今回デルの【Inspiron 15 5000 プラチナ[5515]】をお借りしました。
高性能のRyzen 5000シリーズ搭載!高いクオリティとコスパの高さを両立した、15インチスタンダートをチェックしてみましょう。
スペック
※2021年10月7日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
※割引クーポンは販売サイトに記載してあります。
外観
洗練されたアルミボディ
スタンダードモデルにしてはクオリティが高く、天板の素材にアルミニウムを使用しています。
表面は非光沢の梨地加工が施され、落ち着きのある美しい仕上がりとなっています。
また、金属の高い質感も相まって、触り心地も上々。しっとりと手になじむ上品な感触は、高級感を感じさせます。
デザインはデルらしくとてもシンプルで、装飾は天板のロゴのみ。ラウンド加工を取り入れた美しいプレーンボディにより、機能美も兼ね備えています。
排気口はキーボードの奥側、ヒンジ部分に設置されており、目立たないようカモフラージュされているのもいいですね。
コンパクト&軽量ボディ
最近では15インチノートでも、コンパクト&軽量ボディがブームとなっていますが、このモデルも例外ではありません。
この通り、ディスプレイのベゼル(ふち)をスリム仕様にすることで、横幅を圧縮。従来モデルから、さらにベゼルの幅が狭くなり、よりコンパクトに進化しています。
厚さも最厚部で17.99mmと、2cm以下のスリムボディとなっており、スリムベゼルも相まって、とてもスタイリッシュですね。
そして重さですが、アルミパネルを採用しているにも関わらず、実測1658gとかなり軽くなっています。いまだに2㎏台のモデルがあることを考えると、とんでもなく軽いですね。
ただ、さすがに1.5kgを大きくオーバーしているため、モバイルノートのように使うのはおすすめしません。
リフトアップヒンジ搭載
機能面もしっかり考えられており、”リフトアップヒンジ”を搭載しています。リフトアップヒンジとは画面を開いたときに、ボディがせり上がるギミックのこと。
適度な傾斜ができるためタイピングしやすくなるほか、接地面とパソコンの間にすき間が空くことで、給排気がスムーズになり、冷却能力もアップします。下にノートPCクーラーを置いているようなもので、熱い夏場でも安心。
ヒンジ部分が大きく造られているので、少しの傾きでもリフトアップするのはグッドです。
スタンダードなインターフェース
光学ドライブは非搭載ながら、必要なものは一通りそろっています。
USBは大容量給電に対応した、USB3.1 Gen.1を3基搭載。決して多くはありませんが、3つもあれば周辺機器の接続にはまず困りません。
なお、左サイドには、小型&リバーシブルのType-Cポートを装備しています。オーソドックスなType-Aポートも合わせて、様々な機器を接続できるのがポイント。
そのほかHDMIポートやLANポート、SDスロットも搭載し、普段使いで必要なものは一通りそろっています。まさに教科書通りといったところ。
安心のセキュリティ機能
スタンダードノートでは珍しく、カメラ部分にプライバシーシャッターを装備しています。使わないときはシャッターを閉めることで、不正アクセスなどからプライバシーを保護することができます。デバイス機能のON/OFFではなく、物理的にシャットアウトするのでとても安心ですね。
さらに、電源ボタンに指紋認証センサーを内蔵。本人認証のため、ログインパスワードよりも安全。また、ログインの際わざわざパスワード入力することなく、とてもスムーズです。
ディスプレイ&キーボード
IPSパネル搭載
ディスプレイはオーソドックスな15.6インチサイズですね。13・14インチよりも一回り大きく、だいぶゆとりがあります。据え置きならまずおすすめです。
なお、解像度はオーソドックスななフルHDとなっています。HDよりも画素数が多く、美しい映像描写ができるのはもちろん、表示領域も広く、オフィス作業もはかどります。
パネルは、前モデルに続きIPSパネルを搭載。
高コントラスト・高発色・高視野角の3点を兼ね備えており、美しい映像を描写することができます。動画鑑賞などエンタメ用途にも最適なクオリティです。
高視野角なので、この通り横から見ても色むらがほとんどありません。
完成度の高いキーボード
横幅の広い15インチモデルということで、テンキーを搭載したフル規格キーボードとなっています。キーボード面のカラーはタイタングレーで、渋めの印象を受けますね。
一部キーが連結したデル仕様ですが、各キーは大きめに造られ、極端に小さいキーはありません。配置そのものもは素直で、テンキー部分に電卓ボタンを装備する親切仕様となっているのは、ポイントが高いですね。
キーピッチも約19mmとデスクトップキーボード並みの間隔が確保されており、だいぶゆとりがあります。これなら誤爆することもないでしょう。
気を付けるとしたら、右上の電源ボタンでしょうか。配置的に誤って押してしまいそうなのがネックすが、ほかのボタンよりも固めになっており、普通にタイピングしたくらいでは反応しないので、そこまで心配する必要はありません。
キーストロークは浅すぎず深すぎず、標準的な深さです。適度に反発もあるので、打鍵感を楽しみつつ、快適にタイピングできます。なお、剛性は普通レベルです。
もちろん、トレンドの白色LEDをバッチリ内蔵しています。見た目が華やかになるだけでなく、薄暗い場所でタイピングしやすくなり、とても便利。ふわっとした上品な光り方もグッドですね。
なお、LEDは2段階の明るさに設定でき、もちろんOFFにも設定可能。LEDが苦手という方でも安心です。
スムーズなタッチパッド
タッチパッドはクリックボタンとパッドが一緒になった、オーソドックスな一体型のタイプです。
表面はサラサラした材質で、カーソル操作は非常にスムーズ。クリックボタンの完成度がなかなかよく、軽い力で”カチカチ”と小気味よく反応し、建付けもしっかりしているので非常に静か。
一体型だとしっかり押し込まないと反応せず、動作音もうるさい…なんてケースをちらほら見かけますが、そんな心配は全くありません。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。


このモデルでは、AMDの第5世代8コア16スレッドAPU・Ryzen 7 5700Uを搭載しています。前世代と同じ”ZEN 2”アーキテクチャを踏襲しおり、マルチスレッド化することで、さらにパワーアップしているのがポイント。インテル製CPUを圧倒する高いパフォーマンスを発揮します。
参考までに、下位モデルに搭載されている6コア12スレッドのRyzen 5 5500Uと比較してみると、シングル性能は約7%、マルチ性能は約25%高くなっており、コア・スレッド数の差がきっちり出ています。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。
このCPUは、高性能のグラフィック・Radeon Graphicsを内蔵しています。とてもよくスコアが伸びてていますが、インテルの高性能内蔵グラフィック・Iris Xe Graphicsに比べ、スコアはワンランク落ちてしまいます。
総合スコア | Graphics Score | CPU/Physics Score | Combined Score | |
Time Spy | 1288 | 1131 | 6057 | ー |
Fire Strike | 3243 | 3546 | 19034 | 1124 |
Night Raid | 13656 | 14641 | 9887 | ー |
Sky Diver | 12013 | 11704 | 15359 | 10647 |
Cloud Gate | 21262 | 25760 | 13197 | ー |
Ice Storm | 100043 | 122586 | 60868 | ー |
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測るソフトです。
動画や画像編集用途でも使うのであればスコア3000がボーダーとなりますが、余裕で超えており、スコア5000オーバーのゲーミングノートにも匹敵する高いスコアをマークしています。
なお、Ryzen 5 5500Uとの差は、総合スコアで約4%程度にとどまり、普段使いならRyzen 5でも十分すぎる性能です。
動画エンコード
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・VCE/QSVでエンコードしています。なお、VCE/QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。VCEはAMD、QSVはインテルの名称です。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE/QSV |
Ryzen 7 5700U | 24:21 | 12:34 | 3:17 |
Ryzen 5 5500U | 27:07 | 14:03 | 3:11 |
CPU性能が重要になるソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では、やはりコア・スレッドの多いRyzen 7 5700Uが有利。Ryzen 5 5500Uより約10~11%早く変換を完了しています。
一方、ハードウェアエンコードではほとんど差がつかず、せいぜい3%程度となっています。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE/QSV |
Ryzen 7 5700U | 46:20 | 23:13 | 2:53 |
Ryzen 5 5500U | 45:05 | 22:17 | 2:59 |
重量級のH.265では、Ryzen 7 5700Uの性能がいまいち伸びず、約3~4%差ではありますが、Ryzen 5 5500Uにひっくり返されています。CPUの使用率は100%なところを見ると、処理そのものがうまくいっていない感じがしますね。
なお、ハードウェアエンコードでは、両差は変わらず約3%となり、ほぼ互角です。
画像変換
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Ryzen 7 5700U | 1:33 | 5:47 |
Ryzen 5 5500U | 1:32 | 4:58 |
画像変換もCPU勝負となりますが、ここでもRyzen 7 5700Uの性能が伸び悩んでいます。軽めのDNG変換ではほぼ互角、重量級のJPEG変換では、Ryzen 5 5500Uに約14%差をつけられています。
どうにも最適化不足といった印象で、Ryzen 5でも十分といった感じですね。
ドラクエ10
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
フルHD | 8870 | 11277 | 12373 |
Iris Xe Graphicsには及ばないものの、内蔵グラフィックにしては性能が高く、フルHD・最高品質でスコア8000台をマーク。超軽量級のゲームならフルHDでも楽しむことができます。
FF14(ファイナルファンタジー14 暁月の終焉)
知名度バツグンの国内産MMORPGですね。スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。現行のゲーミングPCであれば、フルHD・最高設定でスコア9000をしっかり超えたいところ。
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
HD | 4905 | 5982 | 7063 |
フルHD | 2779 | 3661 | 4508 |
重めのゲームなので、いずれの設定でもスコア9000オーバーならず。ただ、以前の内蔵グラフィックでは考えられないほどスコアが高く、だいぶ進化しています。
CrystalDiskMark
”CrystalDiskMark”は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックするソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは512GB SSDを搭載したシングルストレージ構成です。256GBのさらにその上を行く容量の多さで、動画や画像などかさばるデータ類も多めに保存することができます。もちろん、SSDは通常タイプよりも4~5倍速いNVMeタイプのSSDを採用し、メーカーはSK hynixとなっています。
その実力ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書き速度はいずれも4ケタをマークし、読み込みでは3000MB/sオーバーとまさに爆速!一方、ランダムは標準的な速度が出ており、トータルで見ると、中の上クラスといったところですね。
もちろん、OSの起動からブラウジング、各種アプリの動作にいたるまでサクサク動いて、とても快適です。
温度
FF14実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
ピーク時で、70℃前半と安定した温度をキープ。8コア16スレッドCPUでこの温度なら、冷却性能はとても優秀といえますね。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ


50デシベルを超えるとノイズが気になるようになりますが、ピーク時で49.6デシベルと、ほぼ50デシベルきっかりをマーク。ファンの回転音は大きめですが、耳障りな甲高いノイズがほとんどなく、あまりうるさく感じないのはグッド。
ちなみに最小時では46.9デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:バランス、より良いバッテリー
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約12時間10分と、まさかの10時間オーバー!スタンダードノートにしては驚異的なバッテリーの持ちで、電源のない環境でも安心して使えます。
充実したユーティリティー機能
毎度おなじみのサウンドエンジン”Waves MaxxAudio Pro”が標準で搭載されています。イコライザーやサラウンド機能など必要なものは一通り搭載されており、ご覧の通りかんたんに調整することができます。
なおスピーカーの音質ですが、低音~高音までしっかり伸び、厚みのある音質で迫力があります。なにより、重低音に負けないスピーカーというのはポイントが高いです。さらに、サラウンドも効いており、臨場感があるのもいいですね。
また、”CinemaColor”機能を搭載しています。
動画・夜間・スポーツ・アニメーションそれぞれのシーン最適な色彩設定をすることで、鮮やかで深みのあるカラーで映像コンテンツを楽しむことができます。発色の高いIPSパネルとの相性は抜群です。
そのほか、サポート機能も装備しており、”SupportAssist”機能では、ドライバのアップデートからハードのスキャンまでワンストップで実行できます。また、サポート窓口のアクセスのカバーし、万が一の場合でも安心です。
まとめ&関連モデル
アルミパネルを採用した高品質ボディは、コンパクト&スリムでとてもスタイリッシュ。IPSパネルやバックライト付きキーボード、指紋認証センサーを標準装備する充実ぶりで、価格は6万円台~と安く、コスパは◎。15インチではイチオシのモデルです。
なお、Ryzen 7は8コア16スレッドにしては性能がイマイチ伸びないので、基本的にRyzen 5で十分ですね。
Inspiron 15 5515 プレミアム
【スペック】
■OS:Windows 10
■ディスプレイ
15.6インチ フルHD ノングレア
■CPU:Ryzen 5 5500U
■メモリ:8GB(DDR4-3200)
■グラフィック:Radeon RX Vega 7(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 256GB(PCIe NVMe)
■【クーポン利用】93,170円⇒69,280円(税・送料込)~
Ryzen 5を搭載したスタンダートモデルです。基本的にこのモデルでOK。
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