今回パソコン工房の【STYLE-14FH056-i5-UHXX】をお借りしました。
14インチモデルでなんと約0.99kg!一回り大きい画面サイズが魅力のモバイルノートをチェックしてみましょう。
スペック
※2020年12月17日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
外観
実測948g!1kg以下の超軽量ボディ
実用性に特化した、シンプルなブラックボディの14インチモデルですね。クセの無い万能デザインで、カスタマイズで天板のロゴを省略できる徹底ぶり。ビジネスシーンでもバッチリ使えます。
モバイルノートといえば13インチモデルがメインとなりますが、ディスプレイの大きさにゆとりがある14インチモデルも最近人気が高くなっています。
もちろん携帯性にも優れており、ディスプレイのベゼル(ふち)を切り詰めた、スリムベゼルを採用することで横幅と奥行きを圧縮。
この通り、A4ファイルサイズよりも若干大きいサイズに抑えており、カバンにサッと入れることができます。
サイズもさることながら、ずば抜けて軽いのもポイント。
軽さで定評のある”マグネシウム合金”を採用することにより、なんと実測948gと1kg以下の超軽量ボディを実現しています。13インチモデルでも1kg以下というのは数が少なく、それより大きい14インチモデルでこの重さは驚きの一言です!
手に取った感じですが、さすがに1kg以下だと金属の重みをほとんど感じず、片手でラクラク持てます。パソコンを持っているという感じがしないのは◎。
なお、アメリカの軍事装備品の規格(MIL規格)をクリアしており、その耐久性は折り紙付き。持ち運びも安心です。
ポイントをおさえたインターフェース
USBは全3ポート搭載しており、USB3.1&3.0規格を採用しています。そのうち左サイドのUSB3.1ポートは、小型&リバーシブルのType-C端子となっており、通常端子とあわせ、あらゆる周辺機器を接続できます。
なお、USB3.1についてはバージョンの記載がありません。特に明記していないのを見ると、オーソドックスなGen.1規格といったところでしょうか。
そのほか、映像出力用のHDMIポートやmicroSDスロットをしており、普段使いで必要なものは一通り装備しています。
ディスプレイ&キーボード
発色に優れたIPSパネルを搭載
ディスプレイサイズは14.0インチジャストで、解像度は標準的なフルHDです。表面は非光沢のノングレアとなっています。
パネルの種類は特に記載されていませんが、調べてみるとIPSパネルとのこと。発色がきれいで、コントラストも高く、くっきり鮮やかな映像クオリティですね。動画鑑賞などエンターテインメント用途もバッチリです。
また、視野角が広く、サイドから覗いても色むらがほとんどないのもグッド。なお、参考までにスペックを記載しますが、色域が広めで、sRGBを100%カバー。スタンダードモデルながらクオリティは上々です。
手堅い完成度のキーボード
ボディは13インチよりもやや大きいものの、キーボードのテンキーは非搭載。
キーの種類は必要最低限で、整然と配置されています。特に打ちにくいキーなどはなく、配置そのものはとても素直。機能美を感じさせる配置ですね。
また、キーピッチは約19mmとデスクトップキーボード並みのゆとりが確保され、窮屈な感じはまったくなく、誤爆する心配はまずありません。
キーストロークは浅すぎず深すぎず、ノートPCの標準的な深さとなっており、適度な反発感も相まって、サクサク快適にタイピングできます。また、キーボード面の剛性も高く、安定感もバッチリです。
タッチパッドは、パッド部分とクリックボタンが一緒になった、オーソドックスな一体型タイプとなっています。
パッド部分の完成度は高く、サラサラしたさわり心地でカーソル操作はとてもスムーズ。一方、クリックボタンはそれなりに押し込む必要があり、クリックボタンの動作音も大きめと、いたって普通レベルです。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。


このモデルでは、インテル第10世代のミドルクラスCPU・Core i5-10210Uを搭載しています。上位モデルで搭載されているCore i7-10510Uと同じく、4コア8スレッド構成となっています。
参考までに比較してみると、シングル性能は約15%、マルチ性能は約19%ほどCore i7の方が高くなっています。基本的にはCore i5で十分ですが、編集用途でも使うなら、Core i7がおすすめ。
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測る定番ソフトです。
ブラウジングや各種編作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、スコア3000台の後半をマーク。ブラウジングやオフィスソフトなどの軽作業から、動画や画像編集などヘビーな作業までしっかりこなせる性能であることがわかりますね。
ちなみに、総合スコアで比較すると、Core i7-10510Uとの差は約13%程度。クリエイティブ系のスコアで差がついており、やはり編集作業メインならCore i7がおすすめです。
動画エンコード
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・QSVでエンコードしています。なお、QSVとはCPUのグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i5-10210U | 1:50:27 | 43:59 | 6:13 |
Core i7-10510U | 49:52 | 25:43 | 3:35 |
CPU勝負のソフトウェアエンコードでは、変換完了までの時間がとても長く、なんと2Passでは2時間近くとなっています。Core i5-10210Uにしてはかかりすぎなのですが、どうも冷却能力に問題がある?ようで、長時間負荷をかけると使用率が半分程度まで落ち込んでしまいます。
なお、GPUを使ったQSVモードでは特に問題ない結果となっています。やはりCore i7が有利で、約42%ほど早く変換を完了しています。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i5-10210U | 2:41:06 | 1:21:31 | 7:35 |
Core i7-10510U | 1:12:17 | 37:15 | 6:15 |
重量級のH.265でもやはり同じような傾向で、ソフトウェアエンコードでとんでもない時間がかかっています…。QSVは特に問題なく、Core i5がその差を大きく縮め、約18%差となっています。
画像変換
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Core i5-10210U | 1:54 | 5:55 |
Core i7-10510U | 1:36 | 4:21 |
画像変換でもCore i7やはり有利。軽めのDNG変換では約16%、重量級のJPEG変換でも約26%早く変換を終えています。
動画や画像編集の機会が多い方は、同じく4コア8スレッドCPUながら、動作クロックの高いCore i7が高いパフォーマンスを発揮し、動画や画像編集の機会が多い方はCore i7を選ぶのがおすすめです。
ドラクエ10
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
HD | 9636 | 10771 | 12042 |
フルHD | 5157 | 6281 | 8161 |
さすがにドラクエは軽く、フルHD・標準品質なら平均60fpsをキープできます。
PSO2
こちらはやや軽めのゲームです。エピソード4にてグラフィック描写が「設定6」に引き上げられましたが、それでもやはり軽いことに変わりありません。スコア4500以上で平均60fpsをキープできます。
設定6 | 設定5 | 設定4 | 設定3 | |
HD | 1468 | 2994 | 3766 | 5946 |
フルHD | 416 | 1217 | 1774 | 3035 |
さすがにドラクエのようにはいかず、HDでも最低ラインまで落とさないとスコア4500を超えません。第10世代のUHDシリーズだとゲーミングはまだまだ厳しい感じ。
FF14
おなじみの重量級ベンチマークです。スコア7000以上で【非常に快適】となり、スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
HD | 1898 | 3234 | 4271 |
フルHD | 991 | 1452 | 2116 |
FFクラスになると手も足も出ません。よくてドラクエどまりといったところ。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。PCの性能指標として、参考まで。
総合スコア | Graphics Score | CPU/Physics Score | Combined Score | |
Time Spy | 460 | 402 | 2659 | ー |
Fire Strike | 1113 | 1239 | 7632 | 366 |
Night Raid | 5054 | 5369 | 3793 | ー |
Sky Diver | 3870 | 3743 | 4999 | 3570 |
Cloud Gate | 6257 | 8186 | 3430 | ー |
Ice Storm | 51717 | 60438 | 34363 | ー |
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは1TBの超大容量SSDを搭載したシングルストレージ仕様です。ノートPCでは256GBや512GBがメジャーですが、1TBは破格。動画や画像などかさばるデータ類も多く保存することができ、とても便利ですね。メーカーはインテル製で、高速のNVMeタイプを採用しています。
肝心の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書きは4ケタをマークし、読み込みでは2000MB/sを超え、なかなか速いですね。ランダムは控えめながらしっかり速度が出ており、スタンダードなNVMe SSDといったところです。
実際の動作は良好で、Windowsの起動はとても早く、ブラウジングや各種アプリの動作もサクサクで快適そのもの。
温度
FF14実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
ピーク時でも60℃前半と安定した温度に落ち着いています。短時間では問題ないのですが、動画編集でチェックしたとおり、長時間の高負荷がネックですね。。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ


50デシベルが一つの区切りとなりますが、ピーク時で52デシベルとややオーバー。ファンノイズはしっかり聞こえますが、耳障りな甲高いノイズが控えめなので、さほど気になりません。よくあるノートPCのノイズといった感じです。
ちなみに最小時では46.7デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:省エネモード、より良いバッテリー
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約8時間40分と、モバイルノートの目安となる10時間には届かず。省エネモードでこの時間なので、物足りない感じがしますね。出先では使いすぎに注意です。
便利なユーティリティー機能
PCの設定ツールとして、【Control Center】が用意されています。
シーンに応じてディスプレイのモードを変更できるのはもちろん、パフォーマンス設定やファンコントロールまでワンタッチで設定できる優れものです。
なお、サウンド設定ツールは用意されていません。サウンドのクオリティですが、中音メインで軽めの質感となっており、ごく普通の内蔵スピーカーといったところです。
まとめ
14インチモデルにもかかわらず、1kg以下の超軽量&タフボディを実現しており、持ち運びはラクラク。しかも大容量の16GBメモリに1TB SSDを搭載した、カスタマイズ不要の初期構成で8万円台と安く、コスパも良好。14インチモバイルノートではかなり穴場的なモデルです。
が、長時間の高負荷でパフォーマンスが下がるのは残念ですね。。動画や画像編集などでも使いたい方は注意が必要です。
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