今回レノボの【Ideapad S540(14インチ)】をお借りしました。
アルミボディの高品質モバイルノートがなんと5万円台から!圧倒的な低価格とコスパが魅力の14インチモデルをチェックしてみましょう。
スペック
※2020年1月25日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
※割引クーポンは販売サイトに記載してあります。
外観
美しいアルミボディ
5万円台からの低価格モデルですが、ボディの素材にはアルミニウム合金を使用します。この価格帯だとオーソドックスな樹脂製のことが多いことを考えると、破格の内容です。
表面は非光沢処理の梨地加工が施され、洗練された外観、そしてサラッとした上質の触り心地を実現。クオリティはとても高くなっています。
デザインはIdeapadらしく、機能美あふれるシンプルなもの。ロゴ以外の装飾は一切なく、落ち着きのあるミネラルグレーの配色も相まって、使う人を選びません。
細かい部分の造形にもこだわっており、電源ボタンとタッチパッド周囲にはダイヤモンドカット加工が施され、高級感を感じさせる美しい仕上がりとなっています。
S540シリーズには、15インチと13インチモデルがありますが、この14インチモデルのみキーボード面にスピーカーが搭載されています。底面に搭載されているタイプに比べ、音がクリアになるだけでなく、見た目もオシャレなかんじで、まさに一石二鳥ですね。
もちろん、レノボの風物詩”180°開閉ディスプレイ”も健在です。
持ち運びに便利な14インチサイズ
ボディは14インチサイズとなっています。13インチよりも一回り大きい余裕のあるディスプレイを搭載し、それでいて持ち運びやすいということで、最近はやりのサイズです。
その大きさですが、ディスプレイのベゼル(ふち)をスリム仕様にすることで、横幅と奥行きを圧縮。A4ファイルサイズよりも横幅が若干大きい程度なので、カバンにサッと入れることができます。
また、重さも実測1390gと1.3kgに収まっており、モバイル性も上々。理想の重さは1.3kg以下ですが、圧倒的な価格の安さでカバーしています。実際に持ってみると、金属素材の重みがやや感じられますね。
スタンダードなインターフェース
インターフェースはスタンダードモデルらしいラインナップです。
USBは全3ポート搭載しており、オールUSB3.0のオーソドックスな規格となっています。そのうち左側面のUSB3.0ポートは、小型&リバーシブルのType-C端子を採用。通常端子とあわせ、あらゆる周辺機器を接続できます。
そのほか映像出力用のHDMIポートやSDスロットを搭載しています。派手さはありませんが、普段使いに必要なものは一通りそろっています。
セキュリティ対策も万全
レノボらしくセキュリティにもしっかり配慮され、カメラ部分にはシャッターが装備されているのもポイント。デバイスからではなく、物理的にシャットアウトするのでとても安心です。
ちなみに、キーボード面には指紋認証センサーも設置されています。本人認証のため、ログインパスワードよりも安全。また、ログインの際わざわざパスワード入力することなく、とてもスムーズです。
ディスプレイ&キーボード
IPSパネル搭載
ディスプレイサイズは14インチきっかり。13インチよりもやや大きく、ゆとりがあります。解像度は現在主流のフルHDで表示領域が広く、大きめのディスプレイサイズも相まって、オフィス作業にも最適。
ちなみに、表面は映り込みの少ないノングレアタイプなので、自分の顔とにらめっこすることなく、作業に集中できるのもいいですね。
パネルのクオリティも高く、なんとIPSパネルを装備しています!コントラストが高く、発色に優れており、ゲームをきれいな映像で楽しむことができます。
また、視野角が広いので、姿勢によって色味が変わらないのもいいですね。このグレードでIPSパネルというのは太っ腹です。
ハイクオリティのキーボード
キーボードは13インチに近く、テンキーレスタイプとなっています。
キーはぎっしり詰め込まれているものの、キーピッチは約19mmとデスクトップキーボードなみのゆとりを確保しています。EnterやShiftキー周りが連結仕様となっており、ちょっと窮屈ですが、キー配置は基本的に素直。慣れれば快適に使えます。
キーストロークは浅すぎず深すぎず、標準的な深さとなっており、反発感もしっかり感じられ、打鍵感は上々。表面もアルミパネルなので剛性も非常に高く、タイピング圧力が高い方でも安心です。
スタンダードモデルながら、キーボードには白色LEDを内蔵しているのもポイント。薄暗い場所でタイピングしやすくなるのはもちろん、なによりもオシャレ。ちなみに、ON/OFFはファンクションキーで2段階+OFFに切り替えできます。そのキーが【Space】というのがちょっと面白いですね。
スムーズなタッチパッド
タッチパッドは、パッド部分とクリックボタンが一緒になった、オーソドックスな一体型タイプとなっています。
タッチパッドはサラサラした感触です。適度な抵抗があり、滑りすぎずスムーズなカーソル操作が可能です。また、クリックボタンもカチカチした操作感で軽く、動作音も静かでグッド。よく使う部分なだけにこれは嬉しいですね。
便利なユーティリティーソフトを完備
メーカー製ゲーミングPCということで、システム管理の【Lenovo Vantage】を完備。動作モードの設定からシステムの更新などサポートに至るまで、このアプリで全て設定できます。
電源設定の”インテリジェント・クーリング’‘は、パフォーマンス・冷却を見事に両立する優れモノ。バッテリーの持ちもよく、手動でいじるよりよっぽど優秀な機能ですね。
サウンドエンジンは有名どころの【Dolby Atmos】を搭載しています。
Lenovo Vantageでは使う場面に応じ、ワンタッチで簡単に変更できるほか、Dolbyの専用アプリで好みのサウンドを設定できます。
なお肝心のスピーカーの音質ですが、低音こそ弱いものの、中・高音がよく伸び、サイドスピーカーのおかげでサラウンド効果もバッチリです。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。


このモデルでは、AMDの4コア8スレッドAPU・Ryzen 5 3500Uを搭載しています。APUとは、ざっくりいうとCPUと高性能グラフィック機能をひとまとめにしたもの。グレードとしてはスタンダードレベルで、インテルでいうとCore i5に相当します。
時期的には、同じく4コア8スレッドのインテルCPU・Core i5-8265Uがライバルでしょうか。参考までに比較してみると、シングル性能は低めですが、マルチ性能はRyzen 5が約31%も上回っており、総合力ではRyzen 5に軍配が上がります。
PCMark 8&PCMark 10
【PCMark 8】は動画再生やブラウジング、ビデオチャット、画像・動画編集など、一般的なノートパソコンで想定される用途での性能を測るソフトです。
軽作業からヘビーな作業まで総合力を測る”HOME TEST”ではCore i5より約9%高いスコアをマークしていますが、それ以外はほぼ互角。スコアそのものはよく伸びており、動画や画像編集など重量級の”CREATIVE TEST”でスコア4000後半は上出来です。
あわせて上記のテストを一元化した【PCMark 10】のスコアもチェックしてみましょう。ブラウジングや各種編作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、余裕でクリアしています。
総合スコアではCore i5とほぼ互角。項目別にみると、ブラウジングやアプリの動作など単純作業では、シングルコア性能が高いCore i5が有利。一方、動画・写真の加工テストなどヘビーな作業では、グラフィック性能の高いRyzen 5に分があるといった感じですね。
動画エンコード
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・VCE/QSVでエンコードしています。なお、VCE/QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。VCEはAMD、QSVはインテルの名称です。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE/QSV |
Ryzen 5 3500U | 57:47 | 29:35 | 4:28 |
Core i5-8265U | 1:04:21 | 33:29 | 4:51 |
CPU性能が重要になるソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では約10~12%、ハードウェアエンコードでも約8%ほどRyzen 5の方が早く変換を終了します。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE/QSV |
Ryzen 5 3500U | 1:33:20 | 46:52 | 4:24 |
Core i5-8265U | 1:34:18 | 48:57 | 6:29 |
重量級のH.265では、ソフトウェアエンコードでのRyzen 5のアドバンテージはわずか約4%程度ですが、ハードウェアエンコードでは大きく差がつき、Core i5に対し約68%の時間で変換を終えています。Ryzen 5の方が安定して速いことがわかりますね。
画像変換
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Ryzen 5 3500U | 2:38 | 8:27 |
Core i5-8265U | 4:03 | 8:38 |
JPEG変換ではほとんど差がありませんが、軽めのDNG変換では、Ryzen 5がCore i5に対し約65%の時間で変換を完了します。編集用途ならRyzen 5がイチオシです。
ドラクエ10
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
HD | 9736 | 11542 | 11913 |
フルHD | 6446 | 8130 | 9051 |
内蔵グラフィックの性能が高く、フルHD・最高品質でスコア5500を大きく超える安定ぶり。インテルの内蔵グラフィック機能だとこうはいかず、標準品質まで落とす必要があります。
PSO2
こちらはやや軽めのゲームです。エピソード4にてグラフィック描写が「設定6」に引き上げられましたが、それでもやはり軽いことに変わりありません。スコア4500以上で平均60fpsをキープできます。
設定6 | 設定5 | 設定4 | 設定3 | |
HD | 2919 | 5466 | 5558 | 9555 |
フルHD | 1253 | 3168 | 3260 | 5214 |
軽めのゲームではありますがスコアは伸びず、フルHDなら設定3までガッツリ落とす必要があります。HDでは解像度が低い分グラフィックが粗く、快適に楽しむにはちょっと厳しいですね。オンラインゲームなら、よくてドラクエレベルの特に軽いものに限られます。
FF14
おなじみの重量級ベンチマークです。スコア7000以上で【非常に快適】となり、スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
HD | 3249 | 4352 | 5336 |
フルHD | 1917 | 2604 | 3441 |
さすがにこのクラスともなると内蔵グラフィックでは厳しいですね。オンラインゲームなら最低でもGTX 1050クラスは欲しいところ。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。PCの性能指標として、参考まで。
総合スコア | Graphics Score | CPU/Physics Score | Combined Score | |
Time Spy | 803 | 714 | 2808 | ー |
Fire Strike | 2199 | 2409 | 9180 | 788 |
Night Raid | 7651 | 9760 | 3440 | ー |
Sky Diver | 7738 | 7832 | 7822 | 6996 |
Cloud Gate | 12835 | 17877 | 6460 | ー |
Ice Storm | 64218 | 90700 | 31762 | ー |
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは256GB SSDのみ搭載したシングルストレージ仕様となっています。SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプを採用。メーカーは速度で定評のあるサムスン製のものを搭載しています。
実際の速度は期待通りの速さで、シーケンシャル(連続データ)はいずれも4ケタ、読み込みに至っては3000MB/sオーバーとまさに爆速。ランダムも書き込みで4ケタをマークしており、ムラなく速い理想的なNVMe SSDということができます。
実際の動作も、OSの起動は早く、ブラウジングやアプリの動作もサクサクで快適そのもの!
温度
FF14実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
4コア8スレッドCPUに高性能グラフィックを内蔵していますが、ピーク時でも60℃台の低い温度をきっちりキープし、冷却性能はかなり優秀。これなら夏場でも安心ですね。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ


50デシベルを超えるとノイズが気になるようになりますが、ピーク時でも49.1デシベルと下回り、とても静かです。ファンは高速回転していますが、サーッという感じの控えめなノイズなので、ほとんど気になりません。インテリジェント・クーリングで、性能とファンのバランスがしっかり制御できています。
ちなみに最小時では45.9デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。
条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:バランス、より良いバッテリー
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
性能の高いRyzenですが、唯一の弱点はバッテリーです。モバイルノートなら10時間オーバーが理想的ですが、結果は約8時間30分と10時間に届かず。悪くはないのですが、出先に持ち運ぶ機会が多い方は、インテルCPU搭載モデルがおすすめです。
まとめ&関連モデル
アルミボディ・指紋認証センサー・LED内蔵キーボード・IPSパネル…などなどスタンダードモデルとは思えないクオリティの高さで、なんと5万円台の低価格を実現!他社を圧倒するコスパを誇り、モバイルノートとしてまずおすすめのモデルです。
Ryzen 5の高い性能は目を見張るものがありますが、いかんせんバッテリーの持ちがやや短いため、バッテリー重視ならインテルCPU搭載モデルがおすすめ。
Ideapad S540[Core i5-10210U搭載モデル]
【スペック】
■OS:Windows 10
■ディスプレイ
14.0インチ フルHD ノングレア IPS
■CPU:Core i5-10210U
■メモリ:8GB(DDR4-2400)
■グラフィック:UHD Graphics(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 256GB(PCIe NVMe)
■【クーポン利用】119,900円⇒67,144円(税・送料込)~
インテルCore i5を搭載した兄弟モデル。バッテリー重視ならおすすめ。
あわせて知りたい
3ステップでわかるノートPC+α