OMEN X by HP 900-290jpをレビュー まるで芸術品!?Core i9×GTX 1080 Ti SLI構成のハイエンドモデル
ゲーミングPC

今回HPの【OMEN X by HP 900-290jp エクストリーム】をお借りしました。
10コア20スレッドのCPU、Core i9-7900XとGTX 1080 TiのSLIを搭載したモンスター級ハイエンドマシンを、さらに傾けてしまうというHPらしさ全開のフラグシップモデルをチェックしてみましょう。
スペック
| OMEN X by HP 900-290jp エクストリーム
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サイズ | 約504×406×510mm |
OS | Windows 10 Home(64ビット) |
CPU | インテル Core i9-7900X ・10コア/20スレッド ・3.6/最大4.3GHz |
メモリ | 64GB(16GB×4 DDR4-2400) |
ストレージ | 512GB SSD+3TB HDD |
グラフィクス | GeForce GTX 1080 Ti SLI |
チップセット | インテル X299 チップセット |
光学ドライブ | × |
Wi-Fi | IEEE802.11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 4.2 |
電源 | 1300W(80PLUS GOLD) |
保証 | 1年(最大3年) |
価格 | 598,000円(税込)~ ⇒498,000円(税込)~
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付属品 | ・各種マニュアル ・電源ケーブル
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※2018年9月22日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
外観
さながらオブジェクトなPC

ダイス型のPCケースは実際に市販されているのでわかるのですが、それを斜め45°傾けるとは恐れ入りました。これを見てパソコンと思う人はまずいないでしょう。さながら一種の芸術品、オブジェクトのようで、リビングにおいても様になります。
傾けるだけでなく、フロントパネルがLEDで光るようになっており、付属アプリ【Omen Command Center】で自由自在に色と発光パターンを調整できます。このあたりも海外製モデルらしさが出ていますね。
ただちょっと重すぎるのがネック。約25kgもあるので、持ち運びに一苦労します。届いて箱から出すのが最大の難関とも…
しかし機能的
奇抜なデザインではありますが、見た目先行というわけではなく、PCケースとしての完成度も高くなっています。
3区画のチェンバー構造

このケースはマザーボード(CPU・メモリ・グラボ)区画・電源区画・ストレージ区画の3区画に分かれており、それぞれの排熱が干渉しないようになっています。

最大の熱源であるマザーボード区画ですが、45°傾けることにより、底面から天面へのエアフローがとてもスムーズで熱がこもる心配はありません。傾けること意味はあった!
ツールレスのドライブベイ

ドライブベイは普通のケースのようにシャドウベイではなく、オープンベイ方式です。3.5/2.5インチの共用ベイが計4基設置されています。

ツールレスなので取り外しはとてもかんたん。ふたを開いてロックを外し、つまみを引っ張るだけです。つまみ部分は布製なのも洒落てます。
使いきれないほどのインターフェース
ハイエンドモデルらしく、インターフェースが非常に充実しています。


USB端子は、USB3.1・USB3.0がサイド・背面あわせて計12ポート!も搭載されています。うち3つは小型&リバーシブルのType-Cポートとなっています。これだけあれば周辺機器も使いたい放題ですね。さらにSDスロットも付いており、地味ながら便利です。
映像端子はGTX 1080 Tiなので、HDMI・DisplayPort×3の4ポートを搭載。レガシーのDVIは搭載されていませんが、HDMIさえあればなんとかなるでしょう。
ちなみに、バックパネルの上部はサイドパネルへのアクセス機構となっており、ネジでロックを外し、イジェクトボタンを押してパネルを取り外します。
内部

チェンバー構造ということもあり、マザーボード区画はとてもシンプル。ブラック&レッドのカラーで統一されており、いかにもゲーミングマシンらしくなっています。電源ケーブルもしっかりレッドスリーブとなっているのもグッドですね。
CPUが爆熱のCore i9-7900Xなので、水冷式のCPUクーラーが搭載されているほか、GTX 1080 TiがSLI(2枚)構成となっており、まさに圧巻の光景。
グラボそのものはオーソドックスなブロワファンタイプです。冷却面では大口径ファン搭載モデルに劣りますが、強制的に外部に排気できるので、内部に熱がこもりにくいという点ではむしろこちらの方が使い勝手は上。
そして、2枚のGTX 1080 Tiは【SLI HBブリッジ】でデュアル接続されており、性能を最大限発揮できるようになっています。また、カードキーパーでしっかりと固定されており、ボードの自重でたわむ心配もありません。なにかと至れり尽くせりです。
OMEN Command Center

OMENシリーズということで、専用ユーティリティー【OMEN Command Center】を搭載。キーボードや本体のLEDカラーやマクロキー、オーバークロック設定などを一括して設定することができます。
温度

こちらはFF14ベンチマークを実行した際の各パーツの温度です。なお、室温は25℃です。
爆熱のCore i9-7900Xですが、水冷式CPUクーラーということもあり約50℃台で安定して冷却できています。また、グラボも80℃台と、ブロワファンながらこちらもしっかり冷却できています。ストレージも高すぎず、低すぎず、ちょうどいい温度ですね。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトでゲームでの性能をチェックしてみましょう。
CINEBENCH
CPUはインテルの【Core i9-7900X】を搭載しています。Skylake-XのハイエンドCPUで、Core i7のさらに上を行く10コア20スレッドとなっています。TDPも堂々の140W!発熱や消費電力もまさにエクストリーム級です。
3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみると、マルチコアでは2000オーバーのスコアをマークしました。さすがにけた違いですね。
参考までに最新の6コア12スレッドCPU・Core i7-8700Kと比較してみました。シングルではほぼ変わりませんが、マルチでは大きく差が開いており、8700Kの約1.7倍の性能となっています。
まさに圧巻の性能で、動画や画像編集などのクリエイティブ作業でも真価を発揮するCPUです。
3DMARK

3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy)それぞれの条件で測定することができます。

このモデルでは4K推奨グラボのGTX 1080 Tiを2枚も搭載しています。いわゆる【SLI構成】というものですが、結果はご覧の通り非常に高く、一般的な4Kゲーミングモデルに大差をつけているのがわかります。
ただし、全てのゲームがSLIに対応しているわけではないという点に注意。例えば最新のFF15やPUBGもSLIには対応せず、シングルでの動作となります。
FF14

ゲーミングPC業界において、ある意味「標準ベンチマークソフト」ともいえるFF14ベンチマーク。
DirectX 11・フルHD解像度・最高品質という重量級のグラフィック設定で、スコア7000以上の「非常に快適」をマークできれば、現行オンラインゲームを幅広くプレイできるスペックだと判断することができます。
ただし、平均60fpsをキープして快適にということであれば、スコア9000以上は欲しいです。
4K | WQHD | フルHD |
11595 | 14513 | 16548 |