今回レノボの【ThinkBook 14 Gen.4】をお借りしました。
ビジネスユースにも最適!ワンランク上の高いクオリティと、価格の安さを両立した、高コスパの14インチモバイルノートをチェックしてみましょう。
スペック
※2023年5月1日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
外観
高級感あふれるデザイン
重厚感のあるブラックボディの、いかにもビジネス向けなThinkPadとは異なり、ThinkBookではミネラルグレーのカジュアルなイメージに仕上がっています。どちらかというと一般ノートブランドの”IdeaPad”に近い印象を受けますね。
ボディの素材は2種類となっており、天板とベース底面にはアルミニウム、キーボード面(ベース上部)は樹脂を使用しています。IdeaPadだと天板のみアルミニウムなので、クオリティはこちらの方が上。
天板がアルミだと、開け閉めの際にたわまないのがいいですね。樹脂だとどうしてもぐらつくので、安定感にイマイチ欠けます。
天板は非光沢の梨地加工が施され、見た目の美しさと、手になじむ上質の触り心地を実現しています。また、上下で風合いを変えており、デザイン面でいいアクセントになっているのもポイント。
デザインはレノボらしく、装飾を極力排した機能美あふれるシンプルなもの。クセがなく、ビジネスシーンにもうまくマッチします。
携帯性の高いコンパクトボディ
ボディは14インチサイズとなっています。13インチよりも一回り大きい余裕のあるディスプレイを搭載し、それでいて持ち運びやすいということで、最近はやりのサイズです。
ディスプレイのベゼル(ふち)をスリムにすることにより、横幅と奥行きをスリムにし、A4ファイル+αのコンパクトボディを実現。また、厚さも17.9mmとスリムなので、カバンにサッと収納できます。
肝心の重さですが、実測で1469gと1.5kg以下に抑えており、携帯性も良好です。さすがに13インチモデルほど軽くはありませんが、重くなりがちなアルミボディで1.4kg台というのはとても魅力的。
便利なインターフェース
インターフェースは、モバイルノートにしてはなかなかの充実ぶり。
USBは全4ポートと多めに搭載。全てがUSB 3.2規格で、そのうち左サイドのType-Cポート2基は、最大10Gbpsの高速転送に対応した”Gen.2規格”に対応しています。
ポート数や規格はもちろん、オーソドックスなType-A端子も装備しており、周辺機器の接続にはまず困りません。
そのほか映像出力用にHDMIポートを搭載するほか、LANポートやSDスロットもばっちり装備。モバイルノートでLANポート搭載というのは、なかなか貴重ですね。
セキュリティ対策も万全
セキュリティにもしっかり配慮され、カメラ部分にはシャッターが装備されているのもポイント。デバイスからではなく、物理的にシャットアウトするのでとても安心です。
ちなみに、右上の電源ボタンは指紋認証センサーを兼ねています。本人認証のため、ログインパスワードよりも安全。また、ログインの際わざわざパスワード入力することなく、とてもスムーズです。
ディスプレイ&キーボード
IPSパネル搭載
ディスプレイのサイズは14.0インチきっかり。13.3インチよりもやや大きく、ゆとりがありますね。
解像度は現在主流のフルHD(1920×1080)です。HDよりも画素が多い分、表示領域が広く、オフィス作業もはかどります。なお、表面は映り込みの少ないノングレアタイプなので、自分の顔とにらめっこすることなく、作業に集中できるのもいいですね。
ディスプレイのパネルには、高い発色とコントラストが魅力のIPSパネルを採用。輝度は300nitと明るく、鮮やかでくっきりした映像クオリティも相まって、動画鑑賞などにも最適です。
さらに視野角も広く、横から覗いても色むらがほとんどないのもポイント。
ビジネスに便利なキーボード
13インチボディ+αということで、テンキーレスキーボードを搭載しています。
キーは一部連結されているものの、各キーは大きめで、配置そのものもクセがなく素直。キーピッチも約19mmとデスクトップ並みのゆとりが確保されているので、誤爆の心配はまずありません。電源ボタンがキーボード内ではなく、右サイドに独立して配置されているのもいいですね。
ファンクションキーの内容も充実しており、Microsoft Teams 10での通話の受信と終了が行えるキーが配置されているほか、電卓キー・カスタマイズ対応キー・ファンクションロックキーも装備しており、とても便利です。
キーストロークはノートにしては深く、適度な反発も相まって、打鍵感を感じながらタイピングできます。なお、キーボード面は樹脂製ということで、剛性は普通レベルですね。
もちろんトレンドの白色LEDもしっかり内蔵しています。薄暗い場所でタイピングしやすいのはもちろん、見た目も華やかになり、高級感を演出します。なお、ファンクションキーで2段階+OFFの切り替えが可能なので、LEDが苦手な方も安心。
スムーズなタッチパッド
タッチパッドは、パッド部分とクリックボタンが一緒になった、オーソドックスな一体型タイプとなっています。
タッチパッドはサラサラした材質で、カーソル操作はとても滑らか。クリックボタンもカチカチと軽い力で反応し、応答性もバツグン。さらに建付けもよく、一体型にありがちなバタバタした感じが無いのもグッド。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。
このモデルでは、AMDの第5世代ミドルクラスCPU・Ryzen 5 5625Uを搭載。Ryzen 5000シリーズには2タイプありますが、このCPUは高性能の”ZEN 3アーキテクチャ”をベースにしています。6コア12スレッド構成なので、ブラウジングやオフィスソフト、各種編集作業まで一通りこなせます。
参考までに、上位モデルに搭載されている8コア16スレッドCPU・Ryzen 7 5825Uと比較すると、シングル性能は約4%差と小さいものの。マルチ性能は約36%もの差がついています。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。
このCPUの内蔵グラフィックは、Radeon Graphics(Radeon RX Vega 7)となっています。インテルCPUの高性能内蔵グラフィック・Iris Xe Graphicsに比べ、性能は低めです。少しでもグラフィックに性能にこだわるなら、インテルCPUを選ぶのがおすすめ。
総合スコア | Graphics Score |
CPU/Physics Score |
Combined Score |
|
Time Spy | 1235 | 1088 | 5313 | ー |
Fire Strike | 3082 | 3350 | 18020 | 1085 |
Night Raid |
13454 | 14404 | 9796 | ー |
Sky Diver | 11280 | 10990 | 14129 | 10220 |
Cloud Gate | 20311 | 26046 | 11471 | ー |
Ice Storm | 139190 | 181091 | 76908 | ー |
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測るソフトです。
ブラウジングや各種編作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、余裕でクリア。スコア5000半ばの非常に高いスコアをマークしています。ブラウジングやオフィス作業などの軽作業から、動画・画像編集などのヘビーな作業も余裕でこなせる性能です。
なお、先のテストから一転し、Ryzen 7 5825Uとの差は約2%とほぼ互角。普段使いでの使用感はほとんど変わりません。
TMPGEnc Video Mastering Works 7
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。結果は秒で表記しています。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・VCE/QSVでエンコードしています。なお、VCEはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE |
Ryzen 5 5625U | 1420 | 729 | 154 |
Ryzen 7 5825U | 1065 | 566 | 145 |
まず軽めのH.264をチェック。CPU性能が重要になるソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では、コア・スレッド数の多いRyzen 7 5825Uがだんぜん有利。Ryzen 5 5625Uより約22~25%早く変換を完了します。
一方、グラフィック機能を利用したハードウェアエンコードでは差がつきにくく、両者の差は約6%と小さめです。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE |
Ryzen 5 5625U | 2396 | 1181 | 150 |
Ryzen 7 5825U | 1886 | 934 | 147 |
重量級のH.265も同じような傾向で、両者の差はソフトウェアエンコードで約21%、ハードウェアエンコードでは約2%となっています。
Lightroom Classic CC
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。結果は秒で表記しています。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Ryzen 5 5625U | 32 | 205 |
Ryzen 7 5825U | 24 | 174 |
画像変換もCPU勝負ということで、Ryzen 7 5825Uが有利。Ryzen 5 5625に比べ、軽めのDNG変換では約25%、重量級のJPEG変換では約15%早く変換を完了しています。
ドラクエ10
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
フルHD | 9938 | 13696 | 15264 |
オンラインゲームの中でもずば抜けて軽く、フルHD・最高品質でスコア10000の大台に迫ります。VALORANTなどの超軽量級ゲームなら十分対応可能です。
FF14(ファイナルファンタジー14 暁月の終焉)
知名度バツグンの国内産MMORPGですね。スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。現行のゲーミングPCであれば、フルHD・最高設定でスコア9000をしっかり超えたいところ。
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
HD | 5237 | 6661 | 7961 |
フルHD | 2803 | 3739 | 4861 |
重めのゲームなので、いずれの設定でもスコア9000オーバーならず。ただし、HDでスコア7000台まで伸びており、以前の内蔵グラフィックに比べだいぶ性能は進化しています。
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルでは、大容量の512GB SSDを搭載しています。一般的な256GBの約2倍のもなり、動画や画像などかさばるデータ類を多めに保存することができ、とても便利。なお、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプで、メーカーはサムスンとなっています。
実際の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)・ランダムの読み書きともには標準的な速度となっており、トータルではスタンダードクラスのNVMe SSDといった感じですね。
もちろん、SSDということで動作はとても快適。実際OSの起動からアプリの動作までサクサク動きます。
温度
CINEBENCH R23の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
安定性重視の動作システムになっており、ピーク時での温度は60℃台半ばと低く、動作クロックも3.1GHz台に抑えています。
動作音
CINEBENCH R23のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ
50デシベルを超えるとノイズが気になるようになりますが、ピーク時で50.5デシベルとほぼきっかり。ファンは高速回転していますが、耳障りなノイズ感が控えめなので、うるさく感じません。標準的なノートPCそのものですね。
ちなみに最小時では46.9デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:トップクラスの電力効率・インテリジェント・クーリング
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約10時間50分をマーク。モバイルノートの目安となる10時間をしっかり超え、出先でも安心して使えます。
便利なユーティリティーソフトを完備
付属アプリとして”Lenovo Vantage”がインストールされています。各種動作設定からシステムの更新などサポートに至るまで、このアプリで全て設定でき、とても便利なアプリです。
サウンドシステムには、有名どころの”Dolby”を採用しています。Lenovo Vantageでは使う場面に応じ、ワンタッチで簡単に変更できるほか、Dolbyの専用アプリで好みのサウンドを設定できます。
なお肝心のスピーカーの音質ですが、重低音こそ弱いものの、低音から高音までよく伸びます。また、サラウンドも効いているので、臨場感も感じられます。ただ、軽めの音質というのがちょっと残念。。とはいえ、内蔵スピーカーなら十分なクオリティですね。
まとめ&現行モデル
タフで美しいアルミボディには、指紋認証センサーやLED内蔵キーボードをしっかり搭載。また、ビジネスに便利なオンライン会議の通話ボタンをはじめ、多彩なファンクションキーを装備し、まさに至れり尽くせり。性能も十分高く、トータルで非常に高いクオリティを実現しています。
そしてなんといってもコスパが高く、Ryzen 5搭載モデルで価格は8万円台!14インチモバイルノートでイチオシのモデルです。
ThinkBook 14 Gen.5[Ryzen 5 7530U搭載モデル]
【スペック】
■OS:Windows 11
■ディスプレイ
14.0インチ フルHD ノングレア IPS
■CPU:Ryzen 5 7530U
■メモリ:8GB(DDR4-3200)
■グラフィック:Radeon RX Vega 7(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 256GB(PCIe NVMe)
■【クーポン利用】139,700円⇒83,820円(税・送料込)~
第7世代の6コア12スレッドCPU・Ryzen 5 7530Uを搭載した現行モデル。Ryzen 5 5625Uの動作クロックを上げたマイナーチェンジ版で、約5~10%性能が高くなっています。
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