今回マウスコンピュータ【m-Book X400S】をお借りしました。
重さ約1.13kgの超軽量14インチモデルがついに登場!13インチも真っ青なモバイルノートをチェックしてみましょう。
スペック
※2019年8月20日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
外観
シンプルなデザイン
見事なまでのフラットなボディで、装飾のたぐいは一切なく非常にシンプルです。ダークグレーのシックなカラバリも相まって、実用性全振り。クセがなく個人用としてはもちろん、ビジネスノートにも最適です。
ボディは一見樹脂製に見えますが、なんとマグネシウム合金製となっています。堅牢性が高いのでモバイルノートに最適。持ち運びも安心です。
圧倒的な軽さを誇る14インチモデル
このモデルは14インチサイズです。持ち運びに最適な13インチと、据え置きに最適な15インチのいいとこどりをしたサイズということで、最近人気が高くなっています。
このモデルの最大の武器はなんといっても【圧倒的な軽さ】です。
その重さはなんと実測1128g!あらかたの13インチモデルよりも軽く、もはや14インチモデルとは思えないレベルです。片手でラクラク持ち運べます。
また軽いだけでなく、コンパクトボディというのもポイント。
ディスプレイのベゼル(ふち)を極限まで切り詰めた、ナローベゼルを採用することにより、奥行きと横幅が一般的な14インチモデルよりも小さくなっています。
A4ファイルサイズと比べてみると一目瞭然。奥行きはピッタリ、横幅がややはみ出すくらいの大きさと、13インチモデルに限りなく近いサイズを実現しています。
さらに厚さも17.5mmと2cm以下のスリムボディとなっており、かばんへの収まりもバツグン。モバイル用途に最適です。
13インチとほぼ同じ大きさで、圧倒的に軽い14インチモデルーまさに反則級ですね。
モバイルノートなのにLANポート付き
USBは全4ポート搭載しており、USB3.0&2.0のオーソドックスな規格となっています。そのうち右側面のUSB3.0ポートは、小型&リバーシブルのType-C端子を採用しており、通常端子とあわせ、あらゆる周辺機器を接続できます。
そのほか映像出力用のHDMIポートやLANポートを搭載しています。このLANポートは珍しいですね。最近のモバイルノートでは省略されがちですが、やはり有線LANの方が安定感は上なので、据え置きのシーンで活用できます。
ディスプレイ&キーボード
発色の高いディスプレイ
ディスプレイサイズは14.0インチぴったりで、解像度は標準的なフルHDです。表面は非光沢のノングレアとなっており、自分の顔とにらめっこすることなく作業に集中できます。
パネルの種類は不明ですが、コントラストは高めで発色も優れており、IPSパネルに近いクオリティです。動画鑑賞などエンターテイメント用途もバッチリです。
また、視野角が広く、サイドから覗いても色むらはほとんどありません。
また、先に紹介しましたがナローベゼルを採用しています。横幅&奥行きをコンパクトにできるだけでなく、見た目もスタイリッシュになり、まさに一石二鳥ですね。
白色LED内蔵キーボード
ボディは13インチよりもやや大きいものの、キーボードのテンキーは非搭載です。キーキャップが真四角なので、引き締まった印象を受けますね。
キーの種類は必要最低限ということもあり、クセのない非常に素直なキー配置となっています。機能美を感じさせる配置ですね。
また、キーピッチは約18mmとしっかり余裕が確保され、窮屈な感じはまったくなく、誤爆する心配はまずありません。
パッと見でわかるかもしれませんが、キーストロークは約1.4mmとノートにしては深めで、打鍵感をしっかり感じられます。キーボード面もマグネシウム合金なので剛性もバツグン。完成度は非常に高くなっています。
もちろん、トレンドの白色LEDを内蔵しています。下からしっかり照らし出すので、最大輝度だと華やか。薄暗い場所でタイピングもはかどります。もちろん、ファンクションキーで2段階+OFFの切り替えが可能なので、LEDが苦手な方も安心。
超大型タッチパッド
キーボードもさることながら、タッチパッドの完成度も◎。
タッチパッドは、パッド部分とクリックボタンが一緒になった、オーソドックスな一体型タイプとなっています。
一体型にしてはクリックボタンの完成度が高く、カチカチしたスイッチ感覚&軽く押し込むだけで反応し、まさにストレスフリー。一体型ではクリックボタンの建て付けが悪く、しっかり押し込まないと反応しないモデルがちらほらあるので、この完成度は感動レベルですね。
もちろんパッド部分もしっかり造り込まれており、サラサラしたさわり心地でスムーズ&確実な操作ができます。また、パッドそのものがどデカいので、ポジション取りもラクラク。
充実したユーティリティー機能
一般のノートながらハード面だけでなく、ソフトも充実しています。
PCの設定ツールとして、【Control Center】が用意されています。
シーンに応じてディスプレイのモードを変更できるのはもちろん、パフォーマンス設定やファンコントロールまでワンタッチで設定できる優れものです。
そのほか、サウンドエンジンには【Sound BLASTER CINEMA5】を採用しています。シーンに応じてサラウンドやバスなどを好みに設定することが出来ます。
スピーカーの音質ですが、低音こそ弱いものの、意外と中・高音域が伸びます。また、メリハリのあるしまったサウンドで、内蔵タイプにしては頑張ってますね。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。


このモデルでは、インテル第8世代のCPU・Core i5-8265Uを搭載しています。4コア8スレッドのマルチコア・スレッド構成となっており、ブラウジングやオフィス作業はもちろん、動画や画像編集など重い作業までこなせるオールラウンダーCPUです。
結果はかなり変則的で、マルチスコアはよく伸び、シングルスコアは逆に伸び悩む、極端なスコアをマークしています。上位モデルで搭載されている4コア8スレッドCPU・Core i7-8565Uと比較してみると、その極端さがわかるかと思います。
PCMark 8&PCMark 10
【PCMark 8】はブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的なノートパソコンで想定される用途での性能を測るソフトです。
基本的なタスクの処理性能をチェックする【HOME・WORK】テストはもちろん、重量級の編集テストを含む【CREATIVE】テストでも頭一つ抜けた高いスコアをマークしており、その実力はホンモノです。
こちらは上記のテストを一元化した【PCMark10】の結果となりますが、本格的な動画や画像編集用途の目安となるスコア3000を大きく超え、まさにオールラウンダーCPUというにふさわしいスペックです。
ちなみに、先のCINEBENCHでは変則的な結果となりましたが、Core i7の方が最大約15%性能が高くなっています。当然といえば当然ですが、基本的な性能はCore i7が上です。
動画エンコード
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・QSVでエンコードしています。なお、QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のことです。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i5-8265U | 1:03:36 | 33:11 | 4:31 |
Core i7-8565U | 1:03:04 | 32:36 | 4:12 |
Core i5のパフォーマンスが非常に優秀で、Core i7に肉薄しています。その差は10%もありません。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i5-8265U | 1:33:20 | 48:01 | 6:35 |
Core i7-8565U | 1:33:07 | 47:44 | 5:50 |
重量級のH.265でも同じような傾向ですが、QSVではCore i7がCore i5に対し約87%の時間で変換を終えており、かろうじて上位CPUのメンツを保っています。
画像変換
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が意外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Core i5-8265U | 2:52 | 7:44 |
Core i7-8565U | 1:50 | 5:40 |
動画編集とは打って変わって大きく差がつくようになり、軽めのDNG変換ではCore i7がCore i5の約63%、JPEG変換でも約73%の時間で変換を完了しており、かなりの時短効果を発揮します。
動画編集はともかく、写真撮影など画像編集の機会が多い方は、Core i7を選ぶのがおすすめ。
ドラクエ10


グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
いずれも内蔵グラフィックのUHD 620を搭載していますが、Core i5ではフルHD・低品質でスコア5656(快適)のところ、Core i7ではフルHD・標準品質でもスコア5500を超えてきます。3Dゲーム性能はCore i7のほうがやや有利といったところでしょうか。
以下その他のゲームもチェックしてみましょう。
PSO2
こちらはやや軽めのゲームです。エピソード4にてグラフィック描写が「設定6」に引き上げられましたが、それでもやはり軽いことに変わりありません。スコア4500以上で平均60fpsをキープできます。
さすがにフルHDは厳しいものがあり、HD・設定3でスコア4747とかろうじてスコア4500を超えます。3Dゲームならよくてドラクエ止まりですね。
FF14
おなじみの重量級ベンチマークです。スコア7000以上で【非常に快適】となり、スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。
無理を承知で動かしましたが、HD・標準品質でスコア2991(やや快適)をマーク。このクラスだと動かせるだけでもすごい、というレベルです。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。PCの性能指標として、参考まで。
総合スコア | Graphics Score | CPU/Physics Score | Combined Score | |
Time Spy | 411 | 359 | 2465 | ー |
Fire Strike | 992 | 1066 | 9381 | 347 |
Night Raid | 4718 | 4667 | 5034 | ー |
Sky Diver | 4213 | 3901 | 7534 | 3978 |
Cloud Gate | 8110 | 8569 | 6832 | ー |
Ice Storm | 53636 | 56977 | 47768 | ー |
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは256GB SSDのみ搭載したシングルストレージ仕様となっています。メーカーはSSDやメモリでおなじみのADATA製のものを搭載しています。
肝心の速度ですが、シーケンシャル・ランダムともに読み書きムラなく速度が出ています。SATAⅢ規格なら十分な速さです。
もちろんゲームの読み込みは早く、アプリの動作もサクサクで快適そのもの。
温度
FF14実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
ピーク時でも60℃前半と安定した温度に落ち着いています。4コア8スレッドのCore i5-8265Uにしてはよく冷えていますね。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ


50デシベルが一つの区切りとなりますが、ピーク時でも50デシベルをわずかに超える程度に抑えています。甲高いファンノイズということもあり、風切り音はやや気になりますね。
ちなみに最小時では45.9デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。
バッテリー持続時間
モバイルノートということで、「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。
条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:バランス、より良いバッテリー
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約11時間20分でした。省エネモードではなく通常のバランスモードでこの時間なので、モバイルノートとしては上出来です。これなら出先でも安心。
まとめ&関連モデル
14インチモデルながら、13インチ顔負けのサイズと軽さを実現。さらに高耐久のマグネシウムボディにも関わらず、価格も10万円以下と安く、コスパも◎。
まさにダークホース的存在で、モバイルノートなら13インチを差し置いてまずおすすめのモデルです。
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