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OMEN 35L(AMD)をレビュー 見栄え重視ならおすすめ!LEDイルミネーションを搭載したミニタワーゲーミングPC

今回HPの【OMEN 35L(AMD)】をお借りしました。

HPのゲーミングブランド”OMEN”に35Lサイズのミニタワーモデルが登場。LEDイルミネーションが美しく輝く新モデルをチェックしてみましょう。

OMEN 35L(AMD) モデレートモデル
サイズW210×D408×H410mm
重量約14.5kg
OSWindows 11 Home
CPURyzen 5 8500G(6コア12スレッド・定格3.5/最大5.0GHz)
メモリ32GB(16GB×2・DDR5-5200)
ストレージ1TB SSD(PCIe NVMe Gen.4)
グラフィクスRTX 4060 Ti(GDDR6 8GB、HDMI 2.1×1、DisplayPort 1.4a×3)
インターフェース天面:USB Type-C 10Gbps×1、USB Type-A 5Gbps×2
背面:USB Type-C 10Gbps×1、USB Type-A 5Gbps×2、
USB 2.0 Type-A×4
電源600W(80PLUS GOLD)
光学ドライブ非搭載
Wi-FiIEEE 802.11be(Wi-Fi 7)、 Bluetooth5.4
保証1年(最大3年)
価格289,300円198,000円~(税込)
※2025年1月15日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
付属品

電源ケーブル/各種マニュアル

目次

外観

ド派手なLEDイルミネーション

ケースのフォルムはスタイリッシュなストレートボディ。まさにトレンド通りといったところですね。

フロントパネルには”OMEN”ロゴが大きくプリントされ、パッと見カジュアルな印象を受けます。

このパネルはシースルーとなっており、内部のLEDリングファンが見える凝りようです。

サイドも強化ガラスパネルを装備しており、内部がバッチリ見えます。

ケースファン・CPUクーラー・メモリにLEDを搭載しているため、とても華やか。ゲーミングモデルらしく、見て楽しめるモデルに仕上げています。

なお、LEDカラーやアニメーションは付属アプリ”OMEN Gaming Hubで変更可能です。

ちなみに、サイドパネルはスモークタイプとなっており、透明タイプに比べ、イルミネーションの輝きはややマイルド。

ケースはコンパクトなミニタワーサイズで、大きさはBTOメーカーのものとほぼ同じです。ミドルタワーケースよりも高さが低く、デスクの上において使うのもあり。

高い冷却性能

このケースでは、12cmファンをフロントに2基、背面に1基搭載しています。

フロントパネルのサイドから強力に吸気し、天板&背面から排気するエアーフローとなっており、熱くなりがちな内部をしっかり冷やします。

ちなみに底面はこんな感じ。ここには電源の吸気口が設置されていますが、フィルターが設置されており、誇りを取り込まないようになっています。

なお、フィルターはマグネットタイプなので、かんたんに取り外し可能。ほこり対策とメンテナンス性はバツグンです。

便利なインターフェース

前面のインターフェースは天板配置となっており、どちらかというと下置きで便利。

搭載されている端子ですが、USB端子はフロント・背面あわせて計10ポートも搭載

従来のType-Aポートのほか、小型&リバーシブルのType-Cポートも装備しており、様々な周辺機器を接続できます。フロント側にもType-Cポートがあるのはグッド。

映像端子は、HDMI・DisplayPort×3と豊富なので、マルチディスプレイ構成もラクラクですね。

内部

チャンバー構造採用

内部にアクセスすると、この通りとてもスッキリした内部となっています。

これは”チャンバー構造”という方式で、通常はケース下部に配置されている電源や各種ベイを上部に集約。内部をスッキリさせエアフローを極限まで高めることにより、最小限の通気口・ケースファンで高い冷却性能を実現できます。

もちろん、裏配線にも対応しており、かさばる配線類はケースの裏側の配線スペースに通すことで、エアフローを妨げるものはなにもなし。まさにパーフェクトな内部構造です。

拡張性は、3.5インチベイが1つ用意されています。最近のミニタワーモデルは3.5インチベイが省略される傾向にあるので、これはありがたいですね。

大容量ストレージなら安価なHDDがやはり便利。

大型CPUクーラー搭載

マザーボードはやや小型のMicroATX規格となっています。VRM周りやM.2 SSDスロットにヒートシンクは非搭載となっており、造りは最低限といったところ。上位ブランドなので細部もしっかり造りこんでほしいですね

”静音パックまんぞくコース”適用モデルということで、大型のサイドフロー式CPUクーラーを搭載しています。サイドフロー式タイプは、CPUから吸収した熱を、前後のスムーズなエアフローにのせて強力に発散し、優れた冷却パフォーマンスを発揮します。

肝心の造りですが、大型の冷却フィン&4本のヒートパイプでポイントはしっかり押さえています。

高冷却のRTX 4060 Ti搭載

グラボは、NVIDIAのRTX 4060 Tiを搭載。大型のヒートシンクに大口径デュアルファンを搭載するほか、基盤を金属製のバックプレートで補強するなどしっかりポイントは押さえています。

また、グラボ固定用のカードホルダーを装備しています。大型ボディをでしっかり固定することで、PCIeスロットへの負荷を軽減しており、自重による破損の心配はまずありません。

ちなみに、PCの心臓ともいえる電源には、600Wのゴールドクラス電源を採用しています。ゴールドクラスは最大90%の電力変換効率を誇り、コンセントからの電力を効率よく変換できる、省エネ・低発熱の優れものです。

ベンチマーク

各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。

RTX 4060 Ti搭載

先にも紹介した通り、グラボはRTX 4060 Tiを搭載。フルHDで非常に高い安定感を発揮し、WQHDでのゲーミングに最適な性能となっています。

RTXシリーズでは、”RTコア”と”Tensorコア”を搭載しているのが特徴です。

RTコアは”レイトレーシング技術(RT)”に対応しており、反射・影・ライティングなどをリアルに再現可能。ゲームでのイメージを見てもわかるように、ON・OFFではだいぶ違います。

また、AI機能のTensorコアは”DLSSモード”に対応しており、低い解像度でレンダリングした映像をアップスケーリングし、さらにアンチエイリアスを最適化することで、フレームレートを大幅に向上させることができます。ゲームの快適性が目に見えて上がり、とても便利。

そのほか、RTXシリーズはOptiXにも対応しているのもポイント。Blenderなどの3DCG作成ソフトでは、RTコアを活用した高速レンダリングや、Tensorコアを活用した高速のノイズ除去機能を搭載し、ヘビーなCG作成作業で高いパフォーマンスを発揮します。

RTX 4000シリーズはDLSS 3&AV1エンコードに対応

RTX 4000シリーズは機能面がさらに強化され、DLSS 3&AV1エンコードに対応しています

DLSS 3というのは従来のDLSS 2の発展型で、GPUコアに内蔵された”Optical Flow Accelerator”を使い、映像のフレーム間に中間フレームを補完する技術のこと。アップスケーリング+フレーム補完で描写の負荷を大きく軽減し、フレームレートを大幅に上げることが可能です。

ウルトラヘビー級のゲーム・Cyberpunk 2077では、約4倍以上もパフォーマンスが向上するなど、RTX 3000シリーズに対し大きなアドバンテージとなっています。

CINEBENCH R23

CINEBENCH R23は、3Dグラフィックのレンダリング性能を測定するベンチマークソフトです。CPUのシングル・マルチ性能をチェックできます。

このモデルでは、AMDの6コア12スレッドCPU・Ryzen 5 8500Gを搭載。ZEN 4アーキテクチャをベースにしたミドルクラスCPUで、高性能グラフィック”Radeon 740M”を内蔵しています。

お手頃なCPUですが、グラボ用のPCIeが4レーンと少ないため、CPU単体で使うのがベター。RTX 4060&4060 Tiは8レーン使うので、上位のRyzen 5 8600GもしくはRyzen 5 7600にしてほしかったところです。

参考までに、インテルの第14世代10コア16スレッドCPU・Core i5-14400と比較すると、シングル性能はほぼ互角ですが、マルチ性能は約23%下回っています。

3DMARK

3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。

DirectX 11(Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)・DirectX 12 Ultimate(Speed Way/Steel Nomad)・RT(Port Royal)それぞれの条件で測定することができます。

ワンランク下のRTX 4060よりも約20~30%性能が高く、WQHDでのゲーミングに最適です。なお、VRAMの帯域幅やインターフェースが弱く、4Kには不向きです。

TotalGraphicsCPU/PhysicsCombined
Steel Nomad2915
Speed Way3205
Port Royal8068
Time Spy Extreme558561293716
Time Spy12053133217832
Night Raid5254812936712039
Fire Strike Ultra72527105211613962
Fire Strike Extreme1427215346210737106
Fire Strike25702318342113612121
Sky Diver752061277122732850836

FF14(ファイナルファンタジー14 黄金の遺産)

最高品質高品質標準品質
フルHD203492074522579
WQHD177901835320776
4K120061319915634

知名度バツグンの国内産MMORPGで、スコア9000以上で平均60fps以上をキープできます。

いずれもDLSSを常に有効にしており、WQHD・最高品質ではスコア17000台、平均130fpsとバツグンの安定感を発揮。144Hz出力など高リフレッシュレートディスプレイを生かすことができます。

なお、4Kではパフォーマンスが大きく落ち込むものの、最高品質で平均83fpsをマークしており、実用レベルではあります。

Cyberpunk 2077(サイバーパンク 2077)

測定条件

ゲーム設定:ウルトラ/高/中(RT”ウルトラ・サイコ”/DLSS”バランス”)

プレイモード:市街地中心部を移動

DLSS

平均(最低)fpsウルトラ
フルHD148(111)fps181(133)fps224(180)fps
WQHD118(97)fps143(127)fps158(147)fps
4K57(53)fps73(69)fps81(76)fps

WQHDにやはり強く、フレーム補完により設定次第では144Hzディスプレイを生かせます。4Kのパフォーマンスはイマイチですが、高設定なら平均60fpsをクリアできます。

RT+DLSS

平均(最低)fpsウルトラ
フルHD117(100)fps123(108)fps129(114)fps
WQHD84(73)fps86(77)fps89(80)fps
4K35(31)fps37(33)fps38(34)fps

反射・影・ライティングのフルセットということでかなり重いのですが、WQHDでは平均80fps台と安定しています。さすがに4Kは無理ですね。

黒神話:悟空

測定条件

ゲーム設定:最高/超高/高(DLSSサンプリング解像度”55”/RT”超高”)

プレイモード:ベンチマークテスト

DLSS

平均(最低)fps最高超高
フルHD65(60)fps72(66)fps100(94)fps
WQHD57(53)fps62(58)fps85(79)fps
4K42(39)fps45(42)fps59(55)fps

フレーム補完を有効にしてもfpsがイマイチ伸びませんが、WQHDでは高設定で平均80fps台をマークしており、WQHDではRTX 4060 Tiがあるとやはり安心です。レイトレーシングなしでも4Kでは平均60fpsをクリアできないので、どれだけ重いかがよくわかりますね。

RT+DLSS

平均(最低)fps最高超高
フルHD61(55)fps66(59)fps72(65)fps
WQHD45(40)fps49(44)fps53(47)fps
4K14(10)fps21(17)fps20(14)fps

レイトレーシングの負荷も非常に重く、平均60fpsを超えるのはフルHDまで。レイトレーシングを使うにはちょっと心もとないですね。

BIOHAZARD RE:4(バイオハザード RE:4)

測定条件

ゲーム設定:最高/高/中(RT”高品質”/FSR”バランス”)

プレイモード:最初の村を移動

FidelityFX Super Resolution(FSR)

平均(最低)fps最高
(テクスチャ品質”高・8GB”)

(テクスチャ品質”高・4GB”)

(テクスチャ品質”中”)
フルHD118(87)fps119(104)fps114(97)fps
WQHD95(89)fps119(105)fps113(100)fps
4K48(46)fps51(48)fps72(65)fps

このゲームはFSRに対応しています。FSRはDLSSに近い機能で、アップスケーリングによりフレームレートを上げることができます。Tensorコア不要の汎用性が高い技術というのがポイント。

WQHDでは平均90fps以上と安定したパフォーマンスを発揮。4Kは大きくfpsが落ち込み、やはり力不足な感が否めません。

RT+FSR

平均(最低)fps最高
(テクスチャ品質”高・8GB”)

(テクスチャ品質”高・4GB”)

(テクスチャ品質”中”)
フルHD88(81)fps100(91)fps96(84)fps
WQHD65(7)fps98(89)fps96(80)fps
4K40(3)fps43(37)fps66(48)fps

このゲームのレイトレーシングは負荷こそ低いのですが、VRAMを大量に使うので、8GBだと不足してWQHDでも最高設定では最低fpsが大きく落ち込みます。最新ゲームをやるなら、12GB以上が無難ですね。

Starfield(スターフィールド)

測定条件

ゲーム設定:ウルトラ/高/中(DLSS”バランス”)

プレイモード:クリート探索

DLSS

平均(最低)fpsウルトラ
フルHD146(123)fps146(127)fps165(131)fps
WQHD113(99)fps117(105)fps127(110)fps
4K71(64)fps71(66)fps77(70)fps

フレーム補完に対応することによりfpsが大きく向上し、WQHDでは平均100fps以上をキープできる安定ぶり。4Kではボトルネックが顕著ですが、使えるレベルとなっています。

VALORANT(ヴァロラント)

測定条件

ゲーム設定:高(アンチエイリアス”FXAA”/異方性フィルタリング”16x”)

プレイモード:アンレート

4KWQHDフルHD
271(246)fps505(371)fps497(383)fps

普通のノートPCでも動かせるほど軽いので、ゲーミングPCなら超余裕。4Kで240Hzディスプレイをフルに生かせます

Rainbow Six Siege(レインボーシックスシージ)

測定条件

ゲーム設定:最高/超高/高(レンダリング解像度”50”)

プレイモード:ベンチマークテスト

平均(最低)fps最高超高
フルHD325(252)fps322(252)fps326(249)fps
WQHD253(208)fps254(210)fps263(217)fps
4K136(117)fps137(119)fps148(130)fps

グラフィック負荷が低いので、4Kでも144Hzディスプレイを生かせます。ただし、さすがに240Hzディスプレイともなると、WQHDに落とす必要があります。

Apex Legends(エーペックス レジェンズ)

測定条件

ゲーム設定:最高/低(fpsリミット解除)

プレイモード:射撃訓練場

平均(最低)fps最高
フルHD234(187)fps300(237)fps
WQHD177(144)fps230(188)fps
4K116(101)fps135(120)fps

このゲームも軽めで、4Kでは平均100fps以上をキープし、低設定なら144Hzディスプレイを生かせます。WQHDでの安定感は言わずもがなですね。

Fortnite(フォートナイト)

測定条件

ゲーム設定:最高/高/中(アンチエイリアス”TAA”/DLSS”バランス”)

プレイモード:バトルロイヤル

DLSS

平均(最低)fps最高
フルHD253(136)fps246(133)fps246(123)fps
WQHD221(195)fps254(199)fps244(163)fps
4K118(109)fps140(128)fps164(149)fps

DLSS機能を有効にした際の結果です。

DLSS込みではありますが、4Kでは設定次第で144Hzディスプレイ、WQHDでは240Hzディスプレイを生かせます。FPSゲームは総じて軽めなので、RTX 4060 Tiでもしっかり対応できます。

CrystalDiskMark

CrystalDiskMarkは、ストレージの読み書きの転送速度をチェックするソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。

このモデルでは、超大容量の1TB SSD(サムスン)を搭載しています。最近のゲームは容量が非常に多くなっていますが、1TBならしっかり対応できます。なお、SSDは高速のNVMeタイプで、その中でも特に速い”Gen.4”規格を採用する徹底ぶり。

肝心の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)は2000~5000MB/sとバラツキが大きく、ランダムの速度はGen.3レベルということで、トータルではスタンダードクラスのGen.4 SSDといったところです。もちろん、SSDらしくゲームのロードからアプリの動作までサクサク動き、とても快適。

温度

FF14実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。

CPUの温度は40℃台後半と非常に低く、動作クロックは最大5.0GHzと高めをキープ。また、グラボの温度は60℃台半ばと、特に熱くなりがちなホットスポットも70℃台半ばと低めになっており、しっかり冷却できています。

こちらがCINEBENCH R23実行時の温度です。

100%のフルロード時では、コアの温度が60℃台半ばと低く、クロックは3.6~4.5GHzと高めをキープ。ミドルクラスCPU×大型CPUファンなだけあり、冷却面は全く問題なしです。

動作音

FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ。

55デシベルを超えるとファンノイズが気になりますが、ピーク時は49.2デシベルと大きく下回っています。CPUファンのノイズ音が少し大きくなるくらいで、一般ノートよりも静かですね。

なお、最小時は48.3デシベルとなっており、ケースファンの音がかすかに聞こえるくらいです。

充実した付属アプリ

先にも紹介したとおり、専用ユーティリティー”OMEN Gaming Hub”が用意されています。

イルミネーションのカラー変更やネットワークの帯域割り当て、さらに動作の設定までゲーミングに必要な機能をワンストップで設定できます。

そのほか、パソコンのサポートツールとして”HP Support Assistant”が用意されており、ハードウェアの診断からサポートまでワンストップで実行できます。

まとめ

ド派手なLEDイルミネーションが輝くミニタワーケースは取り回ししやすく、見栄え重視のゲーマーにおすすめ。ただ、細部の造りこみがやや甘いのは気になりますね。また、コストの関係からだとは思いますが、ゲーミングモデルならGシリーズCPUではなく、Ryzen 5 7600くらいにはしてほしいです。

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