今回HPの【HP x360 11-ab100 ベーシック・オフィスモデル】をお借りしました。持ち運び便利な11インチの2-in-1タイプでオフィスソフト付きという、サブマシンに最適なノートPCをチェックしてみましょう。
今回HPの【HP x360 11-ab100 ベーシック・オフィスモデル】をお借りしました。持ち運び便利な11インチの2-in-1タイプでオフィスソフト付きという、サブマシンに最適なノートPCをチェックしてみましょう。
※2019年2月23日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
清潔感あふれるホワイトカラーが印象的なボディです。素材そのものは樹脂製ですが、それで終わらせないところがHPらしいところ。
まず天板部分はストライプ加工がされ、立体的に仕上げてあります。手になじむようなさわり心地もさることながら、光の当たり具合によって表情を変えるので、見ていて飽きません。
また、キーボード面もヘアラインパターンが施されており、落ち着きのある雰囲気を醸し出しています。エントリーモデルにありがちな、安っぽさを感じさせないクオリティの高さは好印象ですね。
ボディサイズは小型の11インチサイズで、A4用紙とほぼ同等の大きさです。重さも、実測で1405gと1.5kgを下回っており、持ち運びもラクラク。
厚さが20mmと一般的なノートPCなみの厚さなので、も少し薄ければパーフェクトなのですが、さすがにそこまで期待するのは酷というものでしょう。
このモデルは通常の開閉タイプではなく、2-in-1タイプとなっています。360°回転するコンパーチブルタイプとよばれるものですね。360°回転しタブレットとして、またテント型にして寝そべりながら動画を見るといった使い方もでき、フレキシブルに使えます。
ある程度回転させるとタブレットモードに移行し、キーボードが無効になるので、誤操作の心配はありません。
もちろんディスプレイはタッチ操作に対応。表面は頑丈なパネルでコーティングされ、傷がつきにくくなっています。また適度に抵抗があり操作性も高く、スクロール&タッチ操作はスムーズで快適そのもの。
エントリーモデルらしく、最小限ながら実用的なインターフェースをそろえています。
USBは大容量給電に対応したUSB3.1 Gen.1×2、スタンダードなUSB2.0×1の計3ポートを搭載。多すぎず少なすぎず、必要十分の数が確保されています。端子のタイプは通常のType-Aで、小型&リバーシブルのType-C端子は非搭載なので注意。
左サイドには電源ボタンとボリューム調節ボタンが配置されており、タブレットモードで使うときに素早くアクセスできるるのがいいですね。
ディスプレイは11.6インチの小型サイズで、解像度は現在主流のフルHDよりもワンランク下のHD(1366×768)となっています。
表示領域が狭いので、オフィス作業などをガッツリやるのにはちょっと不向き。タブレットのように、ブラウジングや動画鑑賞をサクッとやるのにちょどいいサイズ・解像度ですね。メインマシンというより、サブマシンにおすすめ。
肝心の発色ですが、正面から見る分には高発色・高コントラストできれいに見えます。光沢のあるグレアパネルなのでなおさらです。
しかし横から見ると、写真の通り色むらが出てしまします。こればかりはIPSパネルではないので致し方ありません。ただ、横から覗いてみるような使い方はあまりしないので、そこまで気にする必要はないでしょう。
11インチの小型ボディなので、テンキーレスキーボードを搭載しています。
キー配列はこの通り整然と並べられ、とても素直。キーピッチは約18mmとしっかり間隔が確保されており、誤爆の心配はまずありません。
キーストロークはやや深めというのもグッド。肉厚ボディでキーボード面の剛性も非常に高く、打鍵感を楽しみつつ快適にタイピングできます。
また、タッチパッドの完成度が高い!ややざらついた感触なので、滑りすぎず確実にカーソル操作ができ、さらにクリックボタンの感度もよく、軽い力で反応します。キーボード・タッチパッドはいずれもよく使う部分なだけに、この完成度の高さは嬉しいですね。
メーカー製モデルらしく、独自のサウンドイコライザーが標準でインストールされています。プリセットが豊富に用意されているほか、自分でも好みの音質に設定でき、自由度が高いのがポイント。
スピーカーの音質ですが、かなり軽いですね。エントリーモデルなのでこんなものでしょう。サウンド機能をフル活用するのであれば、イヤホンやヘッドホンが推奨。
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみましょう。
CINEBENCHは3Dグラフィックのレンダリングソフトで、CPUのシングル・マルチでの性能を測ることができます。
このモデルでは、インテルのエントリークラスCPU・Celeron N4000を搭載しています。負荷時には最大2.6GHzまでクロックが上がるので、2コアCPUながらポテンシャルは意外と高いです。
結果を見てもいまいちピンと来ないかもしれませんが、シングルコアの性能が70cbとエントリーCPUにしては高め。ブラウジングやオフィス作業などの基本的なタスクでは、このシングル性能が重要になるので、これは頼もしい限り。
ちなみに、低発熱CPUなのでPCはファンレス仕様となっています。ファンが無いため、動作時は無音。図書館など静かな場所でも気兼ねなく使えます。
PCMark8は動画再生やブラウジング、ビデオチャット、画像編集など、一般的なノートパソコンで想定される用途での性能を測るソフトです。
グラフを見るとわかりやすいですが、さすがに現行PCと同等とはいかず、性能そのものは数年前の一般PCレベル。「現行のエントリーモデルで数年前の一般モデルと同等のスペック」と考え方を変えれば、意外においしいですね。
こちらは上記のテストを一元化した【PCMark10】の結果です。やはり現行PCに大分差を離されていますね。本格的な動画や画像編集用途の目安となるスコアは3000以上ですが、半分程度にとどまっています。
気になる使用感ですが、シングルタスクならしっかりこなせるといった感じです。
ブラウジングやオフィス作業など基本的なタスクの単一作業は快適にこなせますが、それぞれを同時進行となると動作がとたんに遅くなってしまいます。バックグラウンド処理もまたしかり。
まさに価格なりといったところで、マルチタスクでの快適さ・効率性を求めるのであれば、ワンランク上のCore i3搭載モデルがおすすめです。
3Dゲームのベンチマークもチェックしてみましょう。ドラクエ10はノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴のゲームです。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
軽いといえどもさすがにエントリーCPUでは厳しく、フルHD・HD(1280×720)では全滅。VGA(640×480)・低品質でようやくスコア5500を超えてきます。
一応重量級のゲームもチェックしてみましょう。
ゲーミングPC業界において、「標準ベンチマークソフト」ともいえるFF14ベンチマーク。スコア7000以上で【非常に快適】となり、スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。
結果は、一番低い設定でもスコア1230(設定変更が必要)と動作以前の問題です。一応動いただけでも立派といえるでしょう。
やはりオンラインゲームは荷が重すぎます。。
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックするソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは128GB SSDを搭載しています。SSDは通常のHDDよりも約2~3倍ほど速い優れもの。SSDのメーカーはおなじみのサムスン製で、肝心の速度は特段早くもなく遅くもなく、スタンダードなスピードですね。
ともあれHDDとの性能差は圧倒的。Windowsの起動は待ち時間なくとてもスムーズなうえ、ブラウジングもサクサクで快適そのもの。エントリーCPUとの相性はバツグン、体感速度の底上げにしっかり貢献しています。
ドラクエ10実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
省エネタイプのCPUなので、ファンレスCPUながら60℃後半と安定した温度をキープしています。SSDも30℃前半となっており、理想的な温度に収まっています。
ちなみに動作音ですが、ファンレスなので無音です。
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。
条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
結果は約11時間40分となり、堂々の10時間超えを実現!さすが省エネのCeleronといったところでしょう。これなら出先に持ち運んで使うのも安心です。
エントリークラスのモデルながら、飽きのこないデザインに仕上げているのは、さすがデザインのHPですね。性能面も、CeleronながらSSDを搭載しているので、基本的なタスクであればサクサク快適にこなせるのも◎。
ただし、メインマシンとして使うのはやや厳しいので、持ち運び用のサブマシンに最適。オフィスソフト込みということで、特にビジネス用としておすすめ。