今回レノボの【ThinkBook 15 Gen.3】をお借りしました。
ビジネスユースにも最適!ワンランク上の高いクオリティと、価格の安さを両立した、高コスパの15インチノートをチェックしてみましょう。
スペック
※2022年5月4日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
※割引クーポンは販売サイトに記載してあります。
外観
高級感あふれるデザイン
重厚感のあるブラックボディの、いかにもビジネス向けなThinkPadとは異なり、ThinkBookではミネラルグレーのカジュアルなイメージに仕上がっています。どちらかというと一般ノートブランドの”Ideapad”に近い印象を受けますね。
ボディの素材は2種類となっており、天板にはアルミニウム、ベースは樹脂を使用しています。
天板は非光沢の梨地加工が施され、見た目の美しさと、手になじむ上質の触り心地を実現しています。また、上下で風合いを変えており、デザイン面でいいアクセントになっているのもポイント。
ディスプレイのベゼル(ふち)がスリムなので、見た目も野暮ったさがなく、とてもスタイリッシュ。スリムな分、ボディもコンパクトになり、まさに一石二鳥ですね。
コンパクトボディもさることながら、厚さも18.9mmとスリム。そのため、重さは実測で1848gと2kgを下回っており、重くなりがちなアルミボディにしては軽いのもポイントです。
デザインはレノボらしく、装飾を極力排した機能美あふれるシンプルなもの。クセがなく、ビジネスシーンにもうまくマッチします。
便利なインターフェース
インターフェースは最新規格をしっかり搭載。
USBは全4ポート搭載。全てがUSB3.2規格で、そのうち左サイドのType-Cポート2基は、最大10Gbpsの高速転送に対応した”Gen.2規格”に対応しています。
ポート数や規格はもちろん、オーソドックスなType-A端子も装備しており、周辺機器を一通り接続できるラインナップとなっています。
そのほか映像出力用にHDMIポートを搭載するほか、LANポートやSDスロットもばっちり装備。ビジネスユースで欲しいものは、しっかりそろっていますね。
セキュリティ対策も万全
セキュリティにもしっかり配慮され、カメラ部分にはシャッターが装備されているのもポイント。デバイスからではなく、物理的にシャットアウトするのでとても安心です。
ちなみに、右上の電源ボタンは指紋認証センサーを兼ねています。本人認証のため、ログインパスワードよりも安全。また、ログインの際わざわざパスワード入力することなく、とてもスムーズです。
ディスプレイ&キーボード
IPSパネル搭載
ディスプレイのサイズは15.6インチですね。モバイルノートでおなじみの13.3インチよりも一回り大きく、だいぶゆとりがあります。据え置きで使うなら、このクラスは欲しいところです。
解像度は現在主流のフルHD(1920×1080)です。HDよりも画素が多い分、表示領域が広く、オフィス作業もはかどります。なお、表面は映り込みの少ないノングレアタイプなので、自分の顔とにらめっこすることなく、作業に集中できるのもいいですね。
ディスプレイのパネルには、高い発色とコントラストが魅力のIPSパネルを採用。鮮やかでくっきりした映像クオリティで、動画鑑賞などエンタメ用途にも最適です。
さらに視野角も広く、横から覗いても色むらがほとんどないのもポイント。ちなみに、型番(CMN151E)を調べてみましたが、ごくごく普通のパネルといったところですね。
ビジネスに便利なキーボード
横幅が広い15インチボディのため、テンキー付きキーボードを搭載しています。
Enterキー周りがちょっと窮屈ですが、各キーは大きめに造られ、配置そのものも素直。また、キーピッチは約19mmとデスクトップキーボードなみのゆとりがあるので、基本的に誤爆の心配はありません。
ThinkPad譲りのキーとして、ファンクションキー列にSkype&Teams通話の受信と終了が行えるキーが配置されています。また、サポートページにアクセスするキーも用意されており、ビジネス重視の姿勢が伺えます。
そのほか、電卓キーや任意にカスタマイズ可能なキーを装備し、さらにファンクションキーのロック機能も備える充実ぶりで、とても便利です。
キーストロークは浅すぎず深すぎず、標準的な深さですが、反発が高めで、しっかりした打鍵感となっています。キーボード面がアルミニウムということもあり、剛性も高く、安定感も◎。
もちろんトレンドの白色LEDもしっかり内蔵しています。薄暗い場所でタイピングしやすいのはもちろん、見た目も華やかになり、高級感がグッと増します。光り方ですが、下からしっかり照らし出すので、かなり派手な感じ。最大輝度だとなかなかの明るさです。
ちなみに、ファンクションキーで2段階+OFFの切り替えが可能なので、LEDが苦手な方も安心。
スムーズなタッチパッド
タッチパッドは、パッド部分とクリックボタンが一緒になった、オーソドックスな一体型タイプとなっています。
タッチパッドはサラサラした材質で、カーソル操作はとても滑らか。クリックボタンもカチカチと軽い力で反応し、応答性もバツグン。さらに建付けもよく、一体型にありがちなバタバタした感じが無いのもグッド。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH R23
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト「CINEBENCH R23」で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。


このモデルでは、AMDの第5世代ミドルクラスCPU・Ryzen 5 5600Uを搭載しています。下位のRyzen 5 5500Uと同じ6コア12スレッド構成ですが、最新世代の”ZEN 3”アーキテクチャを採用しており、シングル・マルチ性能が強化されています。
参考までに、下位モデルで搭載されている先代のRyzen 5 5500Uと比較してみると、シングルスコアは約18%、マルチスコアは約9%上回っています。シングル性能が強化されたことにより、動作のキレが心持ちよくなっている感じですね。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。
このCPUは、高性能のグラフィック・Radeon Graphicsを内蔵しています。ドライバの完成度がイマイチで、スコアがあまり伸びていません。ちなみに、内蔵グラフィックの性能なら、インテルの”Iris Xe Graphics”が一枚上手です。
総合スコア | Graphics Score | CPU/Physics Score | Combined Score | |
Time Spy | 760 | 669 | 3361 | ー |
Fire Strike | 1818 | 1993 | 17992 | 605 |
Night Raid | 9452 | 8279 | 9765 | ー |
Sky Diver | 7008 | 6610 | 12172 | 5915 |
Cloud Gate | 17238 | 15345 | 11369 | ー |
Ice Storm | 103988 | 113692 | 80071 | ー |
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測るソフトです。
ブラウジングやオフィス作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、余裕でクリアしており、スコア5000台前半の高いスコアをマーク。動画・画像編集などヘビーな作業にも対応できます。
なお、Ryzen 5 5500Uとの差は、総合スコアでわずか2%程度ということで、普段使いなら正直どちらでもOK。
動画エンコード
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・VCEでエンコードしています。なお、VCEはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE |
Ryzen 5 5600U | 26:34 | 13:48 | 3:38 |
Ryzen 5 5500U | 27:07 | 14:03 | 3:11 |
CPU勝負のソフトウェアエンコード(1Pass・2Pass)では、Ryzen 5 5600Uが早く変換を完了するものの、その差約2%と誤差レベル。
一方、VCEはRyzen 5 5500Uの方が早く、その差は約12%と大きめ。ドライバがイマイチなので、Ryzen 5 5600Uが苦戦していますね。。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE |
Ryzen 5 5600U | 41:12 | 20:32 | 3:26 |
Ryzen 5 5500U | 45:05 | 22:17 | 2:59 |
こちらは重量級のH.265での結果ですが、H.264とあまり変わらない感じ。ソフトウェアエンコードではRyzen 5 5600Uが早く変換を完了していますが、その差は約8~9%とやや大きくなります。
一方、VCEではRyzen 5 5500Uが早く、約13%差をつけています。
画像変換
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Ryzen 5 5600U | 1:20 | 5:15 |
Ryzen 5 5500U | 1:32 | 4:58 |
CPU勝負の画像変換では、変換形式によって結果が異なり、軽めのDNG変換では、Ryzen 5 5600Uが約13%早く変換を完了します。一方、重量級のJPEG変換では、Ryzen 5 5500Uが逆転し、約5%早く変換を終えています。
ドライバの最適化不足を加味しても、Ryzen 5 5600UとRyzen 5 5500Uでは性能に大差なく、基本的にはRyzen 5 5500U搭載モデルで十分です。価格も圧倒的に安いので、なおさら。
ドラクエ10
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
HD | 10824 | 15272 | 16680 |
フルHD | 5223 | 7949 | 8882 |
オンラインゲームの中でもずば抜けて軽いのですが、フルHD・最高品質でスコア5500に届かず。。このクラスだとスコア7000~8000あたりはいくので、ドライバの最適化不足といったところですね。
FF14(ファイナルファンタジー14 暁月の終焉)
知名度バツグンの国内産MMORPGですね。スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。現行のゲーミングPCであれば、フルHD・最高設定でスコア9000をしっかり超えたいところ。
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
HD | 2929 | 3762 | 4501 |
フルHD | 1559 | 2021 | 2478 |
重めのゲームなので、いずれの設定でもスコア9000オーバーならず。Iris Xe Graphicsを含め、現行の内蔵グラフィックでフルHDに対応できるのは、ドラクエ10やVALORANTなど超軽量級のものに限られます。
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルでは、256GB SSDを搭載しています。128GBだと実質使える容量は100GB未満と少ないですが、256GBもあればアプリやデータ類を多めに保存できます。なお、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプで、メーカーはSKHynixとなっています。
実際の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書きは、1000~3000MB/s台をマーク。特に読み込みの速さが光ります。一方、ランダムは標準レベルとなっており、トータルではスタンダードクラスのNVMe SSDといった感じですね。
なお、SSDともなると数値の差を体感することはできず、実際OSの起動からアプリの動作までサクサク動き、快適そのものです。
温度
CINEBENCH R23の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
6コア12スレッドのCPUですが、ピーク時でおおむね70℃半ばの安定した温度をキープしており、冷却性能は十分。
動作音
CINEBENCH R23のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ


50デシベルを超えるとノイズが気になるようになりますが、ピーク時で50.5デシベルとほぼきっかり。ファンは高速回転していますが、耳障りなノイズ感が控えめなので、うるさく感じません。標準的なノートPCそのものですね。
ちなみに最小時では46.9デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:トップクラスの電力効率・インテリジェント・クーリング
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約7時間40分をマーク。5時間を大きく超え、電源のない環境でも安心して使えます。ただし、10時間を超えておらず、過信は禁物です。
便利なユーティリティーソフトを完備
付属アプリとして”Lenovo Vantage”がインストールされています。各種動作設定からシステムの更新などサポートに至るまで、このアプリで全て設定でき、とても便利です。
サウンドエンジンは、有名どころの”Dolby ”となっています。Lenovo Vantageでも使う場面に応じ、ワンタッチで簡単に変更できるほか、Dolbyの専用アプリで好みのサウンドを設定できます。
こう見えてスピーカーの音質は良好で、低音~高音までよく伸び、音質にも厚みがあります。さらに、サラウンド効果もしっかり感じられ、迫力もばっちり。内蔵スピーカーにしては上出来ですね。
まとめ&現行モデル
高級感のある美しいアルミボディには、指紋認証センサーやLED内蔵キーボードをしっかり搭載。また、ビジネスに便利なオンライン会議の通話ボタンをはじめ、多彩なファンクションキーを装備し、まさに至れり尽くせり。性能も十分高く、トータルで非常に高いクオリティを実現しています。
この内容で価格が7万円台~と安く、コスパもバツグン。予算を重視しつつ、クオリティにもこだわりたい方におすすめの15インチノートです。
ThinkBook 15 Gen.3[Ryzen 5 5500U搭載モデル]
【スペック】
■OS:Windows 11
■ディスプレイ
15.6インチ フルHD ノングレア IPS
■CPU:Ryzen 5 5500U
■メモリ:8GB(LPDDR4X-4266)
■グラフィック:Radeon Graphics(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 256GB(PCIe NVMe)
■【クーポン利用】122,100円⇒73,920円(税・送料込)~
Ryzen 5 5500Uを搭載した低価格モデル。基本的にはこちらでOK。
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