究極の小型パソコン「スティックPC」ーコンパクトなサイズもさることながら、リーズナブルな価格も魅力的です。そんなお手軽さが人気のスティックPCでできることや、注意点、おすすめモデルをご紹介します。
スティックPCとは
スティックPCとはそのまんま「スティックの形をしたパソコン」のことです。デスクトップパソコンを極限まで小さくしたものと考えるとわかりやすいですね。
使い方も非常にかんたん。本体にHDMI端子がついているので、直接モニターに差し込むだけ。難しいようであれば付属のHDMIケーブルを使えばOKです。電池式ではなくAC駆動なので、コンセントの位置もしっかりチェックしておきましょう。
スティックPCの性能 ~何ができるの?
なにせこの小ささですから、冷却に余裕がなく、デスクトップPCなどに搭載されているような高性能&高発熱のCPUを搭載することはできません。
ということで、今まではタブレットなどに搭載される、モバイル用の超省エネCPU【Atom】を搭載したモデルがメインとなっていました。しかし、最近ではCPUが進化し、ワンランク上の【Celeron】を搭載したモデルが登場しています。
これは「PCMARK 8」というソフトにおける、【Celeron N4000】のテスト結果の画像です。PCMARK 8はブラウジングやビデオチャット、軽めのゲーミングなど日常用途での性能を測るベンチマークソフトです。
この結果を見てもわかるように、数年前の一般ノートに匹敵するパフォーマンスをマークしています。Atomでは半分程度の性能ということを考えると、大幅に進化していることがわかりますね。
実際の使用感ですが、ブラウジングやメール、動画鑑賞など基本的なタスクをしっかりこなすことができます。ただし、複数の作業を同時に処理するマルチタスクになると、もたついてしまい、こればかりは価格なりといったところです。
3Dゲームはどうかというと、こればっかりは厳しいです。軽量3Dゲームの代名詞ともいえる「ドラクエ10」ですが、低解像度・低品質でも普通レベルという結果に。ブラウザゲームくらいであれば動かすことができます。
通常のデスクトップと同等…というわけには行きませんが、基本的なポイントをおさえ、2万円台から買えるPCとしては、破格の性能です!
スティックPCの注意点
発熱
モバイル向けのCPUといえども、この小ささでは冷却に余裕がなく、CPUの温度は高くなります。CPUの温度が高くなり過ぎると何が起こるのかというと、性能が下がります。熱でCPUが壊れる前に、強制的に性能を下げ、発熱を抑えるというわけですね。
しかし、以前はファンレスモデルが主流でしたが、現行モデルでは冷却ファン搭載モデルがメインとなっているので、冷却面での心配はありません。
メモリ容量
現在発売されているモデルでは、メモリ容量が2GBまたは4GBとなっています。ちなみにメモリとは例えるなら「机」のようなもので、机が広い=メモリの容量が多いと、それだけできる仕事の量が増えます。
快適動作ということであれば、4GBメモリ搭載モデルがおすすめ。意外にメモリを使うアプリが多く、例えば「Google Chrome」も2GBだと動作が遅くなります。ブラウザレベルでもメモリを使うので、今ならやはり4GBですね。
ストレージ容量
現行のスティックPCではストレージ容量が32GBまたは64GBとなっています。コスパに優れた32GB搭載モデルでは大型のWindowsアップデートに注意しましょう。
そもそも32GBとありますが、あくまでも理論上の話で実際に使えるのは27GBほど。そして、Windowsや初期アプリのインストール容量を除くと、実際に使えるのは10GBレベルです。
そこで問題となるのがWindowsアップデート。月例の定期更新レベルであれば特に問題にはならないのですが、たまにある大型アップデートだと、容量不足で更新できなくなる場合があります。
今では64GB搭載モデルが増えてきているので、基本的にはそちらを選びましょう。
ポートの数
これだけ小さいとどうしてもポートの数も少なくなってしまいます。
USBポートはせいぜい1つか2つ程度。マウスとキーボードはBluetoothで何とかなりますが、外付けHDDをはじめUSB機器を多く使う方は注意が必要です。
またLANポートは非搭載。無線LANオンリーなので、有線LANしかない方は別途ルーターが必要になります。
スティックPCの使い道
お手軽デスクトップ
どちらかというとサブ向きのお手軽デスクトップパソコンとして使うのがおすすめ。例えばリビングのTVにつないで、気軽にネットサーフィンや動画鑑賞を楽しむといったような感じです。
小型のプレゼン用マシン
その携帯性の高さを生かし、Bluetooth接続の小型キーボード&マウスとともに、出先に持ち運ぶことも可能。移動式のデスクトップとして、プレゼンテーションでも活用できます!
デジタルサイネージ
ショッピングモールなどの店頭で、ディスプレイで案内を流している光景を見たことはありませんか?あれがまさに「デジタルサイネージ」です。
そんなデジタルサイネージも、スティックPCさえあれば安く導入できてしまいます。HDMI端子がついた液晶モニターを準備して、コンテンツをいれたスティックPCを差し込み、イーゼルに立てかければ完成です。
コンテンツはパワーポイントのスライド機能でも作成できるので、業者に頼まずとも、個人商店レベルでかんたんに露出アップできるのでおすすめ。
おすすめスティックPCランキング
Diginnos Stick DG-STK5S(ドスパラ)
仕様
DG-STK5S | |
タイプ | ファン搭載 |
サイズ | W118×D45×H14mm |
重さ | 約75g |
OS | Windows 10 Home(Sモード) |
CPU | Celeron N4000 (2コア 定格1.10/最大2.60GHz) |
メモリ | 4GB(LPDDR4) |
ストレージ | 64GB eMMC |
グラフィクス | インテル UHD600 |
インターフェース | USB3.0 Type-A、USB3.0 Type-C、 HDMI |
外部メモリ | microSD(XC対応64GBまで) |
Wi-Fi規格 | IEEE802.11 ac/a/b/g/n |
Bluetooth | 5.0 |
付属品 | ・HDMI延長ケーブル ・ACアダプター |
保証 | 1年(最長3年) |
価格 | 26,800円(税込) |