
今回レノボの【Yoga Slim 7i Aura Edition Gen.9】をお借りしました。スリムで軽い15インチプレミアムノートをチェックしてみましょう。
スペック
Yoga Slim 7i Aura Edition Gen.9 | |
カラー | ルナグレー |
サイズ | W343.8×D235.4×H13.9mm(最薄部) |
重量 | 約1.53kg(実測1517g) |
OS | Windows 11 Home |
CPU | Core Ultra 7 258V(8コア・定格2.20/最大4.80GHz) |
メモリ | 32GB(オンボード・LPDDR5X-8533) |
ストレージ | 1TB SSD(PCI-e NVMe Gen.4) |
グラフィクス | Arc Graphics 140V |
ディスプレイ | 15.3インチ、2.8K(2880×1800)、グレア、IPS、HDR400、120Hz、 、DCI-P3 100%、タッチ対応 |
インターフェース | Thunderbolt4×2、USB3.2 Gen.1 Type-A×1、HDMI×1、 マイク入力/ヘッドフォン出力×1 |
光学ドライブ | × |
カメラ | FHD 1080p カメラ |
スピーカー | ステレオスピーカー(2W×2 ツイーター、2W×2 ウーファー) |
キーボード | バックライト付き日本語キーボード |
Wi-Fi | IEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax/be |
Bluetooth | Bluetooth 5.4 |
バッテリー | 動画再生時 約13.7時間・アイドル時 約 22.3時間(JEITA 測定法 3.0) |
保証 | 1年(最大4年) |
価格 | 249,810円(税・送料込)~ |

電源アダプタ(65W・174g)/各種マニュアル
外観
堅牢なアルミボディ

プレミアムモデルらしく、ボディの素材にはアルミニウムを採用しています。

金属ならではの高い質感もさることながら、剛性が高いため、樹脂製に比べ開け閉めの際にたわみにくいのもポイント。

デザインはレノボらしく、装飾を極力排した機能美あふれるシンプルなもの。

ただ、下位のIdeaPadモデルと見分けがつかないので、もう少し差別化してほしいところですね。
スタイリッシュなコンパクトボディ
このモデルは大型の15インチモデルです。13インチや14インチなどのモバイルノートよりもディスプレイが大きく、据え置きならまずおすすめ。

ディスプレイのベゼル(ふち)をスリム仕様にすることにより、横幅と奥行きを圧縮し、従来の15インチモデルよりもコンパクトなボディを実現しています。
また、厚さは13.9mm(最薄部)と非常にスリムなこともあり、スタイリッシュなイメージに仕上がっています。

コンパクトボディといことで、重さは実測で1517gと15インチモデルとは思えない軽さを実現。ヘタな14インチモデルよりも軽くなっています。

サイズ的にもモバイル用として使うのは厳しいものの、ちょっとした持ち運びに便利ですね。
充実のインターフェース
基本的なインターフェースは一通りそろっています。

USBは全3ポートと15インチモデルにしては少なめ。小型&リバーシブルのType-Cポートは、40Gbpsの超高速転送ができる”Thunderbolt4”に対応しています。
さらに、従来のType-Aポートも搭載しているため、周辺機器の接続にバッチリ対応します。

画像出力にはHDMIポートが用意され、その他Type-CポートはDisplayPort出力を兼ねています。

プライバシーにもしっかり配慮され、右サイドにはカメラのキルスイッチを装備さらに、顔認証センサーを装備しているほか、パソコンから離れると自動的にディスプレイがOFFになるなど、セキュリティ面も万全です。
ディスプレイ&キーボード
高品質ディスプレイ搭載

ディスプレイサイズは15.3インチサイズで、だいぶゆとりがありますね。一応パネルはタッチ操作に対応していますが、通常の開閉タイプとの相性はイマイチです。


ディスプレイの解像度は2.8K(2880×1800)とかなり高め。フルHDはおろか、WQHDよりもさらに高い解像度で、精細な映像を描写できます。上のイメージはWQXGAと比較したものですが、表示領域も広く、作業がよりはかどります。

パネルは発色に優れたIPSパネルを採用し、高輝度のDisplayHDR 400(500nit)に対応する凝りよう。明るく鮮やかな映像クオリティで動画鑑賞などにも最適です。視野角も広いので、横から覗いても色むらはほとんどありません。

さらに、色域はDCI-P 100%のプロ向け仕様となっており、高解像度ディスプレイも相まって、動画や画像編集などクリエイティブ作業がよりはかどります。
なお、リフレッシュレートが120Hzという高速仕様となっています。1秒間に描写できる枚数は、通常の60Hzディスプレイの2倍!滑らかな描写性能により、動きの激しいFPSゲームなどに最適です
完成度の高いキーボード&タッチパッド
大型ボディながら、テンキーレスキーボードを採用。

キーは一部連結されているものの、各キーは大きめで、配置そのものもクセがなく素直。キーピッチも約19mmとデスクトップキーボードなみの間隔が確保されているので、誤爆の心配はまずありません。
電源ボタンがキーボード内ではなく、右サイドに独立して配置されているのもいいですね。

ファンクションキーの内容も充実しており、基本的なキーにプラスして電卓キー・カスタマイズ対応キー・ファンクションロックキーも装備しています。
もちろん、トレンドの白色LEDもしっかり内蔵しています。薄暗い場所でタイピングしやすいのはもちろん、見た目も華やかになり、高級感を演出します。

キーストロークは深めで適度に反発感もあり、キートップのくぼみも相まって打鍵感はとても良好。キーボード面の剛性が高いのもポイント高いですね。
スムーズなタッチパッド
タッチパッドは、パッド部分とクリックボタンが一緒になった、オーソドックスな一体型タイプとなっています。

表面はツルツルした材質で、カーソル操作は非常にスムーズ。クリックボタンは軽く押すだけで反応し、クリック音も控えめ。しっかり造り込まれています。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト”CINEBENCH”で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。

CPUはインテルのハイスペックCPU・Core Ultra 7 258V(8コア)を搭載しています。
前世代からの変更点ですが、ハイパースレッディングを廃止し、NPUとグラフィック性能を強化しています。CPUそのものの性能は、マルチスコアで10000台と控えめ。AI&グラフィック性能を重視したCPUといえますね。
3DMARK
”3DMARK”は、CPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。Vulkan(Wild Life)・DirectX 11(Fire Strike)、DirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。

このCPUの内蔵グラフィックは、”Intel Arc Graphics 140V”となっています。
前世代からさらに性能が向上しており、GTX 1650レベルの性能があります。軽めのオンラインゲームならフルHDでもプレイ可能です。
Total | Graphics | CPU/Physics | Combined | |
Time Spy | 4197 | 3879 | 7854 | ー |
Night Raid | 33773 | 42341 | 15734 | ー |
Fire Strike | 8682 | 9643 | 22045 | 3268 |
Wild Life | 26621 | ー | ー | ー |
PCMark 10
”PCMark 10”は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測るソフトです。
快適さの目安は、基本性能を示すEssentialsが4100以上、ビジネスアプリのパフォーマンスを示すProductivityが4500以上、クリエイティブ系アプリのパフォーマンスを示すDigital Content Creationが3450以上となります。

ブラウジングや各種編作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、余裕でクリア。動画や画像編集でもラクラク使える性能です。
TMPGEnc Video Mastering Works 7

”TMPGEnc Video Mastering Works 7”を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・QSVでエンコードしています。なお、QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。
フルHD | 2Pass | 1Pass | QSV |
H.264 | 1340 | 679 | 103 |
H.265 | 1841 | 987 | 109 |
CPU性能が重要になるソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では、重量級のH.265・2Pass変換で30分程度と前世代に比べ物足りないのは否めません。なお、QSVの速さは安定しています。
Lightroom Classic CC

”Lightroom Classic CC”を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNGと最高画質のJPEG画像に書き出す時間を計測しました。結果は秒で記載しています。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
DNG | JPEG |
79 | 129 |
画像変換もCPU勝負となりますが、DNGは1分オーバーとやや遅め。一方、JPEGは2分を少し超えるレベルとしっかり速度が出ています。
VALORANT(ヴァロラント)

ゲーム設定:高/中/低(アンチエイリアス”FXAA”、異方性フィルタリング”16x”)
プレイモード:アンレート
平均(最低)fps | 高 | 中 | 低 |
XGA | 280(224)fps | 338(260)fps | 379(299)fps |
WUXGA | 216(195)fps | 232(211)fps | 265(242)fps |
2.8K | 123(108)fps | 138(127)fps | 154(141)fps |
超軽量級のFPSゲームです。競技性の高いゲームなので、できれば100fps以上は欲しいところ。オンラインゲームではトップクラスの軽さといえども、2.8Kで120Hzディスプレイを生かせるのはすごいですね。
Rainbow Six Siege(レインボーシックスシージ)

ゲーム設定:最高/超高/高/中/低(レンダリング解像度”50”)
プレイモード:ベンチマークテスト
平均(最低)fps | 最高 | 超高 | 高 | 中 |
WXGA | 150(109)fps | 148(108)fps | 136(91)fps | 143(98)fps |
WUXGA | 101(77)fps | 91(67)fps | 88(65)fps | 89(68)fps |
WQXGA | 58(46)fps | 53(42)fps | 56(45)fps | 64(52)fps |
軽めのFPSゲームです。競技性の高いゲームなので、できれば100fps以上は欲しいところ。
2.8Kこそ厳しいものの、WUXGAでは平均90fps~と安定してプレイできます。軽めのゲームなら内蔵グラフィックでもしっかり対応できるレベルに来ていることがわかります。
FF14(ファイナルファンタジー14 黄金の遺産)

最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
WXGA | 7505 | 12700 | 14286 |
WUXGA | 4834 | 9447 | 9658 |
2.8K | 2633 | 6061 | 6417 |
知名度バツグンの国内産MMORPGで、スコア9000以上で平均60fps以上をキープできます。
アップスケーリングのFSRを適用した結果となりますが、なんとWUXGA・高品質でスコア9000をクリア。そのうちエントリークラスのGPUは内蔵グラフィックに取って代わられそうな感じです。
CrystalDiskMark
”CrystalDiskMark”は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。

このモデルでは、512GB SSD(SAMSUNG)を搭載しています。256GBの2倍という容量の多さで、動画や画像などかさばるデータ類も多めに保存することができ、爆速のPCIe Gen.4規格を採用しています。
速度は1TB SSDの方が速く、シーケンシャル(連続データ)の速度は2000~6000MB/s台とだいぶムラがあります。一方、ランダムの速度はGen.3クラスとなっており、ごくごく普通のGen.4 SSDといったところです。
もちろん、実際の使用感はSSDらしくとても快適。OSの起動からブラウジング、各種アプリの動作にいたるまでサクサク動きます。
温度
CINEBENCH R23実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。

余裕を持った動作システムとなっており、ピーク時コア温度は70℃台半ばと安定し、動作クロックは3.6GHzと高めをキープ。性能と冷却のバランスがうまく取れています。
動作音
CINEBENCH R23実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ。

50デシベルが一つの目安となりますが、ピーク時でも50.1デシベルとほぼきっかり。ファンは高速回転していますが、ノイズ感はありません。
ちなみに最小時では46.9デシベルとなっており、アイドル状態のためほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:最適な電力効率、適応パワー・モード
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は15時間30分をマーク。モバイルノートの目安となる10時間をはるかに超えており、出先でも安心して使えます。
充実したユーティリティー機能

付属アプリとして”Lenovo Vantage”がインストールされています。動作モードや各種デバイスの設定からシステムの更新などサポートに至るまで、このアプリで全て設定でき、とても便利なアプリです。

サウンドシステムには、有名どころの”Dolby Access”を採用しています。
肝心の音質ですが、低音~高音までしっかり伸び、重低音もバッチリ。さらに音質は厚く、サラウンド効果も効いており、迫力はしっかり感じられます。内蔵スピーカーにしては上出来ですね。
まとめ
15インチモデルで1.5kg台は非常に軽く、ボディの軽さを求める方におすすめ。ただデザインにプレミアム感がないのは残念ですね。