今回HPの【HP Probook 635 Aero G8】をお借りしました。
HPの軽量モバイルノートなら法人向けモデルもおすすめ!約999gの超軽量ボディと驚きのバッテリーの持ちを誇る、コスパに優れた13インチモデルをチェックしてみましょう。
スペック
※2022年4月19日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります
外観
HP屈指の軽量ボディ
このモデルは、携帯性と画面サイズのバランスに優れた13インチモデルです。
ディスプレイのベゼル(ふち)を左右だけでなく、上下もスリムにすることにより、A4用紙+αのサイズを実現しています。カバンに収納しやすいのはもちろん、画面占有率は86.2%と無駄がなく、コンテンツに集中することができます。
さらに、ボディの素材には、軽量&タフなマグネシウム合金を使用しており、なんと実測で1008gの超軽量ボディを実現しています。
さすがに1㎏前後ともなると金属の重みを感じず、片手でもラクラク持つことができ、携帯性はバツグンです。
もちろん耐久性も高く、天板には堅牢なアルミパネルを採用しており、マグネシウム合金とのW効果で、とにかくタフ。
実際の使用状況に即した厳しいテストのほか、MIL規格(アメリカの軍事規格)をクリアしており、耐久性は折り紙付きです。
洗練されたデザイン
HPらしく、法人向けモデルながら、デザインにこだわっているのもポイント。
ヒンジ部分はこの通り、エッジ加工が施され、オシャレで飽きのこないデザインとなっています。
天板のアルミパネルは、非光沢の梨地加工が施され、落ち着きを感じさせる美しい仕上がりを実現。また、サラッとした上質な触り心地も相まって、高級感もバッチリです。
また細部の造形にもこだわっており、手前の開閉部分には凹みがつけられ、開けやすくなっているほかー
底面には傾斜がつけられ、持った時に手になじみやすくなっています。スタンダードモデルにしては、なかなかの完成度ですね。
ポイントをおさえたインターフェース
インターフェースの内容はしっかりポイントをおさえています。
小型のモバイルノートながら、USBは全3ポート搭載。さらに、ポートのタイプもオーソドックスなType-Aのほか、小型&リバーシブルのType-Cを採用しており、かなり充実しています。モバイルノートでは省略されがちなType-Aポートがあるのはグッドです。
また、規格も全てが最新のUSB3.1規格で、そのうち右サイドのType-Cポートは、最大10Gbpsの高速転送や大容量給電に対応した”Gen.2規格”となっています。ポートの数はもちろん、規格や端子のタイプなど一通り押さえており、周辺機器の接続にはまず困りません。
そのほか映像出力用にHDMIポートを搭載しています。SDスロットこそありませんが、普段使いのポイントはしっかり押さえています。
ちなみに、右サイドに4G LTEモジュールをカスタマイズできます。データ通信SIMさえあれば、いつでもどこでもネット環境を利用できます。フリーWiFiスポットを探す手間が省け、まさにストレスフリーですね。
SIMのサイズは一番小型のnanoSIMに対応しています。対応するLTEバンドは、モデルの仕様詳細をチェックしましょう。
セキュリティ対策も万全
ビジネスモデルなので、セキュリティにはしっかり配慮されており、カメラ部分にはシャッターが装備されています。デバイスからではなく、物理的にシャットアウトするのでとても安心です。
また、キーボード右下には指紋認証センサーを装備。本人認証のため、ログインパスワードよりも安全。また、ログインの際わざわざパスワード入力することなく、とてもスムーズです。さらに、Webカメラは顔認証にも対応しており、セキュリティはまさに万全です。
システム面では、”Sureシリーズ”というセキュリティシステムを完備。
ハード&ソフトの両面ででしっかりPCを保護し、サイバー攻撃の予防~復旧までカバーします。仮に攻撃によってPCが起動不可能な状態になったとしても、ハードウェアの独自機能により、短時間で復旧する仕組みを実装する徹底ぶりです。詳しくはこちら をチェック。
ディスプレイ&キーボード
発色に優れたディスプレイ
ディスプレイは13.3インチサイズで、現在主流のフルHD解像度となっています。HDよりも画素が多い分表示領域も広く、オフィス作業もはかどります。
ディスプレイにはVAパネルを採用しています。発色は鮮やかでコントラストも高く、IPSパネルっぽいクオリティですね。輝度も400nitと明るく、くっきり鮮やかな映像クオリティで、動画鑑賞などエンターテインメント用途にも最適です。
さらに視野角も広く、横から覗いても色むらがほとんどないのもポイント。画面の明るさ(輝度)は標準レベルといったところでしょうか。
完成度の高いキーボード
横幅の狭い13インチボディなので、テンキーレスキーボードを搭載しています。両サイドにはスピーカーが搭載され、デザイン面でのアクセントになっているほか、音がこもりにくく、一石二鳥です。
キー配置は全てが独立しており、美しさを感じるほど。配置そのものも非常に美しく、とても素直です。キーピッチは約19mmとデスクトップキーボード並みのゆとりがあり、基本的に誤爆の心配はありません。
一見標準的なキーボードですが、こう見えてキーストロークは深め。反発もしっかり感じられ、底打ち感がなく、ソフトな打ち心地です。キーボード面の剛性も高く、快適にタイピングできます。
ただ、キーボードのLEDが非搭載というのは、ちょっと残念ですね。基本的に明るい場所で使うので、無くても何とかなりますが、クオリティが高めなので、ぜひ欲しかったところです。
スムーズなタッチパッド
タッチパッドは、パッド部分とクリックボタンが一緒になった、オーソドックスな一体型タイプとなっています。
タッチパッドはサラサラした材質で、カーソル操作はとても滑らか。クリックボタンも軽く押すだけで反応し、クリック音もカタカタと非常に静か。一体型にありがちなバタついた感じがなく、スタンダードモデルながら、非常に完成度は高いですね。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH R23
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト「CINEBENCH R23」で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。
このモデルでは、AMDの第5世代ミドルクラスCPU・Ryzen 5 5600Uを搭載しています。下位のRyzen 5 5500Uと同じ6コア12スレッド構成ですが、最新世代の”ZEN 3”アーキテクチャを採用しており、シングル・マルチ性能が強化されています。
参考までに、上位モデルで搭載されている8コア16スレッドCPU・Ryzen 7 5800Uと比較してみると、マルチスコアは約10%下回っていますが、シングルスコアは逆に約12%上回っています。ミドルクラスCPUながら、ポテンシャルは高めですね。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。
このCPUは、高性能のグラフィック・Radeon Graphicsを内蔵しています。とてもよくスコアが伸びてていますが、インテルの高性能内蔵グラフィック・Iris Xe Graphicsに比べ、スコアはワンランク落ちてしまいます。
総合スコア | Graphics Score |
CPU/Physics Score |
Combined Score |
|
Time Spy | 891 | 779 | 4888 | ー |
Fire Strike | 2167 | 2412 | 18127 | 704 |
Night Raid |
9965 | 10139 | 9087 | ー |
Sky Diver | 8666 | 8220 | 13608 | 7621 |
Cloud Gate | 16151 | 19138 | 11258 | ー |
Ice Storm | 114283 | 135427 | 73902 | ー |
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測るソフトです。
ブラウジングやオフィス作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、余裕でクリアしており、スコア5000台前半の高いスコアをマーク。動画・画像編集などヘビーな作業にも対応できます。
なお、Ryzen 7との差は、総合スコアでわずか4%程度ですが、編集系のスコアでは約11%と差がついており、編集作業の機会が多い方は、やはりRyzen 7がおすすめです。
動画エンコード
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・VCEでエンコードしています。なお、VCEはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE |
Ryzen 5 5600U | 26:45 | 13:57 | 3:03 |
Ryzen 7 5800U | 24:01 | 12:17 | 3:10 |
CPU勝負のソフトウェアエンコード(1Pass・2Pass)ではRyzen 7 5800Uが高いパフォーマンスを発揮し、Ryzen 5 5600Uよりも約10~12%早く変換を完了します。一方、VCEはRyzen 5が早いものの、その差は約4%と小さめです。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE |
Ryzen 5 5600U | 40:17 | 19:51 | 2:44 |
Ryzen 7 5800U | 41:26 | 20:33 | 2:53 |
こちらは重量級のH.265での結果ですが、ソフトウェアエンコードでもRyzen 5 5600Uが逆転。ただし、その差は約3%とほぼ互角。また、VCEでもRyzen 5が早く変換を完了していますが、その差は約5%差とやはり小さめです。
画像変換
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Ryzen 5 5600U | 1:17 | 5:07 |
Ryzen 7 5800U | 1:05 | 3:48 |
CPU勝負の画像変換では、Ryzen 7がコンスタントに有利。軽めのDNG変換では約16%、重量級のJPEG変換でも約26%早く変換を終え、動画変換よりも差が大きくなっています。
基本的にはRyzen 5で十分ですが、編集作業、特にRAW現像の機会が多いならRyzen 7がおすすめです。
ドラクエ10
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
HD | 13986 | 18678 | 20135 |
フルHD | 6805 | 10113 | 11386 |
オンラインゲームの中でもずば抜けて軽いので、フルHDでも標準品質ならスコア5500を超えることができます。最近の内蔵グラフィックは性能が大幅に進化していますが、フルHDレベルならドラクエ10など、かなり軽めのものに限られます。
FF14(ファイナルファンタジー14 暁月の終焉)
知名度バツグンの国内産MMORPGですね。スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。現行のゲーミングPCであれば、フルHD・最高設定でスコア9000をしっかり超えたいところ。
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
HD | 3565 | 4691 | 5799 |
フルHD | 1853 | 2484 | 3135 |
重めのゲームなので、いずれの設定でもスコア9000オーバーならず。ただ、以前の内蔵グラフィックでは考えられないほどスコアが高く、だいぶ進化しています。
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは256GB SSDを搭載したシングルストレージ構成です。100GB未満しか使えない128GB SSDとは違い、容量に余裕があるので、データ類を多めに保存することができます。もちろん、SSDは通常タイプよりも4~5倍速いNVMeタイプのSSDを採用し、メーカーはSK hynixとなっています。
その実力ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書きはおおむね2000~3000MB/s台と爆速!一方、ランダムは標準的な速度となっており、トータルで見ると、中の上クラスのNVMe SSDといったところです。
もちろん、OSの起動からブラウジング、各種アプリの動作にいたるまでサクサク動いて、とても快適です。
温度
CINEBENCH R23実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
フルロード時で90℃台をマーク。高めではありますが、100℃までなら許容範囲内。また、オフィス作業など、通常使用なら50~70℃台とそこまで高くならないので、そこまで気にする必要はありません。
動作音
CINEBENCH R23実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ
50デシベルを超えるとノイズが気になるようになりますが、ピーク時で49.9デシベルとほぼきっかり。ファンは高速回転していますが、耳障りな甲高いファンノイズは控えめなので、そこまで気になりません。ただ、このノイズレベルなら、もう少し冷却面は頑張ってほしかったところですね。
ちなみに最小時では46.7デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:HP Optimized、より良いバッテリー
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約14時間をマークし、モバイルノートの目安である10時間を大きく超えています。さすがに耐久性を売りにしているビジネスモデルなだけあり、一般モデルとは格が違いますね。バッテリーの持ちを特に重視するならおすすめです。
便利なユーティリティー機能
パソコンの管理ツールとして”HP サポートアシスタント”が用意されています。PCのアップデートや、診断機能が用意されており、ハードウェアのトラブルはまずこのツールで解決できます。
ビジネスモデルながらサウンドツールも用意されており、サウンドシーンに応じたモードに切り替えができるのはもちろん、イコライザーも用意されているので、好みの設定に変更することも可能です。
ちなみにスピーカー品質は、中音~高音メインで、低音は弱め。音質は軽めということもあり、迫力にやや欠けます。内蔵タイプにしては標準的なクオリティといったところですね。
まとめ&関連モデル
1kg前後ともなると、片手でラクラク持てるので、持ち運びがとてもラク。さらに、14時間というロングライフバッテリーで、出先でも安心して使えるのは頼もしい限りです。スタンダードモデルながら、デザインや機能面もしっかり造りこまれており、とても高いクオリティを実現しています。
高いセキュリティ機能を完備しつつ、8万円台(Ryzen 3搭載・キャンペーン価格)と安く、コスパも◎。HPの軽量モバイルノートでは、ダークホース的なモデルとなっています。
HP ProBook 635 Aero G8[Ryzen 3・256GB搭載モデル]
【スペック】
■OS:Windows 11
■ディスプレイ
13.3インチ フルHD ノングレア
■CPU:Ryzen 3 5400U
■メモリ:8GB(DDR4-3200)
■グラフィック:Radeon Vega RX 6(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 256GB(PCIe NVMe)
■【セールでさらにおトク】186,098円(税込)~
Ryzen 3 5400U搭載したベーシックモデルです。エントリクラスのCPUながら、4コア8スレッド構成なので、ブラウジングやオフィスなどの軽作業はもちろん、動画や画像編集まで一通りこなせます。価格は9万円台と安く、普段使いならこのモデルでOK。
HP ProBook 635 Aero G8[Ryzen 7搭載モデル]
【スペック】
■OS:Windows 11
■ディスプレイ
13.3インチ フルHD ノングレア
■CPU:Ryzen 75800U
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラフィック:Radeon Vega RX 8(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 512GB(PCIe NVMe)
■【セールでさらにおトク】294,998円(税込)~
Ryzen 7 5800U搭載したハイスペックモデルです。16GBメモリに512GB SSDの大容量構成で、動画や画像編集がよりはかどります。
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