今回HPの【HP Pavilion x360 14-dh0000 スタンダートモデル】をお借りしました。
スタンダートクラスの”Pavilionシリーズ”で唯一の2in1ノートです。洗練されたデザインと高いコスパが魅力の14インチノートをチェックしてみましょう。
スペック
※2020年3月14日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
外観
洗練されたデザイン
スタンダードクラスらしからぬ洗練されたデザイン&造り込みの高さが魅力のモデルです。
やわらかさを感じさせる、優雅なフォルムが魅力のボディです。継ぎ目を極力排したユニボディ構造も相まって、その美しさにいっそう磨きがかかっています。
ボディの一般的な樹脂製ではありますが、天板部分は梨地加工が施されており、落ち着きのある外観と、さらっとした上質なさわり心地を実現しています。
カラバリは高級感を感じさせるゴールド系となっています。いずれも淡い感じの色合いで、洗練された印象を受けますね。HPらしく配色センスの高さも◎。
細かい部分までしっかり作りこまれているのもポイント。スピーカー部の幾何学模様がアクセントになっており、とてもオシャレ。写真だとフラットに見えますが、凹凸のある立体的な造形に仕上がっています。
電源ボタンにはLEDのワンポイントを仕込む芸の細かさです。
持ち運びにも便利な14インチサイズ
ボディは14インチサイズですね。13インチと15インチの中間、持ち運びのしやすさと、画面の大きさを両立したサイズとして最近人気です。
ディスプレイのベゼル(ふち)をスリムにすることで、横幅と奥行きを圧縮し、A4ファイルサイズよりもやや大きいサイズに収めています。この大きさならカバンの収納もラクラクですね。
ただ、重さが実測で1638gとモバイルノートの目安である1.5kgを超えており、頻繁に持ち運ぶにはやや不向きといったところです。実際に手に取ってみても、ずしっとした重みを感じるレベルです。
フレキシブルに使える2-in-1タイプ
最近はやりの2-in-1ノートパソコンで、360°回転するコンパーチブルタイプとなっています。
イメージ画像のように使い方は自由自在!360°回転しタブレットとして、またテント型にして寝そべりながら動画を見るといった使い方もでき、まさにフレキシブル。
見ての通り、ヒンジ部分は頑丈に作られているので、任意の角度でびしっと止まります。
ちなみに、タッチ対応パネルは適度な滑らかさで感度もよく、スムーズで確実なタッチ操作ができます。まさにストレスフリーですね。
充実したインターフェース
スタンダードモデルらしく、インターフェースは一通りそろっています。
USBはオールUSB3.1で、大容量給電に対応したGen.1規格の計3ポートを搭載しています。ポートのバリエーションは、通常のType-A端子と小型&リバーシブルのType-C端子のどちらも搭載。周辺の機器の接続にはまず困りません。
画像出力にはメジャーなHDMIポート、さらに、SDスロットや指紋認証センサーも装備しています。
生体認証のため、ログインパスワードよりも安全。また、ログインの際わざわざパスワード入力することなく、とてもスムーズです。
ディスプレイ&キーボード
IPSパネル搭載
ディスプレイサイズは14.0インチぴったりで、解像度は標準的なフルHDです。HDよりも画素数が多い分、表示領域が広く、オフィスソフトでの作業もはかどります。
もちろんパネルはIPSパネルを搭載。コントラストが高く、発色に優れており、動画鑑賞などエンターテインメントコンテンツにも最適です。
また、視野角が広いので、タブレットモードなど様々な角度から使う機会の多い2-in-1タイプでは相性バツグン!
参考までに、パネルの型番(BOE082C)でスペックを調べてみました
クセのない使いやすいキーボード
キーボード面はアルミニウム素材を用いており、上品な仕上がりとなっています。キーボードそのものは13インチと同じく、テンキーは非搭載です。
キー配置は連結キーなどなく、すべて独立しており、配置そのものもクセがなく非常に素直。キーピッチは約19mmとデスクトップ並みのゆとりがあり、誤爆する心配はまずありません。
キーストロークはやや深めで、キーボード面はアルミ製ということもあり、剛性も◎。打鍵感を楽しみつつ、しっかりタイピングできます。
もちろん、トレンドの白色LEDを内蔵。ほんのり照らす上品な光り方で、本体イメージとしっかりマッチしています。もちろん、ファンクションキーでOFF+2段階の切り替えができ、LEDが苦手な方でも安心。
滑らかなタッチパッド
タッチパッドはクリックボタンとパッド部分が一緒になった、オーソドックスな一体型となっています。
タッチパッドはサラサラしたさわり心地で、スムーズで確実な操作ができます。また、クリックボタンも軽い力でしっかり反応し、操作性も小さめ。一体型だと押し込んでもなかなか思うように反応しない…なんてこともありますが、そんな心配は全くありません。
なお、タッチパッドの四隅にはオシャレなダイヤモンドカット加工がされており、細かいところもぬかりなし。
便利なユーティリティー機能
デンマークの高級オーディオメーカー【BANG & OLUFSEN】のサウンドエンジンを採用しています。スタンダードモデルということで、ライト版の【B&O Play】となっています。付属アプリで自分の好みのサウンドにチューニング点は本家と同じです。
スピーカーの音質ですが、低音は弱めなものの、中・高音はよく伸び、しまりのある音質も相まって、クオリティは上々です。サラウンド効果も効いており、臨場感があるのもいいですね。
パフォーマンスやファン設定を調整する機能も搭載していますが、ON/OFFのみのシンプルなもの。しかしこれがなかなか優秀でして、性能を引き出しつつ、それでいて静か。これはON一択ですね。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
CINEBENCHは3Dグラフィックのレンダリングソフトで、CPUのシングル・マルチでの性能を測ることができます。


CPUはインテル製第8世代のCore i5-8265U搭載しています。4コア8スレッドのマルチコア・スレッド構成で、ブラウジングやオフィスソフトの軽作業からは、動画や画像編集など負荷の高い作業までしっかりこなせる、オールラウンダーな性能を発揮します。
参考までに2コア4スレッドのCore i3-8130U(下位モデルで搭載されているCore i3-8145Uの前身となるCPUで、性能差は約10%ほど)と比較してみると、シングル性能は約22%、マルチ性能ともなると約53%も性能が高くなっています。
PCMark 8&PCMark 10
PCMark8は動画再生やブラウジング、ビデオチャット、動画・画像編集など、一般的なノートパソコンで想定される用途での性能を測るソフトです。
まさにオールラウンダーモデルにふさわしい性能で、いずれのテストでも現行ノートの標準的な性能指標よりも高いスコアをマークしています。
Core i3と比較してみると、軽めの”WORK”テストでは約5%程度とさほど変わりませんが、重量級の”CREATIVE”テストでは約35%もスコアが高く、動画や画像編集など負荷の高い作業でその真価を発揮します。ブラウジングやオフィスソフト、編集作業など一通りやりたい方は、まずCore i5がおすすめです。
あわせて上記のテストを一元化した【PCMark10】のスコアもチェックしてみましょう。ブラウジングや各種編作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、しっかりクリア。
総合スコアで比較すると、Core i3よりも約21%高いスコアをマーク。Core i3ではスコア3000に届かず、しっかり差別化できています。ブラウジングやオフィス程度の軽作業がメインなら、Core i3搭載モデルがおすすめといったところ。
ドラクエ10
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
HD | 6765 | 8075 | 9194 |
フルHD | 3502 | 4621 | 5505 |
フルHDなら設定を大きく落とす必要があり、HDが実用的な解像度となります。ばつぐんの軽さを誇るドラクエでこの結果なので、内蔵グラフィックでオンラインゲームはまだまだ厳しいですね。
PSO2
こちらはやや軽めのゲームです。エピソード4にてグラフィック描写が「設定6」に引き上げられましたが、それでもやはり軽いことに変わりありません。スコア4500以上で平均60fpsをキープできます。
設定6 | 設定5 | 設定4 | 設定3 | |
HD | 933 | 2271 | 2361 | 4222 |
フルHD | 302 | 884 | 936 | 1660 |
PSO2もかなり軽めのゲームではありますが、いずれの設定でもスコア4500に届かず。やはり厳しいです。
FF14
おなじみの重量級ベンチマークです。スコア7000以上で【非常に快適】となり、スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
HD | 1705 | 2363 | 2887 |
フルHD | 830 | 1217 | 1582 |
言わずもがなといったところで、一応動かせるといったレベルですね。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。PCの性能指標として、参考まで。
総合スコア | Graphics Score | CPU/Physics Score | Combined Score | |
Time Spy | 404 | 353 | 2232 | ー |
Fire Strike | 960 | 1045 | 7352 | 330 |
Night Raid | 4486 | 4578 | 4028 | ー |
Sky Diver | 3975 | 3749 | 5904 | 3834 |
Cloud Gate | 7119 | 8013 | 5122 | ー |
Ice Storm | 49720 | 54404 | 38208 | ー |
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは256GB SSDのみのシングルストレージ構成となっています。128GBだと実質使える容量が100GB未満なので、やはり256GBあると安心ですね。
SSDは定番の東芝製で、通常タイプよりも4~5倍速いNVMeタイプのSSDを採用しています。肝心の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み込みこそ4ケタをマークしているものの、それ以外はさほど伸びず、スタンダードなNVMe SSDといったところです。
ともあれ、SSDクラスともなると数値の差で体感速度が変わるわけではなく、あまり気にする必要はありません。実際の動作ですが、ブラウジングや各種アプリの動作もキビキビしており、とても快適です。
温度
FF14実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
ピーク時でも60℃前後と低めの温度をきっちりキープ。4コア8スレッドCPUながらよく冷えており、冷却性能は優秀です。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ


50デシベルを超えるとノイズが気になるようになりますが、この通りピーク時でも50デシベル以下とかなり静かですね。実際サーっとした感じのファンノイズでほとんど気にならないレベル。”Cool Sense”での制御がうまくできているようですね
ちなみに最小時では45.9デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。
バッテリー持続時間
モバイルノートということで、「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。
条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:HP推奨、より良いバッテリー
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約8時間40分でした。モバイルノートとして使えるラインはしっかり超えています。より長くということであれば、省エネの電源プランを作成するのもいいでしょう。
まとめ&関連モデル
美しいデザインに細やかな造形美ースタンダードモデルながらクオリティにしっかりこだわる姿勢は、さすがHPといったところですね。IPSパネルや指紋認証センサーなど機能面も充実しており、この内容で7万円台からはかなり安く、コスパもばつぐん。
2in1ノートでデザインにこだわる方にまずおすすめのモデルです。
HP Pavilion X360 14-dh0000[ベーシックモデル]
【スペック】
■OS:Windows 10
■ディスプレイ
14.0インチ フルHD グレア IPS タッチ対応
■CPU:Core i3-8145U
■メモリ:4GB(DDR4-2400)
■グラフィック:UHD 620(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 128GB(PCIe NVMe)
■【キャンペーンでさらにおトク】79,800円(税込)~
ブラウジングやオフィス作業、動画鑑賞などの軽作業であれば、2コア4スレッドのCore i3で十分。なんといっても安い!
なおメモリが4GBと最低限なので、各種アプリを同時に複数動かすなど、マルチタスク重視であれば8GBに増やすのがおすすめ。
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