今回マウスコンピューターの【mouse A4-A5U01SR-B】をお借りしました。軽くて安い14インチモバイルノートをチェックしてみましょう。
スペック
mouse A4-A5U01SR-B | |
サイズ | W325×D218×H21.8mm |
重量 | 約1.33kg(実測1339g) |
OS | Windows 11 Home |
CPU | Ryzen 5 7430U(6コア12スレッド・定格2.3/最大4.3GHz) |
メモリ | 8GB(8GB×1・DDR4-3200) |
ストレージ | 256GB SSD(PCI-e NVMe) |
グラフィクス | Radeon RX Vega 7 |
ディスプレイ | 14.0インチ、フルHD、ノングレア |
インターフェース | USB3.1(10Gbps) Type-C×1、USB3.0(5Gbps) Type-A×2、HDMI 1.4、 LANポート、microSDスロット、マイク入力/ヘッドフォン出力 |
光学ドライブ | × |
カメラ | 200万画素 |
スピーカー | ステレオ スピーカー |
キーボード | 日本語キーボード |
Wi-Fi | IEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax |
Bluetooth | Bluetooth 5 |
バッテリー | 動画再生: 約5時間 アイドル状態: 約8.5時間 (JEITA測定法 Ver.3.0) |
保証 | 1年(最大3年) |
価格 | 89,800円(税・送料込)~ |
電源アダプタ(65W・213g)/電源ケーブル(106g)/各種マニュアル
外観
シンプルなタフボディ
ボディはオーソドックスな樹脂製ですね。シルバーカラー×シンプルデザインは使う人を選びません。
2.1mmの肉厚ボディということもあり、剛性は高め。手に取るとしっかりした感じで、持ち運びの際も安心。
耐久性は折り紙付きで、落下テスト・高温・低温条件での19項目のMIL規格(アメリカの軍事規格・MIL-STD 810H)テストをクリアしています。
ちなみに、底面はこんな感じです。
コンパクトボディ
ボディのサイズは14インチですね。大きめのディスプレイを搭載したモバイルノートとして、最近人気のサイズです。
ディスプレイのベゼル(ふち)をスリム仕様にすることにより、横幅と奥行きを圧縮。
A4ファイル+αサイズということで、カバンに収納しやすくなっています。
また、肝心の重さは実測で1339gと1.3kg台に抑えており、携帯性は良好です。14インチモデルだと1.4kg~のものもざらにあるので、これはポイント高いです
フル装備のインターフェース
基本的なインターフェースは一通りそろっています。
USBは全3ポートとモバイルノートでは標準的な数を搭載。小型&リバーシブルのType-Cポートのほか、通常のType-Aポートも装備しており、あらかたの周辺機器を接続可能です。
画像出力にはHDMIポートが用意され、Type-CポートがDisplayPort出力を兼ねているため、メイン含め3画面出力も可能です。
そのほかmicroSDスロットやLANポートも装備しており、まさに至れり尽くせりの内容ですね。ちなみに、モバイルノートでは基本的にLANポート非搭載なので、貴重だったりします。
プライバシーも安心
プライバシーにもしっかり配慮され、カメラ部分にシャッターを装備。デバイスからではなく、物理的にシャットアウトするのでとても安心です。
ディスプレイ&キーボード
IPSパネル搭載
ディスプレイのサイズは14.0インチきっかりで、解像度は現在主流のフルHD(1920×1080)です。13.3インチよりも一回り大きいため、ゆとりがありますね。
ディスプレイのパネルには、高い発色とコントラストが魅力のIPSパネルを採用し、くっきり鮮やか。ただし、輝度は250nitとやや低めなので、心持ち暗く感じてしまいますね。
IPSということで、この通り視野角が広く、横から覗いても色むらがほとんどないのもポイント。ちなみに、パネル(CMN14D4)の詳細は下記の通りで、輝度・色域ともにごく普通レベルといったところ。
使い勝手の高いキーボード
横幅が狭いので、テンキーレスキーボードを搭載。
基本的なキーは大きめに造られ、全てのキーが独立しています。キー配置そのものもクセがなくとても素直なので、誤爆の心配はまずありません。電源ボタンをキーボード内に搭載せず、右サイドに配置しているのも◎。
なお、キーピッチは約19mmとデスクトップキーボード並みの間隔を確保しており、ゆとりが感じられるのはいいですね。ファンクションキーの内容も、カメラのキルスイッチのほか、タッチパッド無効ボタンを装備する充実ぶりです。
キーストロークはやや深く、適度に反発もあり、上々の打鍵感となっています。なお、キーボード面の剛性は普通レベルで、強めにタイピングするとややたわんでしまいます。
スムーズなタッチパッド
タッチパッドはクリックボタンが一体化したタイプを採用しています。
完成度は高く、表面はさらさらしておりカーソル操作は非常にスムーズ。一方、クリックボタンの操作音こそ静かですが、やや押し込む必要があり、それなりといったところ。
ただ、一体型にありがちなバタつき感などはないので、トータルで見ると完成度は高めです。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト”CINEBENCH”で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。
CPUはAMDのRyzen 5 7430U(6コア12スレッド)を搭載。ZEN 3アーキテクチャをベースにした、前世代のミドルクラスCPUとなります。
参考までに、新世代のRyzen 5 8540U(6コア12スレッド)と比較してみると、シングルスコアは約25%、マルチスコアは約12%ほど下回っています。
新世代CPUはZEN 4アーキテクチャをベースにしているため、シングル性能が大幅に強化されているのが特徴です。
3DMARK
”3DMARK”は、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
Vulkan(Wild Life)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。
このCPUの内蔵グラフィックは、”Radeon RX Vega 7”となっています。性能は最低限で、軽めの編集作業なら対応できますが、3Dゲームには力不足です。
Total | Graphics | CPU/Physics | Combined | |
Time Spy | 703 | 616 | 3689 | ー |
Night Raid | 7974 | 7969 | 8006 | ー |
Fire Strike | 1721 | 1927 | 15897 | 549 |
Sky Diver | 6982 | 6641 | 11123 | 5952 |
Wild Life | 4015 | ー | ー | ー |
PCMark 10
”PCMark 10”は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測るソフトです。
快適さの目安は、基本性能を示すEssentialsが4100以上、ビジネスアプリのパフォーマンスを示すProductivityが4500以上、クリエイティブ系アプリのパフォーマンスを示すDigital Content Creationが3450以上となります。
いずれのスコアも目安を大幅に上回っており、普段使いなら快適に使える性能となっています。なお、両者の差は総合スコアで約19%程度と大きく、特に重い編集作業での差が大きくなっています。
TMPGEnc Video Mastering Works 7
”TMPGEnc Video Mastering Works 7”を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・VCEでエンコードしています。なお、VCEはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV/VCE |
Ryzen 5 7430U | 1730 | 896 | 214 |
Ryzen 5 8540U | 1541 | 832 | 141 |
まず軽めのH.264をチェック。やはり新しいRyzen 5 8540Uが有利で、CPU性能が重要になるソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では、両者の差は約7~11%となっています。
一方、グラフィック機能を利用したハードウェアエンコードではその差が拡大し、約34%にもなります。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV/VCE |
Ryzen 5 7430U | 2564 | 1332 | 191 |
Ryzen 5 8540U | 2317 | 1188 | 135 |
重量級のH.265でもRyzen 5 8540Uが有利なのは変わらず、ソフトウェアエンコードでは約10~11%差、ハードウェアエンコードでは約29%差となり、グラフィック性能の差がモロに出ていますね。
Lightroom Classic CC
”Lightroom Classic CC”を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)を最高画質のJPEG画像に書き出す時間を計測しました。結果は秒で記載しています。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
Ryzen 5 7430U | Ryzen 5 8540U |
478 | 130 |
画像変換もCPU勝負となりますが、こちらはRyzen 5 8540Uが圧倒しており、両者の差は約3.7倍にもなります。
ZEN 3アーキテクチャはこのアプリとの相性がイマイチ悪く、編集作業の機会が多い方はZEN 4アーキテクチャのほうが正直おすすめ。
VALORANT(ヴァロラント)
ゲーム設定:高/中/低(アンチエイリアス”FXAA”、異方性フィルタリング”16x”)
プレイモード:アンレート
平均(最低)fps | 高 | 中 | 低 |
HD | 96(77)fps | 108(93)fps | 117(101)fps |
フルHD | 55(42)fps | 65(56)fps | 74(59)fps |
超軽量級のFPSゲームです。競技性の高いゲームなので、できれば100fps以上は欲しいところ。
かなり軽いのですが、フルHDでは最高でも平均70fps台までしか伸びず、最低限の性能といったところです。なお、ディスプレイが60Hz出力なので、最大60fpsまでしか出ない点には注意。
FF14(ファイナルファンタジー14 黄金の遺産)
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
WXGA | 2182 | 3082 | 3534 |
WUXGA | 1169 | 1722 | 1941 |
知名度バツグンの国内産MMORPGで、スコア9000以上で平均60fps以上をキープできます。
アップスケーリングのFSRを適用していますが、いずれの解像度でもスコア9000をクリアできません。重めのゲームだと全く歯が立たないですね。
CrystalDiskMark
”CrystalDiskMark”は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルでは、256GB SSD(CFD)を搭載しています。ブラウジングやオフィス作業で使うなら、256GBもあれば十分です。
肝心の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)の速度は1000~2000MB/s台とやや伸びが悪い感じ。一方、ランダムの速度もごく普通レベルといったところで、トータルで見ると中の下クラスのSSDですね。
もちろん、実際の使用感はSSDらしくとても快適。OSの起動からブラウジング、各種アプリの動作にいたるまでサクサク動きます。
温度
CINEBENCH R23実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
ピーク時の動作クロックは最大3.1~3.2GHzとしっかり伸びており、温度は70℃台半ばと安定した温度をキープ。しっかり冷却できています。
動作音
CINEBENCH R15実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ。
50デシベルが目安となりますが、ピーク時で53.0デシベルと大きく上回っています。数値以上にファンノイズが大きく感じ、ゲーミングノートに匹敵するレベルです。。
ちなみに最小時では46.9デシベルとなっており、アイドル状態のためほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:最適な電力効率、バランス
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約7時間をマーク。モバイルノートの目安となる10時間に届かず、心もとない感じですが、出先で使えるレベルではあります。本音を言うなら、8時間は最低でもほしいですね。
PC設定ツール
PCの設定ツールが用意されており、動作モードの変更やバッテリーの充電設定などができます。
ちなみにスピーカーの品質ですが、中音域メインで音質が軽く、サラウンド効果も弱いので、迫力はイマイチ。標準的な内蔵スピーカーといったところですね。
まとめ
14インチの樹脂ボディながら1.3kg台と携帯性は良好。手堅い完成度ではありますが、バッテリーや静音性にはもう一声ほしいところです。マウスコンピューターは標準でのサポート内容が充実しており、安心を求める方に特におすすめ。