では約2倍、重量級のJPEG変換でも約44%もの差がついています。
コア・スレッド数の差があるとはいえ、ちょっと差がつきすぎ。3DMARKもそうですが、テストによってパフォーマンスが安定せず、何とも言えない結果となっていますね。。
ドラクエ10
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
WXGA | 9513 | 13240 | 14425 |
WUXGA | 4563 | 6867 | 7705 |
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
3DMARKに引きずられる形で、ゲームのベンチマークもかなり低め。超軽量級のドラクエ10でもフルHD・標準品質でやっとスコア5500を超えます。本来なら最高品質でも余裕です。
FF14(ファイナルファンタジー14 暁月の終焉)
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
WXGA | 2636 | 3368 | 4083 |
WUXGA | 1320 | 1818 | 2241 |
知名度バツグンの国内産MMORPGですね。スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。快適にプレイするなら、フルHD・最高設定でスコア9000をしっかり超えたいところ。
重めのゲームなのでスコアはさらに低くなり、いずれの設定でもスコア9000をクリアすることはできません。
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは、256GB SSDを搭載しています。動画や画像などかさばるデータ類を多く保存するには物足りないですが、基本的には256GBあればOK。もちろん、SSDは通常タイプよりも4~5倍速いNVMeタイプのSSDで、KIOXIA製となっています。
肝心の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書き速度はいずれも4ケタ、一部3000MB/s以上の速度をマークしています。一方、ランダムはごく普通といったところで、トータルではスタンダードクラスのNVMe SSDですね。
実際の使用感はSSDらしくとても快適。OSの起動からブラウジング、各種アプリの動作にいたるまでサクサク動きます。
温度
CINEBENCH R23実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
ピーク時で80℃台半ば、動作クロックも3.2GHzと高めをキープしており、安定して冷却できていますね。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ
50デシベルが目安となりますが、ピーク時で52.5デシベルをマーク。ファンノイズはやや気になるレベルですが、耳障りな甲高いノイズは控えめなので、そこまでうるさく感じないのはいいですね。
ちなみに最小時では46.9デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:バランス、最適化、より良いバッテリー
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約10時間30分と、モバイルノートの目安となる10時間をしっかりオーバー。これなら、先でも安心して使えます。ミドルクラスモデルでこの時間は◎。
充実したユーティリティー機能
毎度おなじみのサウンドエンジン”Waves MaxxAudio Pro”が標準で搭載されています。イコライザーやサラウンド機能など必要なものは一通り搭載されており、ご覧の通りかんたんに調整することができます。
なお、スピーカーの音質ですが、低音~高音までしっかり伸び、厚みのある音質で迫力があります。重低音のしっかり再現できるのはポイント高いです。さらに、サラウンドも効いており、臨場感があるのもいいですね。欲を言えば、もう少しクリアな感じが欲しかったところ。
そのほか、サポート機能も装備しており、”SupportAssist”機能では、ドライバのアップデートからハードのスキャンまでワンストップで実行できます。また、サポート窓口のアクセスのカバーし、万が一の場合でも安心です。
また、”電源マネージャ”では、PCの動作モードやバッテリーの充電設定を行うことができます。
まとめ
スタンダードモデルにしてはクオリティが高く、アルミ製の天板を採用した美しいボディに、バックライト付きキーボードや指紋認証センサーを搭載。価格も7万円台~と安く、コスパもバツグンです。
携帯性を重視しつつ、ディスプレイの大きさにもこだわるならまずおすすめ。
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