今回HPの【HP Pavilion Aero 13-be0000 パフォーマンスモデル】をお借りしました。
Pavilionシリーズにもついに超軽量モバイルノートが登場!圧倒的なコスパを誇る13インチモデルをチェックしてみましょう。
スペック
※2022年3月15日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
外観
1kg以下の超軽量ボディ
このモデルの最大のポイントは圧倒的な軽さで、実測959gと1kgを下回っています。さすがに1kg以下ともなると、さほど重さを感じず、片手でラクラク持つことができます。パソコンとは思えない感じですね。
軽さの秘訣ですが、ボディの素材にはマグネシウム合金を採用。アルミニウムよりも軽く、それでいてタフということで、モバイルノートでよく使われる素材となっています。
素材もさることながら、ボディもコンパクト。ディスプレイのベゼル(ふち)を上下左右にスリムにすることで、横幅と奥行きを圧縮。
その大きさは、A4用紙と同等となっており、A4ファイルサイズとは比べるまでもありません。さらに、厚さも最薄部で16.9mmとスリムなので、カバンにサッと収納でき、携帯性はバツグンです。
機能美重視のシンプルなデザイン
HPといえば、他社とは一線を画すデザインセンスですが、細かい加工に不向きなマグネシウム合金ということで、だいぶシンプル。
ストレートボディにロゴのみと、使う人を選ばない機能美重視のデザインとなっています。ただし、細かい造形美にはしっかりこだわっており、パーツの継ぎ目を極力排除した”ユニボディ”構成というのがポイント。
底面のネジすら省略する徹底ぶりで、一体感のある美しいフォルムを実現。一体型なので剛性も高く、実用面もぬかりありません。
カラバリは、清潔感あふれるセラミックホワイトと、華やかなピンクベージュの2色を用意。
貸出機のセラミックホワイトでは、天板に”AED(アニオン電着塗装)加工”が施されています。
AED加工では通常の塗装よりも塗装面が滑らかになり、外観の美しさはもちろん、ひっかき傷に強く、指紋がつきにくくなるなど、高い耐久性をあわせて実現しています。ノートは触れる機会が多いので、これは嬉しいですね。
リフトアップヒンジ搭載
機能面もしっかり考えられており、”リフトアップヒンジ”を搭載しています。リフトアップヒンジとは画面を開いたときに、ボディがせり上がるギミックのこと。
適度な傾斜ができるためタイピングしやすくなるほか、接地面とパソコンの間にすき間が空くことで、給排気がスムーズになり、冷却能力もアップします。下にノートPCクーラーを置いているようなもので、熱い夏場でも安心。
ポイントをおさえたインターフェース
USBは全3ポートと、モバイルノートでは標準的な数を装備。左サイドに搭載された小型&リバーシブルのType-Cポートは、最大10Gbpsの高速転送に対応し、DisplayPort出力もできる高規格タイプとなっています。もちろん、通常のType-Aポートも装備しており、あらかたの周辺機器を接続可能です。
そのほか画像出力用のHDMIポートを装備し、モバイルノートで必要なものは一通りそろっています。
ちなみに、キーボード右下には指紋認証センサーを装備。本人認証のため、ログインパスワードよりも安全。また、ログインの際わざわざパスワード入力することなく、とてもスムーズです。
なお、カメラ部分のプライバシーシャッターは非搭載となっています。これは最近のモデルではトレンドになりつつあるので、できれば欲しかったところですね。
ディスプレイ&キーボード
IPSパネル搭載の高品質ディスプレイ
ディスプレイサイズは13.3インチサイズで、解像度はWUXGA(1920×1200)となっています。
また、ディスプレイ比率は16:10というのもポイント。主流の16:9タイプよりもやや縦長なので、一度に表示できる情報量が多く、スクロールの手間が省けるのは便利ですね。ちなみに、表面は映り込みの少ないノングレアタイプなので、自分の顔とにらめっこすることなく作業に集中できます。
パネルには高コントラスト・高発色・高視野角の3点を兼ね備えた、IPSパネルを採用。400nitの高い輝で画面はとても明るく、動画鑑賞などを思う存分堪能できます。
ちなみに、色域はsRGBを100%カバーしており、スタンダードモデルにしては広めの色域を確保しています。プロ向けとはいかないものの、動画や画像編集にも最適です。
完成度の高いキーボード
キーボードは13インチボディということで、テンキーレス仕様となっています。
横幅を目いっぱい使うことで、基本的なキーにプラスして、右サイドにブラウジングなどに便利なキーを配置。もちろん、各キーは大きく造られ、キーピッチも約19mmとデスクトップキーボード並みの間隔を確保しており、ゆとりがあります。
さらに、配置そのものも無理なく素直ということもあり、誤爆の心配はまずありません。気を付けるとしたら電源ボタンくらいですが、ほかのキーより硬めで、しっかり押さないと反応しないので、そこまで心配する必要はありません。
また、キーストロークも深めに確保され、打鍵感を楽しみつつ快適にタイピングできます。さらに、アルミ製のキーボード面は剛性が非常に高く、たわみ知らず。
もちろん、トレンドの白色LEDを内蔵しています。華やかな輝きで高級感があります。もちろん、ファンクションキーでOFF+2段階の切り替えができ、LEDが苦手な方も大丈夫。
滑らかなタッチパッド
キーボードもさることながら、タッチパッドの完成度も◎。
さらにタッチパッドの操作性もバツグン。サラサラした素材でカーソル操作はとてもスムーズです。クリックボタンの反応も良く、軽い操作で反応し、動作音も非常に静かなのもグッド。
一体型では完成度にムラがありますが、しっかり造りこまれていますね。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。


このモデルでは、AMDの第5世代ハイスペックCPU・Ryzen 7 5800Uを搭載しています。下位のRyzen 7 5700Uと同じ8コア16スレッド構成ですが、最新世代の”ZEN 3”アーキテクチャを採用しており、シングル性能が大きく向上しています。
参考までに、Ryzen 7 5700Uと比較してみると、シングル性能は約23%も向上し、200cbを突破。インテルCPUに引けを取らない性能を発揮します。なお、マルチ性能はイマイチ振るわず、逆に約12%低くなっています。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。
このCPUは、高性能のグラフィック・Radeon Graphicsを内蔵しています。とてもよくスコアが伸びてていますが、インテルの高性能内蔵グラフィック・Iris Xe Graphicsに比べ、スコアはワンランク落ちてしまいます。
総合スコア | Graphics Score | CPU/Physics Score | Combined Score | |
Time Spy | 1254 | 1102 | 5837 | ー |
Fire Strike | 3071 | 3329 | 17273 | 1092 |
Night Raid | 13253 | 14420 | 9088 | ー |
Sky Diver | 11095 | 10785 | 14072 | 10077 |
Cloud Gate | 20805 | 25688 | 12494 | ー |
Ice Storm | 137739 | 190245 | 70062 | ー |
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測るソフトです。
動画や画像編集用途でも使うのであればスコア3000がボーダーとなりますが、余裕でクリア。スコア5000半ばと、ゲーミングノートにも匹敵する高いスコアをマークしています。
なお、Ryzen 7 5700Uとの差は、総合スコアで約5%と小さめ。マルチ性能が重要となる編集系テストではほぼ互角ですが、シングル性能が重要となるブラウジングやアプリの動作テストでは、最大約22%と大きく差をつけています。
動画エンコード
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・VCE/QSVでエンコードしています。なお、VCEはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE |
Ryzen 7 5800U | 24:01 | 12:17 | 3:10 |
Ryzen 7 5700U | 24:21 | 12:34 | 3:17 |
CPUを利用したソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)、内蔵グラフィックを使用したハードウェアエンコードともに、両者ほぼ互角といったところで、その差は約1~4%となっています。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE |
Ryzen 7 5800U | 41:26 | 20:33 | 2:51 |
Ryzen 7 5700U | 46:20 | 23:13 | 2:53 |
一方、重量級のH.265では、ソフトウェアエンコードでRyzen 7 5800Uが高いパフォーマンスを発揮。両者の差は約11%と大きくなります。
なお、ハードウェアエンコードについては変わらず、ほとんど差がありません。
画像変換
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Ryzen 7 5800U | 1:05 | 3:48 |
Ryzen 7 5700U | 1:33 | 5:47 |
画像変換はCPU勝負となりますが、同じ8コア16スレッドでも大きく差がつき、Ryzen 7 5800UはRyzen 7 5700Uよりも約30~34%も早く変換を完了しています。
パフォーマンス重視なら、Ryzen 7 5800Uがだんぜんおすすめですね。
ドラクエ10
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
フルHD | 9067 | 12710 | 14758 |
Iris Xe Graphicsには及ばないものの、内蔵グラフィックにしては性能が高く、フルHD・最高品質でスコア9000台をマーク。超軽量級のゲームならフルHDでも楽しむことができます。
FF14(ファイナルファンタジー14 暁月の終焉)
知名度バツグンの国内産MMORPGですね。スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。現行のゲーミングPCであれば、フルHD・最高設定でスコア9000をしっかり超えたいところ。
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
HD | 5173 | 6648 | 8117 |
フルHD | 2825 | 3752 | 4787 |
重めのゲームなので、いずれの設定でもスコア9000オーバーならず。ただ、以前の内蔵グラフィックでは考えられないほどスコアが高く、だいぶ進化しています。
CrystalDiskMark
”CrystalDiskMark”は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックするソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは512GB SSDを搭載したシングルストレージ構成です。256GBのさらにその上を行く容量の多さで、動画や画像などかさばるデータ類も多めに保存することができます。もちろん、SSDは通常タイプよりも4~5倍速いNVMeタイプのSSDを採用し、メーカーはサムスンとなっています。
その実力ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み込みでは一部3000MB/sオーバーと爆速ですが、それ以外は1000MB/sと標準的な速度をマーク。また、ランダムも標準的な速度となっており、トータルで見ると、スタンダードクラスのNVMe SSDといったところです。
もちろん、OSの起動からブラウジング、各種アプリの動作にいたるまでサクサク動いて、とても快適です。
温度
CINEBENCH R15実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
薄型ボディに8コア16スレッドCPUを搭載していますが、ピーク時でも60℃台と低めの温度をキープ。100%のフルロードでこの温度なので、冷却性能は優秀です。
動作音
CUNEBENCH R15実行時に、PC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ


50デシベルを超えるとノイズが気になるようになりますが、ピーク時で48.8デシベルと、しっかり下回っています。冷却ファンは高速で回転していますが、ファンノイズはだいぶ控えめで、ほとんど気になりません。
なお、最小時は46.9デシベルとありますが、アイドル状態なので、ほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:トップクラスの電力効率
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は、約10時間10分と、モバイルノート目安となる10時間をしっかり超えています。スタンダードモデルながらバッテリーはよく持つので、出先でも安心して使えます。
便利なユーティリティー機能
パソコンのサポートツールとして”HP Support Assistant”が用意されており、ハードウェアの診断からサポートまでワンストップで実行できます。
海外メーカーのモデルらしく、サウンドにもこだわっており、デンマークの高級オーディオメーカー”BANG & OLUFSEN”のサウンドエンジンを採用しています。
肝心のサウンドクオリティですが、低音~高音域までしっかり伸び、クリアで厚みのある音質ですね。サラウンド効果もよく効いているので、迫力もバッチリ。スタンダードモデルでこのクオリティは、正直驚きです!
まとめ&関連モデル
900g台の超軽量ボディに、高品質ディスプレイやバックライト付きキーボード、指紋認証センサーなどを装備し、まさに至れり尽くせり。それでいて価格は9万円台~と安く、コスパが非常に優れています。モバイルノートで軽さにとことんこだわるなら、このモデルがまずおすすめです。
HP Pavilion Aero 13 スタンダードモデル
【スペック】
■OS:Windows 11
■ディスプレイ
13.3インチ WUXGA ノングレア IPS
■CPU:Ryzen 5 5600U
■メモリ:8GB(DDR4-3200)
■グラフィック:Radeon Vega RX 7(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 256GB(PCIe NVMe)
■【セールでさらにおトク】114,400円(税込)~
Ryzen 5 5600U搭載したスタンダードモデルです。ミドルクラスCPUながら、6コア12スレッド構成なので、動画や画像編集をサクサク快適にこなせます。価格は9万円台と安く、普段使いならこのモデルでOK。
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