今回レノボの【IdeaPad Slim 170 15.6型(AMD)】を購入しました。
実用的な15インチモデルがなんと4万円台から!圧倒的な価格の安さを誇るベーシックノートをチェックしてみましょう。
スペック
※2022年3月22日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
※割引クーポンは販売サイトに記載してあります。
外観
シンプルなデザイン
ベーシックモデルということで、造りはとてもシンプル。
ボディはオール樹脂製となっており、一部にアルミニウムを採用した上位シリーズとは、しっかり差別化されています。天板の処理もマットな感じではなく、ツルツルした仕上がりで、樹脂っぽさそのままといったところ。
デザインは機能美を追求した、いつものIdeaPadクオリティですね。
プレーンボディにはロゴのみと非常にシンプル。グレーの洗練されたカラバリも相まって、使う人を選ばない万能デザインとなっています。
ちなみに、レノボのノートPCは、他社に比べロゴのサイズが小さく、特にクセがないのがポイントです
トレンドはバッチリ押さえており、ディスプレイのベゼル(ふち)を上下左右、さらにスリムにすることで、従来モデルよりもさらにコンパクト。
また、厚さも17.9mmと2cm以下のスリムボディということもあり、重さは実測で1629gと軽くなっています。さすがにモバイルノート並みとはいきませんが、ちょっとした持ち運びにも便利です。
スタンダードなインターフェース
インターフェースもやはりシンプル。
USBは全3ポートと、15インチモデルにしてはやや少なめ。規格はUSB3.1 Gen.1&2.0のオーソドックスなラインナップで、そのうち左側面のUSB3.0ポートは、小型&リバーシブルのType-C端子を採用。
通常端子とあわせ、あらゆる周辺機器を接続できます。
そのほか映像出力用のHDMIポートやSDスロットを搭載しています。派手さはありませんが、普段使いに必要なものは一通りそろっています。
もちろん、レノボのモデルではおなじみ、カメラ部分のシャッターをバッチリ装備。デバイスからではなく、物理的にシャットアウトするので、プライバシー面も安心です。
ディスプレイ&キーボード
フルHDディスプレイ搭載
ディスプレイサイズは15.6インチですね。モバイルノートでおなじみの13&14インチよりも一回り大きく、だいぶゆとりがあります。解像度は現在主流のフルHDで表示領域が広く、大きめのディスプレイサイズも相まって、オフィス作業にも最適。
ちなみに、表面は映り込みの少ないノングレアタイプなので、自分の顔とにらめっこすることなく、作業に集中できるのも◎。
パネルはTNパネルということで、IPSパネルに比べ、発色とコントラストは低め。淡白で白っぽい感じの映像クオリティですね。
なお、視野角が狭いので、横から見ると色ムラがあります。ベーシックモデルなので、このあたりも割り切りが必要です。
ゆとりのあるキーボード
横幅の広い15インチサイズなので、テンキーをバッチリ搭載しています。
基本的なキーは大きめに造られ、EnterやShiftキー周りに連結キーこそあるものの、配置そのものは素直で誤爆の心配はまずありません。特に窮屈になりがちなテンキーの配置がきれいなのも好印象ですね。
電卓キーを装備するほか、カスタマイズ可能なキーを装備し、さらにファンクションキーのロック機能も備えており、とても便利です。
なお、キーピッチは約19mmとデスクトップキーボードなみのゆとりを確保しています。
キーストロークは浅すぎず深すぎず、標準的な深さとなっており、反発もそれなりに感じられ、打鍵感は良好です。ただし、キーボード面の剛性の弱さが玉に瑕。タイピング時のキーボード面のたわみがはっきりわかります。
スムーズなタッチパッド
タッチパッドは、パッド部分とクリックボタンが一緒になった、オーソドックスな一体型タイプとなっています。
タッチパッドはサラサラした感触です。適度な抵抗があり、滑りすぎずスムーズなカーソル操作が可能です。一方、クリックボタンの操作性がイマイチで、しっかり押し込まないと反応しないのは残念。。
キーボード・クリックボタンともに、造りこみが甘く、こればかりは価格なりといったところです。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト「CINEBENCH」で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。


このモデルでは、AMDの第3世代4コア8スレッドCPU・Ryzen 5 3500Uを搭載しています。2世代前のスタンダードCPUですが、現在のポジションでいうなら、ベーシッククラスとなります。
参考までに、最新世代のスタンダードCPU・Ryzen 5 5500Uと比較してみると、マルチ性能は約半分、シングル性能も約30%低く、大きく差をつけられています。Ryzen 5 5500Uは6コア12スレッドなだけあり、さすがに勝負になりません。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。
あくまでも内蔵グラフィックということで、性能は低め。インテルでいうなら、一昔前の内蔵グラフィック・UHD Graphicsと同等レベルとなっており、オンラインゲームには不向きです。
総合スコア | Graphics Score | CPU/Physics Score | Combined Score | |
Time Spy | 568 | 502 | 2285 | ー |
Fire Strike | 1424 | 1587 | 8694 | 471 |
Night Raid | 5654 | 6062 | 4093 | ー |
Sky Diver | 5373 | 5313 | 6357 | 4688 |
Cloud Gate | 9121 | 11328 | 5424 | ー |
Ice Storm | 58864 | 72007 | 35919 | ー |
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測るソフトです。
ブラウジングやオフィス作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、しっかりクリア。普段使いなら、十分実用的な性能です。
Ryzen 5 5500Uと比較してみると、両者の差は約53%とやはり大きめ。特に編集系のスコアで差が大きくなり、コア・スレッド数の差がもろに出ています。
動画エンコード
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・VCE/QSVでエンコードしています。なお、VCEはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のことです。
H.264 | 2Pass | 1Pass | VCE |
Ryzen 5 3500U | 1:01:37 | 31:22 | 6:29 |
Ryzen 5 5500U | 27:07 | 14:03 | 3:11 |
CPU性能が重要になるソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)、ハードウェアエンコードともに、2倍以上の差がついています。さすがに2コア4スレッドだと、編集用途には荷が重いですね。
H.265 | 2Pass | 1Pass | VCE |
Ryzen 5 3500U | 1:43:55 | 51:52 | 5:45 |
Ryzen 5 5500U | 45:05 | 22:17 | 2:59 |
重量級のH.265でもほぼ同じような結果となっています。
画像変換
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Ryzen 5 3500U | 3:28 | 12:36 |
Ryzen 5 5500U | 1:32 | 4:58 |
画像変換もCPU勝負となりますが、こちらも両者の差は2倍以上となり、コア・スレッド数の差が大きく出ています。
ドラクエ10
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
フルHD | 3559 | 5631 | 6061 |
超軽量級のオンラインゲームということで、フルHD・標準品質ならスコア5500以上をマークします。Ryzen 5 5500Uのざっくり半分程度のスコアで、UHD Graphicsとほぼ互角といったところですね。
FF14
おなじみの重量級ベンチマークです。スコア7000以上で【非常に快適】となり、スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
HD | 2274 | 3006 | 3619 |
フルHD | 1229 | 1655 | 2042 |
このクラスともなると、内蔵グラフィックレベルでは全く歯が立ちません。Iris Xe Graphicsなど、最新の内蔵グラフィックの性能は飛躍的に進化していますが、オンラインゲームはまだまだ厳しく、ドラクエレベルの超軽量級のものに限られます。
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは256GB SSDを搭載したシングルストレージ構成となっています。実質100GB未満の128GBに比べると容量に余裕があり、動画や画像などデータ類の保存にも対応できます。なお、SSDは通常のSSDよりも4~5倍速いNVMeタイプのSSDを採用しているのもポイント。
メーカーはストレージでおなじみ、WESTERN DIGITALのものを搭載。肝心の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)では読み込みのみ4ケタをマークし、ランダムの伸びもイマイチ。CPUが2世代前ということもあり、全体的に速度が伸び悩んでいる感じですね。
実際、Ryzen 5 5500Uに比べ、動作にキレがなく、ややもっさりしています。とはいうものの、HDDよりは格段に快適なので、ベーシックモデルなら十分なレベルです。
温度
CINEBENCH R15実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
2コア4スレッドCPUということもあり、ピーク時でも70℃前後と安定した温度をきっちりキープ。フルロード時でこの温度なので、夏場でも安心して使えます。
動作音
CINEBENCH R15実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ。


50デシベルが一つの目安となりますが、ピーク時でも49.8デシベルと、ほぼきっかりをマーク。ファンは高速回転していますが、耳障りなノイズは控えめなので、さほど気にならないですね。
ちなみに最小時では46.9デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:トップクラスの電力効率、インテリジェント・クーリング
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約4時間40分と、5時間に届かず。ベーシックモデルということで、バッテリーの持ちは短く、電源のない環境で使う際は注意が必要です。
便利なユーティリティーソフトを完備
付属アプリとして”Lenovo Vantage”がインストールされています。各種動作設定からシステムの更新などサポートに至るまで、このアプリで全て設定でき、とても便利なアプリです。
サウンドシステムには、有名どころの”Dolby”を採用しています。Lenovo Vantageでは使う場面に応じ、ワンタッチで簡単に変更できるほか、Dolbyの専用アプリで好みのサウンドを設定できます。
なお肝心の音質ですが、低~高音までよく伸び、音質にも厚みがあるので、迫力が感じられます。ただ、重低音に弱く、ちょっとこもった感じなのは、いかにもベーシックモデルといったところ。とはいえ、低価格モデルの内蔵スピーカーにしては上出来ですね。
まとめ&関連モデル
Ryzen 5搭載で4万円台と、破格の安さを実現!ベーシックモデルなので、ところどころ造りこみの甘さがありますが、ポイントはしっかり押さえており、十分実用的です。15インチモデルでとことん価格の安さにこだわるならおすすめ。
Ideapad Slim 550 15[Ryzen 5搭載モデル]
【スペック】
■OS:Windows 11
■ディスプレイ
15.6インチ フルHD ノングレア IPS
■CPU:Ryzen 5 5500U
■メモリ:8GB(DDR4-3200)
■グラフィック:Radeon Vega RX 7(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 256GB(PCIe NVMe)
■【クーポン利用】108,900円⇒65,340円(税・送料込)~
Ryzen 5 5500Uを搭載した上位モデル。アルミパネルにバックライト付きキーボード、IPSディスプレイなどを搭載しており、ワンランク上のクオリティを実現しています。
Ideapad Slim 550 15[Ryzen 3搭載モデル]
【スペック】
■OS:Windows 11
■ディスプレイ
15.6インチ フルHD ノングレア IPS
■CPU:Ryzen 3 5300U
■メモリ:8GB(DDR4-3200)
■グラフィック:Radeon Vega RX 6(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 256GB(PCIe NVMe)
■【クーポン利用】107,800円⇒57,134円(税・送料込)~
上のモデルをRyzen 3 5300Uにした、低価格バージョンです。Ryzen 5 3500Uと同じ4コア8スレッドですが、約40%ほど性能が高く、予算にこだわりつつ性能を求めるならおすすめ。
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