今回デルの【Inspiron 13 5000 プラチナ[5390]】をお借りしました。
ミドルクラスの5000シリーズが大幅に進化!高いクオリティと軽量化を実現した、新世代の13インチモバイルノートをチェックしてみましょう。
スペック
※2019年10月16日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
※割引クーポンは販売サイトに記載してあります。
外観
美しいアルミボディ
ついにミドルクラスの5000シリーズでも、ボディの素材にアルミニウムを使用するようになりました。
もちろん表面は非光沢の梨地加工が施されており、美しい仕上がりとなっています。さわり心地も良く、表面はサラッとした手になじむ感触で高級感を感じさせます。一方、ディスプレイ周りはホワイトの樹脂製フレームでカバーされ、高級感だけでなくカジュアルさもあわせ持っています。
デザインそのものはデルらしいプレーンボディで、機能美を感じさせるシンプルなフォルムです。継ぎ目の少ないユニボディということもあり、見た目の美しさも◎。
ちなみに、タッチパッドの周囲はダイヤモンドカット加工できれいに装飾する芸の細かさ。ミドルクラスとは思えない高いクオリティを実現しています。
排気口はこのとおりキーボードの奥側、ヒンジ部分に設置されています。うまいことカモフラージュされていますね。
カラバリは実機のプラチナシルバーのほか、アイスライラックが用意されています。
このアイスライラックですが、紫系統のカラバリはかなり珍しいですね。淡い紫の上品な色合いのセンスも良く、個人的にはイチオシです。
コンパクト&軽量ボディ
ボディのサイズは持ち運び&据え置きに最適な13インチですが、携帯性はきっちり進化しています。
ディスプレイのベゼル(ふち)をスリム仕様にすることで、従来モデルよりも奥行きと横幅ともに約15mmほど圧縮し、さらにコンパクトなボディに仕上げています。
ちょっと見にくいですが、A4ファイルサイズと比べてみると一回り小さく、厚さも最厚部で14.9mmに抑えられており、かばんにサッと収納できるジャストサイズを実現しています。重さも従来モデルから100g以上も軽量化し、実測で1266gと持ち運びもラクラクです。
リフトアップヒンジ搭載
機能面もしっかり考えられており、【リフトアップヒンジ】を搭載しています。リフトアップヒンジとは画面を開いたときに、ボディがせり上がるギミックのこと。
適度な傾斜ができるためタイピングしやすくなるほか、接地面とパソコンの間にすき間が空くことで、給排気がスムーズになり、冷却能力もアップします。下にノートPCクーラーを置いているようなもので、熱い夏場でも安心。
ただ、135°以上とかなり傾ける必要があり、あくまでも補助的なギミックと考えるのが吉。
インターフェースは最小限
コンパクト&スリムボディということもあり、インターフェースは最低限となっています。もちろん、光学ドライブやLANポートは非搭載です。
USBはUSB3.1ポートが左右に1つずつ、計2ポート搭載されています。そのうち左サイドのポートは、小型&リバーシブルのType-Cタイプで、ディスプレイ出力にも対応しています。あくまでも最低限なので、周辺機器を接続するなら、Bluetoothを活用するのもおすすめ。
そのほかHDMIポートやmicroSDスロットも搭載し、普段使いで必要なものは一通りそろっています。
ディスプレイ&キーボード
IPSパネル搭載
ディスプレイはコンパクトな13.3インチサイズです。15インチより一回り小さいですが、11インチや12インチに比べるとゆとりがあり、携帯性と視認性をうまく両立した絶妙のサイズです。
なお、解像度はオーソドックスななフルHDとなっています。
パネルはIPSを採用しており、発色に優れコントラストも高く、映像クオリティはかなり高め。表面のグレア処理も相まって、動画鑑賞などエンターテイメント用に最適ですね。
視野角も広く、横から覗いても色むらは少なめです。
完成度の高いキーボード&タッチパッド
キートップが塗装され、パッと見デルっぽくない感じ。どちらかというとHPのモデルに近いタイプで、高級感があります。この変わりようはちょっと驚き。
コンパクトモデルということで、キーボードはテンキーレスとなっています。
一部のキーが連結仕様となっている、おなじみのデル仕様ですが、整然とした素直なキー配置なので基本的に誤爆の心配はありません。気をつけるとしたら小型の”Enterキー”や電源ボタンくらいでしょうか。”backapace”を押そうとしたら、スリープモードに…というケースもありえますが、要は慣れの問題ですね。
ちなみに、キーピッチは約19mmとデスクトップキーボード並みの間隔が確保され、窮屈な感じがしないのはグッド。
キーストロークはこの通りやや深めとなっており、打鍵感を楽しみつつ、快適にタイピングできます。
そしてなんと!5000シリーズでも白色LEDを内蔵するようになりました。見た目の華やかになるだけでなく、薄暗い場所でのタイピングしやすくなります。デルの最新ミドルクラスモデルは気合の入れようが違いますね。
なお、LEDは2段階の明るさに設定でき、もちろんOFFにも設定可能。LEDが苦手という方でも安心です。
高級感あふれるタッチパッド
タッチパッドはオーソドックスな一体型のタイプを採用しています。先に紹介した通り、ダイヤモンドカット加工で美しい仕上がりです。
表面はサラサラした材質で、カーソル操作は非常にスムーズ。またクリックボタンの完成度も高く、カチカチした硬めの操作感で応答性もバツグン。バタつきもなくしっかり造り込まれています。
一体型だとどうしても建て付けのイマイチなボタンが多いですが、しっかり造り込まれているのは好印象ですね。
充実したユーティリティー機能
毎度おなじみのサウンドエンジン【Waves MaxxAudio Pro】が標準で搭載されています。イコライザーやサラウンド機能など必要なものは一通り搭載されており、ご覧の通りかんたんに調整することができます。
なおスピーカーの音質ですが、低音は弱いものの、中・高音域はクリアで音の広がりも感じられます。内蔵タイプにしてはだいぶ健闘していますね。
そのほか、【CinemaColor】機能を搭載しています。
動画・夜間・スポーツ・アニメーションそれぞれのシーン最適な色彩設定をすることで、鮮やかで深みのあるカラーで映像コンテンツを楽しむことができます。発色の高いIPSパネルとの相性は抜群です。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。


このモデルでは、インテル第8世代のCPU・Core i7-8565Uを搭載しています。4コア8スレッドのマルチコア・スレッド構成で、動作ロックが高く、動画や画像編集などヘビーな作業に最適。
ちなみに、下位モデルでは同じく4コア8スレッドのCore i5-8265Uを搭載しています。シングル性能は約8%、マルチ性能は約11%ほど性能が高く、総合力ではやはりCore i7の方が上。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。
このモデルではGPU(グラフィック機能)にGeForce MX250を搭載しています。グレードとしては入門中の入門クラスで、一般的なCPU内蔵グラフィック・UHD 620の約2倍の性能となっています。
総合スコア | Graphics Score | CPU/Physics Score | Combined Score | |
Time Spy | 892 | 811 | 2070 | ー |
Fire Strike | 2503 | 2788 | 6448 | 933 |
Night Raid | 8510 | 10435 | 4161 | ー |
Sky Diver | 8664 | 9364 | 6455 | 8280 |
Cloud Gate | 10898 | 17785 | 4627 | ー |
Ice Storm | 50845 | 50845 | 35472 | ー |
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測る定番ソフトです。
ブラウジングや各種編作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、大きく超える高いスコアをマーク。ブラウジングやオフィス作業などの軽作業から、動画・画像編集にも使える、オールラウンダーの性能いうことができますね。
参考までにCore i5(UHD 620)と比べてみると、ほぼ互角といったところ。普段使いではさほど差がつかない感じです。
動画エンコード
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・QSVでエンコードしています。
QSVとはCPUのグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。なお、MX250はGTXシリーズではないので、GPUを活用した超高速エンコード機能【NVENC】を使用できないのはネックですね。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i7-8565U | 1:04:05 | 33:07 | 4:26 |
Core i5-8265U | 1:04:21 | 33:29 | 4:51 |
まず軽めのH.264ですが、動作クロックの高いCore i7のほうが若干有利。QSVで差がつきやすく、Core i5の約91%の時間で変換を終えています。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i7-8565U | 1:33:50 | 48:21 | 5:52 |
Core i5-8265U | 1:34:18 | 48:57 | 6:29 |
重量級のH.265でも同じ傾向で、QSVではCore i5の約90%の時間で変換を終えています。ただ、大差というほどではないので、基本的にはCore i5(UHD 620)でも十分。やはりNVENCを使えないのが痛いです。。
画像変換
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Core i7-8565U | 2:07 | 5:22 |
Core i5-8265U | 4:03 | 8:38 |
CPU勝負のこのテストでは、クロックの高いCore i7が高いパフォーマンスを発揮し、軽めのDNG変換ではCore i5の約52%とほぼ半分の時間で変換を完了します。JPEG変換でも約62%の時間で変換を完了しており、かなりの時短効果を発揮します。
写真撮影など画像編集の機会が多い方は、Core i7を選ぶのがおすすめ。
ドラクエ10
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
ゲームではMX250がその真価を発揮し、フルHD・最高品質でスコア6963(快適)をマーク。平均60fps以上で快適に楽しむことが出来ます。よくて標準品質止まりのCPU内蔵グラフィックとはまるパワーが違います。
PSO2
こちらはやや軽めのゲームです。エピソード4にてグラフィック描写が「設定6」に引き上げられましたが、それでもやはり軽いことに変わりありません。スコア4500以上で平均60fpsをキープできます。
フルHD・設定6ではスコア1979と歯が立ちませんが、設定5に落とすとスコア5803としっかり4500を超えてきます。以前の最高設定で平均60fpsをキープできるなら御の字でしょう。
ちなみに、内蔵グラフィックだとワンランク下のHD解像度でも動くかどうかです。。
Apex Legends
最近人気のバトロワ系FPSゲームです。個性的なスキルを持ったキャラクター”レジェンド”を操り、3名1組のチーム戦を繰り広げます。
【パッシブ・戦術・アルティメット】の各スキルをしっかり生かすのはもちろん、キャラの組み合わせによって戦略が変化するので、いかに連携できるかが勝利へのカギとなります。スピーディーな操作性で爽快感はバツグン!テンポよく楽しみたい方におすすめ。
平均と最低fpsを計測しました。
解像度:フルHD
ゲーム設定:最高・低(垂直同期”OFF”)
APEXゲーム(本編)
最高 | 低 | |
フルHD | 15(5)fps | 18(13)fps |
FPSゲームなので、スムーズに動作する平均60fpsは絶対にキープしたいところ。100fpsもあればド安定です。
軽めのゲームではありますが、この通り全くfpsが伸びず、カクカクで試合にならないですね。
Fortnite(フォートナイト)
こちらも同じくバトロワ系の鉄板タイトルです。対人戦にプラスして、採集や建築要素があり、Apex Legendsとはまた違ったベクトルの楽しみ方ができます。チーム戦だけでなく、ソロで気軽にプレイできるのもいいですね。
平均と最低fpsを計測しました。
解像度:フルHD
ゲーム設定:エピック/高/中/低
降下後、1分間のダッシュ&屋内探索
エピック | 高 | 中 | 低 | |
フルHD | 13(4)fps | 18(6)fps | 24(10)fps | 58(33)fps |
競技性の高いゲームなので、スムーズに動作する平均60fpsは絶対にキープしたいところ。平均100fpsをキープできれば、さらに安定してプレイできます。
こちらも軽めのゲームですが、Apex Legendsと同じく厳しいです…。新しめのゲームだと、とたんにパフォーマンスが落ち込みます。
FF14
おなじみの重量級ベンチマークです。スコア7000以上で【非常に快適】となり、スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
フルHD | 2719 | 3919 | 5753 |
やはり平均60fpsにはほど遠い結果ですね。快適なフルHD解像度でゲームを楽しむなら、PSO2など従来の軽めのゲームがメインとなります。
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックするソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは大容量の512GB SSDを搭載したシングルストレージ構成となっています。ノートパソコンにしては容量が多めなので、動画や画像などデータ類を多めに保存することも出来ます。
SSDは通常のSSDよりも4~5倍速いNVMeタイプのSSDというこだわりようで、メーカーはデルでおなじみのSK hynixのものを採用しています。肝心の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書きが早いほかは、一般のSSDレベルといったところ。
NVMeタイプにしては物足りないですが、SSDともなると数値の差を体感することはできないので、あまり気にする必要はありません。ブラウジングや各種アプリの動作、ゲームのロードにいたるまでサクサク動き、実際の動作も非常に快適です。
温度
FF14実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
4コア8スレッドのCPUですが、省電力のUシリーズなのでピーク時でも70℃前半の安定した温度をキープしています。GPUも70℃手前となっており、トータルでしっかり冷却できています。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ


GPU搭載モデルらしく、ピーク時で55.1デシベルと一般ノートPCにしてはノイズは大きめ。豪快なファンの回転音はゲーミングノートを彷彿とさせますが、耳障りな甲高いノイズは控えめなので、数値ほどうるさく感じません。
ちなみに最小時では45.9デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:Dell、より良いバッテリー
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約10時間30分と堂々の10時間超えを達成!ミドルクラスのモバイルノートでこのバッテリーの持ちは優秀。出先でも安心して使えます。
まとめ&関連モデル
梨地加工が施された美しいアルミボディやダイヤモンドカット加工の装飾など、前モデルから大幅に進化し、ミドルクラスらしからぬ高いクオリティを実現しています。その内容はワンランク上の7000シリーズに匹敵するレベルで、コスパも◎。ミドルクラスではまずおすすめしたいモデルです。
性能面ですが、基本的にはCore i5(UHD 620)搭載モデルで十分。予算を抑えて軽めのオンラインゲームを楽しみたいということであれば、MX250搭載モデルを選ぶのもありといったところです。編集作業やオンラインゲームもガッツリやりたいのであれば、素直にGTX 1050搭載モデル以上を選びましょう。
Inspiron 13 5000[プレミアム]
【スペック】
■OS:Windows 10
■ディスプレイ
13.3インチ フルHD グレア
■CPU:Core i5-8265U
■メモリ:8GB(LPDDR3-2133)
■グラフィック:UHD 620(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 256GB(PCIe NVMe)
■【クーポン利用】89,980円⇒72,283円(税・送料込)~
LTE対応&タッチディスプレイ搭載モデルが用意されています
Core i5・8GBメモリ・256GB SSDを搭載したシンプルモデル。とことん性能にこだわるのでなければ、このモデルで十分です。
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