今回レノボの【Yoga Slim 750i(14インチ)】をお借りしました。
コンパクト&軽量のプレミアム14インチノートがなんと7万円台~!高いコスパが魅力のモバイルノートをチェックしてみましょう。
スペック
※2021年1月13日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
※割引クーポンは販売サイトに記載してあります。
外観
シンプル&スマートなデザイン
従来”Yoga”は、フレキシブルに使える2in1モデルのブランドでしたが、今では通常タイプのモデルも展開しており、スタンダードクラス”Ideapad”の上位ブランドというポジションとなっています。
いわばプレミアムクラスということで、クオリティは高く、ボディの素材にはアルミニウムを採用しています。樹脂製に比べ頑丈なので、持ち運びの際も安心です。
表面は美しい梨地加工か施されており、金属の高い質感と、しっとりと手になじむ感触も相まって高級感を感じさせます。
デザインはIdeapad譲りですね。直線主体のスッキリしたフォルムは、装飾類を極力排し、とてもスマートな出で立ち。落ち着きを感じさせるグレーのカラバリも相まって、使う人を選ばいクオリティを実現しています。
コンパクト&軽量ボディ
このモデルは13インチよりもやや大きい、14インチサイズとなっています。モバイルノートといえば13インチモデルがメインとなりますが、ディスプレイの大きさにゆとりがある14インチモデルも最近人気が高くなっています。
14インチサイズといえども、ディスプレイのベゼル(ふち)をスリム仕様とすることで、横幅と奥行きを圧縮し、A4ファイルサイズを実現しています。おまけに厚さも15.1mmとほぼ1.5cmに抑え、カバンへのサッと収納できます。
ただえさえ重くなりがちなアルミボディで、サイズも14インチサイズとやや大型ですが、重さはなんと実測で1331g!さすがに13インチモデル並みとはいきませんが、一般的な13インチよりも約50~100g重いくらいなので、モバイル用として十分実用的です。
ポイントをおさえたインターフェース
スリム&コンパクトボディなので、インターフェースは最小限ですが、ポイントをおさえたラインナップです。
USBは全4ポート搭載し、規格はUSB3.1~USB2.0までそろい踏み。なお、左サイドに搭載された、小型&リバーシブルのUSB3.1 Type-Cポートは、最大10Gbpsの高速転送が可能な”Generation2”となっており、さらに40Gbpsの超高速転送ができる”Thunderbolt 3”にも対応しています。
13インチよりもポート数が多く、規格や形状も一通り押さえており、特に据え置きで周辺機器をつなぐのに便利ですね。
そのほか、画像出力用のHDMI端子や、micro SDスロットも装備。15インチに近いラインナップで、普段使いに嬉しい内容です。
また無線LANですが、Wi-Fi 6(802.11ax)に対応しているのもポイント。現行のWi-Fi 5(802.11ac)よりもさらに速くなり、最大約9.6Gbpsと約1.5倍の高速通信を実現しています。また遅延も少なくなっているため、無線でのブラウジングがより安定します。
ディスプレイ&キーボード
発色に優れたIPSパネル搭載
ディスプレイのサイズは14.0インチです。13.3インチはちょっと窮屈な感じがしますが、一回り大きいので、ゆとりが感じられるのはいいですね。
解像度は主流のフルHDで、発色に優れたIPSパネルを搭載しています。発色に優れ、コントラストも高く、くっきり鮮やかな映像クオリティを実現。動画鑑賞をはじめエンタメコンテンツにうってつけです。
ちなみに視野角も広いので、姿勢によって色味が変わらないのも◎。
白色LED内蔵キーボード搭載
13インチよりも横幅が広いものの、キーボードはテンキーレスタイプです。その代わり、スピーカーが両端に配置され、デザイン面でいいアクセントになっています。
一部連結キーとなっていますが、基本的なキーのみ搭載しており、配置そのものはとても素直。電源ボタンもキーボード面ではなく、右サイドに配置されているので、誤爆の心配がないのはいいですね。また、ファンクションキーのロック機能がついているので、任意に固有機能とファンクション機能を切り替えられるのは、とても便利。
なお、キーピッチは約19mmとデスクトップキーボード並みの間隔が確保され、窮屈な感じがしないのもグッドです。
キーストロークは浅すぎず深すぎず、ノートの標準的な深さといったところ。適度に反発もあるので、打鍵感は上々です。キーボード面もアルミ製ということで、剛性は高めとなっており、安定感はバツグン。
もちろん、トレンドの白色LEDを内蔵しています。薄暗い場所でタイピングしやすくなるのはもちろん、なによりもオシャレ。ちなみに、OFF+2段階に切り替え可能で、LEDが不要という方も安心です。
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スムーズなタッチパッド
タッチパッドはクリックボタンとパッドが一緒になった、オーソドックスな一体型のタイプです。
タッチパッドはサラサラした感触で、カーソル操作はとてもスムーズ。また、クリックボタンの建付けもしっかりしており、軽い力で反応し、動作音も静かでグッド。
完成度がピンキリな一体型ですが、しっかり造られ、よく使う部分なだけにこれは嬉しいですね。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみましょう。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。


このモデルでは、インテルの第10世代4コア8スレッドCPU・Core i7-1065G7を搭載しています。このCPUの最大の特徴は、高性能グラフィック”Iris Plus Graphics”を内蔵していること。その実力は、一般的な内蔵グラフィック機能・UHD Graphicsの約2倍にもなり、各種編集作業がよりはかどります。
参考までに、UHD Graphicsを搭載した、同世代のハイスペックCPU・Core i7-10510Uと比較してみました。まず、CPU性能ですが、同じく4コア8スレッドの高クロックCPUということで、シングル性能&マルチ性能ともにほぼ互角です。
ただし、グラフィック性能(OpenGL)はCore i7-1065G7の方が高く、Core i7-10510Uを約39%上回り、同じ第10世代のCore i7でも全く性質が異なることがわかりますね。
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測る定番ソフトです。
動画や画像編集用途の目安となるスコアは3000以上ですが、軽くクリアし、スコア4000の大台をマークしています。
総合スコアで見るとCore i7-10510Uとほぼ互角となっていますが、動画や画像編集などの”Digital Content Creation”では約27%高いスコアをマークし、やはりグラフィック性能の高さが光ります。
動画エンコード
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・QSVでエンコードしています。なお、QSVとはCPUのグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i7-1065G7 | 50:19 | 25:42 | 3:07 |
Core i7-10510U | 49:52 | 25:43 | 3:35 |
まず軽めのH.264をチェック。ソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)ではCPUの性能が重要になりますが、4コア8スレッドということで、両者ほぼ同じ結果となっています。
一方、グラフィック性能が重要となるQSV変換では、Iris Plus Graphicsを内蔵したCore i7-1065G7が有利。Core i7-10510Uよりも約13%早く変換を終えています。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i7-1065G7 | 1:13:05 | 38:05 | 3:33 |
Core i7-10510U | 1:12:17 | 37:15 | 6:27 |
重量級のH.265でも、ソフトウェアエンコードでは両者ほとんど差がつかず、せいぜい2%程度とほぼ互角。しかし、QSVではかなり大きく差がつき、Core i7-1065G7はCore i7-10510Uよりも約45%早く変換を終えています。
画像変換
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Core i7-1065G7 | 1:29 | 4:10 |
Core i7-10510U | 1:36 | 4:21 |
画像変換はCPU勝負ということで、両者ほぼ互角の結果となっています。
CPUの性能はほとんど同じですが、グラフィック性能はCore i7-1065G7が圧倒的に有利。編集作業、特に動画編集の機会が多い方は、Core i7-1065G7を選ぶのがおすすめです。
ドラクエ10
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
フルHD | 8948 | 10851 | 12450 |
軽さで定評のあるドラクエですが、フルHD・最高品質でもスコア5500を軽々超えてきます。なお、UHD 620では標準品質でもスコア5500を下回ることがあり、地力が違います。
PSO2
こちらはやや軽めのゲームです。エピソード4にてグラフィック描写が「設定6」に引き上げられましたが、それでもやはり軽いことに変わりありません。スコア4500以上で平均60fpsをキープできます。
設定6 | 設定5 | 設定4 | 設定3 | |
HD | 3791 | 7077 | 7314 | 16274 |
フルHD | 1755 | 4040 | 4110 | 8635 |
さすがにドラクエのようにはいきませんが、フルHD・設定3でスコア4500を超えるのは、内臓グラフィックにしては驚異的です。とはいえ、設定重視ならHDに落とす必要があり、基本的にゲーミングには不向きですね。
FF14
おなじみの重量級ベンチマークです。スコア7000以上で【非常に快適】となり、スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
HD | 4579 | 6263 | 7563 |
フルHD | 2467 | 3483 | 4681 |
FFクラスになると手も足も出ず、HD・標準品質までガッツリ落として、ようやくスコア7000を超えます。実用性はさておき、内臓グラフィックにしてはすごいのは確かです。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。PCの性能指標として、参考まで。
総合スコア | Graphics Score | CPU/Physics Score | Combined Score | |
Time Spy | 973 | 859 | 3988 | ー |
Night Raid | 10351 | 11493 | 6623 | ー |
Fire Strike | 2697 | 2890 | 10937 | 1026 |
Sky Diver | 9181 | 9071 | 9344 | 9820 |
Cloud Gate | 13855 | 18396 | 7434 | ー |
Ice Storm | 76696 | 88490 | 52301 | ー |
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは512GB SSDを搭載したシングルストレージ構成です。SSDオンリーですが、容量にだいぶ余裕があるので、動画や画像などデータ類も多めに入れることができます。SSDは通常タイプよりも4~5倍速いNVMeタイプのSSDで、速度で定評のあるサムスン製のものを採用しています。
肝心の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書き速度はいずれも4ケタをマークし、申し分のない速さです。ただし、ランダムはそこそこといったレベル。トータルで見ると標準的なNVMe SSDですね。実際の使用感はとても快適で、OSの起動からブラウジング、各種アプリの動作にいたるまでサクサク動きます。
温度
FF14実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
ピーク時でも70℃台の安定した温度をキープ。4コア8スレッドCPU×スリムボディにしてはよく冷えてるといった印象です。これなら夏場でも安心して使えます。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ


50デシベルを超えるとノイズが気になるようになりますが、ピーク時で51.1デシベルとやや超える程度となっています。ファンは高速回転していますが、甲高いファンノイズは控えめなので、さほど気にならないのはいいですね。
ちなみに最小時では46.7デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:バランス、より良いバッテリー
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約16時間と、モバイルノートの目安となる10時間を大幅に超えるロングライフバッテリーを実現しています。10万円以下のモデルでこのバッテリー持続時間は驚異的です!
便利なユーティリティーソフトを完備
付属アプリとして”Lenovo Vantage”がインストールされています。各種動作設定からシステムの更新などサポートに至るまで、このアプリで全て設定でき、とても便利なアプリです。
このモデルではカメラ部分にシャッターが装備されていませんが、”カメラ・プライバシー・モード”でカメラ機能を無効にすることができます。使わないときはこの機能を有効にすることにより、プライバシーをしっかり保護できます。
サウンドエンジンは有名どころの”Dolby Atmos”を搭載しています。Lenovo Vantageでは使う場面に応じ、ワンタッチで簡単に変更できるほか、Dolbyの専用アプリで好みのサウンドを設定できます。
なお肝心のスピーカーの音質ですが、低音~高音までよく伸び、迫力が感じられます。サウンドの質感は厚みがあり、サラウンドもよく効いているので、臨場感もバッチリ。内蔵スピーカーにしては上出来ですね。
まとめ&関連モデル
10万円以下にしては破格のクオリティで、重さも1.3kg台前半と14インチモデルにしては軽く、携帯性も良好。税・送料込みで7万円台~と恐ろしいコスパを実現しており、クオリティ重視の14インチモバイルノートとしておすすめ。
Yoga Slim 750i[Core i5搭載]
【スペック】
■OS:Windows 10
■ディスプレイ
14.0インチ フルHD ノングレア IPS
■CPU:Core i5-1035G4
■メモリ:8GB(LPDDR4X)
■グラフィック:Iris Plus Graphics(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 512GB(PCIe NVMe)
■【クーポン利用】141,680円⇒77,924円(税・送料込)~
インテルの第10世代4コア8スレッドCPU・Core i5-1035G4を搭載したスタンダードモデル。Core i7との性能差は約10%程度なので、とことん性能にこだわるのでなければ、このモデルで十分です。
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