今回HPの【HP Pavilion 15-eg3000 パフォーマンスモデル】をお借りしました。高い完成度とコスパで人気の15インチド定番モデルをチェックしてみましょう。
スペック
※2023年9月23日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
外観
洗練されたデザイン
スタンダードモデルながらクオリティが高く、天板にはアルミパネルを採用しています。
金属ならではの高い質感もさることながら、剛性が高いため、開け閉めの際にたわみにくいのもポイントです。
ボディカラーのセンスも良く、深みのある色合いにより、高級感を感じさせます。
カラーもさることながら、デザインも秀逸。曲線主体のフォルムに、パーツの継ぎ目を極力排除した”ユニボディ”構成とすることで、一体感のある優美なフォルムに仕上がっています。
一体型なので剛性も高く、実用面もぬかりありません。
なお、カラバリは貸出機のフォグブルーのほか、セラミックホワイトが用意されています。ホワイトは汚れなどが気になりますが、AED(アニオン電着塗装)により、指紋汚れやキズに強く、安心して使えます。
スタイリッシュなスリムボディ
15インチモデルにしてはコンパクト&軽量なのもポイント。
ディスプレイのベゼル(ふち)をスリム仕様にすることにより、横幅と奥行きを圧縮し、従来の15インチモデルよりもコンパクトなボディを実現しています。
また、見た目もスッキリし、スタイリッシュなイメージに仕上がっています。
コンパクトな分ボディの重さも軽く、実測で1712gと、2kgを大きく下回っています。サイズ的にも、さすがにモバイル用として使うのは厳しいものの、ちょっとした持ち運びに便利ですね。
ポイントをおさえたインターフェース
基本的なインターフェースは一通りそろっています。
USBは全3ポート搭載し、15インチにしては最小限といったところ。
左サイドに搭載された小型&リバーシブルのType-Cポートは、最大10Gbpsの高速転送に対応し、DisplayPort出力もできる高規格タイプとなっています。もちろん、通常のType-Aポートも装備しており、あらかたの周辺機器を接続可能です。
画像出力にはHDMIポートが用意されているほか、Type-CポートはDisplayPort出力を兼ねています。
ディスプレイ&キーボード
IPSパネル採用
ディスプレイサイズは15.6インチサイズで、解像度は現在主流のフルHDとなっています。HDよりもきめ細かい画面表示ができるほか、表示領域が広く、オフィスソフトでの作業もはかどります。
パネルにはIPSパネルを採用。高コントラスト・高発色・高視野角の3点を兼ね備え、さらに透明感のあるグレアディスプレイも相まって、美しい映像を堪能することができます。動画鑑賞などエンターテインメント用途にも最適です。
この通り、横から覗いても色ムラはほとんどありません。
ちなみに、タッチ操作にも対応しています。表面はとても滑らかで、カーソル&タッチ操作はとてもスムーズ。ただ、2in1タイプとは違い、ディスプレイを開いたままのタッチやペン操作はどうにも安定しません。「あれば便利」くらいといったところですね。
指紋認証センサー装備
ワイドな15インチボディなので、テンキー付きのフル規格キーボードとなっています。
キーはすべて独立し、配置そのものは非常に素直。テンキーの配置がデスクトップそのもので、使いやすいのはグッドですね。キーピッチは約18.5mmと標準的な間隔が確保されていますが、最近では19mmが主流なので、あともう一声ほしいところ。
なお、Deleteキーの横に電源ボタンが配置されていますが、ボタンそのものは固めで、しっかり押し込まないと反応しないようになっており、誤爆の心配はまずありません。
キーストロークはやや深めとなっており、適度な反発も相まって、サクサク快適にタイピングできます。
トレンドをバッチリおさえており、白色LEDを内蔵しています。ふわっと上品に光な光り方で、洗練されたデザインとの相性は。もちろん、ファンクションキーでOFF+2段階での切り替えが可能です。
セキュリティ面にもしっかり配慮され、指紋認証センサーを装備。生体認証なので安心なのはもちろん、ワンタッチでログインでき、とても便利です。
カメラ部にプライバシーシャッターがあれば完璧でしたね。
滑らかなタッチパッド
キーボードだけでなく、タッチパッドの完成度も高いのがポイント。
タッチパッドはサラサラした材質で、適滑りすぎずスムーズなカーソル操作が可能です。また、クリックボタンも柔らかく、軽い力で反応し、動作音も非常に静か。
タッチパッド周囲は美しいダイヤモンドカット加工に仕上げる徹底ぶりで、まさにお値段以上の完成度となっています。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。
CPUはインテル第13世代の10コア12スレッドCPU・Core i7-1355Uを搭載しています。最新世代ではありますが、中身は前世代の”Alder Lake”をベースにしており、Core i7-1255Uのクロックアップバージョンといったところですね。
第12世代から設計が一新され、高性能の”P-コア”と省エネの”E-コア”を搭載した、Wコア構成を採用しているのがポイント。タスクに応じて、各コアを使い分け、場合によっては両者を併用することで、効率よく処理できるのが強みです。
ちなみに、ノート用の第13世代CPUには、Hシリーズ・Pシリーズ・Uシリーズの3タイプがあり、一番下のグレードとなります。
実際の性能ですが、マルチスコアが7000台までしか伸びず、core i5レベルとだいぶ控えめですね。
参考までに、兄弟モデル(Pavilion 15 eh-3000)に搭載されている、AMDの第7世代8コア16スレッドCPU・Ryzen 7 7730Uと比較すると、シングル性能は約29%上回る一方で、マルチ性能は約22%下回っています。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。Vulkan(Wild Life)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。
内蔵グラフィックは、高性能の”Iris Xe Graphics”を搭載。その性能はMX400に匹敵するレベルで、内蔵タイプにしては破格の性能となっています。基本的な編集作業ならIris Xe Graphicsで十分対応できます。
総合スコア | Graphics Score |
CPU/Physics Score |
Combined Score |
|
Time Spy | 1636 | 1460 | 5192 | ー |
Fire Strike | 4184 | 4665 | 14925 | 1467 |
Night Raid |
14423 | 18145 | 6671 | ー |
Sky Diver | 13638 | 14089 | 12264 | 12723 |
Wild Life | 11903 | ー | ー | ー |
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測るソフトです。
ブラウジングや各種編作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、余裕でクリア。スコア5000半ばの非常に高いスコアをマークしています。ブラウジングやオフィス作業などの軽作業から、動画・画像編集などのヘビーな作業も余裕でこなせる性能です。
なお、総合スコアはRyzen 7 7730Uとほぼ同じ。普段使いなら同じような使用感ですね。
TMPGEnc Video Mastering Works 7
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。結果は秒で表記しています。
エンコーダーはH.264およびH.265を利用し、それぞれ2パス・1パス・VCE/QSVでエンコードしています。なお、VCE/QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE/QSV |
Core i7-1355U | 1864 | 906 | 182 |
Ryzen 7 7730U | 1384 | 701 | 167 |
まず軽めのH.264をチェック。CPU勝負のソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では、Ryzen 7 7730Uがだんぜん有利で、Core i7-1355Uよりも約23~26%早く変換を完了しています。
また、グラフィック機能を用いたハードウェアエンコードでも、Ryzen 7がCore i7に約8%差をつけています。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE/QSV |
Core i7-1355U | 3434 | 1707 | 219 |
Ryzen 7 7730U | 2584 | 1269 | 166 |
次に重量級のH.265をチェック。ソフトウェアエンコードでは変わらずRyzen 7が有利で、Core i7よりも約25~26%早く変換を完了。なお、ハードウェアエンコードでは両者の差が拡大し、約26%にもなります。
Lightroom Classic CC
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。結果は秒で表記しています。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Core i7-1355U | 30 | 193 |
Ryzen 7 7730U | 28 | 169 |
このテストもCPU勝負ですが、こちらもRyzen 7 7730Uが有利。Core i7-1335Uと比較して、軽めのDNGでは約7%、重量級のJPEG変換では約12%早く変換を完了しています。
VALORANT(ヴァロラント)
解像度:フルHD
ゲーム設定:高/中/低(アンチエイリアス”FXAA”、異方性フィルタリング”16x”)
プレイモード:アンレート
平均(最低)fps | 高 | 中 | 低 |
フルHD | 103(83)fps | 114(90)fps | 124(101)fps |
ノートでも動かせる超軽量級のFPSゲームです。競技性の高いゲームなので、できれば100fps以上は欲しいところ。
トップクラスに軽いゲームということで、フルHDでも平均100fps以上を狙えます。ただし、ディスプレイは60Hz出力なので、最高でも60fps止まりという点には注意です。
FF14(ファイナルファンタジー14 暁月の終焉)
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
HD | 6024 | 8053 | 9381 |
フルHD | 3227 | 4232 | 5917 |
知名度バツグンの国内産MMORPGですね。スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。快適にプレイするなら、フルHD・最高設定でスコア9000をしっかり超えたいところ。
さすがにこのクラスともなると厳しく、HD・標準品質まで落としてようやくスコア9000をクリアします。内蔵グラフィックの性能も進化していますが、オンラインゲームを快適にプレイするにはまだまだ足りないですね。
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックするソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは大容量の500GB SSDを搭載しています。オーソドックスな256GBの約2倍の容量で、動画や画像などのかさばるデータ類を多く保存可能です。SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプを採用し、インテル製となっています。
肝心の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)は1000~3000MB/s、ランダムは最高400MB/s台をマークし、ごく普通レベルといったところですね。もちろん、SSDということで起動はとても早く、各種アプリの動作もサクサク動いて快適そのもの。
温度
CINEBENCH R23実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
安定性重視の動作システムとなっており、P-コアの動作クロックは2.5GHzと控えめで、温度は70℃台後半に抑えています。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ
50デシベルが目安となりますが、ピーク時で49.1デシベルと若干下回っています。ファンは高速回転していますが、ノイズ感はだいぶ控えめで、うるさく感じません。
ちなみに最小時では46.9デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:トップクラスの電力効率
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約6時間30分をマーク。さすがに10時間に届かないものの、5時間を超えているので、電源のない環境でも使えます。
便利なユーティリティー機能
パソコンのサポートツールとして”HP Support Assistant”が用意されており、ハードウェアの診断からサポートまでワンストップで実行できます。
ビジネスモデルながらサウンドにもこだわっており、デンマークの高級オーディオメーカー”BANG & OLUFSEN”のサウンドシステムを採用しています。
肝心のサウンドクオリティですが、低音~高音域までしっかり伸び、重低音もしっかり再現。音質には厚みがあり、サラウンド効果もしっかり効いているので、迫力もバッチリ。海外メーカーらしく、クオリティは上々です。
まとめ&関連モデル
アルミパネルを採用した美しいボディは細部まで造りこまれ、バックライト付きキーボードや指紋認証センサーなど装備も充実しており、トータルで非常に高いクオリティを実現しています。据え置きタイプで予算を重視しつつ、クオリティにもこだわりたい方におすすめです。
Pavilion 15-eh3000 パフォーマンスモデル
【スペック】
■OS:Windows 11
■ディスプレイ
15.6インチ フルHD グレア IPS タッチ対応
■CPU:Ryzen 7 7730U
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラフィック:Radeon Vega RX 8(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 512GB(PCIe NVMe)
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