今回HPの「HP Spectre x360 15-ch000」をお借りしました。
HPのフラグシップライン【Spectre】シリーズに、15インチ2-in-1タイプが登場!高い完成度を誇る新モデルの実力をチェックしてみましょう。
今回HPの「HP Spectre x360 15-ch000」をお借りしました。
HPのフラグシップライン【Spectre】シリーズに、15インチ2-in-1タイプが登場!高い完成度を誇る新モデルの実力をチェックしてみましょう。
※2018年10月24日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
フラグシップモデルということで、デザインと質感にこだわりぬいた完成度の高いボディに仕上がっています。
ボディはアルミニウム合金製で、梨地加工が施されています。落ち着きのある非光沢ボディ、しっとりと手になじむさわり心地、高い堅牢性の3点そろった質感の高さが魅力的です。
デザインも凝っており、HPらしいエッジ加工を多用したデザインを採用しています。ヒンジ部分の大胆な多面的フォルムとは対照的に、反対の開閉部分はラウンドフォルムになっており、緩急のある洗練されたデザインは見ていて飽きません。
もちろん、ラウンドフォルムにすることで開閉しやすくなり、よく考えられた機能的なデザインでもあります。
ディスプレイを開いてみるとこの通り、ディスプレイのベゼル(ふち)が狭いナローベゼルになっています。野暮ったさが無くスタイリッシュ、さらに横幅を狭くコンパクトにでき、まさに一石二鳥です。
ボディカラーは深みのあるアッシュブラック。アクセントカラーのカッパー(銅色)も相まって、とても高級感があります。デザインとの相性もバツグンで、さらに洗練されたイメージに仕上がっています。
電源ボタンのLEDギミックや、スピーカー部の幾何学模様など、細部までしっかり造りこまれているのも好印象。見た目で即決してもいいレベルですね。
なお、持ち運び用のスリーブケースが標準で付属します。PUレザーの柔らかいさわり心地と、本体のイメージにマッチした渋めのブラックが◎。付属品にしては上出来でしょう。
最近はやりの2-in-1ノートパソコンで、360°回転するコンパーチブルタイプとなっています。
360°回転しタブレットとして、またテント型にして寝そべりながら動画を見るといった使い方もでき、まさにフレキシブル。ヒンジ部分の安定感も高く、無段階稼働で任意の角度にピタッと止まります。
標準で【Spectre アクティブペン2】が付属します。
1024諧調の筆圧検知に対応しており、応答性に優れ、滑らかで自然な書き心地。さらに、一般的な電池式ではなく充電タイプなので、約14.5gと軽く、長時間の使用でも疲れにくくなっています。
ペンの上部をスライドするとType-Cポートがあり、付属のケーブルにて充電します。このギミックもなかなかオシャレですね。
約2cmのスリムモデルということで、LANポートや光学ドライブは非搭載。しかし、それ以外はしっかりポイントをおさえたラインナップです。
USBはオールUSB3.1規格で、通常のType-A端子×1と小型&リバーシブルのType-C端子×2の計3基を搭載。Type-C端子はいずれも、40Gbpsの超高速転送ができる【Thunderbolt 3】に対応しています。
画像出力は現在主流のHDMIを搭載し、通常のType-A端子搭載とあわせて使い勝手が高くなっています。Type-Cは万能端子ということで、Type-Cオンリーモデルも出てきていますが、やはり従来機器との接続を考えると、このくらいがちょうどいいですよね。
そのほか、SDスロットや指紋認証センサーも完備する親切仕様。特に指紋認証センサーは、わざわざパスワードを入力せず、ワンタッチでログイン処理できる優れものです。
ディスプレイサイズは一般的な15.6インチで、4Kのウルトラ解像度となっています。フルHDの4倍というだけあり、とても精彩な画面表示ができる優れものです。
また、パネルはコントラストが高く、発色に優れたIPSパネルを搭載。4K動画など各種コンテンツをきれいな映像で、思う存分堪能することができます。エンターテイメント向けとして、まさにうってつけのディスプレイですね。
ただし、通常の等倍モードだと文字が小さすぎて見にくいため、基本的には拡大してつかいます。ということで、4Kディスプレイのもう一つのメリットである、「フルHDの画面分割で作業効率を上げる」という使い方には向いていないので、その点だけ注意です。
2-in-1タイプということで、ディスプレイはタッチ操作に対応しています。
上位クラスのスマホやタブレットでおなじみの【Corning Gorilla Glass】でディスプレイがコーティングされており、スムーズな操作性を確保しつつ、傷や汚れがつきにくくなっています。
ちなみに、タッチ対応パネルは適度な滑らかさで感度もよく、スムーズで確実なタッチ・ペン操作ができます。まさにストレスフリー!
15インチということで、テンキー付きのフル規格キーボードを搭載しています。
配置はこの通り無理がなく、とても素直です。各キーが独立したアイソレーションタイプとなっており、まず誤爆の心配はありません。
キーピッチは約19mmと余裕があり、キーストロークも深めで、タイピングはとても快適。キーボード面はアルミニウム合金ということもあり、剛性が非常に高く、タイピング圧が高い方でも安心!
フラグシップモデルらしく白色LEDを内蔵し、華やかな光り方で高級感があります。もちろん、ファンクションキーでON/OFFの切り替えが可能です。
キーボードもさることながら、タッチパッドの完成度も◎。
パッド部分はサラサラで、スムーズなカーソル操作が可能です。また、クリックボタンはやわらかめで、軽い力で反応し、動作音も非常に静かです。
なお、タッチパッドの四隅には、高級感ただようダイヤモンドカット加工が施されています。PC全体のイメージを意識して、細かいところまでしっかり造りこむ姿勢はグッド!
デンマークの高級オーディオメーカー【BANG & OLUFSEN】のサウンドエンジンを採用し、付属アプリで自分の好みのサウンドにチューニングできるようになっています。
スピーカーの音質ですが、中音と高音域がクリアに出る感じですね。あくまでも内蔵タイプなので、低音は迫力不足です。
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみましょう。
Core i7-8809G | Core i7-8705G | |
コア/スレッド数 | 4/8 | |
プロセッサー・ベース周波数 | 3.1GHz | |
プロセッサー・ターボ周波数 | 4.2GHz | 4.1GHz |
キャッシュ | 8MB | |
対応メモリ-/チャネル | DDR4-2400/2ch | |
最大メモリー帯域幅 | 37.5GB/s | |
プロセッサー・グラフィックス | HD 630 | |
グラフィックス動作周波数 | 1.1GHz | |
ディスクリート・グラフィックス | Radeon RX VEGA M GH | Radeon RX VEGA M GL |
Radeon・ベース周波数 | 1190MHz | 1011MHz |
Radeon・最大周波数 | 1063MHz | 931MHz |
コンピューティング・ユニット | 24 | 20 |
グラフィックス・メモリー帯域幅 | 204.8GB/s | 179.2GB/s |
Kaby Lake-Gは、インテル第8世代Core i7と「Radeon RX Vega M GL Graphics」という、インテルとAMDのライバル企業がコラボした異色の統合型CPUです。
グラフィック機能のRadeon RX Vegaはグラフィックメモリに広帯域の【HBM2】を搭載し、インテルの高性能CPU・Core i7との相乗効果で、高いゲーミングパフォーマンスを発揮するというのが売り文句です。
このモデルでは下位モデルのCPUが搭載されています。
3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。
同じく4コア8スレッドの省電力CPU・Core i7-8550Uと比較してみると約7%ほど性能が上。CPUそのものの性能は、一般モデルのCPUとほぼ同等ということがわかります。
PCMark8は動画再生やブラウジング、ビデオチャット、画像編集など、一般的なノートパソコンで想定される用途での性能を測るソフトです。
グラフを見ると一目瞭然で、一般ノートに比べ段違いの性能で、ゲーミングPC・クリエイターPC並みのスペックを発揮します。普段使いから動画・画像編集まで幅広く使えるスペックです。
あわせて上記のテストを一元化した【PCMark10】のスコアもチェックしてみましょう。
ブラウジングや各種編作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、大幅に超えるスコアをマーク。やはりゲーミングPCなみということで、その実力はホンモノです。
3DMARKは、オンラインゲームをはじめ3D性能を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy)と、重量級から軽量級まで、それぞれの条件で測定することができます。
実際の性能ですが、ゲーミング用GPUでいうなら、ざっくりGTX 1050+αレベルの性能です。内蔵GPUにしてはかなり性能が高いのですが、実際ゲームのベンチマークだとまた違った挙動をします。
毎度おなじみDirectX 11の重量系ベンチマークです。DirectX 11・フルHD・最高設定で、スコア7000以上【非常に快適】をマークできれば、現行オンラインゲームを幅広くプレイできるスペックだと判断することができます。
ただし、平均60fpsをキープして快適にということであれば、スコア9000以上は欲しいです。
結果はフルHD・標準品質でスコア11451(非常に快適)と、ようやく9000を超えてきます。内蔵GPUにしては高いスコアですが、GTX 1050よりもワンランク性能が落ちる感じ。
やや軽めのゲームです。スコア7000以上で【とても快適】となり、スコア5800以上で平均60fpsをキープできます。
HD(1280×720)・低品質でもスコア4506(快適)とFF14から一転、かなり苦しい結果に。これはインテルCPUの内蔵グラフィックと同じくらいのスコアです。
こちらは軽めのゲームです。エピソード4にてグラフィック描写が「設定6」に引き上げられましたが、それでもやはり軽いことに変わりありません。スコア4500以上で平均60fpsをキープできます。
フルHDでは歯が立たないものの、HD(1280×720)・設定5であればスコア5729と4500を超えてきます。HDで動くだけドラゴンズドグマよりはマシです。
こちらも軽いモンハンZのベンチマークスコアです。スコア6000以上で平均60fpsをキープできます。
結果はフルHDでスコア12380とGTX 1050ほどではないにしろよく伸びます。
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
フルHD・最高品質はあと一歩、標準品質であれば5500を超えてきます。このグレードであればやはり軽く5500を超えてほしいところですね。
以前同じようなモデルをチェックしたことがあるのですが、その時とほぼ同じでとにかくピーキー。ムラっ気があり、ゲーム用途としては使いづらい印象です。
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックするソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルでは大容量の512GB SSDを搭載し、通常のSSDよりも4~5倍高速のNVMeタイプというこだわりようです。メーカーは信頼性で定評のある東芝製となっています。
実際の速度ですが、読み込みは爆速・書き込みはそこそこといった感じで、NVMe SSDの中ではスタンダードタイプといえる速度です。
ともあれ、標準的なSSDよりも圧倒的に速いので、ブラウジングや各種アプリの動作はサクサクでとても快適。
FF14実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
CPUは基本70℃台をキープし、時おり80℃を超える感じ。GPUは70℃台半ばと、ハイスペックモデルながらCPU・GPUともにしっかり冷却できています。
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ
55デシベルがボーダーですが、ピーク時でも51.0デシベル程度と、あまり気にならないレベルです。もちろんファンは高速回転していますが、耳障りなノイズを発生しにくいタイプのようで、かなり優秀です。
なお、最小時は45.9デシベルとありますが、アイドル状態なので、ほぼ無音です。
モバイルノートということで、「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。
条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
結果は約8時間20分でした。5時間もたないモデルもざらにある中、これは優秀です。外でも安心して使えますね。
洗練されたデザインに高い性能など【Spectre】クオリティはそのまま、大型の15インチディスプレイを搭載することで、据え置き用として最適なモデルになりました。2-in-1タイプなので使い方は自由自在、至高のノートPCを求めている方におすすめです。