今回レノボの【LOQ15AHP9】をお借りしました。よりスタイリッシュに進化した、低価格・高コスパの15インチカジュアルゲーミングノートをチェックしてみましょう。
スペック
Lenovo LOQ15AHP9(RTX 4060搭載) | |
カラー | ルナグレー |
サイズ | W359.86×D258.7×H21.9~23.9mm |
重量 | 約2.38kg(実測2334g) |
OS | Windows 11 Home |
CPU | Ryzen 7 8845HS(8コア16スレッド・定格3.8/最大5.1GHz) |
メモリ | 16GB(16GB×1・DDR5-5600) |
ストレージ | 512GB SSD(PCIe NVMe Gen.4) |
グラフィクス | RTX 4060(GDDR6 8GB) |
ディスプレイ | 15.6インチ、フルHD、ノングレア、IPS、144Hz、300nit、sRGB 100%、 G-Sync |
インターフェース | USB 3.2 Gen.2 Type-C×1、USB 3.2 Gen.1 Type-A×3、HDMI 2.1×1、 LANポート×1、マイク入力/ヘッドフォン出力×1 |
光学ドライブ | 非搭載 |
カメラ | HD 720p |
スピーカー | ステレオスピーカー(2.0Wx2) |
キーボード | バックライト付き日本語キーボード(テンキーあり) |
Wi-Fi | IEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax |
Bluetooth | 5.2 |
バッテリー | 動画再生時:約 6.0時間・アイドル時:約8.0時間(JEITA3.0) |
保証 | 1年(最大5年) |
価格 | 161,810円~(税・送料込) |
電源アダプタ(230W・707g)/電源ケーブル(169g)/各種マニュアル
外観
ダイナミックなフォルム
排気グリルがヒンジ部分よりもせり出したダイナミックなフォルムは、上位の”Legionシリーズ”譲り。ゲーミングモデルらしく迫力を感じさせます。
このタイプは、冷却機構が大きく造られているので、特に熱くなりがちなゲーミングノートとの相性は◎。
もちろんデュアルファン構成なので、給排気はとてもスムーズ。底面から吸気し、4方向から排気するエアフローを生み出し、熱くなりがちなCPUとGPUを強力に冷やします。
スタイリッシュなデザイン
カジュアルモデルらしく、ボディはオーソドックスな樹脂製です。Legionシリーズでは、剛性の高いアルミを採用しており、このあたりはしっかり差別化されていますね。
デザインは前モデルからブラッシュアップされ、排気グリルにエッジがつけられており、より立体的なフォルムに仕上げています。
さらに、”ゼロパンプヒンジ”もしっかり採用。ヒンジが天板と同等の高さにまでスリムになり、とてもスタイリッシュ。
ディスプレイのベゼル(ふち)をスリムにすることにより、横幅と奥行きを圧縮し、コンパクトボディに仕上げています。ただし、15インチの16:9モデルということで、枠は余り気味。
なお、コンパクトといえども、さすがにA4ファイルよりも大きく、重さも2kgオーバーと重いため、持ち運びしやすいとは言えないですね。
機能的なポート配置
USBは左右・背面あわせて4ポート搭載。規格はすべてUSB 3.2で、 小型&リバーシブルのType-Cポートは、10Gbpsの高速転送に対応したGen.2規格となっています。
Type-Cポートのほか、オーソドックスなType-Aも装備。Legionシリーズよりも少なめではありますが、これだけあれば周辺機器の接続にまず困りません。
画像出力端子はHDMIのみですが、Type-CポートはDisplayPort出力を兼ねているので、複数画面の出力も可能です。
ちなみに、レノボのモデルでおなじみ、カメラ部のシャッターを装備しています。右サイドのスイッチでかんたんに切り替えができ、プライバシー面も安心。
最近のトレンドをしっかり取り入れ、背面にもポートを配置。特にかさばりやすい画像端子・電源ポート・LANポートが背面に搭載されているので、サイドの有線マウスなどと干渉しないようになっています。ケーブル同士の混線はイラっと来るので、これは嬉しいですね。
ディスプレイ&キーボード
IPSパネル搭載
ディスプレイのサイズは15.6インチ、解像度はフルHDといたってオーソドックスな内容となっています。
前モデルから引き続き、高品質のIPSパネルを標準搭載。高発色・高コントラスト・広視野角の3拍子そろった高性能パネルで、くっきり鮮やかな映像クオリティを実現します。
この通り、視野角も広く、横から覗いても色むらは無し。なお、色域はsRGB 100%とゲーミングモデルにしては広く、編集用途にも最適です。
144Hz対応ディスプレイ
ゲーミングノートの定番装備ともいえる、144Hzディスプレイを搭載しています
144Hzディスプレイは、1秒間に描写できる回数が通常の60Hzディスプレイの2倍以上!その分だけ映像が滑らかになり、ゲームのプレイ精度が上がります。特に動きの激しいFPSゲームにはうってつけです。
操作性の高いキーボード
横幅の広い15インチモデルということで、テンキー付きキーボードを採用。最近ではテンキーレスモデルもありますが、普段使いだとテンキー付きのほうが便利ですね。
キーボードには白色LEDが内蔵されています。フルカラーほどではありませんが、だいぶ華やかになり、薄暗い場所でもタイピングしやすくなるなど一石二鳥。LEDはOFF+2段階で調整可能です。
連結キーこそあるものの、各キーは大きめに造られ、配置もクセがなく素直。キーピッチも約19mmと、デスクトップキーボードなみの間隔が確保されているほか、電源ボタンも独立しているので、誤爆する心配はありません。
下部の矢印キーを一段落とすことで、デスクトップと同じテンキー配列となっているのはポイント高いですね。ちなみに、ゲーミングノートのキーピッチは18.5mmが主流なので、19mmというのは貴重です。
ちなみに、ファンクションキーの内容は充実しており、カスタマイズ対応キーや電卓キーを装備。さらに、PCの動作モードなどを変更できるショートカットキーのほか、ファンクションロック&タッチパッドロックキーなども用意され、とても便利です。
キーストロークはやや深めで、適度に反発があり、どちらかというと一般的なノートPCに近いライトな打鍵感です。キートップがカーブしているため、指にフィットしやすいのはグッド。
なお、キーボード面の剛性は普通レベルで、強めにタイピングするとたわんでしまいます。こればかりは樹脂製なのでしょうがないですね。
スムーズなタッチパッド
タッチパッドは、クリックボタンとパッド部分が一緒になった一体型タイプとなっています。
パッド部分はサラサラした材質で、カーソル操作はとてもスムーズ。クリックボタンも軽く押すだけで反応し、カタカタと静かなクリック音となっています。スタンダードモデルながらよく造りこまれていますね。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
RTX 4060搭載
ゲームの要となるグラフィック機能(GPU)には、NVIDIAのRTX 4060(65W)を搭載。ミドルクラスのGPUで、フルHDで高いパフォーマンスを発揮します。
RTXシリーズでは、”RTコア”と”Tensorコア”を搭載しているのが特徴です。
RTコアは”レイトレーシング技術(RT)”に対応しており、反射・影・ライティングなどをリアルに再現可能。ゲームでのイメージを見てもわかるように、ON・OFFではだいぶ違います。
また、AI機能のTensorコアは”DLSSモード”に対応しており、低い解像度でレンダリングした映像をアップスケーリングし、さらにアンチエイリアスを最適化することで、フレームレートを大幅に向上させることができます。ゲームの快適性が目に見えて上がり、とても便利。
そのほか、RTXシリーズはOptiXにも対応しているのもポイント。Blenderなどの3DCG作成ソフトでは、RTコアを活用した高速レンダリングや、Tensorコアを活用した高速のノイズ除去機能を搭載し、ヘビーなCG作成作業で高いパフォーマンスを発揮します。
RTX 4000シリーズはDLSS 3&AV1エンコードに対応
RTX 4000シリーズは機能面がさらに強化され、DLSS 3&AV1エンコードに対応しています。
DLSS 3というのは従来のDLSS 2の発展型で、GPUコアに内蔵された”Optical Flow Accelerator”を使い、映像のフレーム間に中間フレームを補完する技術のこと。アップスケーリング+フレーム補完で描写の負荷を大きく軽減し、フレームレートを大幅に上げることが可能です。
ウルトラヘビー級のゲーム・Cyberpunk 2077では、約4倍以上もパフォーマンスが向上するなど、RTX 3000シリーズに対し大きなアドバンテージとなっています。
CINEBENCH R23
CINEBENCH R23は、3Dグラフィックのレンダリング性能を測定するベンチマークソフトです。CPUのシングル・マルチ性能をチェックできます。
このモデルでは、AMDのZEN4世代となる8コア16スレッドCPU・Ryzen 7 8845HSを搭載。マルチスコアは15000を大きく超えており、ゲームはもちろん、各種編集作業でも高いパフォーマンスを発揮します。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 11(Fire Strike)、そしてDirectX 12(Time Spy/Night Raid)・DirectX 12 Ultimate(Speed Way)・RT(Port Royal)それぞれの条件で測定することができます。
エントリークラスのRTX 4050よりも約20%性能が高く、VRAM(グラフィックメモリ)を8GBと多めに搭載しているので、最新ゲームにもしっかり対応できます。
ちなみに、RTX 4050はVRAMが6GBと少なめなので、ゲームによっては容量不足でフレームレートが大きく下がることも。フルHDでゲームを楽しむなら、RTX 4060がまずおすすめです。
Total | Graphics | CPU/Physics | Combined | |
Speed Way | 2700 | ー | ー | ー |
Port Royal | 6195 | ー | ー | ー |
Time Spy Extreme | 4967 | 5167 | 4076 | ー |
Time Spy | 10748 | 11148 | 8935 | ー |
Night Raid | 36198 | 74016 | 9293 | ー |
Fire Strike Ultra | 6345 | 6261 | 20719 | 3271 |
Fire Strike Extreme | 12413 | 13376 | 21190 | 5744 |
Fire Strike | 22729 | 27705 | 20754 | 10312 |
FF14(ファイナルファンタジー14 黄金の遺産)
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
フルHD | 16914 | 17626 | 18274 |
知名度バツグンの国内産MMORPGで、スコア9000以上で平均60fps以上をキープできます。
いずれもDLSSを常に有効にした結果となりますが、フルHDでの安定感はかなり高め。スコア16000台、平均129fpsをマークし144Hzディスプレイを生かすことができます。
Cyberpunk 2077(サイバーパンク 2077)
ゲーム設定:ウルトラ/高/中(RT”ウルトラ・サイコ”/DLSS”バランス”)
プレイモード:市街地中心部を移動
DLSS
平均(最低)fps | ウルトラ | 高 | 中 |
フルHD | 129(96)fps | 160(135)fps | 182(132)fps |
フレーム補完がしっかり効いており、ウルトラ設定でも平均100fpsを大きく超え、144Hzディスプレイを生かせます。
RT+DLSS
平均(最低)fps | ウルトラ | 高 | 中 |
フルHD | 94(85)fps | 98(87)fps | 192(92)fps |
反射・影・ライティングのフルセットということでかなり重めですが、平均90fpsオーバーと良く伸びます。重量級のゲームでこのパフォーマンスは頼もしい限りですね。
黒神話:悟空
ゲーム設定:最高/超高/高中(RT”超高”)
プレイモード:ベンチマークテスト
DLSS
平均(最低)fps | 最高 | 超高 | 高 |
フルHD | 66(60)fps | 74(67)fps | 115(105)fps |
サーバーパンクをしのぐ重さのゲームですが、フレーム補完ありの最高設定で平均60fpsをクリアしており、地力はやはり高いですね。安定性を重視するなら超高設定以下がおすすめ。
RT+DLSS
平均(最低)fps | 最高 | 超高 | 高 |
フルHD | 56(48)fps | 62(54)fps | 68(59)fps |
レイトレーシングの負荷も非常に重く、高設定でも平均60fps台どまり。正直レイトレーシングはおまけ要素ですが、どうしてもというなら中設定まで落としましょう。
BIOHAZARD RE:4(バイオハザード RE:4)
ゲーム設定:最高/高/中(RT”高品質”/FSR”バランス”)
プレイモード:最初の村を移動
FidelityFX Super Resolution(FSR)
平均(最低)fps | (テクスチャ品質”高・8GB”) | 最高(テクスチャ品質”高・4GB”) | 高(テクスチャ品質”中”) | 中
フルHD | 81(57)fps | 101(87)fps | 98(63)fps |
このゲームはFSRに対応しています。FSRはDLSSに近い機能で、アップスケーリングによりフレームレートを上げることができます。Tensorコア不要の汎用性が高い技術というのがポイント。
最高設定でも平均80fps台をキープし、安定感は高めとなっています。ただし、最低fpsを考えると高設定がベター。なお、中設定は負荷がとても低いため、むしろ逆効果となっています。
RT+FSR
平均(最低)fps | (テクスチャ品質”高・8GB”) | 最高(テクスチャ品質”高・4GB”) | 高(テクスチャ品質”中”) | 中
フルHD | 86(54)fps | 86(68)fps | 83(64)fps |
このゲームのレイトレーシングはそこまで重くなく、いずれも平均80fps台と安定しています。ちなみに、レイトレーシングだとVRAMを多く使いますが、フルHDレベルなら8GBでもOKです。
Starfield(スターフィールド)
ゲーム設定:ウルトラ/高/中(DLSS”バランス”)
プレイモード:クリート探索
DLSS
平均(最低)fps | ウルトラ | 高 | 中 |
フルHD | 120(67)fps | 126(72)fps | 128(64)fps |
フレーム補完に対応することによりfpsが大きく向上し、平均120fpsオーバーと144Hzディスプレイを生かせるまでになっています。ただ、最低fpsが低めというのが気になるところです。
VALORANT(ヴァロラント)
ゲーム設定:高/中/低(アンチエイリアス”FXAA”/異方性フィルタリング”16x”)
プレイモード:アンレート
平均(最低)fps | 高 | 中 | 低 |
フルHD | 338(219)fps | 388(285)fps | 410(326)fps |
普通のノートPCでも動かせるほど軽いので、ゲーミングPCなら超余裕。144Hzディスプレイをフルに生かせます。
Rainbow Six Siege(レインボーシックスシージ)
ゲーム設定:最高/超高/高(レンダリング解像度”50”)
プレイモード:ベンチマークテスト
平均(最低)fps | 最高 | 超高 | 高 |
フルHD | 260(176)fps | 262(199)fps | 262(180)fps |
このゲームもグラフィック負荷が低いので、144Hzディスプレイを余裕で生かせます。
Apex Legends(エーペックス レジェンズ)
ゲーム設定:最高/低(fpsリミット解除)
プレイモード:射撃訓練場
平均(最低)fps | 最高 | 低 |
フルHD | 231(180)fps | 275(224)fps |
こちらもラクラクですね。FPSゲームは軽めのものが多いので、FPSメインならRTX 4050で十分です。
Fortnite(フォートナイト)
ゲーム設定:最高/高/中(アンチエイリアス”TAA”/DLSS”バランス”)
プレイモード:バトルロイヤル
DLSS
平均(最低)fps | 最高 | 高 | 中 |
フルHD | 159(124)fps | 189(62)fps | 190(64)fps |
DLSS機能を有効にした際の結果です。
多少重めながら、144Hzディスプレイをしっかり生かせます。ただし、高設定以下では最低fpsが大幅に落ちてしまい、CPUの特性かもしれませんが、ゲームによっては最低fpsが低めなのはネックですね。
ちなみに、レイトレーシングを有効にしても結果がほとんど変わらないので、省略しています。
CrystalDiskMark
CrystalDiskMarkは、ストレージの読み書きの転送速度をチェックするソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは、512GB SSD(SK Hynix)を搭載しています。最近のゲームは容量そのものが増えており、50GB以上はザラ。あっという間に容量不足になるので、1TBにカスタマイズするのがおすすめです。
肝心の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)は3000~5000MB/sと速い一方で、ランダムの速度はGen.3レベルにとどまっており、トータルでは中の上クラスのGen.4 SSDといったところです。もちろん、SSDらしくゲームのロードからアプリの動作までサクサク動き、とても快適。
温度
FF14実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
CPUの動作が控えめで、クロックは3.4GHzどまりで、温度は40℃台後半と低めとなっています。一方グラボの温度は50℃台半ば、特に熱くなりがちなホットスポットもほぼ60℃と低めになっており、冷え冷えです。
こちらがCINEBENCH R23実行時の温度です。
100%のフルロード時でも、クロックは3.4GHzまでしか伸びず、コアの温度が50℃ちょっとと低めです。性能はしっかり出ているので、定格クロック以下で動いているのは表示ミスの感じがします。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ。
55デシベルを超えるとファンノイズが気になりますが、ピーク時はで58.9デシベルと上回っています。ファンは豪快に動作していますが、耳障りな甲高いファンノイズが控えめということで、数値ほどうるさくは感じないです。
ちなみに最小時では46.9デシベルとなっており、アイドル状態のためほぼ無音です。
便利なユーティリティーソフトを完備
先にも紹介しましたが、システム管理の”Lenovo Vantage”が用意されています。
動作モードやマクロの設定からシステムの更新などサポートに至るまで、このアプリで全て設定でき、ワンストップでとても便利です。
サウンドシステムには”Nahimic Audio”を採用しています。シーンに応じたモードに切り替えができるのはもちろん、イコライザーも用意されているので、好みの設定に変更することも可能です。
肝心の音質ですが、低音~高音までしっかり伸び、厚めの音質とサラウンド効果でとても迫力があります。ただし、重低音が弱めなので、もうひと押しほしいところです。
まとめ
前モデルからデザインがブラッシュアップされ、より立体的にかっこよく進化。フルHDでのゲーミングを快適に楽しめる高い性能をはじめ、機能面もしっかり造りこまれており、トータルで高い完成度を実現しています。
予算を重視しつつ、クオリティにもこだわりたい方におすすめです。