今回デルの【Inspiron 14 5000 スタンダード[5490]】をお借りしました。
第10世代インテルCPU搭載!高いクオリティと価格の安さを両立した、コスパが光る14インチモバイルノートをチェックしてみましょう。
スペック
※2020年1月18日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
※割引クーポンは販売サイトに記載してあります。
外観
洗練されたアルミボディ
ボディそのものはオーソドックスな樹脂製ですが、天板の素材にアルミニウムを使用しています。エントリークラスの3000シリーズとは一味違いますね。
表面は非光沢の梨地加工が施され、落ち着きのある美しい仕上がりとなっています。触り心地も上々で。しっとりと手になじむ上品な感触です。スタンダードモデルながら高級感があります。
デザインはクセがなく、とてもシンプル。プレーンボディにラウンドフォルムを取り入れ、機能美を感じさせる仕上がりです。
排気口はキーボードの奥側、ヒンジ部分に設置されており、目立たないようカモフラージュされているのはグッド。


カラバリは非常に充実しており、プラチナシルバー・アイスゴールド・アイスライラック・アイスミントの4色が用意されています。中でも緑と紫系のカラーは珍しいですね。
貸し出し機はアイスライラックですが、見ての通り原色バリバリではなく、淡い感じの紫でとても上品な感じ。
コンパクト&軽量ボディ
ボディのサイズは14インチですね。大きめのディスプレイを搭載したモバイルノートとして、最近人気のサイズです。
ディスプレイのベゼル(ふち)をスリム仕様にすることで、横幅と奥行きを圧縮。14インチモデルにしてはコンパクトで、A4ファイルサイズよりもやや大きいサイズとなっています。このサイズならカバンにもさっと入れることができますね。
もちろん、コンパクトな分軽く、実測で1393gと1.5kg以下なので持ち運びもOKです。ちなみに、同じ5000シリーズの13インチモデル・Inspiron 13 5000との差は約100g。体感ではかなり変わるので、頻繁に持ち運ぶのであれば、やはり13インチがおすすめ。
リフトアップヒンジ搭載
機能面もしっかり考えられており、【リフトアップヒンジ】を搭載しています。リフトアップヒンジとは画面を開いたときに、ボディがせり上がるギミックのこと。
適度な傾斜ができるためタイピングしやすくなるほか、接地面とパソコンの間にすき間が空くことで、給排気がスムーズになり、冷却能力もアップします。下にノートPCクーラーを置いているようなもので、熱い夏場でも安心。
ただ、135°以上とかなり傾ける必要があり、あくまでも補助的なギミックと考えるのが吉。
充実したインターフェース
コンパクトモデルなので、光学ドライブやLANポートは非搭載ながら、13インチモデルよりも内容は充実しています。
USBは大容量給電に対応したUSB3.1 Gen.1ポートが3基、レガシーのUSB2.0ポートが1基の計4基搭載されています。そのうち左サイドのUSB3.1ポートは、小型&リバーシブルのType-Cで、ディスプレイ出力にも対応しています。
ポートの数・タイプともに一通りそろっており、周辺機器の接続にはまず困りません。モバイルノートで周辺機器を多く使いたい場合にはもってこいですね。
そのほかHDMIポートやmicroSDスロットも搭載し、普段使いで必要なものは一通りそろっています。
ディスプレイ&キーボード
高発色ディスプレイ
ディスプレイは14.0インチきっかり。13インチよりも一回り大きく、やはりゆとりがありますね。携帯性よりも視認性を重視するならおすすめのサイズです。
なお、解像度はオーソドックスななフルHDとなっています。HDよりも画素数が多く、美しい映像描写ができるのはもちろん、表示領域も広く、オフィス作業もはかどります。
パネルの種類については特に記載はありませんが、型番(BOE082E)を調べてみると、確定情報ではありませんが、どうにもIPSパネルっぽい感じ。
発色はきれい&くっきりした映像クオリティなので、動画鑑賞などエンターテイメント用に最適。また、視野角も広く、横から覗いても色むらは少なめなのもいいですね。
完成度の高いキーボード
13インチよりも横幅は大きいものの、キーボードはテンキーレスとなっています。
SpaceやEnter周りのキーが連結された、おなじみのデル仕様ですね。キーの種類は13インチモデルと全く同じで、配列も非常に素直。また、キーピッチは約19mmとデスクトップキーボード並みのゆとりが確保されており、誤爆の心配はまずありません。
唯一気を付けるとしたら、一番右上の電源ボタンでしょうか。ただ、ほかのボタンよりも固めになっており、普通にタイピングしたくらいでは反応しないので、そこまで心配する必要はなし。なお、電源ボタンは指紋認証センサー内蔵タイプにカスタマイズ可能です。
キーストロークは標準的な深さです。適度に反発もあるので、打鍵感を楽しみつつ、快適にタイピングできます。なお、剛性は普通レベルです。
もちろん、最近のトレンドである白色LEDも搭載しています。薄暗い場所でのタイピングしやすくなるだけでなく、見た目も華やかになり、まさに一石二鳥。LEDがあるだけでリッチな感じがしますね。
光り方ですが、下からしっかり照らし出す感じで、けっこう明るめ。LEDは2段階の明るさに設定でき、もちろんOFFにも設定可能。LEDが苦手という方でも安心です。
スムーズなタッチパッド
タッチパッドはクリックボタンとパッドが一緒になった、オーソドックスな一体型のタイプです。
表面はサラサラした材質で、カーソル操作は非常にスムーズ。一方クリックボタンの完成度は普通な感じ。操作感は軽めですが、ややバタつく感じの建付けで、クリック音はそれなりにします。
充実したユーティリティー機能
毎度おなじみのサウンドエンジン【Waves MaxxAudio Pro】が標準で搭載されています。イコライザーやサラウンド機能など必要なものは一通り搭載されており、ご覧の通りかんたんに調整することができます。
なおスピーカーの音質ですが、やはり内蔵タイプなので低音は弱く、中音メインで高音はそれなりです。音の広がりは感じられ、臨場感があるのはいいですね。
そのほか、【CinemaColor】機能を搭載しています。
動画・夜間・スポーツ・アニメーションそれぞれのシーン最適な色彩設定をすることで、鮮やかで深みのあるカラーで映像コンテンツを楽しむことができます。発色の高いIPSパネルとの相性は抜群です。
そのほか、バッテリー機能の設定アプリ【Power Manager】機能も搭載しています。
”サーマル管理”ではシステムの消費電力やファン動作を一括で設定でき、シーンに応じて最適なモードを柔軟に選択できます。また、”バッテリエクステンダ”ではバッテリー駆動時の消費電力を最小限に抑えることができ、特にバッテリの持ちを重視したい場合に有用です。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。


このモデルでは、インテル最新世代となる第10世代のCPU・Core i3-10110Uを搭載しています。第8世代のCore i3と同じく2コア4スレッド構成で、ベーシッククラスのCPUとなります。ノートパソコンを選ぶなら、まずこのクラスは押さえておきたいところ。
ワンランク上の4コア8スレッドCPU・Core i5-10210Uと比較してみると、シングル性能こそCore i3高いものの、マルチ性能はCore i5のほうが約60%高くなっています。コア・スレッド数で大きく差がついており、編集系の作業で動作に余裕を持たせるならCore i5がおすすめです。
ちなみに、最新の第10世代では10nmプロセスの”ICE LAKE”と、14nmプロセスの”COMET LAKE”の2タイプが展開されていますが、Core i3-10110Uは”COMET LAKE”のCPUとなります。
両者の違いですが、かなりざっくりいうとCPUに力を入れているか、GPUに力を入れているかの差です。COMET LAKEでは8コア16スレッドのマルチコア・スレッドCPUが用意され、ICE LAKEでは、高性能グラフィック”IRIS PLUS”を内蔵したCPUが用意されています。
PCMark 8&PCMark 10
【PCMark 8】はブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的なノートパソコンで想定される用途での性能を測るソフトです。
重量級の編集系テスト”CREATIVEテスト”から、ブラウジングやオフィスソフトなど軽作業メインの”WORKテスト”までそつなくパフォーマンスを発揮。現行ノートの標準的な性能指標よりも約11~13%ほど性能が高くなっています。
一方Core i5は現行ノートの標準的な性能指標よりも約21~31%ほど性能が高く、まさに盤石といったところ。
こちらは上記のテストを一元化した【PCMark10】の結果となります。動画や画像編集用途の目安となるスコアは3000となりますが、見事にクリアしています。Core i3でこのスコアはなかなか画期的で、やはり予算重視でもCore i3を入れておくと安心ですね。
Core i5はよくスコアが伸び、こちらはスコア4000の大台に突入。ヘビーな作業でも安心です。
動画エンコード
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・QSVでエンコードしています。なお、QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のことです。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i3-10110U | 1:34:00 | 46:33 | 4:52 |
Core i5-10210U | 59:02 | 31:13 | 3:46 |
当然ながらCore i3は時間がかかりますね。Core i5よりも、2Passでは約59%多く時間がかかる一方、QSVでは約29%と半分まで差を詰め、やはりCPU勝負だと分が悪い感じです。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i3-10110U | 2:12:14 | 1:07:48 | 7:19 |
Core i5-10210U | 1:27:22 | 45:11 | 5:35 |
こちらは重量級のH.265での結果です。こちらもほぼ同じ傾向で、Core i5よりも2Passでは約51%、QSVでは約31%多く時間がかかります。
QSVを使えば3割増しに抑えられますが、ファイルのサイズが大きければそれだけ差がつくので、動画編集の機会が多い方はCore i5がだんぜんおすすめ。
画像変換
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が意外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Core i3-10110U | 3:55 | 10:48 |
Core i5-10210U | 2:13 | 5:10 |
軽めのDNG変換では、Core i5よりも約77%多く時間がかかりますが、JPEG変換ではなんと2倍以上の差をつけられています。
動画に限らず、画像編集の機会が多い方もCore i5がおすすめです。
ドラクエ10
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
HD | 5949 | 7638 | 8692 |
フルHD | 2870 | 4137 | 4808 |
とにかく軽いドラクエですが、さすがにCore i3だとスコアが伸びず、フルHDでは歯が立ちません。HDまできっちり解像度を落とす必要があります。
PSO2
こちらはやや軽めのゲームです。エピソード4にてグラフィック描写が「設定6」に引き上げられましたが、それでもやはり軽いことに変わりありません。スコア4500以上で平均60fpsをキープできます。
設定6 | 設定5 | 設定4 | 設定3 | |
HD | 583 | 1426 | 1456 | 2714 |
フルHD | 234 | 546 | 593 | 1055 |
ドラクエの時点でかなり苦しいので、それより重いとなるとこの通り全滅です。Core i5でもどうしようもなく、内蔵グラフィックでオンラインゲームはまだまだといったところ。
FF14
おなじみの重量級ベンチマークです。スコア7000以上で【非常に快適】となり、スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
HD | 1305 | 1796 | 2151 |
フルHD | 678 | 915 | 1123 |
言わずもがなといったところで、一応動かせるといったレベルですね。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。PCの性能指標として、参考まで。
ちなみに、Time Spyでスコアを計測できなかったのはメモリ不足だからです。ヘビーな作業やマルチタスクだと4GBではメモリ不足で、タスクの処理性能が大幅に落ちます。安定性重視ならまず8GBは欲しいところですよね。
総合スコア | Graphics Score | CPU/Physics Score | Combined Score | |
Time Spy | ー | ー | ー | ー |
Fire Strike | 790 | 812 | 5818 | 287 |
Night Raid | 3627 | 3713 | 3208 | ー |
Sky Diver | 3395 | 3233 | 4728 | 3247 |
Cloud Gate | 5981 | 6868 | 4121 | ー |
Ice Storm | 50525 | 52517 | 44605 | ー |
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは256GB SSDのみ搭載したシングルストレージ仕様となっています。SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプを採用しているのもポイント。メーカーは安心の東芝製となっています。
実際の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)はいずれも4ケタ、読み込みに至っては2000MB/sオーバーとまさに爆速。一方でランダムはそこまで伸びず、一般的なSATAⅢ規格に近い速度となっており、トータルでみるとスタンダードクラスのNVMe SSDという感じです。
ともあれ、OSの起動は早く、各種アプリの動作もサクサクでとても快適。SSDクラスともなると数値の差を体感することはほぼできず、あまり気にする必要はありません。。
温度
FF14実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
ピーク時で70℃半ばと安定した温度をキープ。動作に全く問題ありませんが、2コア4スレッドのCPUにしてはちょっと高い印象ですね。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ


50デシベルを超えるとノイズが気になるようになりますが、ピーク時で52.8デシベルをマーク。一般ノートPCにしては可もなく不可もなくといったところ。ファンは高速回転していますが、耳障りな甲高いノイズは控えめなので、あまりうるさく感じないのはいいですね。
ちなみに最小時では45.9デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:Dell、より良いバッテリー
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約12時間20分と10時間オーバー、出先でも安心して使えます。ミドルクラスモデルでこの時間はとても優秀です。
まとめ&関連モデル
天板のアルミパネルに梨地仕上げの高品質ボディ、トレンドのLEDキーボードを搭載するなど、ミドルクラスモデルにしてはなかなか完成度が高くなっています。
モバイル性は13インチに軍配が上がるものの、ディスプレイにはゆとりがあり、インターフェースも充実しているので、軽さよりも機能性を重視する方に最適。価格は5万円台からと非常に安く、コスパも◎。14インチモデルではまずおすすめのモデルですね。
なお、ライトな作業メインならCore i3×4GBメモリモデルでもOKですが、マルチタスクや編集作業用途であれば、下記のモデルがおすすめです。
Inspiron 14 5000[プレミアム]
【スペック】
■OS:Windows 10
■ディスプレイ
14.0インチ フルHD ノングレア
■CPU:Core i5-10210U
■メモリ:8GB(DDR4-2666)
■グラフィック:UHD Graphics(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 256GB(PCIe NVMe)
■【クーポン利用】84,980円⇒64,723円(税・送料込)~
Core i3の約1.5倍の性能を持つCore i5を搭載したモデル。
8GBメモリに大容量の256GB SSDの充実した初期構成で、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプを採用するこだわりよう。ブラウジングやオフィスなどの軽作業から、動画・画像編集までサクサクこなせるオールラウンダーモデルです。
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