VAIO F14をレビュー リーズナブルなFシリーズ登場!高い品質とコスパを両立した14インチモバイルノート

今回VAIOの【VAIO F14】をお借りしました。

VAIOにもついにお手頃なモバイルノートが登場!軽くてリーズナブルな14インチモデルをチェックしてみましょう。

 

目次

スペック

  VAIO F14
カラー ネイビーブルー・ウォームホワイト・サテンゴールド
サイズ W322.9×D221.5×H19.5~19.7mm
重量 約1.34kg(実測1307g)
OS Windows 11 Home(64ビット)
CPU インテル Core i7-1355U
・10コア12スレッド
・定格1.7/最大5.0GHz
メモリ 32GB(LPDDR4X)
ストレージ 512GB(PCIe NVMe)
グラフィクス Iris Xe Graphics(CPU内蔵)
ディスプレイ 14.0インチ、フルHD、ノングレア
インターフェース USB 3.1 Ge.2 Type-C、USB 3.0 Type-A×3、HDMI、LANポート、microSDスロット、マイク入力/ヘッドフォン出力
光学ドライブ ×
カメラ HDカメラ Windows Hello 顔認証対応(約92万画素)
スピーカー 内蔵ステレオスピーカー
キーボード バックライト付き日本語キーボード
Wi-Fi IEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax
Bluetooth 5.1
保証 3年(最大4年)
価格 199,800円(税込)~
付属品 ・各種マニュアル
・電源アダプタ(65W・177g)
・電源ケーブル(46g)

※2023年8月19日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。

 

外観

軽量の14インチボディ

最近人気の14インチサイズのモデルですね。モバイルノートで定番の13インチモデルよりも大きな画面を搭載し、それでいて軽く、まさに一石二鳥。

 

ボディをコンパクトにするため、ベゼル(ふち)が狭い”スリムベゼル”を採用し、横幅と奥行きをできる限り圧縮。

 

その結果、A4ファイルサイズ並みのサイズを実現しています。

 

さらに、厚さも2cm以下となっており、カバンにラクラク収納できます。

 

スタンダードモデルということで、オーソドックスな樹脂製ボディとなっていますが、重さは実測で1307gと軽く、携帯性は良好です。

ちなみに、14インチモデルは1.4~1.5kgが標準的なので、かなり軽い部類に入ります。13インチモデルと同等レベルですね。

 

デザインは上位のSXシリーズをベースにしており、すっきりした直線フォルムに、スリムボディも相まって、とてもスタイリッシュ。

 

カラバリは、貸出機のネイビーブルーに加え、サテンゴールド・ウォームホワイトの3色が用意されています。定番カラーから、華やかなカラーまで幅広く選べるのはいいですね。

 

リフトアップヒンジ搭載

機能面もしっかり考えられており、”リフトアップヒンジ”を搭載しています。リフトアップヒンジとは画面を開いたときに、ボディがせり上がるギミックのこと。

 

適度な傾斜ができるためタイピングしやすくなるほか、接地面とパソコンの間にすき間が空くことで、給排気がスムーズになり、冷却能力もアップします。

VAIOのモデルは傾斜が特に大きく、かなりタイピングしやすいのは◎。

 

充実したインターフェース

インターフェースはモバイルノートらしからぬ充実ぶりです。

 

USBは全4ポートと、モバイルノートにしては多めに搭載。すべてのポートがUSB 3.2規格で、そのうち小型&リバーシブルのType-Cポートは、最大10Gbpsの転送速度に対応したUSB 3.2 Gen.2規格となっています。

Type-CとType-Aポートの両方を搭載しているので、変換ケーブルを使うことなく様々な周辺機器に対応できるのは◎。

 

また、映像端子にHDMIポートを搭載するほか、モバイルノートで省略されがちなLANポートを搭載する徹底ぶりで、普段使いに必要なものは一通り網羅しています。SDスロットがあればなおよかったですね。

 

安心のセキュリティ機能

プライバシーやセキュリティ面にも配慮され、カメラ部分にシャッターを装備しています。使わないときはシャッターを閉めることで、プライバシーを保護することができ、とても安心。

さらに、電源ボタンは指紋認証センサーを兼ねているほか、顔認証センサーを搭載する充実ぶり。本人認証のため、ログインパスワードよりも安全。また、ログインの際わざわざパスワード入力することなく、とてもスムーズです。

 

ディスプレイ&キーボード

IPSパネル搭載の高品質ディスプレイ

ディスプレイは、モバイルノートではやや大きめの14.0インチサイズを搭載しています。主流の13.3インチに比べると一回り大きく、ゆったりとした感じで視認性は上々です。

なお、解像度は現在主流のフルHDとなっています。

 

IPSパネルに近い映像クオリティで、発色&高コントラストはともに高く、くっきり鮮やか。

 

横から見ても色むらがほとんどありません。

 

完成度の高いキーボード

キーボード面はアルミパネルでカバーされ、オシャレなヘアライン加工も相まって、ワンランク上クオリティを実現しています。

 

テンキーを省略しているので、だいぶゆとりがあります。基本的なキーは大きく造られ、キーピッチも約19mmとデスクトップキーボード並みの間隔を確保。さらに、配置そのものも素直ということもあり、誤爆の心配はまずありません。

 

ファンクションキーは基本的なものにプラスして、タッチパッド無効キーやカスタマイズ対応キーを搭載。カスタマイズ対応キーはF8~F12まで設定でき、かなり充実しています。

なお、ファンクションロックは、イメージの設定ツールで変更可能です。

 

キーストロークは、深めで反発も適度にあり、打鍵感は上々。ちなみに、キートップは中央部分がカーブしており、指になじみやすくなっているのもポイントです。

ちなみに、SXシリーズとは異なり、バックライトは非搭載です。基本的にPCは明るいところで使うので、なくても特に問題ありません。

 

分離タイプのタッチパッド

タッチパッドは、パッド部分とクリックボタンが別の分離タイプとなっています。最近ではこのタイプがめっきり減っているので、とても貴重です。

 

タッチパッドはサラサラした素材になっており、カーソル操作はとてもスムーズ。クリックボタンも分離しているので、一体型よりも操作性がとても高く、軽く押すだけでしっかり反応し、非常に快適。クリック音が小さいのもグッドです。

 

 

ベンチマーク

各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。

CINEBENCH

まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。

 

CPUはインテル第13世代の10コア12スレッドCPU・Core i7-1355Uを搭載しています。最新世代ではありますが、中身は前世代の”Alder Lake”をベースにしており、Core i7-1255Uのクロックアップバージョンといったところですね。

第12世代から設計が一新され、高性能の”P-コア”と省エネの”E-コア”を搭載した、Wコア構成を採用しているのがポイント。タスクに応じて、各コアを使い分け、場合によっては両者を併用することで、効率よく処理できるのが強みです。

ちなみに、ノート用の第13世代CPUには、Hシリーズ・Pシリーズ・Uシリーズの3タイプがあり、一番下位のグレードとなります。

 

参考までに、ワンランク下のCore i5-1335U(10コア12スレッド)と比較してみると、シングル性能は約13%、マルチ性能は約22上回っています。

 

3DMARK

3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。

DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)・RT(Port Royal)それぞれの条件で測定することができます。

 

内蔵グラフィックは、高性能の”Iris Xe Graphics”を搭載。その性能はMX400に匹敵するレベルで、内蔵タイプにしては破格の性能となっています。基本的な編集作業ならIris Xe Graphicsで十分対応できます。

  総合スコア Graphics
Score
CPU/Physics
Score
Combined
Score
Time Spy 1807 1612 5755
Night Raid 16471 20872 7505
Fire Strike 4818 5162 17616 1862
Sky Diver 15012 14863 15678 15195
Cloud Gate 19763 27013 10191
Ice Storm 92296 102656 68205

 

PCMark 10

【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測る定番ソフトです。

 

ブラウジングやオフィス作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、スコア5000の大台を突破。ブラウジングやオフィス作業などの軽作業はもちろん、動画・画像編集にもしっかり対応できます。

なお、Core i5-1335Uとの差は総合スコアで約5%程度。普段使いでの使用感はほとんど変わりません。

 

TMPGEnc Video Mastering Works 7

【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。結果は秒で表記しています。

 

エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・QSVでエンコードしています。なお、QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。

 

H.264(フルHD) 2Pass 1Pass QSV
Core i7-1355U 1719 883 163
Core i5-1335U 1808 916 175

まず軽めのH.264をチェック。CPU勝負のソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では、Core i7-1355UがCore i5-1335Uよりも早く変換を完了していますが、その差はわずか4~5%。また、QSVでも約7%差と小さめです。

 

H.265(フルHD) 2Pass 1Pass QSV
Core i7-1355U 3062 1519 215
Core i5-1335U 3030 1504 242

次に重量級のH.265をチェック。H.264とは打って変わって、ソフトウェアエンコードではCore i5が逆転しますが、ほぼ互角。一方、QSVではCore i7がCore i5に約11%差をつけています。

 

Lightroom Classic CC

【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。結果は秒で表記しています。

JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。

 

  CR2→DNG CR2→JPEG
Core i7-1355U 30 166
Core i5-1335U 30 209

このテストはCPU勝負で、軽めのDNG変換では全く同じ。一方、重量級のJPEG変換ではCore i7-1355UがCore i5-1335Uより早く変換を完了し、約21%と大きめの差をつけています。

 

ドラクエ10

グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。

  最高品質 高品質 標準品質
フルHD 9720 11461 12114

オンラインゲーム屈指の軽量級ゲームということで、フルHDでスコア10000を軽々突破します

 

FF14(ファイナルファンタジー14 暁月の終焉)

 

知名度バツグンの国内産MMORPGですね。スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。現行のゲーミングPCであれば、フルHD・最高設定でスコア9000をしっかり超えたいところ。

  最高品質 高品質 標準品質
HD 6774 9046 10069
フルHD 3992 5616 7299

重めのゲームなので、スコア9000オーバーには、解像度をHDまで落とす必要があります。フルHDでオンラインゲームを楽しめるのは、ドラクエ10やVALORANTなど軽めのものに限られ、基本的にはHDが適正レベルですね。

以前はまともに動かすことすら厳しかったことを考えると、大幅な進化を遂げているのは確かですが、ゲームで使うにはまだまだ性能が足りません。

 

CrystalDiskMark

【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックするソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。

 

このモデルは超大容量の1TB SSDを搭載しており、動画や画像などかさばるデータ類を多く保存できます。もちろん、SSDは通常タイプよりも4~5倍速いNVMeタイプを採用し、メーカーはKIOXIAとなっています。

その実力ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書きは1000~3000MB/s台と控えめですが、ランダムの速度は最高600~700MB/sとかなり良好。ランダム速度が光りますが、シーケンシャルがごくごく普通レベルということで、トータルではスタンダードクラスのNVMe SSDといった感じですね。

もちろん、OSの起動からブラウジング、各種アプリの動作にいたるまでサクサク動いて、とても快適です。

 

温度

FF14実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。

 

安定性重視の動作システムとなっており、ピーク時ではP-コアの温度が80℃前後、動作クロックは2.5~2.6GHzに抑えています。スリム&コンパクトモデルでは標準的な温度&動作クロックですね。

 

動作音

FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ

 

50デシベルを超えるとノイズ感が気になるようになりますが、この通り52.6デシベルと大きく上回っています。ファンは豪快に回転しており、少しうるさく感じます。

なお、最小時は46.9デシベルとありますが、アイドル状態なので、ほぼ無音です。

 

バッテリー持続時間

「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。

  • 電源設定:バランス、標準
  • バックライト:40%
  • 10秒ごとにキー入力
  • 1分ごとに無線LAN経由でネット接続

結果は、約10時間40分と、モバイルノート目安となる10時間をしっかり超えています。これなら出先でも安心して使えます。

 

便利なユーティリティー機能

システムコントロールでは、動作モードの変更やファンクションキーの設定などをワンストップで変更できます。とてもシンプルなツールで、わかりやすいのがいいですね。

 

サウンドシステムは、有名どころの”Dolby Atmos”を搭載しており、イコライザで好みのサウンドを設定できます。

肝心の音質ですが、低音~高音まで伸び、重低音もしっかり再現。サラウンドも効いていますが、肝心の音質が軽めなので、いまいち迫力に欠けます。

 

まとめ&関連モデル

傾斜の付いたリフトアップヒンジや指紋&顔認証センサーなど、スタンダードモデルながら高いクオリティを実現。また、14インチモデルで1.3kg台と軽く、携帯性も優れています。価格は12万円台~とVAIOにしてはかなり安く、コスパも優れています。

14インチのモバイルノートで、キーボードの品質を特に重視するならおすすめです。リフトアップヒンジの傾斜角は一級品ですね。

 

 

VAIO F14[ベースモデル]

【スペック】
■OS:Windows 11
■ディスプレイ
14.0インチ フルHD ノングレア
■CPU:Core i3-1315U
■メモリ:8GB
■グラフィック:UHD Graphics(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 256GB(PCIe NVMe)
■価格:122,800円(税込)~

カスタマイズのベースとなるモデルです。6コア8スレッドのCore i3-1315Uを搭載しており、ブラウジングやオフィス作業はもちろん、軽めの編集作業にも使えます。

なお、編集作業でのパフォーマンスを重視するなら、Core i5-1335U×16GBメモリがおすすめです。

 

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