今回レノボの【IdeaPad Slim 570(14インチ)】をお借りしました。
アルミボディの高品質モバイルノートがなんと6万円台から!圧倒的な低価格とコスパが魅力の14インチモデルをチェックしてみましょう。
スペック
※2023年3月6日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
外観
美しいアルミボディ
スタンダードモデルながら、ボディの素材にはアルミニウムを使用しています。
表面は非光沢の梨地加工が施され、美しい仕上がりを実現。金属の高い質感も相まって、高級感を感じさせますもちろん、金属パネルということで剛性も高く、モバイルノートとの相性は◎。
デザインはIdeapadらしく、機能美あふれるシンプルなもの。ロゴ以外の装飾は一切なく、ストームグレーの渋い色合いも相まって、スマートなイメージに仕上げています。
.ちなみに、底面はこのようになっています。
持ち運びに便利な14インチサイズ
ボディは14インチサイズとなっています。13インチよりも一回り大きい余裕のあるディスプレイを搭載し、それでいて持ち運びやすいということで、最近はやりのサイズです。
その大きさですが、ディスプレイのベゼル(ふち)をスリム仕様にすることで、横幅と奥行きを圧縮。この通り、A4ファイルとほぼ同等サイズのコンパクトボディとなっており、カバンにサッと入れることができます。
また、重さも実測1403gと1.5kg以下に抑えており、携帯性も上々です。ただし、1.2~1.3kg台が標準的な13インチモデルに比べ、重たく感じてしまうのはたしか。持ち運びの機会が多いなら、13インチモデルが無難ですね。
スタンダードなインターフェース
インターフェースはスタンダードモデルらしいラインナップです。
USBは全4ポートと、モバイルノートにしては多めに搭載。すべてポートが、USB 3.1 Ge.1のオーソドックスな規格となっています。もちろん、小型&リバーシブルのType-C端子を採用しており、通常のType-A端子とあわせ、あらゆる周辺機器を接続できます。
そのほか映像出力用のHDMIポートやSDスロットを搭載しています。派手さはありませんが、普段使いに必要なものを一通りそろえているのはグッドですね。
セキュリティ対策も万全
レノボでおなじみ、カメラ部分のシャッターをバッチリ装備。デバイスからではなく、物理的にシャットアウトするので、プライバシー面も安心です。
さらに、電源ボタンは指紋認証センサーを兼ねているのもポイント。本人認証のため、ログインパスワードよりも安全。また、ログインの際わざわざパスワード入力することなく、とてもスムーズです。
ディスプレイ&キーボード
IPSパネル搭載
ディスプレイサイズは14インチきっかり。13インチよりもやや大きく、ゆとりを感じさせます。
解像度は現在主流のフルHDですね。広めの表示領域と、大きめのディスプレイサイズにより、オフィス作業がはかどります。ちなみに、表面は映り込みの少ないノングレアタイプなので、作業に集中できるのもいいですね。
ディスプレイのパネルには、ハイクオリティのIPSパネルを採用。コントラストが高く、発色に優れており、動画鑑賞などにも最適です。輝度が300nitと高めなので、明るく華やかな映像クオリティですね。
なお、視野角が広いので色むらが少なく、姿勢によって色味はほとんど変わりません。
ハイクオリティのキーボード
13インチ+αの大きさということで、テンキーは非搭載。両サイドにスピーカーが配置されており、音がこもりにくく、デザイン面でもいいアクセントになっています。
キーは一部連結されているものの、各キーは大きめで、配置そのものもクセがなく素直。キーピッチも約19mmとデスクトップ並みのゆとりが確保されているので、誤爆の心配はまずありません。電源ボタンがキーボード内ではなく、右サイドに独立して配置されているのもいいですね。
ファンクションキーの内容も充実しており、基本的なキーにプラスして、電卓やカスタマイズ対応キーが用意されいるほか、ファンクションロックにもしっかり対応しています。
キーストロークはやや深く、適度な反発も相まって、打鍵感を感じながらタイピングできます。なお、キーボード面は樹脂製ということで、剛性は普通レベルですね
スタンダードモデルながら、キーボードには白色LEDを内蔵しているのもポイント。薄暗い場所でタイピングしやすくなるのはもちろん、なによりもオシャレ。ちなみに、ON/OFFはファンクションキーで2段階+OFFに切り替えできます。
スムーズなタッチパッド
タッチパッドは、パッド部分とクリックボタンが一緒になった、オーソドックスな一体型タイプとなっています。
タッチパッドはサラサラした材質で、カーソル操作はとてもスムーズ。また、クリックボタンの完成度も高く、軽く押すだけで反応し、動作音も静か。
一体型にありがちなクリックボタンのバタつきなどなく、よく造りこまれているのは好印象ですね。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。
このモデルでは、AMDの第5世代ミドルクラスCPU・Ryzen 5 5625Uを搭載。Ryzen 5000シリーズには2タイプありますが、このCPUは高性能の”ZEN 3アーキテクチャ”をベースにしています。6コア12スレッド構成なので、ブラウジングやオフィスソフト、各種編集作業まで一通りこなせます。
参考までに、上位モデルに搭載されている8コア16スレッドCPU・Ryzen 7 5825Uと比較すると、シングル性能は約3%、マルチ性能は約18%低くなっています。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。
このCPUは、高性能のグラフィック・Radeon Graphicsを内蔵しています。ドライバのあたりが悪いのか、スコアがイマイチ伸びず、インテルの高性能内蔵グラフィック・Iris Xe Graphicsに比べ、スコアは落ちてしまいます。
総合スコア | Graphics Score |
CPU/Physics Score |
Combined Score |
|
Time Spy | 1215 | 1096 | 5480 | ー |
Fire Strike | 3096 | 3363 | 17902 | 1092 |
Night Raid |
13602 | 14456 | 10191 | ー |
Sky Diver | 11080 | 10710 | 14573 | 10072 |
Cloud Gate | 19898 | 24684 | 11854 | ー |
Ice Storm | 110643 | 125415 | 78347 | ー |
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測るソフトです。
ブラウジングや各種編作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、余裕でクリア。スコア5000半ばの非常に高いスコアをマークしています。ブラウジングやオフィス作業などの軽作業から、動画・画像編集などのヘビーな作業も余裕でこなせる性能です。
なお、先のテストから一転し、Ryzen 7 5825Uとほぼ互角のスコアをマークしています。
TMPGEnc Video Mastering Works 7
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。結果は秒で表記しています。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・VCE/QSVでエンコードしています。なお、VCEはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE |
Ryzen 5 5625U | 1524 | 759 | 171 |
Ryzen 7 5825U | 1495 | 744 | 185 |
このモデルのRyzen 5はかなり性能が高め。
まず軽めのH.264ですが、CPU性能が重要になるソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では、Ryzen 7 5825Uとの差は約2%とわずか。
また、グラフィック機能を利用したハードウェアエンコードでは逆転し、Ryzen 7よりも約8%早く変換を完了しています。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE |
Ryzen 5 5625U | 2791 | 1386 | 173 |
Ryzen 7 5825U | 2698 | 1341 | 185 |
重量級のH.265も同じような傾向で、Ryzen 7にソフトウェアエンコードでは約3%差まで迫り、ハードウェアエンコードでは逆に約6%差をつけています。
Lightroom Classic CC
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。結果は秒で表記しています。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Ryzen 5 5625U | 30 | 208 |
Ryzen 7 5825U | 21 | 232 |
動画のエンコードと同じような傾向となり、軽めのDNG変換こそRyzen 7 5825Uに約30%差をつけられますが、重量級のJPEG変換では逆に約10%早く変換を完了しています。
ドラクエ10
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
フルHD | 9347 | 12947 | 14241 |
ノートPCでもプレイ可能な超軽量ゲームで、スコア5500以上で平均60fpsをキープできますが、このクラスのゲームなら、内蔵グラフィックでも余裕でスコア5500をクリア可能です。
FF14(ファイナルファンタジー14 暁月の終焉)
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
HD | 5318 | 6818 | 8146 |
フルHD | 2822 | 3792 | 4951 |
知名度バツグンの国内産MMORPGですね。スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。快適にプレイするなら、フルHD・最高設定でスコア9000をしっかり超えたいところ。
さすがに重量級のゲームでは厳しく、いずれの設定でもスコア9000をクリアすることはできません。ただ、HDでスコア8000オーバーというのはかなり高いですね。CPUだけでなく、グラフィック性能もかなり良好です。
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは、256GB SSDを搭載しています。動画や画像などかさばるデータ類を多く保存するには物足りないですが、基本的には256GBあればOK。もちろん、SSDは通常タイプよりも4~5倍速いNVMeタイプのSSDで、KIOXIA製となっています。
肝心の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書き速度はいずれも4ケタ、一部3000MB/s以上の速度をマークしています。一方、ランダムはごく普通といったところで、トータルではスタンダードクラスのNVMe SSDですね。
実際の使用感はSSDらしくとても快適。OSの起動からブラウジング、各種アプリの動作にいたるまでサクサク動きます。
温度
CINEBENCH R23実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
ピーク時で80℃台前半、動作クロックも3.2GHzと高めをキープ。冷却と性能のバランスが見事に取れていますね。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ
50デシベルが目安となりますが、ピーク時で50.5デシベルとほぼきっかり。ファンは高速回転していますが、ノイズ感は控えめで、うるさく感じません。
ちなみに最小時では46.9デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:バランス、最適化、より良いバッテリー
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約13時間をマーク。モバイルノートの目安となる10時間を大きく超え、出先でも安心して使えます。スタンダードモデルとは思えない、驚異的なバッテリーの持ちですね。
便利なユーティリティーソフトを完備
付属アプリとして”Lenovo Vantage”がインストールされています。各種動作設定からシステムの更新などサポートに至るまで、このアプリで全て設定でき、とても便利なアプリです。
サウンドシステムには、有名どころの”Dolby”を採用しています。Lenovo Vantageでは使う場面に応じ、ワンタッチで簡単に変更できるほか、Dolbyの専用アプリで好みのサウンドを設定できます。
なお肝心のスピーカーの音質ですが、重低音こそ弱いものの、低音から高音までよく伸びます。また、音質は厚みがあり、サラウンドもよく効いているので、しっかり迫力が感じられます。内蔵スピーカーにしては上出来ですね。
まとめ
スタンダードモデルながらクオリティが非常に高く、アルミボディ・指紋認証センサー・LED内蔵キーボード・IPSパネルを搭載。さらに、CPUの性能やバッテリーの持ちもすこぶる良好と、まさに死角なし。
それでいて価格は6万円台ととんでもなく安く、14インチモバイルノートならまずおすすめです。
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