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HP ENVY x360 14-fa0000をレビュー 有機ELディスプレイ搭載!高いクオリティとコスパを両立したプレミアムな14インチ2in1ノート

今回HPの【HP ENVY x360 14-fa0000】をお借りしました。14インチの2in1モデルで屈指の軽さを誇る、有機ELディスプレイ搭載のプレミアムモバイルノートをチェックしてみましょう。

目次

スペック

HP ENVY x360 14-fa0000 パフォーマンスモデル
カラーメテオシルバー
サイズW313×D218×H16.9mm
重量約1.39kg(実測1386g)
OSWindows 11 Home
CPURyzen 7 8840HS(8コア16スレッド・定格3.3/最大5.1GHz)
メモリ16GB(オンボード・LPDDR5-6400)
ストレージ1TB SSD(PCI-e NVMe Gen.4)
グラフィクスRadeon 780M
ディスプレイ14.0インチ、2.8K(2880×1800)、グレア、有機EL、400nit、120Hz、
タッチ対応
インターフェースSuperSpeed USB Type-C 10Gbps ×2、
SuperSpeed USB Type-A 10Gbps ×2、HDMI 2.1、
マイク入力/ヘッドフォン出力
光学ドライブ×
カメラ5MP IR カメラ(約500万画素)
スピーカーAudio by Poly Studio 内蔵クアッドステレオスピーカー
キーボードバックライト付き日本語キーボード
Wi-FiIEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax
Bluetooth5.3
バッテリー最大約10時間30分
保証1年(最大3年)
価格232,100円149,800円(税込)~
※2024年12月31日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
付属品

電源アダプタ(65W・201g)/電源ケーブル(106g)/
HP 430 マルチデバイスワイヤレスマウス(106g)/各種マニュアル

外観

美しいアルミボディ

プレミアムモデルということで、クオリティはかなり高め。

ボディの素材には上質なアルミニウム素材を採用しており、表面の処理は非光沢の梨地仕上げで美しい仕上がりを実現しています。

金属ボディということで剛性がとても高く、開け閉めの際などたわみなく安定しており、頼もしい限り。頻繁に持ち運ぶモバイルノートとの相性もバツグンです。

丸みを帯びた美しいフォルムと、落ち着きを感じさせるメテオグレーにより、とても洗練された印象を受けます。上位モデル限定の、スタイリッシュなHPのロゴもバッチリきまっていますね。

ちなみに底面はこのようになっており、手前側にスピーカーがついているのがわかります。

コンパクトボディ

このモデルは、14インチサイズのモバイルノートです。13インチよりもディスプレイのサイズが大きく、それでいて携帯性も高いので、最近人気のサイズとなっています。

ディスプレイのベゼル(ふち)を上下左右に極限までスリムにすることで、横幅と奥行きを圧縮。

それによりA4ファイルきっかりのコンパクトボディを実現しています。

また、厚さも最厚部で16.9mmとスリムなこともあり、カバンにサクッと収納できます。肝心の重さですが、構造上重くなりがちな2in1モデルながら1386gと1.3kg台に抑えており、携帯性は良好です

フレキシブルに使える2-in-1タイプ

最近はやりの2in1ノートパソコンで、360°回転するコンパーチブルタイプとなっています。

360°回転しタブレットとして使えるだけでなく、テント型にして寝そべりながら動画を見る、さらにスタンドモードにしてイラストを書くといったフレキシブルな使い方ができ、とても便利です。

パネル表面はとても滑らかになっており、スクロールやタッチ操作はとてもスムーズ。クセになる感触といってもいいくらいのレベルで、かなり完成度が高いです。

ヒンジも頑丈に造り込まれ、無段階稼働で任意の角度にピタッと止まります。ヒンジは無骨なものではなく、ボディのイメージににあわせた、美しいデザインに仕上げているのもいいですね。

もちろん、キーボードを180°以上回転させるとキーボードが動作しなくなるので、誤操作の心配もありません。

高速インターフェース

USBは全4ポート搭載。超高速の”Thunderbolt 4”ポートは非搭載ながらも、すべてのポートが10Gbpsの高速転送に対応しているのはポイント高いですね

小型&リバーシブルのType-Cポートのほか、通常タイプのType-Aポートも用意されているので、あらかたの周辺機器を接続できます。

そのほか、映像出力用としてHDMIポートが用意され、Type-CポートもDisplayPort出力を兼ねています。

安心のセキュリティ機能

プライバシーにもしっかり配慮され、カメラ部分にシャッターを装備。デバイスからではなく、物理的にシャットアウトするのでとても安心です。

さらに、顔認証センサーを装備しているほか、パソコンから離れると自動的にディスプレイがOFFになるなど、セキュリティ面も万全です。

ディスプレイ&キーボード

有機ELディスプレイ搭載

ディスプレイは14.0インチきっかり。13.3インチよりも一回り大きく、ゆとりを感じさせますね。

ディスプレイのクオリティが非常に高く、パネルにはなんと有機ELパネルを採用しています。最近話題の有機ELですが、黒の色味が液晶ディスプレイとは一味違います。まさに「漆黒」という感じ

黒さの理由は、有機ELでは画面の素子自体が光るのでバックライトが必要なく、コントラスト比が圧倒的に高い(100万:1)から。バックライトで画面を照らし出す通常の液晶ディスプレイでは、どうしても光が漏れてしまい、黒い画面が白っぽくなってしまいます。

一般的なパネルとの違いは一目瞭然。

ディスプレイの解像度は2.8K(2880×1800)とかなり高め。フルHDはおろか、WQHDよりもさらに高い解像度で、精細な映像を描写できます。上のイメージはWQXGAと比較したものですが、表示領域も広く、作業がよりはかどります。

また、ディスプレイ比率が16:10と主流の16:9タイプよりもやや縦長なので、一度に表示できる情報量が多く、スクロールの手間が省けるのは便利です。

なお、パネルのクオリティは高く、コントラスト&発色に優れており、輝度は400nitと高め。くっきり鮮やかな画面で動画鑑賞や各種編集作業も捗ります。

また、リフレッシュレートが120Hzという高速仕様となっています。1秒間に描写できる枚数は、通常の60Hzディスプレイの2倍!滑らかな描写性能により、動きの激しいFPSゲームなどに最適です。

このモデルでは、TÜVの”Eyesafe認証”を受けた、目に優しいブルーライト低減パネルを搭載しているのがポイント。

液晶パネル自体がブルーライトを低減するので、別途フィルムを用意したり、ディスプレイの発色を変えたりする必要がありません。自然な発色と目の疲れにくさを両立した、優れたパネルとなっています。

完成度の高いキーボード

13インチよりも横幅は大きいものの、テンキーは非搭載ですね。

ほぼすべてのキーが独立しており、各キーは大きめに造られ、配置そのものも素直。キーピッチは約18.5mmと標準的な間隔が確保されているので、誤爆の心配はまずありません。

唯一気を付けるとしたら、一番右上の電源ボタンでしょうか。ただ、ほかのボタンよりも固めになっており、普通に押したくらいでは反応しないので、そこまで心配する必要はなし。

ファンクションキーは基本的なものにプラスして、カスタマイズに対応したキーを装備しています。

キーストロークはノートにしてはやや深く、適度な反発も相まって打鍵感は良好です。また、キーボード面の剛性が高く、タイプ圧が強い方も安心。

上位モデルらしくキーボードのバックライト(白色LED)を搭載し、薄暗い場所でタイピングしやすくなるだけでなく、見た目も華やかになり、まさに一石二鳥ですね。

造りこみの高いタッチパッド

タッチパッドは、パッド部分とクリックボタンが一緒になった、オーソドックスな一体型タイプとなっています。

表面はとても滑らかで、カーソル操作は非常にスムーズ。クリックボタンも軽く押すだけで反応し、クリック音が控えめなのもグッドです。

ベンチマーク

各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。

CINEBENCH

まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト”CINEBENCH”で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。

CPUはAMDのRyzen 7 8840HS(8コア16スレッド)を搭載。ZEN 4アーキテクチャをベースにした8040シリーズのCPUで、上位のHSモデルとなります。

このCPUの特徴として、AI処理に特化したエンジン(NPU)を搭載しています。”Adobe Premiere Pro”のAI機能や”Stable Diffusion Web UI”などをお手軽に使うことができます。

参考までに、下位のCPU・Ryzen 5 8540U(6コア12スレッド)と比較してみると、シングルスコアはほぼ互角ですが、マルチスコアは約28%と大きく差をつけています。

ちなみに、Ryzen 8040シリーズのうち、Ryzen 5 8540UとRyzen 3 8440UのみNPUが非搭載という点に注意です。

3DMARK

”3DMARK”は、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。

Vulkan(Wild Life)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。

このCPUの内蔵グラフィックは、”Radeon 780M”となっています。内蔵グラフィックにしては性能が高く、軽めのオンラインゲームではフルHDでもプレイできるほどです。

TotalGraphicsCPU/PhysicsCombined
Time Spy285625598393
Night Raid253453164311912
Fire Strike71017627225482791
Sky Diver23033243881874221464
Wild Life14005

PCMark 10

”PCMark 10”は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測るソフトです。

ブラウジングや各種編作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、余裕でクリア。動画や画像編集でも十分使える性能です

なお、Ryzen 5 8540Uとの差は、総合スコアで約12%となっています。特に負荷の高い編集・レンダリング作業では約35%もの差がついており、編集作業の機会が多い方はマルチコア&高性能グラフィック搭載のRyzen 7がおすすめです。

TMPGEnc Video Mastering Works 7

”TMPGEnc Video Mastering Works 7”を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。

エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・QSVでエンコードしています。なお、QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。

H.264(フルHD)2Pass1PassQSV
Ryzen 7 8840HS1015543135
Ryzen 5 8540U1541832141

CPU性能が重要になるソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では、コア・スレッド数の多いRyzen 7 8840HSが圧倒しており、Ryzen 5 8540Uより約34~35%早く変換を完了しています。

なお、グラフィック機能を利用したハードウェアエンコードでは、両者の差が4%と小さめです。

H.265(フルHD)2Pass1PassQSV
Ryzen 7 8840HS1699908131
Ryzen 5 8540U23171188135

重量級のH.265でも同じような傾向となり、両者の差はソフトウェアエンコードでは約24~27%差、ハードウェアエンコードで約3%差となっています。

Lightroom Classic CC

”Lightroom Classic CC”を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)を最高画質のJPEG画像に書き出す時間を計測しました。結果は秒で記載しています。

JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。

Ryzen 7 8840HSRyzen 5 8540U
102130

画像変換もCPU勝負となりますが、このテストでもRyzen 7 8840HSが圧倒的に有利で、Ryzen 5 8540Uより約22%早く変換を完了しています。

VALORANT(ヴァロラント)

測定条件

ゲーム設定:高/中/低(アンチエイリアス”FXAA”、異方性フィルタリング”16x”)

プレイモード:アンレート

平均(最低)fps
XGA181(131)fps211(165)fps246(195)fps
WUXGA160(117)fps174(144)fps204(170)fps
2.8K107(87)fps118(100)fps137(118)fps

超軽量級のFPSゲームです。競技性の高いゲームなので、できれば100fps以上は欲しいところ。オンラインゲームではトップクラスの軽さといえども、2.8Kで120Hzディスプレイを生かせるのはすごいですね

Rainbow Six Siege(レインボーシックスシージ)

測定条件

ゲーム設定:最高/超高/高/中/低(レンダリング解像度”50”)

プレイモード:ベンチマークテスト

平均(最低)fps最高超高
WXGA136(96)fps146(111)fps161(122)fps175(142)fps
WUXGA90(69)fps82(62)fps101(78)fps139(101)fps
WQXGA47(36)fps48(40)fps54(45)fps59(49)fps

軽めのFPSゲームです。競技性の高いゲームなので、できれば100fps以上は欲しいところ。

2.8Kこそ厳しいものの、WUXGAでは平均90fps~と安定してプレイできます。軽めのゲームなら内蔵グラフィックでも対応できるレベルに来ていることがわかります。

FF14(ファイナルファンタジー14 黄金の遺産)

最高品質高品質標準品質
XGA549478788177
WUXGA335152125479
2.8K166233583466

知名度バツグンの国内産MMORPGで、スコア9000以上で平均60fps以上をキープできます。

アップスケーリングのFSRを適用していますが、いずれの設定でもスコア9000をクリアならず。ゲーミングPCとして使うなら、このくらいは軽く動かせないとダメですね。

CrystalDiskMark

”CrystalDiskMark”は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。

このモデルは超大容量の1TB SSD(Western Digital)を搭載しており、動画や画像などかさばるデータ類を多く保存できます。SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプで、爆速のPCIe Gen.4規格を採用する本格派仕様。

その実力ですが、シーケンシャル(連続データ)の速度は2000~5000MB/sとバラツキがあり、ランダムの速度もGen.3クラスよりもちょっと速いというレベル。スタンダードクラスのGen.4 SSDといったところですね。

もちろん、実際の動作も快適で、OSの起動からブラウジングや各種アプリの動作にいたるまでサクサク動きます。

温度

CINEBENCH R23実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。

ピーク時の温度は70℃台前半と低めながら、動作クロックは最大3.4GHzとしっかり伸びており、冷却性能はとても優秀ですね

動作音

CINEBENCH R23実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ。

50デシベルが一つの目安となりますが、ピーク時でも51.7デシベルと上回っています。風切り音は大きめですが、耳障りな甲高いノイズが控えめなので、そこまでうるさく感じません。

ちなみに最小時では46.9デシベルとなっており、アイドル状態のためほぼ無音です。

バッテリー持続時間

「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。

  • 電源設定:トップクラスの電力効率、インテリジェント・クーリング
  • バックライト:40%
  • 10秒ごとにキー入力
  • 1分ごとに無線LAN経由でネット接続

結果は8時間30分をマーク。モバイルノートの目安となる10時間には届かないものの、5時間を大きく超えているので、実用レベルではありますね。

充実したユーティリティー機能

システム管理ツールとして”my HP”がインストールされています。動作モードや各種デバイスの設定からシステムの更新などサポートに至るまで、このアプリで全て設定でき、とても便利なアプリです。

サウンドシステムには”Poly Studio”を採用しています。

肝心の音質ですが、低音~高音までしっかり伸び、音質も厚くとても迫力があります。ただし、重低音がつぶれ気味なのが残念ですね。

まとめ

オールアルミボディをはじめクオリティがとても高く、2in1の14インチモデルで1.3kg台というのは魅力的。2in1タイプで携帯性を重視するならおすすめです

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