今回HPの【ENVY x360 15-cp0000】をお借りしました。
プレミアムモデル”ENVYシリーズ”の15インチ2-in-1ノートで、大人気の13インチバージョンの兄弟モデルにあたります。上質なデザイン・高い性能・コスパはやはり健在。さっそくチェックしてみましょう。
スペック
※2019年6月15日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
外観
上質なデザイン
ボディには上質なアルミニウム素材を使用しており、表面には非光沢の梨地加工が施されています。落ち着きのある外観もさることながら、適度に滑らか、しっとり手になじむ上質な触感を実現しています。
ボディの厚さも最薄部で19mmとかなり薄く、見た目も非常にスタイリッシュ。
デザインのクオリティも高く、直線主体のフォルムにエッジ加工を織り交ぜ、スマートなデザインに仕上げています。
ヒンジ部分には、高級な包丁やナイフにも使われる”ダマスカス鋼”の模様でアクセントをつけているのもポイント。地味すぎず派手すぎずの絶妙なデザインと、深みのあるブラックカラー【アッシュブラック】も相まって、知的な印象に仕上がっています。
もちろん細かい部分の造形美もぬかりなく、スピーカー部はオシャレな幾何学模様で、電源ボタンはLEDラインで装飾されています。このあたりの芸の細かさは、さすがデザインのHPといったところです。
フレキシブルに使える2-in-1タイプ
最近はやりの2-in-1ノートパソコンで、360°回転するコンパーチブルタイプとなっています。
360°回転しタブレットとして、またテント型にして寝そべりながら動画を見るといった使い方もでき、まさにフレキシブル。ヒンジ部分の安定感も高く、無段階稼働で任意の角度にピタッと止まります。
パネル表面は滑らかですが適度に抵抗があり、滑りすぎず確実にタッチ操作ができるのはグッド。
もちろん、キーボードを180°以上回転させるとキーボードが動作しなくなるので、誤操作の心配もありません。
ポイントをおさえたインターフェース
LANポートや光学ドライブは非搭載ですが、それ以外は一通りそろっています。
USBはオールUSB3.1構成で3ポート搭載されています。そのうちの1ポートは、最大10Gbpsの高速転送が可能な【Generation2】規格で、小型&リバーシブルのType-Cポートとなっています。
ポートの数こそ最低限ではありますが、通常タイプのType-Aポートも用意されているので、あらかたの周辺機器を接続できるのがいいですね。
そのほか、microSDスロットやボリューム調整ボタン、さらに画像出力用のHDMIポートも完備するオールインワン仕様で、普段使いにはまず困らない便利な内容となっています。
ディスプレイ&キーボード
IPSパネル搭載
ディスプレイはオーソドックスな15.6インチサイズです。ディスプレイのベゼル(ふち)はスリム仕様となっており、野暮ったさが無くとてもスタイリッシュ。
解像度は主流のフルHDとなっており、発色&コントラストに優れたIPSパネルを搭載しています。光沢のあるグレアパネルとの相乗効果で、美麗な映像を楽しむことができます。動画鑑賞にも最適ですね。
またIPSパネルは視野角が広いのもポイント。姿勢によって色味が変わらず、様々なモードで使える2-in-1パソコンとの相性はバツグンです。
白色LED内蔵キーボード搭載
標準的な15インチボディということで、テンキー付きのキーボードを搭載しています。
ご覧の通り各キーは整然と並べられ、クセが無く非常に素直な配列です。キーピッチもしっかり約18mm確保されており、誤爆の心配はまずありません。
キーストロークもやや深めなので、打鍵感を楽しみながら快適にタイピングできます。キーボード面の剛性も高く、タイピング圧力が強い方でも安心して使えます。
キーボードには白色LEDを内蔵しており、トレンドはしっかり押さえてあります。華やかな輝きで高級感があり、薄暗い場所でタイピングしやすくなるのもいいですね。ちなみに、ON/OFFはファンクションキーで切り替えられるようになっています。
スムーズなタッチパッド
タッチパッドの完成度も高く、幅広仕様なので操作性にゆとりがあります。また、つるつるした材質になっており、カーソル操作も非常にスムーズ。
また、クリックボタンもバタつきなく軽い力で反応し、動作音も小さく操作感はバツグン。キーボード・タッチパッドともによく使うだけあり、この完成度の高さは嬉しいですね。
サウンドエンジン搭載
デンマークの高級オーディオメーカー【BANG & OLUFSEN】のサウンドエンジンを採用した、デュアルスピーカーを搭載しています。もちろん、付属アプリで自分の好みのサウンドにチューニング可能です。
スピーカーの音質ですが、中音域メインでどうにも物足りないです。こればかりは内蔵タイプなのでやむなしといったところ。音質重視ならイヤホン・ヘッドホンは必須!
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみましょう。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト「CINEBENCH」で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。


このモデルでは、AMDの4コア8スレッドAPU【Ryzen 5 2500U】を搭載しています。APUとは、ざっくりいうとCPUと高性能グラフィック機能をひとまとめにしたもの。グレードとしてはスタンダードレベルで、インテルでいうとCore i5に相当します。
同じく4コア8スレッドのインテルCPU【Core i5-8250U】と比較してみると、マルチ性能はRyzen 5が約12%、シングル性能はCore i5の方が約43%それぞれ高くなっており、トータルでは五分といったところ。
PCMark 8&PCMark 10
【PCMark 8】は動画再生やブラウジング、ビデオチャット、画像・動画編集など、一般的なノートパソコンで想定される用途での性能を測るソフトです。
グラフを見るとわかりやすく、現行の標準的なノートパソコンを大幅に超える性能となっています。重量級の【CREATIVE TEST】でも頭一つ抜けたスコアをマークし、あらゆる用途に対応できる高性能APUということがわかります。
なお、ライバルのCore i5と比べてみると、テストによってはRyzen 5の方がやや高いスコアをマーク。いい勝負ですね。
あわせて上記のテストを一元化した【PCMark 10】のスコアもチェックしてみましょう。
ブラウジングや各種編作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、ラクラク超えてきます。こちらもCore i5とほぼ互角ですが、3DゲームになるとRyzen 5の方が高い性能を発揮するようになります。
ドラクエ10


グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
結果はフルHD・最高品質でスコア7349(とても快適)となり、内蔵グラフィックにしてはとんでもなく高い性能です。インテルではフルHDだと低品質でやっとこさスコア5500を超えるので、まさに圧倒的。
PSO2
軽めのオンラインゲームです。スコア4500以上で平均60fpsをキープできます。
なんとフルHD・設定3でスコア6384をマーク。設定を落とす必要はあるものの、フルHDでこの結果は破格レベルです。インテルだとワンランク低いHD解像度に落としてやっとなので、いかに性能が高いかがわかります。
モンスターハンターフロンティアZ
こちらもPSO2と同じくらいの軽さのオンラインゲームです。スコア6000で平均60fpsをキープできます。
残念ながらフルHDではスコア6000を越えられず、HDにする必要があります。それでもこの結果は立派。
FF14
ゲーミングPC業界において、「標準ベンチマークソフト」ともいえるFF14ベンチマーク。スコア7000以上で【非常に快適】となり、スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。
さすがにこのクラスともなると内蔵グラフィックでは厳しく、HD・標準品質でもスコア6215どまりとなります。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。PCの性能指標として、参考まで。
総合スコア | Graphics Score | CPU/Physics Score | Combined Score | |
Time Spy | 844 | 753 | 2738 | ー |
Night Raid | 8542 | 10354 | 4290 | ー |
Fire Strike | 2350 | 2570 | 8611 | 860 |
Sky Diver | 8106 | 8440 | 7047 | 7568 |
Cloud Gate | 7599 | 16417 | 2639 | ー |
Ice Storm | 59382 | 73858 | 35221 | ー |
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックするソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。


このモデルは256GB SSD+1TB HDDのデュアルストレージ構成にカスタマイズしています。ゲームは高速のSSDに、データ類はHDDに入れるという便利な使い分けができ、とても便利です。
SSDは通常のSSDよりも4~5倍速いNVMeタイプのSSDというこだわりよう。メーカーは高速SSDでおなじみのサムスン製を採用しています。
肝心の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み込みが3000オーバー!書き込みもコンスタントに1000を超える爆速ぶりです。ブラウジングや各種アプリの動作、ゲームのロードにいたるまでサクサク動き、実際の動作も非常に快適。
温度
ドラクエ10実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
ピーク時で70℃前後といったところでしょうか。パワフルなAPUですが発熱は低め。しっかり冷却できていますね。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ


ピーク時で51.3デシベルと50デシベルをやや上回るレベルに収まっており、わりと静か。ファンは高速回転していますが、それをあまり感じさせないのはいいですね。
なお、最小時は45.9デシベルとありますが、アイドル状態なので、ほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。
条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:HP推奨、より良いバッテリー
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約8時間30分と5時間をきっちり超え、外に持ち運んで使うようなケースでも、安心して使うことができます。
まとめ&関連モデル
ムダのないシンプルで洗練されたフォルム&細部の造形美が見事に融合し、プレミアムモデルにふさわしいデザインに仕上がっています。このセンスの高さは流石としか言いようがありません。
Ryzen 5の性能も非常に高く、普段使いはもちろん軽いオンラインゲームまで動かすことができ、頼もしい限り。インテルに比べ価格も安く、コスパはバツグン!据え置きメインの2in1ノートが欲しい方にはぜひおススメのモデルです。
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