今回デルの【Inspiron 15 3000 プレミアム[3585]】をお借りしました。
15インチのベーシックノートがモデルチェンジ。洗練されたデザインと高いコスパが自慢のモデルをチェックしてみましょう。
スペック
※2019年7月1日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
※割引クーポンは販売サイトに記載してあります。
外観
美しい非光沢ボディ
ベーシックモデルながら、クオリティは大分向上しています。
ボディの素材は従来と同じく樹脂製ではありますが、つや消しの非光沢加工が施されており、仕上がりはとてもきれいです。美しいラウンドフォルムも相まって、上品な感じですね。
もちろんさわり心地もよく、以前はザラザラした感じだったのですが、新モデルではしっとりと手になじむ感触です。
外観の高いクオリティもさることながら、キーボード面を幾何学模様にする芸の細かさ。ベーシッククラスにオシャレ要素を取り入れるあたり、新モデルへの意気込みを感じさせます。
選べるカラバリ
デザインもさることながら、カラバリに力を入れているのもポイント。
従来はブラック1色でしたが、新モデルでは【スパークリングホワイト・ブラック・シルバー・カッパー】の4色が用意されています。オーソドックスなカラーからユニークなカラーまでよりどりみどり。好みのカラーを選べるのは嬉しいですね。
ポイントをおさえたインターフェース
15インチモデルということで、フル規格のインターフェースとなっています。
USBは大容量給電に対応したUSB3.1 Gen.1×2・USB 2.0×1の計3ポート。
画像出力はHDMIで、その他光学式ドライブやLANポート、SDスロットも搭載しています。さすがにリバーシブルのType-Cポートはありませんが、ベーシックモデルなら十分すぎる内容です。
もちろん光学式ドライブ付きとなっており、まさに教科書通りのラインナップでとても使いやすいですね。
ディスプレイ&キーボード
HDディスプレイ搭載
ディスプレイは15.6インチの標準的なサイズで、解像度は現在主流のフルHDよりもワンランク下のHD(1366×768)となっています。
フルHDとの違いですが、そもそも画素数が少ないので、フルHDに比べやや粗っぽく見えます。最近ではフルHDの動画コンテンツが増えており、きれいな映像で動画鑑賞を楽しみたいのであれば、フルHDがおすすめ。
また、画素数が少ない分フルHDよりも表示領域が狭くなります。オフィス作業やブラウジングでスクロールする機会が多くなり、不便に感じることも。効率性重視ならやはりフルHDがおすすめで、HDはある程度妥協が必要になります。
ちなみにディスプレイの発色ですが、やや淡白な感じ。
横から見ると色むらがあります。こればかりは価格なりといったところで、上位モデルとはしっかり差別化されていますね。
シンプルなキーボード&タッチパッド
15.6インチということで、スタンダードなテンキー付きキーボードとなっています。
キー配列はおなじみのDell仕様ですね。”Enterキー”など一部キー周りが連結されていますが、それ以外は素直なので、基本的に誤爆の心配はありません。また、キーピッチは約19mmとデスクトップキーボード並みの感覚が確保され、ゆとりがあるのも◎。
キーストロークですが、従来モデルと変わらず浅く、反発感も弱め。ちょっと物足りない感じですが、押し込まずしてサクサク打ち込めるので、これはこれでありでしょう。こだわりが無ければ十分使えるクオリティです。
タッチパッドはオーソドックスな一体型のタイプです。表面は樹脂製で、ややざらつきがあり、カーソル操作の精度は高めです。また、クリックボタンはやわらかく、バタつきが無いのもいいですね。
充実したユーティリティーソフト
デルといえばこれ、サウンドエンジン【Waves MaxxAudio Pro】が標準で搭載されています。
イコライザーやサラウンド機能など必要なものは一通り搭載されおり、ご覧の通りかんたんに調整することができます。なおスピーカーの音質ですが、中音域メインでやはり迫力不足です。音楽などを楽しむのであれば、ヘッドホンがおすすめです。
そのほか、おなじみCyberLinkのMedia Suiteがインストールされています。メディア再生や動画編集、ライティングまでこれ一つでOK。一通り使うものが入っているのはありがたいですね。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。


このモデルでは、AMDの4コア8スレッドAPU【Ryzen 5 2500U】を搭載しています。APUとは、ざっくりいうとCPUと高性能グラフィック機能をひとまとめにしたもの。グレードとしてはスタンダードレベルで、インテルでいうとCore i5に相当します。
同じく4コア8スレッドのインテルCPU【Core i5-8250U】と比較してみると、マルチ性能はほぼ互角ですが、シングル性能はCore i5の方が約29%高く、Core i5の方に分があります。
PCMark 8&PCMark 10
【PCMark 8】はブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的なノートパソコンで想定される用途での性能を測るソフトです。
グラフを見るとわかりやすく、現行の標準的なノートPCを大きく超えるスコアをマークしています。重量級の【CREATIVE TEST】でも頭一つ抜けたスコアをマークし、あらゆる用途に対応できる高性能APUということがわかります。
あわせて上記のテストを一元化した【PCMark 10】のスコアもチェックしてみましょう。ブラウジングや各種編作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、ラクラク超えてきます。
なお、ライバルのCore i5と比べてみると、テストによってはRyzen 5の方が高いスコアをマーク。なかなかいい勝負ですね。
次は実際のエンコード作業や画像変換作業の性能をチェックしてみましょう。
動画エンコード
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・VCE/QSVでエンコードしています。なお、VCE/QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。VCEはAMD、QSVはインテルの名称です。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE/QSV |
Ryzen 5 2500U | 1:20:56 | 41:10 | 11:05 |
Core i5-8250U | 1:05:30 | 34:43 | 5:36 |
マルチコア性能&シングルコア性能いずれも高いCore i5が有利で、2PassではRyzen 5の約80%の時間でエンコードが完了します。ハードウェアエンコードにもなると、約半分程度の時間になり、Core i5が圧倒的です。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE/QSV |
Ryzen 5 2500U | 2:15:34 | 1:10:14 | 11:07 |
Core i5-8250U | 1:35:07 | 49:44 | 6:52 |
重量級のH.265にもなるとその差はさらに開き、2Passでは約70%と短縮します。ハードウェアエンコードは約半分程度と変わりませんが、エンコードならCore i5が有利です。
画像変換
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Ryzen 5 2500U | 3:10 | 10:21 |
Core i5-8250U | 4:12 | 8:50 |
軽めのDNG変換ではRyzen 5がCore i5に対し約75%の時間で変換を完了しますが、JPEGでは一転、Core i5がRyzen 5対し約85%の時間で変換を完了します。直に変換するのであれば、Core i5が有利ですね。
ドラクエ10


グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
結果はHD・最高品質でスコア8169(とても快適)とCore i5よりも約10%高く、3DゲームではRyzen 5の方が有利です。
以下その他のゲームもチェックしてみましょう。
PSO2
こちらはやや軽めのゲームです。エピソード4にてグラフィック描写が「設定6」に引き上げられましたが、それでもやはり軽いことに変わりありません。スコア4500以上で平均60fpsをキープできます。
HD・設定3でスコア7038とようやくスコア4500を超えます。軽めではありますが、内蔵グラフィックだと厳く、よくてドラクエレベルといったところ。
FF14
おなじみの重量級ベンチマークです。スコア7000以上で【非常に快適】となり、スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。
HD・標準品質でスコア4681(快適)をマーク。さすがに無理がありますが、内蔵グラフィックにしては立派。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。PCの性能指標として、参考まで。
総合スコア | Graphics Score | CPU/Physics Score | Combined Score | |
Time Spy | 781 | 704 | 2057 | ー |
Fire Strike | 2104 | 2517 | 8124 | 630 |
Night Raid | 7133 | 8951 | 3317 | ー |
Sky Diver | 7425 | 8032 | 6560 | 5425 |
Cloud Gate | 12688 | 18589 | 6011 | ー |
Ice Storm | 62710 | 86198 | 32098 | ー |
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは256GB SSDのみを搭載した、シングルストレージ構成となっています。HDDよりも速いのはもちろん、通常SSDよりも4~5倍高速のNVMeタイプを採用するこだわりようです。
SSDのメーカーは安定性で定評のある東芝製。爆速とまではいきませんが、シーケンシャル(連続データ)の読み込みが1000を超え、NVMeらしいスコアをマークしています。実際の操作感ですが、OSの起動はもちろん、ブラウジングや各種アプリの動作も早く、とても快適です。
温度
FF14実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
ピーク時でもおおむね70℃前後と安定した温度に落ち着いています。4コア8スレッドの熱いCPUではありますが、冷却性能は全く問題ありません。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ


ピーク時で50.6デシベルと標準的な動作音です。ファンは高速回転していますが、ノイズも少なめであまり気になりません。
ちなみに最小時では45.9デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:Dell、より良いバッテリー
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約4時間40分と5時間に届かず、ちょっと物足りない感じ。しかし持ち運びを想定したモバイルノートではないので、バッテリーの持ちをあまり気にする必要はありません。
まとめ&関連モデル
前モデルからデザインが大幅にブラッシュアップされ、ベーシックモデルとは思えないクオリティへ見事に進化しています。また、低価格で高性能なRyzen 5の性能も魅力的で、予算重視の15インチモデルとしてますおすすめ。
なお、Ryzen搭載モデルではフルHDディスプレイが選択できないので、インテルCPU搭載モデルを選びましょう。
Inspiron 15 3000[スタンダード・Core i3-7020U搭載]
【スペック】
■OS:Windows 10
■ディスプレイ
15.6インチ フルHD ノングレア
■CPU:Core i3-7020U
■メモリ:4GB(DDR4-2666)
■グラフィック:HD 620(CPU内蔵)
■ストレージ:HDD 1TB
■【クーポン利用】
51,980円⇒36,081円(税・送料込)~
Core i3・メモリ4GB・1TB HDDのスタンダードな初期構成となっています。ブラウジングやオフィス作業などの基本的なタスクを快適にこなせます。
Inspiron 15 3000[プレミアム・Core i5-8265U&SSD搭載]
【スペック】
■OS:Windows 10
■ディスプレイ
15.6インチ フルHD ノングレア
■CPU:Core i5-8265U
■メモリ:8GB(DDR4-2666)
■グラフィック:UHD 620(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 256GB(PCIe NVMe)
■【クーポン利用】
90,980円⇒71,383円(税・送料込)~
Core i5・メモリ8GB・256GB SSDを搭載した高性能モデルで、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプを搭載しています。ブラウジングやオフィス作業はもちろん、動画・画像編集までこなせるオールラウンダーモデルです。
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