今回HPの【HP Pavilion 15-eg0000 パフォーマンスモデル】をお借りしました。
品質の高さと価格の安さを両立した、HPで人気の15インチスタンダードノートをチェックしてみましょう。
スペック
※2020年9月3日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
外観
洗練されたデザイン
セラミックホワイト×シルバーの清潔感のある美しいツートンカラーが印象的なボディです。ミドルクラスモデルではありますが、その存在感は高級モデルそのもの。
天板の素材には、高い質感を誇るアルミニウムを採用し、さらに”AED(アニオン電着塗装)加工”を施す徹底ぶりです。
AED加工では通常の塗装よりも塗装面が滑らかになり、外観の美しさはもちろん、ひっかき傷に強く、指紋がつきにくくなるなど、高い耐久性をあわせて実現しています。ノートは触れる機会が多いので、これは嬉しいですね。
カラーもさることながら、デザインも秀逸。曲線主体のフォルムに、パーツの継ぎ目を極力排除した”ユニボディ”構成とすることで、一体感のある優美なフォルムに仕上がっています。一体型なので剛性も高く、実用面もぬかりありません。
細部もしっかり造りこまれ、タッチパッドや指紋認証センサー周りは、ダイヤモンドカット加工で美しく仕上げています。
なお、カラバリはセラミックホワイトのか、フォグブルーが用意されています。こちらは深みのある青色でとても上品。センスの高さを感じさせます。
スタイリッシュなスリムボディ
15インチモデルにしてはコンパクト&軽量なのもポイント。
ディスプレイのベゼル(ふち)をスリム仕様にすることにより、横幅と奥行きを圧縮し、従来の15インチモデルよりもコンパクトなボディを実現しています。
また、見た目もスッキリし、スタイリッシュなイメージに仕上がっています。
コンパクトな分ボディの重さも軽く、実測で1710gと、2kgを大きく下回っています。サイズ的にも、さすがにモバイル用として使うのは厳しいものの、ちょっとした持ち運びに便利ですね。
リフトアップヒンジ搭載
機能面もしっかり考えられており、”リフトアップヒンジ”を搭載しています。リフトアップヒンジとは画面を開いたときに、ボディがせり上がるギミックのこと。
適度な傾斜ができるためタイピングしやすくなるほか、接地面とパソコンの間にすき間が空くことで、給排気がスムーズになり、冷却能力もアップします。下にノートPCクーラーを置いているようなもので、熱い夏場でも安心。
ポイントをおさえたインターフェース
スリムモデルなのでLANポートは非搭載ですが、基本的なインターフェースは一通りそろっています。
USBは全3ポート搭載し、15インチにしては最小限といったところ。左サイドに搭載された小型&リバーシブルのType-Cポートは、最大10Gbpsの高速転送に対応し、DisplayPort出力もできる高規格タイプとなっています。もちろん、通常のType-Aポートも装備しており、あらかたの周辺機器を接続可能です。
そのほか画像出力用のHDMIポートやmicroSDスロットを装備し、普段使いに便利。
ディスプレイ&キーボード
IPSパネル採用
ディスプレイサイズは15.6インチサイズで、解像度は現在主流のフルHDとなっています。HDよりもきめ細かい画面表示ができるほか、表示領域が広く、オフィスソフトでの作業もはかどります。
パネルにはIPSパネルを採用。高コントラスト・高発色・高視野角の3点を兼ね備え、さらに透明感のあるグレアディスプレイも相まって、美しい映像を堪能することができます。動画鑑賞などエンターテインメント用途にも最適です。
この通り、横から覗いても色ムラはほとんどありません。
ちなみに、タッチ操作にも対応しています。表面はとても滑らかで、カーソル&タッチ操作はとてもスムーズ。ただ、2in1タイプとは違い、ディスプレイを開いたままのタッチやペン操作はどうにも安定しません。「あれば便利」くらいといったところですね。
操作性に優れたキーボード
ワイドな15インチボディなので、テンキー付きのフル規格キーボードとなっています。
キーはすべて独立し、配置そのものは非常に素直。テンキーはクセがなく、使いやすいのはグッドですね。キーピッチは約18.5mmとゆとりがあり、操作性は上々です。
なお、Deleteキーの横に電源ボタンが配置されていますが、ボタンそのものは固めで、しっかり押し込まないと反応しないようになっており、誤爆の心配はまずありません。
キーストロークはノートにしては深め&反発もしっかり感じられ、タイピングは快適そのもの。
最近のはやりをバッチリおさえており、白色LEDをバッチリ内蔵しています。ふわっと上品に光な光り方で、洗練されたデザインとの相性は。もちろん、ファンクションキーでOFF+2段階での切り替えが可能です。
滑らかなタッチパッド
キーボードだけでなく、タッチパッドの完成度も高いのがポイント。
タッチパッドはサラサラした材質で、適滑りすぎずスムーズなカーソル操作が可能です。また、クリックボタンも柔らかく、軽い力で反応し、動作音も非常に静か。特にクリックボタンは、ミドルクラスモデルらしからぬ静かさなので、まさにお値段以上の完成度となっています。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。


このモデルでは、インテルの最新世代となる、第11世代の4コア8スレッドCPU・Core i7-1165G7を搭載しています。最新世代では強力な内蔵グラフィック機能・Iris Xe Graphicsを搭載しているのがポイント。従来の内蔵グラフィックを軽く凌ぐ高い性能で、編集作業から軽めのオンラインゲームまで対応できます。
下位モデルで搭載されている、同じく4コア8スレッドのCore i5-1135G7と比較してみても、シングル性能はほぼ互角ですが、マルチ性能は約18%高く、動作クロックの差がしっかり出ています。
ただ、電源アダプタが45Wのため出力が小さく、65W版に比べると性能はやや低めな感じですね。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)・RT(Port Royal)それぞれの条件で測定することができます。
鳴り物入りで登場した”Iris Xe Graphics”の実力ですが、下位の内蔵グラフィック・UHD Graphicsの約2.5倍にもなる破格の性能となっています。
総合スコア | Graphics Score | CPU/Physics Score | Combined Score | |
Time Spy | 1375 | 1240 | 3609 | ー |
Night Raid | 12208 | 14881 | 6051 | ー |
Fire Strike | 3448 | 3919 | 9786 | 1201 |
Sky Diver | 11744 | 12737 | 8650 | 11205 |
Cloud Gate | 15253 | 24006 | 6702 | ー |
Ice Storm | 77173 | 85998 | 56781 | ー |
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測る定番ソフトです。
ブラウジングや各種編作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、スコア4000後半の高いスコアをマークしており、パワーは十分。ブラウジングやオフィス作業などの軽作業はもちろん、動画・画像編集にもしっかり対応できます。
なお、Core i5-1135G7との差は、総合スコアで約7%となっています。
動画エンコード
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・QSVでエンコードしています。なお、QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i7-1165G7 | 48:08 | 23:22 | 3:16 |
Core i5-1135G7 | 49:21 | 25:21 | 3:16 |
まず軽めのH.264をチェック。CPU勝負のソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では、Core i7が有利ですが、その差は最大約8%にとどまり、QSVでは全く同じ結果となっています。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i7-1165G7 | 1:15:12 | 37:17 | 3:51 |
Core i5-1135G7 | 1:15:22 | 37:09 | 4:05 |
重量級のH.265ではその差が縮まり、ソフトウェアエンコードではCore i5に逆転されるなど、ほぼ互角。QSVでも両者の差は約6%と小さめです。
画像変換
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Core i7-1165G7 | 1:13 | 3:44 |
Core i5-1135G7 | 1:19 | 3:50 |
Core i7がCore i5よりも早く変換を完了していますが、軽めのDNGでは約8%、重量級のJPEG変換では約3%差と、やはり10%以内となっています。
Core i7といえども、45Wではどうにもパワー不足な感じが否めず、基本的にはCore i5で十分ですね。
ドラクエ10
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
フルHD | 9549 | 11839 | 13285 |
内蔵グラフィックにもかかわらず、フルHDでスコア9000台をマーク。UHD Graphicsだと標準品質でもスコア5500すらきわどいので、パワーは段違いですね。
FF14(ファイナルファンタジー14 暁月の終焉)
知名度バツグンの国内産MMORPGですね。スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。現行のゲーミングPCであれば、フルHD・最高設定でスコア9000をしっかり超えたいところ。
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
HD | 4524 | 6076 | 7193 |
フルHD | 2308 | 3161 | 3899 |
重めのゲームなので、いずれの設定でもスコア9000には届かず。フルHDでオンラインゲームを楽しめるのは、ドラクエ10やVALORANTなど軽めのものに限られ、基本的にはHDが適正レベルです。
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは、超大容量の1TB SSDを搭載したシングルストレージ構成です。SSDオンリーですが、512GBのさらにその上を行く圧倒的な容量なので、動画や画像などデータ類も多く保存することができます。編集作業にもうってつけですね。
SSDは通常タイプよりも4~5倍速いNVMeタイプのSSDで、サムスンのものを採用しています。肝心の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書き速度はいずれも4ケタをマークし、一部2000MB/sをオーバー。またランダムもしっかり速度が出ており、派手さはありませんが、コンスタントに速い感じです。
実際の使用感も、OSの起動からブラウジング、各種アプリの動作にいたるまでサクサク動いて、とても快適。
温度
ドラクエ10実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
薄型ボディにCore i7を搭載していますが、ピーク時でも70℃前後で安定して冷却しています。冷却性能は十分高く、夏場でも安心して使えます。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ


50デシベルを超えるとノイズ感が出てきますが、この通りピーク時でも48.7デシベルと下回り、かなり静かです。もちろんファンは高速回転していますが、それをあまり感じ差せない静かさです。
なお、最小時は46.9デシベルとありますが、アイドル状態なので、ほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:バランス、より良いバッテリー
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は、約8時間をマーク。10時間には届きませんが、モバイルノートではないので、5時間を超えれば十分ですね。
便利なユーティリティー機能
パソコンのサポートツールとして”HP Support Assistant”が用意されており、ハードウェアの診断からサポートまでワンストップで実行できます。
ビジネスモデルながらサウンドにもこだわっており、デンマークの高級オーディオメーカー”BANG & OLUFSEN”のサウンドエンジンを採用しています。
肝心のサウンドクオリティですが、低音~高音域までしっかり伸び、厚みのある音質ですね。サラウンド効果もしっかり効いているので、迫力もバッチリ。海外メーカーらしく、クオリティは上々です。
まとめ&関連モデル
オシャレで洗練されたデザインは、細部までしっかり造りこまれており、ミドルクラスモデルらしからぬ高いクオリティを実現しています。
装備の充実ぶりもさることながら、CPUの性能も高く、大容量メモリ&SSDも相まって、動画や画像編集もサクサクこなすことができます。予算を重視しつつ、クオリティにもこだわりたい方におすすめの15インチモデルです。
なお、基本的にはCore i5でも十分ですが、完売となっているので、下記の兄弟モデルがおすすめ。
Pavilion 15-eh0000 スタンダードモデル
【スペック】
■OS:Windows 10
■ディスプレイ
15.6インチ フルHD グレア IPS タッチ対応
■CPU:Ryzen 5 5500U
■メモリ:8GB(DDR4-3200)
■グラフィック:Radeon Vega RX 6(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 512GB(PCIe NVMe)
■【セールでさらにおトク】125,400円(税込)~
AMD製のCPUを搭載した、兄弟モデルです。CPUの性能が高く、ミドルクラスCPUながら、6コア12スレッドのパワーで、Core i7以上の性能を発揮します。それでいて価格が安いので、まさに穴場的なモデルとなっています。
あわせて知りたい
3ステップでわかるノートPC+α