今回マウスコンピュータ【mouse X5】をお借りしました。
約1.39kgの超軽量ボディ!15インチとは思えないほどの軽さを実現した、プレミアムノートをチェックしてみましょう。
スペック
※2020年6月2日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
外観
機能美あふれるデザイン
きっちりした箱型フォルムが印象的なモデルですね。
余計な装飾や凹凸を極力排し、フラットな仕上がりとなっています。また、天板部分もプレス加工などもなく、ロゴのみと非常にシンプルです。
細かい部分も徹底しており、ディスプレイとベゼル(ふち)の境はほとんど段差がなく、シームレスでスッキリしています。
クールなシルバーのカラバリもばっちりきまっており、表面の美しい非光沢処理も相まって、とても洗練された印象に仕上がっています。触り心地もサラッとした感じで、とても上質。ワンランク上のクオリティを実現しています。
シンプルなフォルムと定番のカラバリは使うシーンを選ばず、学校やオフィスなどオフィシャルな場所でもしっかり使えます。
持ち運びしやすい超軽量ボディ
このモデル最大のポイントは、なんといっても圧倒的な軽さ。据え置きに最適な15インチサイズですが、モバイルノートに匹敵する軽さを実現しています。
その重さはなんと実測で1399g!15インチモデルだと2kg前後のものが多いのですが、2kgどころか1.5kgを下回っています。下手な14インチモデルよりも軽く、持ち運び用として使うのも全然あり。
軽さの秘訣は軽量材質&コンパクトボディの2点。
ボディの厚さは最薄部で17.9mmと2cm以下に抑え、とてもスリム。また、ディスプレイのベゼル(ふち)をスリムにすることで横幅と奥行きを圧縮し、幅356×奥行き233mmと一昔前の15インチモデルよりも一回り小さいコンパクトボディを実現しています。
そして材質ですが、マグネシウム合金を採用しています。軽量なだけでなく剛性も高いので、スリムボディながら頑丈です。
ただ、コンパクトとはいってもA4ファイルサイズよりもかなり大きく、頻繁に持ち運ぶのであれば、13インチや14インチモデルがおすすめ。
ポイントをおさえたインターフェース
USBは全4ポート搭載しており、USB3.0&2.0のオーソドックスな規格となっています。そのうち右側面のUSB3.0ポートは、小型&リバーシブルのType-C端子を採用しており、通常端子とあわせ、あらゆる周辺機器を接続できます。
そのほか映像出力用のHDMIポート・LANポート・microSDスロットもしっかり装備。普段使うものは一通りそろっていますね。なお、光学ドライブは非搭載ですが、最近ではダウンロードやストリーミングのコンテンツが普及しており、USBメモリなどで替えもきくので、無くてもほぼ困ることはないです。
また無線LANですが、Wi-Fi 6(802.11ax)に対応しているのもポイント。現行のWi-Fi 5(802.11ac)よりもさらに速くなり、最大約9.6Gbpsと約1.5倍の高速通信を実現しています。また遅延も少なくなっているため、快適にインターネットを楽しむことができます。
ディスプレイ&キーボード
発色の高いディスプレイ
ディスプレイサイズは標準的な15.6インチサイズで、解像度は現在主流のフルHDとなっています。HDよりも画素数が多い分だけ表示領域が広く、オフィス作業もはかどります。また、表面は非光沢のノングレアなので、自分の顔とにらめっこすることなく作業に集中できまるのもいいですね。
公式サイトでは具体的に記載していませんが、パネルの型番(CMN15E8)を調べてみると、IPSパネルとのこと。発色はとてもきれいで、コントラストも高め。メリハリのきいた美しい映像クオリティで、動画鑑賞にも最適です。
もちろん視野角も広いので、どの角度から見ても色むらはほとんどありません。なお、sRGBが92%となっており、色域はわりと広め。趣味レベルなら動画や画像編集などにも使えます。
シンプルなテンキーレスキーボード
15インチのワイドボディですが、テンキーは非搭載となっています。シンプルでモデルのコンセプトにはマッチしていますが、オフィスソフトなどでの入力作業ではやはりテンキーがあると便利。デザインを取るか、利便性を取るかといったところですね。
テンキーレスなので配列にはだいぶ余裕があり、全てのキーが独立しています。また、キーの種類は必要最低限ということもあり、クセのない非常に素直なキー配置となっています。
また、キーピッチは約18.5mmとゆとりある感覚が確保され、窮屈な感じはまったくなく、誤爆する心配はまずありません。
パッと見でわかるかもしれませんが、キーストロークは深めで、打鍵感をしっかり感じられるほど。キーボード面もマグネシウム合金なので剛性もバツグン。完成度は非常に高くなっています。
もちろん、トレンドの白色LEDを内蔵しています。下からしっかり照らし出すので、最大輝度だと華やか。薄暗い場所でタイピングもはかどります。もちろん、ファンクションキーで2段階+OFFの切り替えが可能なので、LEDが苦手な方も安心。
完成度の高いタッチパッド
タッチパッドは、パッド部分とクリックボタンが一緒になった、オーソドックスな一体型タイプとなっています。
一体型にしてはクリックボタンの完成度が高く、カチカチしたスイッチ感覚&軽く押し込むだけで反応し、まさにストレスフリー。一体型ではクリックボタンの建て付けが悪いものもちらほらありますが、そんな心配は全くありません。
もちろんパッド部分もしっかり造り込まれており、サラサラしたさわり心地でスムーズ&確実な操作ができます。ちなみに、パッドの左上をダブルタップすると、パッドのON/OFFを簡単に切り替えることができ、とても便利です。
充実したユーティリティー機能
一般のノートながらハード面だけでなく、ソフトも充実しています。
PCの設定ツールとして、【Control Center】が用意されています。
シーンに応じてディスプレイのモードを変更できるのはもちろん、パフォーマンス設定や動作モードまでワンタッチで設定できる優れものです。
そのほか、サウンドエンジンには【Sound BLASTER CINEMA5】を採用しています。シーンに応じてサラウンドやバスなどを好みに設定することが出来ます。
スピーカーの音質ですが、中音メインでサラウンド効果もそこそこ。標準的な内蔵スピーカーといったところですね。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。


このモデルでは、インテル最新世代となる第10世代の4コア8スレッドCPU・Core i7-10500Uを搭載しています。ちなみに、最新の第10世代では10nmプロセスの”ICE LAKE”と、14nmプロセスの”COMET LAKE”の2タイプが展開されていますが、Core i7-10510Uは”COMET LAKE”のCPUとなります。
なお、下位モデルでは同じく4コア8スレッドのAMD製APU・Ryzen 5 3500Uを搭載しています。グレード的にはCore i5相当のミドルクラスCPUで、参考までに比較してみると、シングル性能は約26%、マルチ性能は約12%差とCore i7がやはり有利。
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測るソフトです。
ブラウジングや各種編作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、しっかりクリア。スコア4000の大台迫るハイスコアをマークしています。
総合スコアで見ると、Core i7の方が約9%性能が高くなっています。項目別にみると、ブラウジングやアプリの動作など基本的なパフォーマンスはCore i7有利で、動画や画像編集などの編集系テスト”Digital Content Creation”ではRyzen 5のほう有利な傾向です。
以下実際の編集系テストでチェックしてみましょう。
動画エンコード
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・VCE/QSVでエンコードしています。なお、VCE/QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。VCEはAMD、QSVはインテルの名称です。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE/QSV |
Core i7-10510U | 49:52 | 25:43 | 4:04 |
Ryzen 5 3500U | 57:47 | 29:35 | 4:28 |
実戦だとCore i7が有利。CPU性能が重要になるソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では、Ryzen 5に対し約86~87%、ハードウェアエンコードはやや差が小さくなりますが、約91%の時間で変換を終えています。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE/QSV |
Core i7-10510U | 1:12:17 | 37:15 | 4:50 |
Ryzen 5 3500U | 1:33:20 | 46:52 | 4:24 |
重量級のH.265だとまた違う傾向となり、Ryzen 5に対しソフトウェアエンコードでは約77~79%とさらにその差が開きますが、ハードウェアエンコードでは約110%と逆転します。とはいえ、トータルで見るとやはりCore i7のほうが有利ですね。
画像変換
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Core i7-10510U | 2:05 | 6:31 |
Ryzen 5 3500U | 2:38 | 8:27 |
画像編集でもやはりCore i7が有利となっており、Ryzen 5に対し軽めのDNG変換では約79%、JPG変換でも約84%と時短効果はバツグン。編集用途ならCore i7がおすすめですね。
ドラクエ10
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
HD | 8698 | 10341 | 11824 |
フルHD | 4132 | 5543 | 6538 |
とても軽いゲームなだけあり、フルHDでも標準品質ならスコア5500を超えることができます。なお、Ryzen 5 3500Uの内蔵グラフィックは性能が高めなので、最高品質でもスコア5500をクリアできます。
PSO2
こちらはやや軽めのゲームです。エピソード4にてグラフィック描写が「設定6」に引き上げられましたが、それでもやはり軽いことに変わりありません。スコア4500以上で平均60fpsをキープできます。
設定6 | 設定5 | 設定4 | 設定3 | |
HD | 1258 | 3165 | 3310 | 5902 |
フルHD | 391 | 1146 | 1222 | 2151 |
軽めのゲームではありますが一気にスコアが落ち込み、HD・設定3までガッツリ落とさないとスコア4500に届きません。Ryzen 5 3500Uでは多少マシにはなるものの、内蔵グラフィックだとせいぜいドラクエあたりが限界です。
FF14
おなじみの重量級ベンチマークです。スコア7000以上で【非常に快適】となり、スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
HD | 1941 | 2748 | 3517 |
フルHD | 913 | 1343 | 1799 |
さすがにこのクラスともなると言わずもがなの結果ですね。オンラインゲームなら最低でもGTX 1050クラスは欲しいところ。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。PCの性能指標として、参考まで。
総合スコア | Graphics Score | CPU/Physics Score | Combined Score | |
Time Spy | 444 | 387 | 2764 | ー |
Fire Strike | 1046 | 1130 | 10576 | 360 |
Night Raid | 5022 | 4946 | 5506 | ー |
Sky Diver | 4471 | 4114 | 8361 | 4276 |
Cloud Gate | 8473 | 8796 | 7510 | ー |
Ice Storm | 59700 | 62210 | 52313 | ー |
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは256GB SSDのみ搭載したシングルストレージ仕様です。メーカーはKINGSTON製で、SATAⅢ規格のオーソドックスなSSDとなっています。
肝心の速度ですが、シーケンシャル・ランダムともに読み書きムラなく速度が出ています。SATAⅢ規格としては十分な速度が出ていますね。実際の動作ですが、Windowsの起動はとても早く、ブラウジングや各種アプリの動作もサクサクで快適そのもの。
温度
FF14実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
4コア8スレッドのハイスペックCPUですが、ピーク時でも60℃台と安定した温度に落ち着いています。冷却性能はとても高く、夏場でも安心して使えます。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ


50デシベルが一つの区切りとなりますが、ピーク時でも50デシベルをしっかり下回り、とても静か。ファンは高速回転していますが、ファンノイズは控えめなので、実際あまり気になりません。
ちなみに最小時では45.9デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:バランス、オフィスモード(標準)、より良いバッテリー
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約16時間50分と公称値には届かないものの、15時間を軽く超える優秀なロングライフバッテリーを実現しています。これだけもてば出先でも安心ですね。
おすすめカスタマイズ
動画や画像編集でも使うならメモリやSSDの容量を増やすのがおすすめ。なお、画像編集ではNVMeタイプのSSDにカスタマイズすると、変換時間がより早くなります。
メモリ
・16GB メモリ [ 16GB×1 ( PC4-21300 / DDR4-2666 ) ]
SSD
・512GB SSD ( M.2 SATA3 接続 )
・256GB NVM Express SSD ( M.2 PCI Express 接続 )
・512GB NVM Express SSD ( M.2 PCI Express 接続 )
⇒NVMeタイプは通常のSSDよりも4~5倍速く、画像編集の機会が多い方におすすめ。とことん速度にこだわるならサムスン製のものありますが、割高なのがネック。
まとめ&関連モデル
15インチモデルで約1.39kgの軽量ボディはまさに反則級。モデルそのものの完成度も高く、Core i7搭載モデルで10万円台とコスパも良好。持ち運びが可能な大画面ノートが欲しい方におすすめです。
mouse X5-B
【スペック】
■OS:Windows 10
■ディスプレイ
15.6インチ フルHD ノングレア
■CPU:Ryzen 5 3500U
■メモリ:8GB(DDR4-2666)
■グラフィック:Radeon Vega 8(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 256GB
■価格:89,800円(税込)~
AMDのRyzen 5を搭載したモデル。予算重視ならおすすめです。
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