Stable Diffusionを用いてAIデータの生成や学習をするのに最適なPCスペックと、おすすめパソコンをチェックしてみましょう。
Stable Diffusionに必要なスペック
Stable DiffusionはGPU(グラボ)勝負
Stable Diffusionでの生成や学習は、GPU(グラフィック機能)を用いて行います。
上のイメージは生成時のものとなりますが、GPU(RTX 4070)をフルに使い、CPU(Core i7-13700)の使用率はわずかということがわかります。PCを選ぶ際は、GPUの性能を重視しましょう。
なお、NVIDIAのGPU(RTX・GTXシリーズ)のみ対応しており、AMD(Radeonシリーズ)やインテル(Arcシリーズ)には対応していない点に注意。
Stable DiffusionはVRAMが重要
VRAM容量 | 生成 | 学習 | GPU(グラボ) | ||
LoRA | TI・HN | DB | |||
12GB~ | RTX 4090,4080, 4070,4060 Ti(16GB), 3080 Ti,3080(12GB),3060 | ||||
10GB | RTX 3080(10GB) | ||||
8GB | RTX 4060 Ti,3070,3060 Ti,3050 | ||||
6GB | GTX 1660 SUPER(LoRa不可) | ||||
4GB | GTX 1650 |
※NVIDIAのRTX・GTXシリーズのみ対応
GPU選びで重要となるのが”VRAM(グラフィックメモリ)”です。
VRAMはGPUの作業場のようなもので、この容量が多ければ多いほど、より多くデータを扱えるようになります。特にAIデータの学習はVRAMを非常に多く使うので、とても重要です。
上の表がVRAM容量の目安をまとめたものですが、生成レベルなら6GBのエントリークラスでも対応可能。生成+軽めの学習なら8GB、生成・学習のフルコースなら12GB以上が必要になります。デスクトップなら、VRAMを12GB搭載したRTX 3060搭載モデルがまずおすすめ。
Stable Diffusionのベンチマークテスト
参考までに、Stable Diffusionでデータを生成する時間をチェックしてみましょう。なお、[D]がデスクトップ用GPU、[N]がノート用のGPUを表しています。
テスト設定はイメージの通りで、サンプリングステップは50、出力解像度は768×767ドット、映像を2枚ずつ20回出力しています。これに要した時間から、1分あたりに出力できる枚数を比較しています。
デスクトップで性能重視ならRTX 4070がおすすめ。RTX 3060よりも約2倍性能が高く、VRAMを12GB搭載しているので、生成から学習まで快適にこなせます。とことん性能にこだわるならRTX 4090&RTX 4080がおすすめですが、価格が一気に跳ね上がるので、予算と要相談といったところ。
ノートはデスクトップに比べVRAMの搭載量が少なく、ある程度妥協する必要があります。RTX 4060の性能こそRTX 3060(デスクトップ)とほぼ同じですが、VRAMが8GBなので、生成+軽めの学習ならできるというレベル。
ワンランク上のRTX 4070も同じく8GBということで、実用的なのはRTX 4080となりますが、搭載モデルが非常に少なく、かなり高価なのもネックです。
Stable Diffusionのおすすめスペック



CPU | Core i5以上 |
メモリ | 16GB |
GPU(グラフィック機能) | デスクトップ:RTX 3060 ノート:RTX 4060 |
以上をまとめてみると、まず押さえておきたいスペックはこのようになります。
CPUやメモリの使用率は少ないので、ミドルクラスのCore i5&16GBメモリでも十分対応できます。なお、3DCGの作成や動画編集などでも使うなら、Core i7&32GBメモリ構成がおすすめです。
GPUは、ノートに比べ安く、VRAMを多く搭載したデスクトップGPUがおすすめ。RTX 3060をベースに考え、性能重視ならRTX 4070を選びましょう。
ノートはVRAM少ないので妥協が必要になり、軽めの学習ができるRTX 4060をベースに考え、生成・学習までフルにこなすならRTX 4080を選びましょう。生成オンリーならRTX 4050で手を打つのもあり。
Stable Diffusionに最適なクリエイターPC(デスクトップ)
raytrek/レイトレック MV(ドスパラ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-13700F
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラフィック:RTX 4060
■ストレージ:SSD 500GB(PCIe NVMe)
■電源:650W(80PLUS BRONZE)
■無線LAN:有線のみ
■DVDドライブ非搭載/有線キーボード&マウス付属
■価格:179,980円(税込)~
Core i7&RTX 4060を搭載した万能モデル
インテルの第13世代16コア24スレッドCPU・Core i7-13700FとRTX 3060を搭載したミドルタワーモデル。
16GBメモリに500GB SSDの充実した初期構成となっており、冷却性能が高い大型空冷式CPUクーラーを装備する充実ぶりです。
Core i7×RTX 4060のパワーで、3DCGやAIグラフィックの作成、動画・画像編集など一通り対応でき、コスパに優れた万能モデルとしておすすめ。特にRTXシリーズを搭載しているので、3DCGの制作では非常に高いパフォーマンスを発揮します。
基本的にカスタマイズ不要ですが、動画編集であれば32GBメモリ、3DCGの制作や3D CADなら64GBメモリがおすすめです。また、データの保存用にHDDを追加すると、さらに便利になります。
raytrek/レイトレック 4CXF(ドスパラ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-13700F
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラフィック:RTX 4070
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe)
■電源:750W(80PLUS GOLD)
■無線LAN:有線のみ
■DVDドライブ非搭載/キーボード&マウス無し
■価格:239,980円(税込)~
※実機モデルはRTX 4060 Tiを搭載。RTX 4070やRTX 3060 Tiと比較しています。
ワンランク上のハイスペックモデル
インテルの第13世代16コア24スレッドCPU・Core i7-13700FとRTX 3070を搭載した、ハイスペックのミドルタワーモデル。RTX 3060よりも約60%性能が高く、VRAMを12GB搭載しており、より性能にこだわるならおすすめ。
16GBメモリに1TB SSDの非常に充実した初期構成となっており、冷却性能が高い大型空冷式CPUクーラーのほか、最大90%の電力変換効率を誇るゴールドクラス電源を搭載しています。
ケースの完成度も非常に高く、スタイリッシュなシルバーボディは、裏配線&チャンバー構造を採用することで、高いエアフローを実現。さらに、ボディの全面にダストフィルターを装備し、ほこり対策も万全。フィルターはワンタッチで取り外すことができ、メンテナンス性もバツグンです。
基本的にカスタマイズ不要ですが、動画編集であれば32GBメモリ、3DCGの制作や3D CADなら64GBメモリがおすすめ。また、データの保存用にHDDを追加すると、さらに便利になります。
SENSE-F079-LC137KF-VLX(パソコン工房)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-13700KF
■メモリ:16GB(DDR5-4800)
■グラフィック:RTX 4080
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe)
■電源:1000W(80PLUS PLATINUM)
■無線LAN:有線のみ
■DVDドライブ非搭載/有線キーボード&マウス付属
■価格:377,800円(税込)~
RTX 4080搭載のコスパモデル
インテルの第13世代16コア24スレッドCPU・Core i7-13700KFとRTX 4080を搭載したミドルタワーモデル。RTX 4070より約30%性能が高く、VRAMを16GB搭載。とことん性能にこだわるならおすすめです。
16GBメモリに1TB SSDの非常に充実した初期構成となっており、冷却性能が非常に高い水冷式CPUクーラーのほか、最大92%の電力変換効率を誇るプラチナクラス電源を搭載する徹底ぶりです。
また、大型ケースのため拡張性も高く、HDDを多く搭載できるほか、フロント全面がメッシュパネルなので通気性はバツグン。さらに、ケース上部には取っ手がついているので、持ち運びしやすいのもポイントです。
基本的にカスタマイズ不要ですが、本格的に使うならメモリは32GBあると安心。3DCGの制作や3D CADなら64GBメモリがおすすめです。また、データの保存用にHDDを追加すると、さらに便利になります。
SENSE-F079-LC137KF-XLX(パソコン工房)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-13700KF
■メモリ:16GB(DDR5-4800)
■グラフィック:RTX 4090
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe)
■電源:1000W(80PLUS PLATINUM)
■無線LAN:有線のみ
■DVDドライブ非搭載/有線キーボード&マウス付属
■価格:453,800円(税込)~
RTX 4090搭載の超本格派モデル
先に紹介したモデルをRTX 4090にしたバージョンです。
RTX 4090はRTX 4080より約30%性能が高く、VRAMを24GBも搭載しており、まさにプロ向けの本格派仕様となっています。
基本的にカスタマイズ不要ですが、本格的に使うならメモリは32GBあると安心。3DCGの制作や3D CADなら64GBメモリがおすすめです。また、データの保存用にHDDを追加すると、さらに便利になります。
DAIV FX-I7G70(マウスコンピューター)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-13700KF
■メモリ:32GB(DDR5-4800)
■グラフィック:RTX 4070
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe Gen.4)
■電源:750W(80PLUS BRONZE)
■無線LAN:IEEE 802.11ax+Bluetooth 5.0
■光学ドライブ・キーボード・マウス非搭載
■価格:359,800円(税込)~
サポート&保証重視ならマウスコンピューターがおすすめ
インテルの第13世代16コア24スレッドCPU・Core i7-13700KFとRTX 4070を搭載したミドルタワーモデル。32GBメモリに1TB SSDの特盛構成で、SSDはNVMeタイプでも特に高速の”Gen.4規格”を採用。さらに、冷却性能が非常に高い水冷式CPUクーラーを搭載する充実ぶりです。
ケースの完成度も非常に高く、裏配線&チャンバー構造を採用することで、高いエアフローを実現。さらに、ボディの全面には、かんたんに着脱可能なダストフィルターを装備し、ほこり対策も万全。そのほか、移動に便利なキャスターまで装備しており、まさに至れり尽くせり。
ちなみに、マウスはサポート&保証が充実しているのもポイント。まず延長保証が定額制で安く、例えば3年延長保証+センドバック修理保証に7,700円(税込)で加入することができます。また、24時間365日の電話サポート&96時間以内で修理完了が標準メニューとして用意されており、万が一でも安心。
基本的にカスタマイズ不要ですが、3DCGの制作や3D CADなら64GBメモリがおすすめです。また、データの保存用にHDDを追加すると、さらに便利になります。
Stable Diffusionに最適なクリエイターPC(ノート)
raytrek/レイトレック R5-RL6(ドスパラ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■ディスプレイ
15.6インチ WQHD ノングレア 165Hz sRGB 103%
■CPU:Core i7-13700HX
■メモリ:16GB(DDR5-4800)
■グラフィック:RTX 4060
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe Gen.4)
■価格:199,980円(税込)~
コスパに優れたミドルクラスモデル
ノート用のインテル第13世代16コア24スレッドCPU・Core i7-13700HXとRTX 4060を搭載したミドルクラスモデル。16GBメモリに1TB SSDの非常に充実した初期構成で、SSDはNVMeタイプでも特に高速の”Gen.4規格”を採用しています。
ディスプレイのクオリティが高く、 WQHD(2560×1440)の高解像度で、sRGBカバー率約99%(sRGB比約103%)と色域も広く、編集作業がよりはかどります。さらに、高速の165Hz出力に対応しており、動きの激しいFPSゲームを快適にプレイ可能です。
また、華やかなフルカラーキーボード(単色仕様)のほか、最大40Gbpsの超高速転送に対応した”Thunderbolt 4”もバッチリ装備しています。さらに、顔認証に対応しており、セキュリティ面も安心です。
Core i7×RTX 4060のパワーで、イラスト制作や動画・画像編集、3DCGの作成などあらゆる用途に対応でき、コスパに優れた万能モデルとしておすすめ。
基本的にカスタマイズ不要ですが、本格的に使うならメモリは32GBあると安心。3DCGの制作や3D CADなら64GBメモリがおすすめです。また、データ保存用のSSDを入れると、さらに便利になります。
SENSE-17WG181-i7-VLSX(パソコン工房)
【スペック】
■OS:Windows 11
■ディスプレイ
17.3インチ WQHD ノングレア 165Hz G-Sync
■CPU:Core i7-13700HX
■メモリ:32GB(DDR5-4800)
■グラボ:RTX 4080
■ストレージ:SSD 500GB(PCIe NVMe)
■価格:379,800円(税込)~
大画面のハイエンドモデル
ノート用のインテル第13世代16コア24スレッドCPU・Core i7-13700HXとRTX 4080を搭載したハイエンドモデル。32GBメモリに500GB SSDの非常に充実した初期構成となっています。
装備も充実しており、ディスプレイは17インチ×WQXGA(2560×1600)の大画面・高解像度仕様で、高速の165Hz出力&G-Syncに対応。編集作業だけでなく、カクつきのないスムーズな描写でゲーミングにも最適です。さらに、華やかなフルカラーキーボードのほか、Thunderbolt 4・顔認証センサーもバッチリ装備しています。
数少ないRTX 4080搭載モデルとしておすすめです。
基本的にカスタマイズ不要ですが、本格的に使うならメモリは32GBあると安心。3DCGの制作や3D CADなら64GBメモリがおすすめです。また、データ保存用のSSDを入れると、さらに便利になります。
DAIV Z6-I7G60SR-A(マウスコンピューター)
【スペック】
■OS:Windows 11
■ディスプレイ
16.0インチ WQXGA ノングレア sRGB 100%
■CPU:Core i7-13700H
■メモリ:32GB(DDR5-4800)
■グラフィック:RTX 4060
■ストレージ:SSD 512GB(PCIe NVMe)
■価格:269,800円(税込)~
サポート&保証重視ならマウスコンピューターがおすすめ
ノート用のインテル第13世代14コア20スレッドCPU・Core i7-13700HとRTX 4060を搭載したミドルクラスモデル。32GBメモリに1TB SSDの特盛構成で、SSDはNVMeタイプでも特に高速の”Gen.4規格”を採用しています。
装備も充実しており、16.0インチ・WQXGA(2560×1600)の一回り大きい高解像度ディスプレイを搭載し、sRGB比約100%と広めの色域をカバー。そのほか、白色LED内蔵キーボード・Thunderbolt 4・顔認証センサーもしっかり装備しています。
さらに、このモデルは非常に軽く、軽量でタフなマグネシウム合金を採用することで、約1.60kgの超軽量ボディを実現。高性能GPUとは思えないほど軽く、持ち運び用としても使えます。
ちなみに、マウスはサポート&保証が充実しているのもポイント。まず延長保証が定額制で安く、例えば3年延長保証+センドバック修理保証に9,900円(税込)で加入することができます。また、24時間365日の電話サポート&96時間以内で修理完了が標準メニューとして用意されており、万が一でも安心。
基本的にカスタマイズ不要ですが、3DCGの制作や3D CADなら64GBメモリがおすすめです。また、データ保存用のSSDを入れると、さらに便利になります。
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