今回マウスコンピューターの【mouse F-i5(Core i5-10210U搭載)】をお借りしました。
シンプルなブラックボディに光学ドライブを搭載!スタンダードノートのお手本ともいえる、マウスのド定番15インチモデルをチェックしてみましょう。
スペック
※2020年7月16日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
外観
使う人を選ばないシンプルボディ
飾り気のないシンプルなブラックボディで、「これぞまさにノートパソコン」というような出で立ちです。
装飾といえば天板のロゴくらいのもの。これといって癖がなく、使う人を選ばないクオリティとなっています。
ボディはオーソドックスな樹脂製ですが、天板は滑らかな感じに仕上げられ、安っぽさを感じさせないのはグッドですね。
スタンダードモデルながら、スリムベゼルを採用しているのもポイント。
ディスプレイのベゼル(ふち)を細くしているので、その分従来のモデルよりも、横幅と奥行きがコンパクトになっています。また、見た目もスッキリし、スタイリッシュなイメージに仕上がっています。コンパクト&スタイリッシュでまさに一石二鳥です。
なお、重さは実測で2005gと2kgをオーバーしています。15インチでは標準的な重さなので、据え置きで使いましょう。持ち運びには辛すぎます。
ポイントをおさえたインターフェース
15インチモデルということで、インターフェースは一通り装備しています。
USBは全4ポート搭載。規格はUSB3.1・USB3.0・USB 2.0と新旧そろい踏みで、左サイドのUSB3.1は小型&リバーシブルのType-Cポートを採用しています。ポート数・規格・形状は一通りそろっており、周辺機器の接続にはまず困りません。
画像出力ポートですが、現在主流のHDMIのほか、なんとD-subを搭載しています。アナログ出力のD-subポートは最近ではほとんどお目にかかれず、とても貴重。古いディスプレイやプロジェクターにもつなぐことができ、意外と?便利です。
その他光学式ドライブやLANポート、SDスロットもバッチリ搭載しています。特に光学ドライブは、最近のスリムモデルブームで搭載機種が少なくなっているのが現状です。なくても何とかなりますが、あるとやはり安心感が違います。
なお、SDスロットは底面に装備されています。
ディスプレイ&キーボード
フルHDディスプレイ搭載
ディスプレイは標準的な15.6インチですね。モバイルノートで主流の13インチよりもだいぶゆとりがあり、視認性はバツグン。据え置き用ならまずこのサイズは押さえておきたいところ。
なお、解像度は現在主流のフルHD(1920×1080)です。HD(1366×768)よりも画素数が多い分、表示領域が広くなっており、オフィス作業がはかどります。
ただ、発色はコントラストが低く、淡白で、クオリティはそこそこ。横から覗くと色むらがあり、TNパネルのような色合いです。動画鑑賞などが趣味で、映像クオリティにできるだけこだわりたいのであれば、IPSパネルを搭載した上位モデル(mouse X5)がおすすめ。
ゆとりのあるフル規格キーボード
15インチモデルということで、テンキー付きのフル規格キーボードを搭載しています。
キーはすべて独立しており、キーピッチは18.5mmと広めの間隔が確保され、だいぶゆとりがあります。キー配置もクセがなく素直なので、誤爆することはまずないでしょう。欲を言うなら、テンキーの”ENTER”を大型化し、余裕を持たせてほしかったところですね。
キーストロークはこの通り深めで、打鍵感をしっかり感じることができるレベル。また、キーボード面の剛性も、樹脂製ながら意外に高めなので、タイピングは快適そのもです。
分離タイプのタッチパッド
注目すべきはクリックボタン。ノートでは多くのモデルがタッチパッドとクリックボタンが一体化したタイプを採用していますが、このモデルでは分離タイプとなっています。
モデルによって完成度にムラがある一体型に比べ、確実にクリックできてストレスフリー。また、軽い力で反応し、動作音も静かなので、とても快適です。
もちろん、タッチパッドの完成度も高く、サラサラで滑らかな操作感で、スムーズなカーソル操作が可能です。スタンダードモデルながら、キーボード&タッチパッドの完成度が高いのは好印象。入力デバイスはよく使うだけに、この完成度の高さは嬉しいですね。
充実したユーティリティー機能
一般のノートながらハード面だけでなく、ソフトも充実しています。
PCの設定ツールとして、【Control Center】が用意されています。
パフォーマンス設定やファンの動作モードをワンタッチで設定でき、とても便利。
そのほか、おなじみCyberLinkのMedia Suiteがインストールされています。メディア再生や動画編集、ライティングまでこれ一つでOK。一通り使うものが入っているのはありがたいですね。
ちなみに、スピーカーの音質ですが、中音メインでサラウンド効果もそこそこ。標準的な内蔵スピーカーといったところですね。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。


このモデルでは、インテル最新世代のミドルクラスCPU・Core i5-10210Uを搭載しています。第8世代のCore i5-8265Uと同じ4コア8スレッド構成となっています。
参考までに、上位モデル(mouse X5)で搭載されている4コア8スレッドCPU・Core i7-10510Uと比較してみると、シングル性能はほぼ互角ですが、マルチ性能はCore i7の方が約27%高くなっています。基本的にはCore i5で十分ですが、編集用途でも使うなら、Core i7がおすすめ。
ちなみに、最新の第10世代では10nmプロセスの”ICE LAKE”と、14nmプロセスの”COMET LAKE”の2タイプが展開されていますが、Core i5-10210Uは”COMET LAKE”のCPUとなります。
両者の違いですが、かなりざっくりいうとCPUに力を入れているか、GPUに力を入れているかです。COMET LAKEでは8コア16スレッドのマルチコア・スレッドCPUが用意され、ICE LAKEでは、高性能グラフィック”IRIS PLUS”を内蔵したCPUが用意されています。
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測る定番ソフトです。
ブラウジングや各種編作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、スコア3000台の後半をマーク。ブラウジングやオフィスソフトなどの軽作業から、動画や画像編集などヘビーな作業までしっかりこなせる性能であることがわかりますね。
ちなみに、総合スコアで比較すると、Core i7-10510Uとの差は約3%程度。普段使いではほとんど変わらない使用感です。
動画エンコード
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・QSVでエンコードしています。なお、QSVとはCPUのグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i5-10210U | 56:35 | 29:00 | 4:18 |
Core i7-10510U | 49:52 | 25:43 | 3:35 |
まず軽めのH.264ですが、ソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)ではCore i7-10510Uが約11~12%、ハードウェアエンコード(QSV)では約17%早く変換を終えています。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i5-10210U | 1:23:06 | 43:00 | 6:44 |
Core i7-10510U | 1:12:17 | 37:15 | 6:15 |
重量級のH.265でもやはり動作クロックの高いCore i7が有利。ソフトウェアエンコードでは約13%、QSVでは約7%早く変換を終えています。
画像変換
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Core i5-10210U | 2:30 | 7:04 |
Core i7-10510U | 1:36 | 4:21 |
画像変換でもCore i7-10510Uがやはり有利。軽めのDNG変換では約36%、重量級のJPEG変換でも約38%早く変換を終えています。
動画や画像編集の機会が多い方は、同じく4コア8スレッドCPUながら、動作クロックの高いCore i7が高いパフォーマンスを発揮し、動画や画像編集の機会が多い方はCore i7を選ぶのがおすすめです。
ドラクエ10
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
HD | 8277 | 9795 | 10822 |
フルHD | 4041 | 5475 | 6366 |
さすがにドラクエは軽く、フルHD・標準品質なら(ほぼ)平均60fpsをキープできます。
PSO2
こちらはやや軽めのゲームです。エピソード4にてグラフィック描写が「設定6」に引き上げられましたが、それでもやはり軽いことに変わりありません。スコア4500以上で平均60fpsをキープできます。
設定6 | 設定5 | 設定4 | 設定3 | |
HD | 944 | 2799 | 2918 | 5152 |
フルHD | 323 | 973 | 1032 | 1875 |
さすがにドラクエのようにはいかず、HDでも最低ラインまで落とさないとスコア4500を超えません。UHDシリーズだとフルHDでのゲーミングはまだまだ厳しい感じ。
FF14
おなじみの重量級ベンチマークです。スコア7000以上で【非常に快適】となり、スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
HD | 1699 | 2374 | 3049 |
フルHD | 836 | 1229 | 1639 |
FFクラスになると手も足も出ません。よくてドラクエどまりといったところ。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。PCの性能指標として、参考まで。
総合スコア | Graphics Score | CPU/Physics Score | Combined Score | |
Time Spy | 459 | 401 | 2765 | ー |
Fire Strike | 1164 | 1279 | 8357 | 393 |
Night Raid | 5390 | 5514 | 4785 | ー |
Sky Diver | 4530 | 4232 | 7284 | 4361 |
Cloud Gate | 8750 | 10101 | 5960 | ー |
Ice Storm | 65511 | 73162 | 47960 | ー |
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは256GB SSDのみ搭載したシングルストレージ仕様です。メーカーはKINGSTON製で、SATAⅢ規格のオーソドックスなSSDとなっています。
肝心の速度ですが、シーケンシャル・ランダムともに読み書きムラなく速度が出ています。SATAⅢ規格としては十分な速度が出ていますね。実際の動作ですが、Windowsの起動はとても早く、ブラウジングや各種アプリの動作もサクサクで快適そのもの。
温度
FF14実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
4コア8スレッドのCPUですが、ピーク時でも50℃台と、かなり冷え冷え。ボディの厚さがそれなりにあり、冷却にだいぶ余裕がある感じですね。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ


50デシベルを超えるとノイズが気になるようになりますが、ピーク時で50.3デシベルとほぼきっかり。風切り音はしっかり聞こえますが、耳障りな甲高いノイズは控えめなので、さほどうるさくは感じません。
ちなみに最小時では45.9デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:バランス、省電力、より良いバッテリー
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約6時間と公称値よりも低めとなりました。5時間の最低ラインは超えていますが、決して長くはないので、電源のない環境で使う際は注意。
おすすめカスタマイズ
基本的にカスタマイズ不要ですが、編集用途でも使うなら、メモリやSSDの増やすのがおすすめ。また、HDDを追加してデュアルストレージにすると、アプリとデータの保存先を分けることができ、より便利になります。
ちなみに、このモデルはLTEモジュールをカスタマイズすることができます。別途SIMカード(規格や対応バンドはカスタマイズページに記載)を用意すれば、Wi-Fi環境がなくてもインターネットを使うことができるので、とても便利。
メモリ
・16GB メモリ [ 8GB×2 ( PC4-21300 / DDR4-2666 ) / デュアルチャネル ]
⇒編集用途でも16GBもあれば十分です。
SSD
・512GB SSD ( M.2 SATA3 接続 )
・512GB NVM Express SSD ( SAMSUNG PM981 / M.2 PCI Express x4 接続 )
⇒NVMeタイプは通常のSSDよりも4~5倍速く、特に画像編集の機会が多い方におすすめ。なお、体感速度は通常のSSDとほぼ変わりません。
HDD
・1TB HDD
・2TB HDD
モバイルネットワーク
・LTE通信モジュール(内蔵) ※別途SIMをご用意いただく必要があります
まとめ&関連モデル
シンプルなブラックボディに光学ドライブを搭載した、スタンダードノートを地で行くモデルですね。ノートパソコンの生命線ともいえる、キーボードやタッチパッドの完成度も高く、価格も8万円台と良心的。充実したサポート付きの15インチノートとしておすすめのモデルです。
mouse F5-i3(Core i3-10110U搭載)
【スペック】
■OS:Windows 10
■ディスプレイ
15.6インチ フルHD ノングレア
■CPU:Core i3-10110U
■メモリ:8GB(DDR4-2400)
■グラフィック:UHD グラフィックス(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 256GB
■価格:79,800円(税込)~
Core i3を搭載したベーシックモデル。ブラウジングやオフィス作業など基本的なタスクならCore i3でもOK。サクサク快適に動きます。
なお、予算重視なら、第8世代のCore i3-8145U搭載モデルを選ぶのもあり。
mouse X5
【スペック】
■OS:Windows 10
■ディスプレイ
15.6インチ フルHD ノングレア IPS
■CPU:Core i7-10510U
■メモリ:8GB(DDR4-2666)
■グラフィック:UHD Graphics(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 256GB
■価格:109,800円(税込)~
Core i7-10510Uを搭載した上位モデル。軽量&タフなマグネシウム合金製なので、約1.39kgと15インチとは思えないほど軽いのがポイント。また、ディスプレイにはIPSパネルを採用しており、美しい映像を堪能できます。
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